のらえもんxはるぶー対談その2「住居外利用の募集が不安/タイル貼りのタワマン修繕について/タワマン理想の修繕費」

前回に引き続き、スムログにたくさんお寄せいただく読者様からの質問のうち、未回答のものを編集部にてピックアップしております。今回ものらえもん×はるぶーの対談形式で回答いただきました。

目次

  1. この座談会に参加したメンバーは?
  2. 対談

この対談 に参加したメンバーは?

のらえもんさん

マンション購入ということに真正面から真剣に考えたブログを足掛け10年も運営しました。忙しくなりすぎて更新が滞りがちですが、スムログも引き続きがんばります、よろしくお願いします!
運営ブログのらえもんブログ

はるぶーさん

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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対談


住居外利用の募集が不安

さて、次いきましょうか?「町ルダ」さんから。

ペンネーム:「町ルダ」さん

【質問】最近マンションを購入した者です。
契約時に、マンションは住居専用なので、不特定多数の人が出入りすることになる事務所などとしての利用はできないといわれたのですが、
同じマンションの一室が、「サロン利用可能」として借り手を募集しているのを、不動産サイトで発見してしまいました。

防犯面から不安です。
管理組合に連絡をしようと思うのですが、
こういったケースの場合、具体的に管理組合はどういうことができるでしょうか。
また、まだ未分譲の部屋があるので、デベロッパーさんに相談した方がよいでしょうか。

防犯面から大変不安です。

はるぶーさん、いかがでしょう?

「まだまだ売り終わってない」って書かれているからすごい築浅なわけですよね。この手のものっていうのは大体規約を見ると、「”専ら”住戸に使いなさい」って書いてあって、その”専ら”ってのに法律的に微妙なところがあって、普通は「それ以外は一切ダメ」とは読まないんですよ。

なので、住戸オンリーだと言いつつ、人がたまに来る程度の事務所として使ってる場合、規約に「それはだめ!」と明確に書いてないと、「所有者の私有財産権の侵害」になっちゃう。基本的には「管理組合が来客を制限したりはできない」ですよね。

なので組合が「訴えてやる!」とかで裁判してもなかなか勝てないんですよね。規約条項っていうのが非常に厳しく書かれていて、かつ「一件も例外なくいままでお断りしてきた」っていう歴史がないと戦えない。急に1件だけ見つけて「この部屋の商売が気に入らないからダメです」って言っても、例えば他に法律事務所とかがあって「ここは禁止されずに営業しているじゃないか!」って言い返されると厳しい。マンションって結構法人所有の割合が高いもんですから、「たまにお客さんが来るけど基本オンライン商売でホームページとか作ってる人もダメなの?」って話になっちゃうわけですよ。これはダメとは言いにくい。

まだ築浅なので、管理組合にきちんと相談した上で、「ルールをどうするか?」っていうのと「ルールの実際の運用をどの程度厳しくするのか?」っていうのを議論していただくしかないと思います。

法人番号検索サイトに「住所から逆引きできる機能」が付いたんですけど、タワマンの住所を入力するといっぱいタワマンに登記された事務所が出てきますね。不特定多数の人が出入りするのでなければ、これ調べて取り締まるなんてどこもやってないです。デベロッパーだって法人に売ってますから。

この「サロン利用」というのが、「不特定多数の人が出入りして周辺に迷惑をかけるのか?」。そこが難しい判断でしょうね。

訴訟とかで「”専ら”住戸」 の”専ら”の説明を裁判所とかで争っているのは、その 住戸が「近隣に対して平穏さを妨げていない」かどうか。隣りからうるさいとか、「誰もが納得するようなクレームが来るようなことを毎日やってる」とかはダメってことですね。

みんなで集まって大声でお経を唱え始める、これはダメだと。事実上会社が「従業員のための保育施設」としてど派手に使ってた例で組合が勝ったという有名な裁判があるんですが、それ以外で「組合が本気で訴訟とか争って勝った例」ってのを私はあまり知らないです。

マンションの中で「公文や英会話教室、ピアノの先生」なんかをやってる事例はよくありますね。この「サロン利用」と何が違うのでしょうか…よく分かりませんね。

まあ、この質問の方が思ってる「不特定多数の出入り」っていうのをもって「教室とか全部ダメ」ってことにするんだとちょっと無理ではと思うんですよね。少人数の塾みたいなのは OK じゃないのかなぁ。

線引きは難しいですね。

そのサロンってのがどんな程度のものなのか、いかがわしいものあるのか?本当に個別に 1人1人やってきて施術を受けるようなもんだったら、ちょっと簡単に「禁止です」というのは難しいんじゃないかなと私は思います。

たしかに「いかがわしいサロン」もありますから、気持ち悪いというのはわかるけど、お教室となにが違って禁止すべきかをどう線引するのか、このままでは難しいというところでしょうか。





タイル貼りのタワマン修繕について

さ、次の質問いきましょう。「名無しさん」。

ペンネーム:「名無し」さん

【質問】外壁がタイル貼りのタワーマンションの修繕について質問です。
タイルには乾式と湿式工法があることはなんとなく理解しています。
両方とも年数が経つと剥離することがあり、10年毎に打診調査の必要があると思っていました。

ところが最近、乾式プレキャストのタイルだと合板のフローリングと一緒で、今は予めパネルとして一体化されていて現場では組み立てるだけ。コンクリートと一体化してるから剥はがれるとかいう概念はなく、10年の打検は乾式工法には義務はないと聞いたのですが、実際どうなんでしょうか?

あと、タワマンだとコンクリート吹き付けか、住友のようなガラス貼り推し、外壁タイルだと長期修繕の観点で考えるとどの施工が1番良いでしょうか?
ブロガーの方がスムログで物件紹介頂く際にもそういう観点からも評価があると面白いと思います。

はるぶーさんが得意範囲ですね、こちらいかがでしょうか?

10年ごとじゃなくて「最初の10年は免除されるけど、その先3年刻みでやる」ってのが本来の法規定なんですよね。剥がれる剥がれないで言うと、プレキャストって言って「タイルを裏返しにしてコンクリ流し込んで一体整形したパネルを吊り上げてカチャカチャ組み立てる」のはタワマンなどに多い方法なんですが、この埋めこまれたタイルははっきり言えば非常に剥落しにくいです。

剥落しにくいから、外壁メンテが中心になる大規模修繕も大抵伸ばすんですよね。今時「12年に修繕するタワー」とか聞いたことあります?ないですよね。
ただそれで「打診の必要が”ある”か”ない”か?」って言えばやっぱり”ある”んですよ。法定の検査なので、「10年経過したら3年に1回やりなさい」と。だから13年では必ず必要で、それが必要なくなるのは「すぐに大規模修繕でやることが決まっている場合」だけ、つまり15年とか18年まで大規模修繕を伸ばそうと思ったら「別に修繕はしなくてもいいけど、ぶら下がりでいいからタイルが落ちてこないか叩いて検査する必要は”法的”にはある」わけです。

なるほど。

叩くだけやって修繕はしないタワマンって結構ある。

築18年ではじめて大規模修繕をやるタワマンっていうのは、最低2回は打診検査をしていることになりますね。

やってるはずなんですが、まあやってないことも多いです。正直なところ。

やんなくても…

やんなくても法的にオッケーかオッケーじゃないかというと、「打診しなくていい」とは堂々と口にすることはできない。例えば管理会社とかの立場だったら、やらなくていいとは絶対口にできない筈です。法定のものですから。

だけど「きっと剥がれてこないんだ」ということで、「剥がれてきたら理事会が責任取る」とまで言うのであればスキップしてる例は結構あると。

そうなんだ。知らなかった。

例えば武蔵小杉のタワーみたいに「打診はちゃんとやったけど、全然修繕する気はない」っていうタワーももちろんあります。修繕するっていうのと打診検査とは、また別なんですよね。たいていなんか「打診検査するぐらいだったら一緒に修繕もしちゃえば?」って言い方するんだけど、打診検査って上からロープでプラプラぶら下げるだけできるんだけど、修繕しようと思うと、レンタル代がくっそ高いリフトクライマーかゴンドラを使わなければいけないから値段が桁違い。レベルの全く異なるものが一緒くたにされてる感はあると思います。


「検査と修繕は全く別ですよ」と。

質問後半の「吹付けが良いか、ガラスが良いか、タイルが良いか?」。値段から言えば全吹き付けが一番良いに決まってます。見てくれを気にしないなら圧倒的にベストですね。

「コンクリートに吹付け」はなぜ流行らなかったのでしょうね?美観上の問題?

高級感にかけるからじゃないですかねえ。

確かにタイル貼りと吹き付けを比較すると、後者って「なんだかもっさりしたデザインだな」って感じちゃいますね。

デザイン的になかなかメリハリ付けにくいってのがあるんだと思うんですよね。

そういえば、住友の物件で「オフィスビルみたいなあのガラス貼りの物件」は、新規分譲で見なくなりました。ガラス貼りのタワマンって修繕はどうなんでしょう?


ガラス貼りのタワマンの修繕はどうなの?


すぐ思いつくのはやっぱり「シール部分が大きくなるから」かな。シール部分の劣化が起こってくるけどシールの貼り直しってそう長くはもたないから、修繕頻度があがるんじゃないかと。シールを「何kmとか凄い長さ」で打ち直さなきゃいけない。ガラスが外壁面に直接でていて、そのシールが弱ってるとなるとどうしても漏水が起こりやすいです。

うちのマンションでもポツポツ起こりはじめてるところがあって、もうそろそろ限界なんですね。まあ「ガラスが外に露出していて、そこの部分にシールが貼ってあって、直接雨がかかる」というのは「修繕するという立場からはおすすめしにくい」ですよね。やっぱりお金はかかってくるので。

ただタワーですから。タワーは「景色楽しむために高い金払ってる」ので、「修繕が高い安いだけで良いかどうかを決めるものでもない」と思いますけども。

スムログ読者さんのために補足すると、シーリング材とかコーキング材のお話です。コンクリートとガラスはぴったりくっつかないので、そのままでは水が入ってきてしまう。そこで「歯磨き粉のようなペースト」を隙間に塗りつけて防水します。これをシーリング工事といいます。日光等で劣化するので定期的な張替えが必要なのです。


シーリング工事


もうひとつ、タイル張りのマンションですが、以前は「逆梁アウトフレーム」という工法を取ることも多く、この場合「外壁面に露出するコンクリート面積」が多いので、ここをタイルを貼って装飾していました。最近は「順梁+ガラス手摺バルコニー」という形式が多いので、この場合は「外壁面露出のコンクリート面積」が相対的に少ないです、「タイル貼らずに吹付け」でもデザイン上はそこまで目立たない気がします。

そうですね、確かに逆梁工法が廃れてきていて「露出ぎみの構造の籠の中にマンション全体が入りこんで見える」ような、そういう昔の三井みたいなタワーが減ったってのがあるかもしれないですね。逆に三菱が代表格みたいな「バルコニーがぐるんとあうようなの」は増えた。三菱は「新築タワーでのタイル貼りは禁止」になったってことですし。

そう思うと、その会社の作り方の特徴みたいなもので関係してくれるかもしれないです。でもとにかく修繕する立場から見たら「コンクリ吹き付けがベスト」です。これは間違いない。

クリーム色とか白色の吹付けですと、時間が経つにつれ「雨だれとかで黒いのが目立つ」ようになるんですよ、そうするとしょぼくは見えますね。外壁タイルだとそういう汚れが目立たない。

時間が経ってるなら高圧洗浄かけないと。なんか「マンション全体がどどめ色に見えてくる」ので、時々きちんとお掃除してないと厳しいですね。

はい、ありがとうございます。はるぶーさんと話すと直接の質問から派生して次々と読者に有用な知識が出てきますね。





タワマン理想の修繕費

それでは次いきましょう。「ねこさん」から

ペンネーム:「ねこ」さん

【質問】いつも楽しく読ませていただいています。
タワーマンションの修繕費は高額。これは紛れもない事実かと思います。
しかし、タワーマンションと一言にいってもその形は千差万別。
総戸数200~300戸程度の中規模タワーから1000戸超のメガマンション。
戸数が同じでも縦に高いか横に太いか。
容積率ギリギリで空地のない駅前タワーや公開空地をたぶんに取った都心近接型のタワー。
プール、浴場、池などの水物の有無。
内廊下か外廊下か。
機械式駐車場か自走式駐車場かなどなど、物件によって掛かる修繕費に大きな違いがあるように思います。

タワーだけどこういう物件は意外と修繕が容易かも!や修繕を気にするならこれは避けておいたほうがいい!という特徴があれば教えていただきたいです。

それと目安として、どれくらいの修繕費が理想なのかも知っておきたいです。
よろしくお願いします。

ケースバイケースとしか言いようがないんですけど。

まさに非常によく勉強されていて、書かれてるものは全部管理コストにかかわるものなんですが、ちっちゃな敷地に「2000戸のマンション建ててください」と言っても難しいですし、1500戸とかの凄い戸数の巨大マンションを「水ものの施設は何も無し」で作ってもあっさり簡単に売り切ることはできないもの。そのマンションの「過半のオーナーが望む仕様」を不要と思っても無くせるわけではないですから。

修繕費や管理費っていうのは高い安いはもちろんあるけど、実はどのみち「本体のお値段に比べると割と微々たるもん」なんですよね。この質問の人はタワーでしょ? タワーってそもそも特別なもので、「タワーマンションが普通のマンションより高い」のには何かしら「差別化の理由」があるわけです。

「私は絶対プールが欲しいんだ!」と思ったら、管理費や修繕費は笑って払うしかない。あんまり気にして「お金がかかりそうなものが付いてるのは買わない」とか言ったらタワーらしくないというか、タワーを買ってもしょうがない気もする。おかしいですかね?

はるぶーさんのおっしゃっていること、100%同意します。タワマンはそもそも贅沢品なんだから、「修繕費が高い、管理費が高い、だから買わない!」と言う人はそもそもタワマンに向いてない。

そうはっきり言ってしまって良ければ、それが答えになりますね。

でも、昨年のダイヤモンドの記事だったっけな?有明のオリゾンマーレさんの大規模修繕費用がかなり安かったとレポートされていました。


オリゾンマーレさんの大規模修繕費用がかなり安かったそう


多分「今すぐやらなくていいところについては徹底的にはしょった」んだと思いますね。

あそこはタワーパーキングじゃないですし、形も単純ですからね。

足場のかけ方とかにもよりますね。「バルコニーがぐるっと取り囲んでいる」とかだと良いです。最近では東雲のダブルコンフォートタワーとかがとても安く修繕実施していたんですが、「各階のかなりの修繕がバルコニーからできる」わけですよね。

そういった「マンションの形によっても随分違う」気がします。「安かったっていうところは必ず形がとてもシンプル」なんですよね。凄く簡単な形してる。


簡単な形だと修繕もしやすい。シンプルですね。

うん。なのでそういった部分があるので、「”コブコブのタワー”は避けた方がいい」ってのはあるかもしれない。階の断面がどんどん変化していって上の方がでかいとか。

「パークコート北参道や渋谷ザ・タワーをdisるのはそこまでだ!」完全にお金持ちのタワーなんだから見栄えに気を使ってもいいですよね。住民はユニクロやH&Mじゃなくてハイブランドの洋服着てるでしょう?じゃぁお金出して建物もパリっとしたところに住みたいはず。第三者管理物件だから住民代表の理事が叩かれることもない。

という感じなので、なにが理想的にはどうだってのを批評してても仕方がなくて、「気になるなら理事会やるしかない」んだと思うんですよ。

なんかたまに「タワーはとにかくめちゃくちゃな値段がかかりますとか騒ぐ”プロじゃない”評論家の先生」もいるんで心配になっちゃう。タワーだから「ちょっと高いのは当たり前」なんだけど、さくら事務所だとかタワマンをやり慣れてるところの修繕費見積もりで超長期で見た時の積立金って3割から5割アップの間ぐらい。メインは足場のために上がるんですよ。確かに設備も特殊仕様は多いけど「板マンより何倍も高い」とかってのはちょっと変なんですよ。私は逆に「とても経年してるのに積立金が激安のままの板マン」こそスラム化のリスクが高いと思ってます。

質問に書かれてものは「全部それで値段が変わるもの」なんだけどもね。でも「付けたらそのマンションの価値が上がるかどうか?」の方がよっぽど大きいわけです。

「本当に必要なものがそろっているか?その贅沢を自分がやりたいか?」って方向で選ぶのが良いと思います。「積立金の観点から”何もつけない”のがベスト」でもそしたら「誰も買わないマンション」になった。それだけは避けた方がいいんじゃないかな。

まさにそれですね。

ちゃんと答えてなくて「逃げ」ではありますが。

「何もついてないマンション」の方が維持費は安いですけど、それが「魅力あるマンションか?」っていうのは考えなきゃね。

それだとそもそもタワマンである理由がないわけだから、普通の中規模の板マンに行けばいいんじゃないですか?単にコストだけで考えるんだったら「200戸弱ぐらいのそこそこの規模の板マンがどう考えてもベスト」なんですよ。それよりちっちゃくても大きくてもダメだと思ったのね。そこそこ戸数はあってスケールメリットは効くけど、ぎりぎりゲストルームがないぐらいが一番安くなるわけですね。でもそれで納得するのかどうか?

これは統計的なデータでも出ていますね。タワマンと小規模は高い。中規模板マンが一番安い。

次回の対談 は・・・

いかがでしたでしょうか?次回の第3回目は来週木曜日に公開予定。どうぞお楽しみに!

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