国土交通省が7月28日に公表した2025年度の「都市鉄道の混雑率調査結果」によると、日暮里・舎人ライナーの混雑率は176%となり、6年連続で全国ワーストとなった。
一方、かつて199%で全国トップクラスの混雑率だった東京メトロ東西線は、2025年度は160%。コロナ前の水準を下回っている。
両路線とも、鉄道事業者は長年にわたり混雑緩和策を進めてきた。それにもかかわらず、混雑率の推移には大きな違いがみられる。
そこで、両路線の混雑率がどのように変化してきたのかを整理し、鉄道事業者が進めてきた主な混雑対策を振り返りながら、沿線選びの判断材料としたい。
混雑率はどう変化したか
※国土交通省が公表している「混雑度」の目安。
2025年度の都市鉄道混雑率では、日暮里・舎人ライナー(赤土小学校前→西日暮里)が176%となり、6年連続で全国ワーストとなった。一方、東京メトロ東西線(木場→門前仲町)は160%となっている。
2019年度までは、両路線とも全国でも特に混雑する路線だった。2020年度にはコロナ禍の影響で混雑率が大きく低下している。
その後の推移は対照的だ。
東西線は利用者の回復に伴って混雑率も上昇したものの、2025年度時点でも2019年度の199%を下回る160%となっている。
対して、日暮里・舎人ライナーは2020年度以降、再び上昇傾向となり、2025年度も176%と全国で最も高い混雑率が続いている。
同じように混雑対策を進めてきたにもかかわらず、混雑率の推移には違いがみられる。
では、両事業者が実施してきた主な混雑対策を見ていこう。
東西線で実施された主な混雑対策
東京メトロは、東西線の混雑緩和に向けて、駅改良や輸送力の維持・向上に加え、利用時間帯の分散を促す取り組みを継続してきた。近年は、リアルタイムの混雑情報を配信する「東京メトロmy!アプリ」の導入や、オフピーク利用を促す各種施策など、利用者の行動変容を促す取り組みにも力を入れている。
中期経営計画では、テレワークやWeb会議の定着などを背景に、鉄道需要の回復は不透明との認識も示している。
日暮里・舎人ライナーで実施された主な混雑対策
東京都交通局も、日暮里・舎人ライナーの混雑緩和に向けて、増発や新型車両の導入、ロングシート化による輸送力の向上を進め、ポイントサービスを活用したオフピーク利用の促進にも取り組んできた。こうした対策を継続してきたものの、2025年度の混雑率は176%となっている。
東京メトロ、東京都交通局ともに、混雑緩和に向けた取り組みを継続してきたことが分かる。
では、混雑率の推移から何が読み取れるのだろうか。
混雑率の推移から分かること
両路線とも2019年度までは全国でも特に混雑率の高い路線だったが、2020年度以降は異なる推移をたどっている。この混雑率の変化について、事業者や国土交通省が定量的な要因分析を公表しているわけではないので、「なぜこのような違いが生じたのか」まで断定することはできない。マンション選びで重要なのは、混雑率の原因を推測することではなく、現在どのような混雑状況にあり、この数年間でどう変化してきたかを把握することである。将来の混雑率を正確に予想することは難しいからこそ、過去から現在までの変化を知る意味がある。
今回は東西線と日暮里・舎人ライナーに焦点を当てたが、他の路線についても2017年度以降の混雑率の推移をランキング形式で整理している。気になる沿線がある方は、確認してほしい。
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