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昨今のマンション価格の高騰は建築費の異常高騰によるものです。
建築原価が高騰し新築価格が上昇することで、周辺中古物件の価格も押し上げられて来ました。
また、インフレ基調により単純にお金の価値が下がったため、相対的にマンション価格が『高く見えている』、コロナによる市中に大量供給されたお金が株と不動産に集中しているという側面もあります。
鉄、コンクリート、ガラス、設備機器、そして職人の人工と、あらゆるコストが上がり、新築マンションの価格は押し上げられてきました。
都心ではもはや「高い」のが普通になり、都市部を中心に数年前の感覚とは大きく乖離した水準となっています。
そんな中で不動産業界にとって見過ごせないニュースが出ました。
中東情勢の緊迫化によって、原油由来の化学製品の供給不安が広がり、TOTOやLIXILがユニットバスの新規受注停止、あるいは一時調整が起きました。
現時点では受注再開となっており、これを見て「お風呂が一時的に不足しただけでしょ」と思う方もいるかもしれません。
ただ、現場で不動産を取り扱っていると、これはそんなに簡単な話ではありません。
なぜなら、今回の話は単にユニットバスの問題ではなく、住宅を構成するあらゆる部材の背景にある石油化学の問題だからです。
ナフサは原油を精製して作られる基礎原料で、プラスチック、接着剤、塗料、樹脂、フィルムなどに使われます。
住宅設備や内装材で想像以上に使用されております。
キッチン、浴室、洗面、建具、床材、壁材、断熱材、さまざまな部分で石油化学製品は不可欠です。
日本は原油の大半を輸入に頼っていて、その輸送上の重要地点がホルムズ海峡です。
つまり、遠い中東の地政学リスクが、回り回って日本のマンション価格や工期にまで影響する。
今回の件は、それを分かりやすく可視化した出来事だったと思います。
新築マンションはさらに高くなる
まず分かりやすい影響は、新築マンション価格のさらなる上昇圧力です。
もともと新築マンションは、すでに『高く売らないと成立しない』商品になっていました。
建築コストはここ数年で大きく上がり、さらに人手不足によって職人人工も上昇しています。
今回そこに、原油高に起因する資材価格の再上昇リスクが重なってきました。
よく実務的な感覚で言われるのが、専有部の建築コストが坪250万円程度という水準です。
もちろん物件の仕様や規模によって差はありますが、都心の分譲マンションの仕様ではこのくらいの水準となります。
専有率を60%程度とすると、延床ベースに割り戻した建築単価は坪400万円程度になります。
そこに土地代、設計費、造成費、販管費、広告費、金利、デベロッパーの利益等を乗せると、販売価格としては坪600万円を超えないと成立しないということになります。
坪600万円というと、70㎡の3LDKでざっくり1億2600万円です。
もはやこれは、一般的な共働き世帯が頑張れば届く価格ではありません。
買えるのは高所得のパワーカップル、経営者層、金融資産をすでに持っている層、あるいは住み替えで大きな含み益を持つ人たちが中心になっていきます。
つまり新築市場は今後さらに、誰でも参加できる市場ではなく、一部の高所得層だけが参加できる市場に変わっていく可能性が高いのです。
そしてここが大事なのですが、供給戸数が大幅に減っているという点です。
作れないのではなく、売れる価格で作れるエリアが限られているのです。
建築費が高すぎて、普通の人が買える価格では供給できない。
結果として供給が細る。
この流れはかなり構造的なものだと思っています。
リノベーション済み物件はさらに強くなる!?
次に影響が出そうなのが、中古マンション、とくにリノベーション済み物件の評価です。
新築が高い。しかも工期が読みにくい。資材価格も不安定。
こうなると、『すでに出来上がっているもの』の価値は上がります。
特に水回りまでしっかり直してある完成済みのリノベーション物件は、今後伸びる可能性は高いと思います。
買主からすると、購入後に工事費がどこまで膨らむか分からない状態より、すでに完成していてすぐ住める物件の方が安心だからです。
逆に、未リノベーション物件は少し注意が必要です。
以前であれば、『安く買って好きに直す』が成立した場面でも、今後は工事費や材料費の上振れで思った以上に総額が膨らむ可能性があります。
また買取再販業者は、購入済み、未施工物件を大量に抱えている場合、融資返済のために投げ売り、ないしは黒字倒産を強いられる可能性もあると思います。
いずれにしても、新耐震で好立地の完成済みリノベーション物件は重宝される可能性が高いです。
築10年の壁
もう一つ意識したいのが、築10年前後のマンションです。
築10年を超えると、実需の買主はだんだん水回りの状態を気にし始めます。
浴室、キッチン、トイレを中心に設備更新の時期が近づいてくるからです。
原材料費が高く、設備不足も起こりうる局面では、買主は購入後の追加出費と工事期間をシビアに見ると考えられます。
そうなると、築10年超の未リフォーム物件はやや評価を落とし、築浅物件やリフォーム済み物件の相対価値が上がる可能性があります。
「築10年過ぎたけど、まだ十分きれいだから大丈夫」と思っていても、買主から見ると印象は違います。
今後は築年数そのものより、設備状態やリフォーム履歴をどう見せるかが査定や成約率に直結しやすくなる可能性があります。
それでも株価は上がる不動産にもお金は向かう
ここで少しマクロの話をすると、こうした原油高や資材高は、一般的には経済にマイナスのように見えます。
ただ、相場の世界は単純ではありません。
原材料や輸送コストが上がっても、企業がそれを価格転嫁できれば、名目売上は伸びやすい。
インフレ局面では、現金の価値は相対的に目減りし、株や不動産のような実物資産に資金が向かいやすくなります。
構造上日本は巨額の国債残高を抱えている以上、急激な利上げをすることはできません。
結果として、インフレにより企業業績や賃金が上昇すれば税収も増えるため、政府もある程度のインフレを受け入れながら経済を回していく方向になりやすいです。
そう考えると、今後も株と不動産にお金が集まりやすい環境は続く可能性が高いです。
ここだけを見ると、『じゃあマンション価格はまだまだ上がるね』という話になります。
実際、それは半分正しいと思います。
ただし、私はここで少し冷静に見ておくべき点があると思っています。
価格上昇と『流動性』
それは、価格が上がることと、売れることは別だという点です。
今月、各金融機関が審査金利を引き上げたことで、借入可能額は少しずつ圧縮される方向にあります。
また、実行金利自体もわずかに動くだけでも、買主の資金計画に与える影響は小さくありません。
一方で、供給側は建築費が高すぎるから低価格での販売はできません。
つまり、売る側は高く売りたいし、高く売らないと成立しない。
でも買う側は、融資の都合でそこまで追い付けない。
このギャップが今後の市場で最も大きなテーマになると私は見ています。
マンション価格そのものは、長い目で見れば上がる方向かもしれません。
しかし、だからといってすぐ売れるわけではない。
価格は高いのに、成約まで時間がかかる。
内見は入るのに決まらない。
新築も中古も「高いけど重たい」相場になる。
そんな可能性は十分あると思います。
そして、その状態が続くと何が起こるか。
立地や商品性の強い物件に需要が集中し、そうでない物件は思ったほど伸びない。
二極化の構造はより深刻になるでしょう。
まとめ
今回のナフサショックは、単なる設備不足のニュースとして片付けるべきではないと分かって頂けたかと思います。
これは、日本のマンション市場が世界の地政学、資源価格、物流に強く影響される構造の上にあることを、改めて示した出来事です。
中長期では、建築費高騰と供給制約、そしてインフレによって、マンション価格には上昇圧力がかかり続けるでしょう。
一方で短期的には、借入可能額の低下や実需の追い付きの遅れによって、売れ行きは鈍るかもしれない。
つまりこれからの市場は、『価格は上がるのに、流動性は低下する』そんな少し厄介な相場になる可能性があります。
改めて住まいとは、『ご自身とご家族の幸せな生活を実現する場』として捉え、居住快適性にフォーカスしてマンション購入をすることが重要だと考えます。

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