マン点流!裏ワザ(駐車場の設置率の目安)

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中古マンションの駐車場の利用率低下による駐車場利用料収入の減少は、マンション管理組合の財政に悪影響を与える可能性がある。
中古マンションを検討されている方は、駐車場の設置率についてもチェックしておきたいという話。そのための目安を示した。

かつて横行した「全戸100% 駐車場無料」チラシ

2000年代の新築マンションの駐車場設置台数はやたらと多かった。

駐車場100%設置だけでなく、”無料”を謳う折り込みチラシが横行していた。

※下記日付は、弊ブログ「マンション・チラシの定点観測」投稿日。
08年に住宅情報マンションズ首都圏版6月10日号(現在のSUUMO新築マンション首都圏版)に掲載されていた202物件を調べたら、15件(7%)が駐車場”無料”を謳っていた。売主は全て中小デベロッパーだった。
これらの物件はいまでも”駐車場無料”を続けているのだろうか……。

さて、中古マンションの駐車場の利用率低下による駐車場利用料収入の減少は、マンション管理組合の財政に悪影響を与える可能性がある。機械式駐車場は、毎月の維持管理費だけでなく、経年劣化による更新・撤去の問題も浮上してくるのである。

中古マンションを検討されている方は、駐車場の設置率についてもチェックしておきたい

以下、現在の23区新築マンションの駐車場設置状況につき可視化しておいたので、あなたが検討中の中古マンション駐車場設置率の妥当性判断の目安にご利用いただければと。

「駅徒歩時間」と「駐車場設置率」の関係

不動産情報サイト「アットホーム」に掲載されている23区の新築分譲マンション187件(23年3月12日現在)につき、横軸に駅徒歩時間、縦軸に駐車場設置率、円の大きさを総戸数として描いたのが次のグラフ。

駅徒歩10分以内のマンションの駐車場設置率は、10~40%程度であることが分かる。
※次図には駐車場には機械式だけでなく、平置式も含まれている。
駐車場設置率・駅徒歩時間の関係
※SUUMOとLIFULL HOME’Sは、アットホームに比べて、駐車場データが掲載されていない物件が多いので、アットホームのデータを利用した。詳細はコチラ

駅徒歩時間別の駐車方式の割合

23区の新築分譲マンション187件につき、駅徒歩時間別に駐車方式の割合を可視化したのが次図。

駅徒歩「15分以内」以下の駐車場設置率は、3割前後にとどまっている。

駅徒歩「1分以内」はタワーパーキング式の割合の多さが目立つ。また、平置式駐車場の割合は少なく、その多くは身障者用や荷捌き用である

駅徒歩時間別の駐車方式の割合
※各方式の設置率は、物件ごとの設置率の平均値ではなく、駅徒歩時間ごとに総駐車場台数を調査対象戸数で除した値。

「総戸数」と「駐車場設置率」の関係

23区の新築分譲マンション187件につき、横軸に総戸数、縦軸に駐車場設置率として描いたのが次のグラフ。

やはりというか、総戸数のほうは、駅徒歩時間と違って、駐車場設置率との相関は特に見られない。

下図からの学びは、総戸数100~600戸の新築マンションの駐車場設置率(機械式、含タワーパーキング式)は20~40%程度の範囲にあることだ。つまり、総戸数100~600戸の中古マンションを選ぶ際に、機械式の駐車場設置率が40%を超える物件については、慎重に検討することが必要になるということである。

駐車場設置率・総戸数の関係
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