お便り返し-56 マンションに火災保険は必要?【DJあかい】

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いい質問ですね~。(池上彰風)

差出人: むっさn

誰に答えて欲しいですか?
全員



メッセージ本文:
マンションに火災保険は必要ですか?

建物の構造上、火災にはめっぽう強いのではと思いますが…。


まずマンションが火災に強いという意味を確認しましょう。
木造の戸建てに比べるとRCなので躯体が火災に強いということですね。
あとは部屋ひとつひとつが箱のように区切られているので他の部屋に延焼しにくいというのもあります。
ただ、火災の後というのは仮に躯体が無事でもかなり大変です。部屋の中のものが燃えれば火災ゴミとなって処分が必要ですし、壁紙や水回りなども燃えたり灰だらけになってしまえば交換が必要です。元の住める状態に戻すだけでも多大な出費が必要になります。それをカバーするのが火災保険です。
また、失火責任法という法律があり、他所の部屋の火災によって延焼等の被害にあっても、重過失の場合を除き損害賠償は免れることになっています。



民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
(「失火ノ責任ニ関スル法律」より)


民法第709条は損害賠償の話なので、失火の場合は適用しない、つまりもらい火の時は延焼した人が自費で家を復旧しなければならないということです。
また、延焼だけではなく、消火活動によって階下の部屋が水浸しになるケースもあります。その場合でも再び住むためにはリフォームが必要になります。
そういった様々なリスク、自分が気を付けていればいいという話ではなく、上下左右、縦一列の部屋の人、もっと言えばマンション居住者全員が絶対火事を起こさないと信頼している人であれば火災保険なしでも構わないと思いますが、一旦発生すれば数百万円単位の持ち出しになることを考えると、入った方が安心ではないですか?という話をいつもしています。


補足:マンション管理組合で火災保険に入っているから個人で保険に入る必要はないのでは?と聞かれることも多いです。管理組合で入っている保険は共用部に関するもので、外壁や廊下、窓、玄関扉、バルコニーといった共用部にあたる部分の被害に対応するものです。つまり専有部(部屋の内側)については個人の保険に入ってなければ全額自己負担となってしまいます。

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マンションコミュニティの皆々様方、ごきげんよう。不動産業界に身を置くDJあかいと申します。 この度、スムログという多くの人の目に触れる晴れの舞台をいただきましたので、普段のブログと一味違った学びのある記事を発信していきたいと思います。

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DJあかいのマンション総研

1 個のコメント

  • 契約者さん より:

    他の方の質問ですが、大変参考になりました。

    地震保険はいかがでしょうか?
    一般的に新築マンションは地震には強く、全損などはまずないと考えています。また、地震による津波も想定されないエリアであれば、火災や物損位になると思いますが、掛け金の割には補償内容も不十分に感じます。

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