マン点流!不都合な真実を解説(即日完売)

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2年ほど前から「即日完売率」が低下しているという話。

【もくじ】
「即日完売」の真実
「即日完売率」が低下している!
「即日完売」と「登録申込即日完売」の違い
マン点流!不都合な真実を解説シリーズ
おまけ


「即日完売」の真実

「予告広告」でモデルルームに集客しておいて、「即日完売」できる戸数の見通しが得られた段階で「本広告」を出して受付・抽選に走るという、とっても巧妙に仕組まれた”販促ワザ”を、一般の多くの人は知らないのではないか。

不動産経済研究所が毎月発表している「首都圏マンション市場動向」の資料で、「即日完売」として紹介されている物件のなかには、そのような”販促ワザ”を駆使したであろう事例が散見される。

たとえば、同研究所が発表した2015年9月の資料(次図)。

「即日完売物件(4物件45戸)」として掲載されている3物件は、一番高い倍率でもBrilliaの2倍。他の物件の最高倍率は1倍という惨憺たる状況だ。

即日完売物件(4物件45戸)
残りの1物件の「即日完売」の戸数は、4物件の合計45戸から引き算すると分かる。たったの1戸(=45戸-11戸-18戸-15戸)なのだ。

「即日完売率」が低下している!

よほどヒドイ物件でなければ、「即日完売」を演出できるはずだったのだが(“即日完売”物件は、飛ぶように売れていたのか?)、最近はどうも様子が違ってきたようだ。

同研究所が毎月発表している資料に掲載されている即日完売率(=即日完売物件数÷発売戸数)の推移を可視化したのが次のグラフ。

即日完売率は、月により上下動はあるものの、5年ほど前から低下傾向にあるのだ。

月間発売戸数と即日完売率の推移
もう少し見やすくするために、月間データを年間に集計し直したのが次のグラフ。

即日完売率は10年の13.3%をピークに低下傾向にある。
16年(1月~9月の平均)は5.4%にまで低下。

新築マンションを発売すれば飛ぶように売れたのは過去のことなのである。
年間発売戸数と即日完売率の推移

「即日完売」と「登録申込即日完売」の違い

あと、「即日完売」にまつわる話として、ちょっと紛らわしいのが、「登録申込即日完売」という表現。

「即日完売」と似ているようだが、微妙に違う。

「登録申込即日完売」とは、登録申込みの受付を開始して、すぐに販売対象のすべての住戸に申し込みがあった状況を意味しているに過ぎない。

登録申込みの後、あるいは抽選の後、たとえキャンセル住戸が発生しても、「登録申込即日完売」であったことには変わらないから、胸を張って「第1期<〇〇戸>登録申込即日完売」などと謳うことができる。

ところが、「即日完売」となると、登録申込みの後、あるいは抽選の後、キャンセル住戸が発生した場合、「第1期<〇〇戸>即日完売」と謳うには、売主としては後ろめたさが残るから避けたいところだ。

※具体的な観測事例は、「「即日完売」と「登録申込即日完売」の違い」をご参照。

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