第329回 「バス便マンションの将来価値」

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このブログは原則として10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

筆者はこれまで「バス便立地のマンションは避けた方がよい」と主張してきました。しかし、これまでのバス便マンションは郊外立地の物件ばかりでした。の登場で、初めて東京駅から5kmもない場所に誕生するバス便マンションの値打ちが研究テーマとして筆者の中に急浮上してきたのです。

 

ただ、ご承知のとおり、晴海フラッグはまだ工事中の物件です。答えが出るのは、まだ5年も10年も先なのです

 

ここでは、具体の物件を提示しながら解説することは差しさわりがあるので、割愛しますが、筆者がかねて主張してきた「バス便マンションは避けた方が良い」という理由について、今日は深堀りして解説しようと思います。

 

バス便マンションは広くて安い

どのような条件で探していくにしても、理想的な物件に巡り合うことはありません。どこかを妥協して選択することになる、それが現実です。

 

立地条件を優先すれば、広さが足りないことになりますし、広さと価格の安さを優先すれば立地の良い物件を手にすることはできないので、この葛藤に悩む人も多いはずです。

 

筆者の主張は、立地条件だけは妥協しない方がいい、なかんずく、バス便は避けた方が良いというものです。 同時期に分譲された新築マンションの駅前物件とバス便物件の10年後を比較したとき、その売却価格の変動率で明らかな差異が表われるからです。

 

駅前マンション5000万円が10年後も5000万円と値下がりせずに売れたが、バス便マンションは2割安の4000万円で分譲されたものの、10年後は3500万円にしかならなかったといった差が出るのです。これを証明するデータ(事例比較)も多数あります。

 

バス便マンションは例外なく駅近マンションより安く分譲されます。大雑把に言えば20%くらいは安いのです。駅近マンションが5000万円のとき、バス便マンションは同じ広さで4000万円です。

 

バス便マンションは駅近マンションより優れた長所を備えているものです。自然環境に恵まれており、大型開発である場合が多いことから、敷地内にも緑地ゾーンやプレイロットなどが大きく確保され、子育て世帯にとって魅力たっぷりの企画になっているからです。

 

共用施設も豊富に用意されていて、駅近の中小物件に比べたら圧倒的な差ができているものです。

 

マンション選びの希望条件には、言うまでもなく個人差があります。 利便性は劣っても自然環境の良さを優先したい人もあるでしょうし、予算が限られる中で広さを妥協できず、結果的にバス便を選択する人もあることでしょう。

 

その上に上述のようなプラスの魅力があると、大いに購買意欲が高まって決断に至るのも理解できます。しかし、それでも可能ならバス便は避けたいものです。

 

バス便マンションの将来価格

バス便は避けたいと言うのは、リセールに不利、すなわち値下がり率が大きいからです。

 

(注)値上がりする時期もありますが、それは最近のように相場が急騰したときで、その恩恵を受けることがないとは言えません。しかし、それでも恩恵の程度は駅に近い物件の比ではありません

 

バス便マンションはなぜ値下がりしてしまうのでしょうか?

駅近マンションより安く分譲されたバス便マンションは、中古になったときも安いのは当然として、購入時が安いのだから売却時の価格も極端に下がらないのではないかと、つまり、同じ経過年数なら同じだけ値下がりするということではないのかと考える人もいます。

 

ところが、そう単純ではないわけです。価格維持率で比較すれば、駅近マンションが100であるとき、バス便マンションは80とか85とかと低いのが実態です。

 

駅近マンションはなぜ値下がりがないのでしょうか? それは経過期間中に新築相場が上がってしまい、例えば10年前の100から120とかになっているからです。

つまり、その時の築10年の中古は分譲時と変わらない100でも、10年後の時点で販売中の新築120に比べれば20%ほど安いので、バランスしていると言えるのです。

 

バス便マンションでも10年前の100から、10年後は新築なら110とか120とかになっているはずです。地価はともかく、建築費はバス便立地でも差がないのですから。

 

そうであれば、バス便の中古も90くらいには留まるのではないのでしょうか?何故、80とか85まで下がってしまうのでしょうか?

答は簡単です。バス便マンションに対する需要の絶対量が駅近マンションに比べて圧倒的に少ないからです。

 

中古価格は、需要と供給のバランスで決まります。需要が多ければ売り出されたマンションは買い手が直ぐに現れます。多数の見学希望者が殺到することも多いのです。そのおかげで、売り出し価格が多少強気でも、言い値で買い手が決まることもあります。

 

反対に、需要の少ないバス便マンションの場合は売り出してから長い時間をかけても買い手は現われず、価格を下げざるを得ません。

それでも、安く買っておけば、売却価格が安くなっても、損失はないのでは?そう思う人もあるでしょう。しかし、先述のように、そもそも新築時の価格は安くないのです。

 

バス便マンションは一見安いようで、新築時は実質の価値より高く分譲されています。筆者の研究では、バス便マンションは駅近マンションの70~75%くらいの価格が妥当と思われる場合が多いのです。

それを10%も15%も高く買ってしまうから、売却額との差が大きくなるのです。

 

マンションデベロッパーは、実はこのことを知っています。しかし、現実問題として、そこまで安く造ることができないのです。

 

新築マンションの原価構成は、土地代+建築費ですが、建築費はどこで建てても大体同じなので、違いは土地代です。簡単に言えば土地代の差が100対80の差となるわけで、70までは下がらないのです。

 

バス便マンションで70まで下がっている例もないわけではありません。ただ、建物品質は標準以下、付加価値は何もなし、おまけにバス停から徒歩10分も歩くような場所で、かつ自然環境も良いとは言えない、そんな物件だけなのです。

 

結局、付加価値もあって品質も標準以上といった優良なバス便マンションでも、80の価格は後年の売却時が特例的な相場高騰期でない限り、「割高な買い物をしてしまった」ということになるのです。

 

バス便マンションの多くが新築時の販売経過を見ると、大規模キャンペーンを展開しても完売まで長い時間を要しています。完売まで3年もかかってしまうような例も多数あります。それだけ人気薄、需要過少なのです。

 

新築のバス便マンションは、その多くが割高と判定されます。しかし、中古マンションは別です。適正な価格まで下がっていることが多いからです。

 

新築マンションは、大々的なキャンペーンを展開し、圧倒的な展示法・販売ツール等によって販売を行いますから、その販売・広告戦略によって買い手は一定期間に集中的、かつ大量に動員されます。

その方法によって売り手は買い手の購買意欲を高め、一気に売買契約へと誘導します。当然ながら、初期の段階では定価販売です。すなわち高値販売です。

 

これに対し、中古マンションはネット検索による反響を待つ、つまりは成り行き任せの消極的・受動的な販売(仲介)活動になっていますし、価格交渉によって売り出し価格から5~10%は下がります。

 

成約実績は、次の売り物件の指標となります。その結果、中古のバス便マンションは妥当な価格で購入できることになるのです。購入価格が妥当であれば、価格維持率も標準的なレベルとなるはずです。

 

妥当な価格で購入しておけば、何年先か後に売却するときの価格は、「バス便だから安い」とは言えても、「値下がり率はバス便だから大きい」とはなりません。

 

筆者がバス便を論外とするのは、新築マンションを購入する人向けの警句なのです。適正価格まで十分に下がった中古マンションには当てはまりません。

 

とはいえ、価格維持率が駅近マンションと変わらないと断定できるわけでもありません。何故なら、既述の通り需要量において元々差があるためです。利便性を求める人の方が、「バス便でもいいから広くて安い」を希望する人を圧倒しているからです。

 

お便りから

あるお便りから・・・「周りは静かな一戸建ての住宅街で、緑も多く、環境がとてもいいので、気に入ったのですが、最寄駅までバスを使うことになりそうなのがネック。そのせいか、販売状況はあまり良くないようです。 竣工から半年経過していますが、まだ多数の売れ残りがあるようです。こうしたマンションはやはり避けた方がいいのでしょうか」・・・筆者は次のようにお答えしました。

 

検討者はいわゆる子育て世代で、環境重視派に属する人でした。今の住まいも、環境の良い立地条件にあるといい、できれば近所に欲しいのだが、そう都合よく販売物件はない。

中古も検討したが、設備の更新やメンテナンスのことなどを考えると不安が大きくて、やはり新築に気持ちは向かったとのこと。

 

そこへ、二つ隣の駅を最寄りとするマンションがあることを知って見に行ったところ、駅まで歩くと15分かかること以外は申し分ないと、妻はとても気に入り、今にも住みたいと舞い上がってしまったというのです。

 

筆者はこうしたマンションにはネガティブです。止めた方がいいと助言することが多いのです。東京圏では、都心へのアクセスがマンションの価値を大きく左右することが多いからです。

コロナ禍の今も、反転したという事実は確認できません

 

マンションの価値が高ければ高いほど、のちのち大助かりになるのは言うまでもありません。マンションは一生そこに住むということは考えにくく、必ず売却するときがやって来ます。そのとき、購入価格を上回るような金額で売却できたら最高です。

 

しかし、首尾よく売れるかというと、新築時に売れないマンションは、中古で売り出すときも売りにくいものです。売りにくいとなれば、値を下げるしかありません。

 

環境がいくら良くても、不便なマンションは嫌われるのです。大手企業の有名ブランドマンションで、共用施設も充実し、価格も高くはなかったが、それでも竣工から1年過ぎて多くの在庫を抱えていたという事実などがそれを証明しています。

 

子育て世代にとって、自然環境はとても大事な条件ですから、それに目をつぶれとは言いませんが、辛抱強く探せば便利さもあって環境も悪くないという物件は見つかるものです。

 

現住地の近辺にこだわってしまうと、かなり制約されるでしょうが、エリアを拡大して探せば少なくはありません。

 

バス便マンションは付加価値があるものだが

大型に限定して、「バス便マンション」に、どのような魅力があるかを整理しました。共通点として次の5点を挙げることができます。

 

1)街並みの美しさ・緑の多さなど、環境がすばらしい

2)共用施設が充実している

3)管理サービスが細やか

4)価格が安い・・・何を基準に安いというか、それは最寄り駅の徒歩圏マンションの相場と比べてのことですが、概ね20%くらいは安い価格で分譲されています。

 

これに、自然環境の良さや景観のすばらしさを持つロケーション価値と、建物(敷地内の共用空間のデザインを含む)の圧倒的な差別化策がもたらす付加価値を加味すると、交通便・買い物便等のマイナスも多分に相殺されてしまうのです。

 

5)広い専有面積の住戸タイプが多い・・・価格が安いということは、例えば駅前物件なら70㎡しか届かない予算でも、バス便物件では80㎡以上の部屋に届いてしまうことを意味します。

広い部屋と美しい環境の中で、ゆったりと暮らしたいというニーズ、もしくは子供を自然の豊かな環境で育てたいというニーズにはぴったり合致するのです。

 

それでもバス便マンションは・・・・・

以上のような魅力に溢れたロケーションと付加価値の高い大型マンションですが、バス便と聞いただけで全く対象外と考える人が多いのは事実です。

人間は霞を食って生きて行くことはできないので、環境は大事といえども利便性を軽視できないからです。

 

自家用車で30分も走れば職場に着いてしまう地方都市圏と違い、東京圏ではどこに住んでも勤労者の平均的な予算では通勤時間が1時間から1時間半かかってしまうのが普通です。それだけに、時間のかかるバス便立地は避けたいのです。

 

バス通勤であっても、職場が最寄り駅の近辺にある人とか、駅で鉄道に乗り換えるにしても2駅以内の近さに職場があるといったふうに、都心通勤でない人なら抵抗も小さく、魅力を感じるはずです。現に購入した人の大半は、その種の人なのです。

 

しかし、首都圏居住者の多くは東京都心へ通勤しています。その証拠に、通勤電車は5分おきに運行されているにも関わらず通勤時間帯は超満員です。

 

通勤に1時間半もかかる人は、時差通勤によって満員電車を避けたりしているかもしれませんが、帰宅が遅くなると困る人でもあります。遅くなったときタクシーで帰ることのできる都区内に住みたいと考えるのは交通費の問題だけでなく、睡眠時間を極力確保したいからという動機があるのです。

 

上級国家公務員などは、いざというとき直ちに役所へ駆けつけられる近場に住まなければならないようです。

 

2011年の大地震以来、いざというときに帰宅難民にならない距離に住みたいというニーズも増えて、郊外のバス便マンションは今も不人気です。コロナ禍で人気上上というのは過大な報道なのです。

 

販売に苦労している新築のバス便マンション

マンション販売の成否は、物件によって差があるものです。価格の問題や、同地域に供給が集中したことによる供給過多などが原因で売れ残るケースもあります。

 

そうした地域では激しい競争が発生し、業者側から見て、全物件で喜びを分かち合えることにはならず、勝ち組と負け組に色分けされるのです。

 

さて、そこで気を付けたいのは「負け組の物件」を検討するときです。負け組、すなわち売れないマンションの中に、バス便もしくは歩けても最寄り駅から徒歩15分以上かかるような立地条件のマンションがあります。

売れ残っている原因はただひとつ、「不便だから」です。

 

価格は、最寄り駅を同じにする新築マンションの平均価格より専有面積1坪あたり20万円ほど安いのです。75㎡換算すると約500万円安い計算になります。しかし、それでもなかなか完売に至りません。

様々な販売促進策を講じて懸命に営業していますが、遅々として進まない印象を持ちました。

 

また、千葉県にある別のマンションも、立地条件の悪さから竣工後2年を間もなく迎えようかという時点で、未だに50戸程度(全体70戸)しか売れていなかったのです。立地条件の悪さを補おうと、設計上の工夫には見るべきところも複数あり、建物としては欠点の少ない、むしろ優良な物件でした。

 

場所を別としたら、ふたつとも、なかなか良いマンションです。事業主や施工会社なども信頼できる企業です。価格も抑え目。それでも、立地条件の悪さは克服できないのです。

購入した人は、ごく近所に住んでいる家庭や予算の厳しい人、鉄道を利用しない生活をしている人など、限られた人たちです。

 

他にも、太陽光発電装置付きや豊富な共用施設などで話題になった東京郊外の物件も、勢いがあったのは最初だけ、バス便がネックとなり、完売まで2年を要したという例があります。

 

こうしたマンションの売却価格(リセールバリュー)は、極めて悲観的な予想しか出て来ません。

 

新築分譲のときは大々的な宣伝を行いますが、それでも完売に時間がかかってしまう物件は、大掛かりな宣伝が行なわれない中古市場では、「駅から遠い」だけで除外されてしまい、価格を極端なレベルに落とさない限り注目されることはありません。

結局、買い手を探すのに長い時間を要することになるのです。価格も下方修正を余儀なくされます。

 

「価格が高くても、分譲時に人気を集めた物件は、転売時にも高く売れる」という傾向があります。この反対が、「分譲時に安く思えても、不人気のマンションは、売却時には一段と安くなる傾向がある」のです。

 

「値下がり必至のマンション」を敢えて購入する人のために

売却するときに安く売りたいと考える人はいません。少しでも高く売りたいはずです。そのためには、いくつかの条件を満たすマンションを選択しておかなければなりません。

 

では、購入時の価格から下がらない、むしろ値上がりするマンションの条件はどのようなものでしょうか?そうと問われると、都心にあるとか、駅に近いといった立地条件を真っ先に挙げることになります。

 

地域的には人気沿線や東京都内などの限られた物件になり、非難を恐れず言えば、郊外のマンションは、最初から条件を満たしていないといっても過言ではありません。

 

しかし、仕事の関係などから「そのようなマンション」を選択する必要がある人も大勢あります。例えば、学校も勤務先も郊外にある人がその代表例です。このような「値上がりしないと分かっているマンションを購入する」人のために述べておかなければなりません。

 

将来のことは誰にも分からないのですし、売却するかどうかも分からないのに、将来のリセールバリューを論じるのは「絵に描いた餅」になりかねないというご批判もありますが、将来のことが分からないからこそ、いつでも処分が可能な、言い換えると資産価値の下落リスクが小さいマンションを選択するべきだというのが筆者の主張です。

 

長年マンションを研究してきた筆者が「将来価格の予測サービス」()

という仕事を続けているのは、損しない、または損が少ないマンション選びのお手伝いをしたいからにほかなりません。  ()こちらを参照・・・ 三井健太のマンション相談室 (syuppanservice.com)

 

 

マイホームには金銭だけでは測れない価値がある

現実問題として郊外を選択するしかない人はどう考えたらいいのでしょう。都心の一等地のマンションは中古になっても値下がりしないが、郊外のマンションは必ず値下がりするような言い方をされたら、きっと気分を害することになるでしょう。

 

埼玉県内に勤め先があるので自宅も県内に構える方が良い。そのような人は勿論たくさんいるわけで、埼玉県に住み東京都心に通勤する人ばかりではないのです。

そこで、値下がりしても価値あるマンションについて考えてみます。例えば、以下のようなことが想像できます。

 

郊外に親が住んでいたら、その親の近くに住むことで親孝行ができるかもしれません。

山や森、野原、河川など自然の姿が残る郊外に住んだら、子供に命の大切さを教えることができるかもしれないし、クルマの往来などを気にしないで走り回る元気な子供を育てることに役立つでしょう。

 

都心なら持てないクルマが、駐車料金が安い郊外なら持てるので、家族でドライブを楽しむ機会も増やせるかもしれません。

都心から離れていると通勤は痛勤になりかねないが、その代わりに休日はONとOFFの完全な切り替えでリフレッシュができることでしょう。

 

このようなメリットは金銭の多寡では測ることができません。ある知人は、郊外に移転した私立の女子高に子供を入れるのを機にマイホームを郊外に求めました。そのおかげで子供は部活にも勉学にも励むことができ、高校3年間を有意義に過ごすことができたそうです。

 

このような例がたくさんあると想像します。これらは皆、経済的尺度では測れないメリットです。幸福と言い換えても良いでしょう。たとえ何千万円の損をしても、後悔することのない価値が見出せるのではないでしょうか。

 

高く売れないマンションの処分を相談されて

転勤で地方都市に移住した折に念願のマイホームを購入した人がいます。仮にAさんとします。Aさんは、それまでの狭くて古く、綺麗とは言えない社宅を脱出したのです。ところが、入居して3年で再び転勤となってしまいました。

 

そこでマイホームを処分することを検討したのですが、何と購入価格の30%ダウンという査定結果に愕然としました。購入時に入れた頭金の分が吹っ飛ぶ計算です。そこで、賃貸も検討しました。幸い、毎月のローン負担分ほどの賃料が楽に取れる見込みでした。

 

しかし、Aさんはショックでした。ようやく貯めた頭金でしたから、次にもう一度マンションを購入するときの頭金を貯めるのは自信がありません。子供の教育費がかかる年齢に近づいていたことも理由ですが、そもそも貯蓄があまり得意な家庭ではなかったようです。

 

将来、マイホームを残した都市に戻って終の棲家にするつもりもありません。好きな街でしたが、夫婦ともに故郷ではなかったからです。できたら、次の転勤のときには転勤先に関わらず東京近郊に購入したいと考えていたようです。

 

しばらく貸しておいて、時機を見て売却するという選択も考えたそうです。しかし、筆者は思い切って売却してしまうことを勧めました。というのも、売却金額が更に下がってローン残債を下回るような事態になったら、銀行との清算に当たって持ち出しが必要になるからです。

 

ローンは返済していくうちに残債務は減りますが、そのスピードに加速がつくのは後半です。最初の10年程度はあまり減らないのです。その減り方を超えて売値が下落する恐れがあるからです。

 

助言する筆者としては、人さまの財産にケチをつけるような言い方に抵抗はありましたが、下落の懸念がないと断言できるマンションではありませんでした。いえ、そのマンションはとても立派な建物のようでした。ただ、立地条件に疑問があったのです。

 

もし、悪い予想通りになったら再び貯金を失くすことになりかねません。それを嫌って先送りすれば、住宅ローンを定年時までに終わらせるような計画も立てにくいことになりそうです。

 

築3年と新しい物件なので、私は査定価格を超える高値で様子を見ることを提案しました。半年間、空室のままとし住宅ローンを払い続ける前提です。結果は、5か月後に買い値の15%ダウンの金額で売却に成功しました。

 

5か月分の住宅ローン合計が50万円くらいでしたから、その分を計算に入れても嬉しい結果となりました。仲介手数料を払っても手元にはいくらかのまとまった金銭が残ったのです。

 

この話は30%ダウンの数字から出発していますが、ご相談例には入居後10年経って、価格が半分になったという例もあります。お答えはケースバイケースですが、これから購入するという人へお伝えしたいのは、やはり「できるだけ資産価値の下落リスクが小さいマンション」を選択することが肝要ということです。

 

言い換えると、地方や郊外都市こそ「より価値あるマンションの目利き」こそが重要ということになるのです。

 

問題は将来の売却時にある

同じバス便マンションでも、大型の場合は不便さを補って余りあるほどの付加価値の高い建物、すなわち専有面積の広さ、共用施設の充実、管理サービスの細やかさ、価格の安さといった魅力があります。

 

そのおかげもあって、大規模=戸数の多さも克服し、さほどの期間を要することなく完売に至る新築事例もあるのです。しかし、その需要と供給のバランスは拮抗しており、都心の駅前マンションのような高い競争倍率で短期完売とは行かないことが多いのも現実です。

 

売り出し当初は「第1期・第2期、連続即日完売」などと誇らしげに広告で謳っても、やがてジリ貧となって、建物が竣工してからも完売までには長い時間がかかってしまうケースは少なくないのです。

 

このような事実からも、バス便でもいいというニーズは多くないことが分かります。そして、その経過が、中古マンションとして売却する際に、短期間で買い手が付くかという懸念を残します。

 

勿論、バス便マンション同士の比較になれば、大型で付加価値のある物件は買い手が付きやすいに違いありません。売れなくて売却を諦めるというようなこともないかもしれません。

 

とはいえ、最後は価格を下げて買い手の要求を呑むということになりかねないのも現実なのです。

 

安く買ったのだから損失は小さいのでは?

「買い手がつかないとき、最終手段は売り出し価格、もしくは内見後の買い手からの要求に応じて売却価格を下げるということにするとしても、そもそも購入価格が安かったのだから損は小さくすむのでは?」・・・このような考え方を取る人がいますが、実際は違うと先に述べました。

 

買いたい人が多数あって、買い手同士で競争し合う状態が生まれるような駅前マンションなどは、価格は上方へ振れやすくなりますが、バス便マンションは逆です。

駅前マンションが100から転売時に90へ10%下がったというとき、バス便マンションは80で購入しても10%下の70では収まらないと考えなければならないのです。

 

勿論、例外もあります。80で買ったバス便マンションが、転売時に80か85で売れることがないわけではありません。最近数年のような相場が上昇トレンドにあるときは、駅近のマンションに比べて割安感があるバス便マンションに向かう人が増えることもあるからです。

 

しかし、それは多分に幸運というほかありません。これも先に述べましたが、あえて繰り返しておきます。

 

同じバス便でも大型物件の方が値下がり率は低く、大型マンションの中でも周辺環境や買い物便が良いなどの差別感が明確な物件は値下がり率が低いのは確かです。

 

しかし、分譲時の価格が市場全体で高値のときに買えば、付加価値が高い大型マンションであろうと、また、素晴らしい自然環境や街並みの中にあろうとも、売却の時期によっては値下がり率が大きいということもあります。

 

結局のところ、購入マンションの魅力と欠点とを冷静に見極め、その価値に見合う価格かどうかという視点と、将来も高い競争力によって少ない需要の中から買い手を見つけられる物件かどうかという視点、このふたつによって選択の是非を判断することが重要なのです。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

 

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