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最近のマンション市況を見ていると、明らかに空気が変わってきました。
数年前までは『新築マンションはとにかく早く買わないと、さらに値上がりする』という強気一辺倒の相場でした。
しかし現在は、金利上昇、株価の不安定化、転売目的の購入者の減少などにより、買い手の目線が少しずつ厳しくなっています。
だからといって、都心マンション価格が一律に下落している訳ではありません。
一部、成約価格も下落しているエリアはありますが、売出価格が下落し成約価格はステイというのが都心マンションの現在地です。
在庫回転率が下がり、強気の成約が減る。
売り急いでいる物件のみ下落基調となるため、全体では成約価格にインパクトは無いのが現状です。
そして現在は『何を買っても上がる相場』から『物件によって結果が大きく分かれる相場』への移行期間です。
その変化を象徴する物件が、今回取り上げる『パークコート御茶ノ水ザタワー』だと考えています。
パークコート御茶ノ水ザタワー
パークコート御茶ノ水ザタワーは、旧JFAハウス跡地に建設される、地上23階建て、総戸数125戸のタワーマンションです。
売主は三井不動産レジデンシャル、設計は日建設計。
御茶ノ水駅、新御茶ノ水駅、本郷三丁目駅など複数駅を利用でき、文京区湯島アドレスでありながら、千代田区に近い立地です。
周辺には東京科学大学病院、順天堂医院、東京大学医学部附属病院があり、医師をはじめとした高所得層の実需が見込めます。
また、このエリアを代表するワテラスタワーレジデンスは、現在では坪単価1,300万円を超える水準で流通しています。
新築時の坪単価が約430万円だったことを考えると、御茶ノ水周辺の評価が大きく変わったことが分かります。
パークコート御茶ノ水ザタワーの価格は、一般住戸でもおおむね坪単価900万~1300万円、プレミアム住戸では坪単価1900万円を超える水準です。
2025年のパラダイムで考えると坪単価はプラス200万円程度くらいでもおかしくありませんでした。
都心部新築の状況
もし、2024年から2025年にかけての強気相場がそのまま続いていたなら、パークコート御茶ノ水ザタワーは、さらに高い価格で販売されていた可能性があります。
御茶ノ水・湯島エリアの希少性、パークコートブランド、日建設計による外観デザイン、全戸55㎡以上という住戸構成、地権者住戸がほぼない点などを考えれば、本来はかなり強気な値付けができる物件です。
それでも一般住戸の中心が坪単価900万~1300万円程度に収まっているのは、売主側も現在のマーケット環境を冷静に見ているからではないでしょうか。
現在の都心新築マンションの坪単価を整理すると、おおむね次のような水準です。
・パークコート麻布十番東京 ザ タワー 約2000万円
・リビオタワー芝公園 (定借) 約1500万円(予想)
・パークコート青山高樹町ザタワー (定借) 約1400万円
・セントラルガーデン月島ザタワー 約950万円
・パークタワー渋谷笹塚 (定借) 約650万円
※販売期、階数、向き、眺望、によって坪単価は大きく異なります。
こうして比較すると、パークコート御茶ノ水ザタワーの坪単価900万~1300万円は、所有権×文京区×パークコートにしては堅実な価格設定だと言えます。
パークタワー勝どきイースト、ブランズタワー白金高輪(仮)などの発表が遅れているのはディベロッパーが現在の市況を冷静に様子見している証拠だと思います。
各ディベロッパーのマンション販売の利益率は2020年が20%程度で、2025年は30%程度となっており、土地値と建築資材価格が高騰しているのに利益率が上がっております。
これは価格の弾力性があることを意味します。
9月の追加利上げはほぼ確実か
マンション市場を考えるうえで、避けて通れないのが金利です。
日銀は2026年6月に政策金利を1%へ引き上げました。さらに、9月17日、18日の金融政策決定会合では、1.25%への追加利上げが行われる可能性が極めて高い状況です。
そして大切なのは、『9月に利上げするか』ではなく、その先です。
ターミナルレートについては様々な見解がありますが、ベッセント財務長官のスタンスを受けて少なくとも1.75%までは上昇すると考えるのが合理的です。
住宅ローン利用者にとっては、確実に負担が増える方向です。
例えば1億円を35年で借りた場合、金利が0.5%上昇するだけでも、毎月の返済額はおおむね2万円以上増加します。
昨今増加傾向にあるペアローンで限界まで借りている世帯にはダメージが大きいです。
金利上昇の背景には、物価上昇や賃金上昇があります。
また、建築費、人件費、土地代は依然として高く、新築マンションの原価は簡単には下がりません。
更には家賃の大幅上昇が控えております。
先ほどの例で、住宅ローン支払いが2万円上昇しても、家賃が5万円あがることはざらにあります。
インフレに対応することは重要です。
株価下落が高額マンションを直撃する可能性
もう一つ注意したいのが株価です。
都心の高額マンションは、金融市場と密接に関係しております。
株価が上昇すると、保有株式の含み益や会社売却益などを頭金にしてマンションを購入する人が増えます。反対に株価が大きく下落すると、富裕層であっても購入判断は慎重になります。
2026年9月2日には日経平均株価が1日で約1900円下落しました。
AI、半導体関連株への期待は依然大きいですが、国内外の長期金利上昇、原油価格、円相場、地政学リスクなど、不安定要因は少なくありません。
特に坪単価1500万円を超える物件は、住宅ローンだけで購入する層ではなく、株式などの資産を持つ購入者が中心になります。
現在3億円以上の物件の動きが悪いのはその様な原因によるものです。
ただ、100㎡以上などの広い物件や眺望がスペシャルな物件など稀少性が高い物件の売行きは依然好調です。
今後は坪単価よりも物件の中身を見る
今後のマンション市場で、一番危険なのは『相場が下がったら買う』『金利が上がるから待つ』という短絡的な判断です。
同じ坪単価でも、駅前再開発と一体になったランドマーク物件と、周辺に似たマンションが多数ある非ブランド小規模物件では、将来の結果は大きく異なります。
重要なのは、
・そのエリアを代表する物件か
・中古になっても指名買いされるか
・周辺に代替できる物件があるか
・間取り、眺望、共用部などに固有の価値があるか
という点です。
金利上昇局面では、物件の選定が重要でコモディティ化したものではなくスペシャルな物件を選ぶことが重要です。
2024年、2025年の様に短期で30%も上昇するような相場くる可能性は低いです。
しかし、都心への人口集中、建築費の高止まり、再開発、良質な新築マンションの供給不足が続く以上、都心マンション相場が大きく崩れることは考えられません。
これからのマンション購入では、値上がりだけを目的にするのではなく、長期間住んでも満足できるか、仮に価格が下がっても購入を後悔しないかを考えてください。
資産性は、住む人の幸福度を支えるための条件であって、マンションを購入する最終目的ではありません。
皆様の物件購入が素晴らしいものになるよう心よりお祈りしております。

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