第258回 「中古マンションは本当に安いか?」シリーズ第2回

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

前回)に続いて、お送りするシリーズ「マンション選びで気を付けたいこと」の第2回です。

 

「業者の利益が乗っていないので、新築より中古が得と思って探しているのですが、中古でも気に入った物は新築並みに高いということに気付きました。中古を買うのは本当に得なのか疑問なのです」――このような声をときどき耳にします。本当のところはどうなのでしょうか?また、どうして中古なのに高いのでしようか?以下は、そんなことについてお答えしつつ、展開して行こうと思います。
今日のコンテンツ

(1)優良中古は新築価格に近い

(2)優良な中古は取得が難しい

(3)中古マンションはピンキリ

(4)新築・中古を問わず価格は物件によりけり

(5)人気中古は結構高い

(6)目当ての中古マンションは待てど暮らせど・・・

(7)中古選びの割り切り方

(8)長く住むつもりで選び、売却時に欲は出さないことがコツ

 
 

(1)優良中古は新築価格に近い

例えば、かねて目をつけていた中古マンションで、10年前の新築分譲時に5000万くらいした部屋が4500万円(10%しか下がっていない)で市場に出たとします。一方、近所に新築の物件があって、気に入っている部屋は5300万円するとします。

その差は700万円ですが、中古の方は若干のリフォーム費用と仲介手数料がかかりますし、登記料や固定資産税の軽減措置がないので、実質的には400万円くらいの差にしかなりません。

それなら、少し頑張って新築を買った方が良いという判断が成り立つかもしれません。しかし、コトはそんなに単純ではないのです。

 

常識的には、築10年の中古マンションが新築の10%安というのは、かなり優良な中古マンションということであり、その立地条件や建物全体の内容(共用施設の充実度、グレードなど)が優れていて、かつブランド力も高い物件という前提になります。下手な新築より価値のあるマンションです。

 

ただ、中古マンションには「耐久性=建物の劣化の軽減」の項目(性能表示における)が最低の等級1という例もあります。それに対して、直近のマンションは等級3が多いので、その面では新築の方が良いということは言えるかもしれません。

さらには、防災対応設備においても新築マンションの方が優れているはずです。

 

(2)優良な中古は取得が難しい

中古の優良物件は、実は市場に出ても直ぐに買い手がついてしまうため、フットワークの良さがないと手に入らないという現実があります。

つまり、出たら即決するつもりで待たなければならないのです。優良な中古マンションには順番待ちリストがあるほどですし、仲介業者と親密な関係を保つ必要もあるとも言います。

 

こうしたことを鑑みると、優良な中古マンションを手に入れるのは中々大変そうです。人気マンションは、価格差だけを見れば新築とほとんど差がないというのも真実です。それでも手に入れたい中古マンションは、かなり惚れこんだものであり、かつ、将来はヴィンテージマンションと呼ばれるような類になるのでしょう。

そのようなマンションは、もはや価格ではないかもしれません。どんなに高くても買いたい名品というわけです。

 

(3)中古マンションはピンキリ

そこまでの惚れこみようではなく、単に「中古なら新築よりお得であろう」という発想でしたら、それは間違いかもしれません。

 

同一地域の中古マンションを拾って比較してみると、駅からの距離、建物規模、ネームバリュー、デザイン、管理状態などで驚くほどの差があることに気付きます。築年数で大きな開きがないのに、改めて価値観の差が価格に反映されるものだと教えられます。

 

それぞれ新築のときは、さほどの価格差がないにも関わらず、中古市場では大きな差がつくのです。

ということは、安い中古マンションは誰も買わないから安いことを意味しています。そのようなマンションを果たしてお買い得と言いきれるでしょうか?

 

次に、10年先のリセールバリューという視点で考えてみましょう。築10年の中古は築20年、新築は築10年ということになりますが、その時、どのような差が表われるのでしょうか?

 

20年経ってもあまり変わらない中古と、10年で大きく値を下げる中古、そんな例は多数存在します。20年経ってますます安くなってしまった中古と、築10年に到達したが新築並みの人気中古という例も勿論あるのです。

 

折角人気エリアにあるのに、駅から遠いために敬遠されている中古マンションもあります。ブランドマンションであっても、小型で貧相な外観と管理費が高いことが嫌われて値が付きにくい中古マンションもあります。

 

反対に、駅2分の便利さとランドマーク的存在感が20年間高い人気を保ち続けているマンションがあります。再開発が進んで10年くらい前から人気が急に高くなり、20年経った現在では、新築マンションの供給が途絶えていることも手伝い、高い値がつくマンションなどもあります。

 

(4)新築・中古を問わず価格は物件によりけり

モノの価値は需給関係で決まるものであり、新築マンションには業者の利益が乗っているから高い、中古はそれがないから安いと考えている人をたまに見かけますが、そんな単純な関係ではありません。

 

業者の利益が乗っていても新築に魅力があるから買い手が付くのです。反対に、利益をゼロにした値引き物件でも売れない新築は少なくありません。一方、中古の人気マンションには個人の所有者の転売利益が乗ることに気付くべきです。

 

結局、新築であれ中古であれ、マンションの価値は個別要素が大きく左右しますから、あくまで具体の物件ごとに判断していくほかにないのです。

 

「安もの買いの銭失い」という格言があります。「安かろう、悪かろう」というのもあります。「安さ」は要注意です。

反対に、一見高いように思えて、長い目で見れば割安の良い買い物になることだってあるのです。

 

これらの金言を肝に銘じてマンション探しをしたいものです。

 

(5)人気中古は結構高い

東京の場合ですが、実は気に入る中古というのは結構いい値段が付いていて、極端に言えば新築と対して変わらないというのが実態です。反対に、安い中古は、ちょっと手を入れたくらいでは欲しいという意欲が湧いてこないのが現実なのです。

 

立地条が特に良いという場合、中古とは思えない結構な価格で取り引きされています。駅前のランドマーク的な大型マンションや、外壁やエントランス、ロビー、植栽などに金のかかった高級マンションは、管理も行き届いていて、年齢を感じさせない綺麗なものであることが多いものです。

 

勿論、人気のある中古は買い手がすぐに決まってしまいます。市場に長い時間留まっているような中古(それが結多い)は、見学しても何かしら気に入らず、購入に前向きになれない恨みが残るものです。

綺麗でない、知らない人が長年使っていたことに対する抵抗感、時代遅れの古い設備に気乗りしない、場所も悪くはないが中途半端であったりするのです。

 

もう少し綺麗なもの、もう少し立派なもの、もう少し便利なものなどと欲を出すうちに、「やっぱり新築がいい」となるのが人間心理です。最新の設備と豪華なインテリアで飾られた新築マンションのモデルルームを見たら、すぐにその虜になってしまい、中古マンションはもういいとなってしまうのも肯けます。

 

(6)目当ての中古マンションは待てど暮らせど・・・

「人気のマンションは、ウェイティングリストがあるほどです」と語る地域の仲介業者がいます。滅多に売りに出ないので、売り物が出たら直ぐに教えてと希望する買い手候補が多数いるというのです。

 

人気マンションというのは、例えば1年間にどのくらいの件数が売りに出るのでしょうか?正確な統計があるわけではないのですが、普通で3%くらい、より人気のあるマンションでは1~2%しかないと聞きます。つまり、100戸のマンションなら待っても1戸か2戸の売出しということになります。

あるヴィンテージマンションの場合は、5年待ってようやく住むことができたという実話も聞いたことがあります。

 

このように、何が何でもここに住みたいという強い執着を持つ物件は人によって確かにあるようですが、その種の人は既に持ち家に住んでいる買い替え派であることも事実なのですが。

 

(7)中古選びの割り切り方

中古マンションの探し方のコツとして、最初から多くを望まないで選択し、その代わり内装を大胆に改造するという割り切り方を提案します。

 

しかし、大胆な改造、すなわち間仕切りから最新設備への交換といったことまで実施するということは、それなりの費用がかかりますから、物件購入費用+リノベーション費用の合計が新築価格に迫るはずです。それはいかがなものかとなるはずで、やはり新築より安く上がらなければ意味がないでしょう。

 

何しろ外観や共用部は美しいとは行かず、エレベーターなどもキズが目立つことでしょうし、ひょっとすると耐久性も短いかもしれないのですから、それらの欠点を内装の満足感で上回った上に取得総費用も安いとものでなければなりません。

 

そうなると、例えば近くの新築が5000万円はするという場所で4000万円を割るような費用で済んだというような結果を求めるはずです。

そのような物件はというと、現実は築年数が20年以上30年クラスになって来るかもしれません。

 

(8)長く住むつもりで選び、売却時に欲は出さないことがコツ

築年数が30年ともなると、もはや高く売却することはできません。元々が築30年なら、そこから30年も住むというのは難しいことかもしれませんから、いずれは売却する道も念頭に置いておく必要があると思います。

 

売却に際しては、欲張ったことは考えられません。「内装に1千万円もかけたので」などと主張しても次の買い手さんに通るものでもないからです。

 

そうであれば、長く(20年くらいでしょうか)住んで元を取るという発想が必要になるでしょう。つまり、満足感の高い「内装・設備・間取り」を堪能することです。住まいは本来そこが基本のはずです。経済的な損得ばかりを考えてしまうと、後に割り切れなさが残るものです。

 

何もかも条件の揃ったマンションは存在しないのが現実ですから、足りない部分は、室内の大胆な発想で改造し、「マイマンション」を実現するという発想もあると知っておきましょう。

 

(9)中古ならプチ・リフォームを楽しむこと

綺麗な家、設備のいい家に住みたい。日本人共通の願望ですが、特に女性は新築にこだわりが強い感じがします。

 

中古になると、部屋を見た瞬間に「汚いなあ」と興ざめしたりもするのでしょう。そこは見学前から覚悟しておくことが大事かもしれません。

ともあれ、中古はリフォームが不可欠になります。しかし、リノベーションしようなどと大掛かりなリフォームは考えない方がいいでしょう。金額が大き過ぎるからです。度々重なる打ち合わせに時間も取られるし、費やすエネルギーも半端ではありません。

 

ようやく満足するプランができて工事に入っても、完成したときの失望感が大きいことも多いのです。

 

PC上で完成イメージを瞬間的に映し出すシステムもありますが、実物とのギャップは小さくありません。お金と時間をかけた割には出来上がりに不満を漏らす人が多いのです。

 

筆者のお勧めは「プチ・リフォーム」です。例えば、入居前はガスコンロとトイレだけ新品に交換し、壁紙もトイレの1面だけ、さらに欲張って玄関ホールの壁にボーダーの木パネルを張り付ける程度にするなど、最小限に留めることです。

1年経ったら今度は寝室の壁紙を高級感のある布クロスにする、3年目はリビングの一角にミセスカウンターを取り付けるといった、分割リフォームを計画するのです。

 

程度問題ですが、中古物件にもきれいに使ってきたお宅をときどき見ます。見学するとリフォームが要らないと思える物件も少なくないと聞きます。

しかし、築20年などになると、さすがに部分的なリフォームは必須です。

 

リクルート社の調査データなどを覗くと、年数に比例して費用がかさむようですが、それを一遍にやってしまうのではなく、発想を換えて購入時は最小限に抑え、後の楽しみに残すことをお勧めします。マイホームの楽しみは、賃貸では許されない室内のお化粧や模様替えにもあるのです。

 

 

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。3回目は10日後の予定です。

 

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