リフォームでバルコニーに水栓ってつけられるの?【お便り返し】

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今回は回答者指定なしのスムログへの質問へごく軽く。
バルコニーにリフォームで水栓って後付けできないの?って質問です。

質問は

差出人: やばた

メッセージ本文:

いつも皆様の記事楽しく読ませてもらっています。

リフォームによるベランダ水栓設置についてご相談です。
今回初めて新築の板マンを購入することとなりました。
購入にあたり、妻がリフォームでベランダに水栓を設置したいと言っています。
ベランダ掃除の時や、小さい子供がいるので、ベランダでプールをしたりする時に便利だから付けたいとのことです。

私個人としては、リフォームによりリセールにプラスに働くどころか、水回りの整備が必要でマイナスに働くんじゃないかと危惧していること、なんだかんだでそんなに使う機会がなく無駄になりそうな気がしていて、反対です。

一方で初めてのマンション購入であり、そもそも可能なのかも含めて手探りな状態で、金銭面以外に反対する理由があまり見つからず、経験者等がいらっしゃればご意見を頂けたらと思いました。

よろしくお願いします。

バルコニーは共有部:自分のものじゃありません

質問されたやばたさんはあまり乗り気ではないということで、その方向での回答になる管理組合の理事会の人の私から。

バルコニーって、自分のものだと考えている人も多いのですが、そこにでるためのサッシなども含めて、マンションの共用部分なので、自分の好きにリフォームしてかまわない専有部分ではありません。

大抵お隣にケイカル板を蹴り破って避難できたり、下に逃げるためのはしごがついていたりして、火事が起こった場合の玄関方向とは別に2つめの避難経路になっているので、そこを緊急時に他の人が使うこともあるなどの理由で、必ず「共用部分」に指定されています。水漏れが起こったり、台風でサッシの窓ガラスが割れたりしたら、管理組合の保険適用で組合に直してもらえる一方で、自分で勝手に仕様を変更したりはできません。

大規模修繕の工事とかをすると、バルコニーにおいてあった植木が巨大化していてもう動かせないに組合にはどけて下さいと言われたり、タイルやウッドデッキを施工して楽しく暮らしていると自分の負担でどけて下さいと言われたりしてひと悶着起こりがち。新築時のオプションになっていると、まともな売主さんだと自分の負担で大規模修繕でどけることになりますよとかどこかで注意書きをもらっているはずなんですが、そんな都合の悪いことを12-15年先まで覚えている人ってまずいないから。

下に塩ビの長尺シートが施工されているのが普通ですが、防水の目的のためなので、大規模修繕工事のときには張替えになるので、バルコニーは空っぽの状態に戻さないといけないのですが、どこに置けというのじゃとかでもめ易い。
(前置きが長いが、書きたかったのは要するにこれwww 組合の共有部分にごちゃごちゃモノを置きっぱなしにするのが悪いが理事会的見解)

自分のものじゃないものを勝手に工事しちゃまずいのは明らかでしょう。
実際にバルコニーになんか施工していると、中古の売買ではもとに戻してくださいと言われるので、次に買う人にとっては”もとに戻す費用”だけ損になります。
私の組合では原状復帰を指示しますので、最近でもバルコニーをいじっていた人を、リフォーム再販で買い取った大手の不動産会社がしくしくとか直していました。それでいいよとか許可をだしたばかり。

水はどこに捨てるの?

スロップシンクとかちょっと前まではよくバルコニーにありましたが、蛇口をつけて水を出すなら、その水を捨てられる場所ってのは必ず必要です。新築時に全戸につける場合には下の写真のようにちゃんと水は回収されてバルコニーにぶちまけなくていいようになっているわけで、その水を捨てる配管がないとかなり困ったことになります。


  1. 必ず事前に組合に連絡して許可を得る。新築で組合がまだ立ち上がっていない場合は売主さんに相談になりますが、なにせトラブルの元ですからそもそも受けるリフォーム屋さんがいないと思います。
  2. 万が一(普通許可はでません)認められても、売ってでていくときにはもとに戻さないといけないと言われることを覚悟する。
でしょうか、管理組合理事会的な立場からはおススメはしかねます。

バルコニーは大量の水を流すようにはできてない

バルコニーは少量の雨の吹き込みには耐えるようにはできていますが、大量の水を流していい仕様にはなっていません。

大抵ちょろちょろ端の溝を流れて、グレーチング(排水溝)から管にまとめて捨てる仕組みで、設計によっては自分の部屋の排水溝がお隣の部屋のバルコニーにあることも多いです。バルコニーの排水口が詰まったりすると専有部まで水没で水浸しになるのも困るからで、逆梁になってるとか立ち上がり部分の仕様によっては、オーバーフローへの対応で、排水溝のちょっと上に穴をあけていることもあります。

またバルコニーに緊急用の避難はしごがある場合、そこは実は穴があいているだけですから水をかけるとしたまでじゃーっと雨になって、下の人がおい!とか怒鳴り込んできます。

上の階から雨でもないのに水が降ってきて下の洗濯物が濡れたぞみたいなトラブルがうちで起こることが多いのは、天気のいい真夏の日ばかり。子供をプールあそびさせて、その水をどばっと捨てる場合ですね。天気がよければ物干ししていることが多くて、そこに上からどばっと水が降ってくるとまぁ普通の人は怒って管理事務室に。

ご質問の中に”ベランダでプール”とかでているので、それはできれば避けたほうがよいのでは(少なくとも絶対一気に水を流しちゃだめ)は一言だけ。

これは大抵、使用細則ってとこに規定があって、バルコニーで大量の散水をしてはダメとか書いてあるのが普通です。下はよく使われる?ひな形の例。



私のマンションでは定期的にバルコニープールはトラブルの元だからやめたほうがいいと夏限定で全戸告知をだしています。

結論は

あんまりおススメはしかねます。奥様にこのあたりを説明されると、無理にほしいとは言われないのでは?と思います。

ちょっと前までは、結構バルコニーにはスロップシンクとかついていたもので、うちのマンションでもついていて、バルコニーにコンセントもあります。専用の排水管を施工しないといけないとかいろいろコストアップするわりには、”ないと怒られる”というものでもないので、マンションのお値段が上がってくる昨今では割と真っ先に廃止されているものの代表格ですね。今のままの仕様で暮らせないというわけでもないので、ちょっと不便だなで我慢するのが無難だと思います。

前回のタワマン共用部電気代編が管理ネタ?にしては珍しく普段と桁違いのアクセスだったのでイップスになっているはるぶーでした。
次回は、マンションの管理組合の保険のお話か、滞納者への対応のお話。どっちにしても読む人少なそうですが、理事会の方向けに。

!! 重要 !!
 本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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