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今日の記事は、「耐震性不十分マンションについて」です。
2022年9月1日 7時21分のNHKニュースで、次のような報道がありました。耐震性に問題ありのマンションは都内に797棟もある
東京都が今年発表した新たな「首都直下地震の被害想定」では、最大で6000人にのぼる死者の半数以上が建物の倒壊によるものとされ、耐震化をいかに進めるかが課題となっています。こうした中、都が都内にある耐震性が不十分とされた1981年以前の古い耐震基準で建てられたマンションを調べたところ、7割で耐震化工事が行われていないことがわかりました。
都は今年、首都直下地震の被害想定を10年ぶりに見直した結果、死者は最大6000人にのぼり、このうち、半数以上が建物の倒壊によるものとされ、耐震化をいかに進めるかが課題としました。
こうした中、都は条例に基づいて届け出があったマンションのうち、1981年以前の古い耐震基準で建てられた6874棟の耐震化の状況について調べました。
耐震診断を実施したかどうか尋ねたところ、「実施した」と回答したのは全体の32%にあたる2203棟で、このうち半数以上の1138棟が震度6強以上の地震で倒壊のおそれがあると指摘されていたというのです。
1138棟のうち、耐震工事を行ったのは298棟にとどまり、70%にあたる797棟は工事を行っていなかったということです。
東京都の住宅政策本部越智英明担当部長は「耐震化を実施すべき対象のマンションは多いが、思うように進んでいない。 自治体と連携した施策を展開し、耐震化を進めていきたい」と説明しています。
旧耐震基準マンションとは?
ニュースでも解説があった、1981年以前の古い耐震基準で建てられたマンションのことですが、そのころ、駆け込みで建築確認申請したマンションが多数あったようです。このため、1982年竣工とか1983年竣工といったマンションは旧基準によるものと推察できます。したがって、新基準のマンションであるかを知りたければ、建築確認年月日が1982年以降であることを調べる必要があるのです。
このときの行政指導では、1982年5月か6月に着工してしまえば、旧基準の建築確認は有効と見なすということだったようです。 したがって、竣工が1983年以前のマンションは、工期を勘案すれば、「旧・基準」による駆け込み着工である可能性が高いことになります。
購入検討者の立場で「建築確認通知日」を調査するのは難しいので、安全のための線を引くなら、1985年以前に竣工したマンションには手を出さないようにしなければなりません。
1985年以前のマンション検討するなら
新築マンションの発売が激減し、価格も高い現状にあるためか、発想を転じて古いマンションを買ってリフォームに力を入れようという人が少なくないと聞きます。東京の人気エリアである港区や千代田区に住みたいが、新築は殆ど売り物がないし、中古も驚くほど高値で予算が足りない。そこで、思い切って「築古マンション」を検討しようという人が増えているというのです。
筆者の元へ届くご相談の中にも、都区内の一等地の築古マンションがチラホラとありました。 それをいただくたび、暗鬱な気分に襲われます。
言うまでもなく、耐震性に問題がないとする情報がない物件だからです。
旧・耐震構造のマンションの全てが耐震性に問題があるとは断定はできないものの、安全とする根拠も見当たらないのです。 少なくとも、インターネット情報の範囲のことです。
そこで、筆者は助言します。
管理会社に、「耐震性の調査をしたかどうか」、「調査結果はどうであったか」を先ず問い合わせてくださいと。
マンションの価値は立地条件で決まる
耐震性の問題がないとすれば、1982年以前に竣工の古いマンションも、前向きに検討しても良い物件は少なくありません。 というのも、古いマンションほど立地条件に優れたものが多いからです。港区や千代田区、文京区といった人気エリアは古くても買いたい人は多く、価格も高いものです。 言い換えれば、値崩れがしにくい物件が多いエリアなのです。
価格も当然に高く、驚くほど高値の物件も少なくありません。マンションの価値は立地条件によって左右されるものであることが如実に分かるエリアでもあるからです。
とはいっても、建物価値を無視することはできません。 同じような立地条件なら、建物価値が最終的に価格を決めることになるからです。
1982年以前に竣工したマンション、すなわち現時点で築後40年を超えるマンションは、耐震性に問題がないとしても、そのほかの面で品質に問題があるからです。
古過ぎるマンションの残念な点
先述のように、リフォーム・リノベーション工事は専有部分に限られます。従って、天井が低い、バルコニーにつながる窓サッシの高さが2000ミリもないといった古いマンションは、リノベーション工事をしたところで、満足度の高いマンションになりえるかは甚だ疑問です。
室内の段差も大きく、普及してきた「フラットな室内にはなり得ない」物件も多いのです。
それでも、入居当初は「新築のような綺麗なマンション」を手に入れた喜びでいっぱいになることでしょう。
キッチンも洗面台も浴室も、また、床材も建具も新品なので、綺麗で快適で、きっと満足度は高い我が家と思えることでしょう。
しかし、使い込むうちに室内は汚れが目立つようになり、入居当初の感動は薄らいで行くことでしょう。 それでも、10年程度は快適に暮らすことができるかもしれません。
丁寧に使って行けば、大きく棄損することもないでしょう。
問題は、その先です。 築30年マンションを買ったとして、15年を経過すれば築後45年です。 45年マンションの市場評価はいかなるものか、そこが問題です。
リノベーション工事に1000万円をつぎ込んだとしても、15年後の市場評価はゼロかもしれません。リノベーション工事代に500万円かけた、1000万円かけたと主張してみても、購入者の耳には届かないものすぁう。
何より、築45年マンションへの抵抗感は大きく、管理状態がとても良いとか、立地条件がとても良いといった、抜きん出た物件でない限り高値で売れることはないと思わなければなりません。
耐震性に問題がないとしても、古いマンションの購入は「より慎重に」しなければなりません。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は5日後の予定です。
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