例え全額補助金でもマンションにEV充電施設が導入困難なわけ

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明日7/8の朝に、大京×HOME’S×ブロガーのコラボレーション企画でセミナーがあり、そこでお話をします。事前登録制で、今日7/7の18時までとか。(追記;しめきりになった筈ですまたの機会に)。その案内だけというのもなんですので、もう1つ今週7/4に読売新聞に載った、マンションのEV充電施設の導入の記事の話でブログに。

東京湾岸ライフさんと私で、オンラインセミナーで対談

【PR】明日7/8の10時から大京×LIFUL HOME’S×ブロガーでのコラボレーション企画でのウェビナーがあり、そこで私が講演などでマネジメントを受けている、新都市生活研究所の池崎社長(最近でてきませんが、スムログでは「東京湾岸ライフ」さん)と私で対談があります。さくら事務所の長嶋さんの不動産市況の話の後。

タイトルは 『「売るべき物件」「買うべき物件」』・・・管理ネタの私と合うの?とか思いながらパワポファイルも2人でZOOMで話しながら作ったのですが、かなりとんがった感じにできあがりました。

今日金曜の18時まで登録可能なようですのでよかったらこちらから登録して聞いてみてください。私別に豚さんのアバターで出るわけじゃないんですが・・・”名前が難読で読めない”せいか、ビッグサイトでのマンションEXPOの講演会でも”はるぶー”のまんま。別にいいけど。

セミナーはZOOM実施で自宅から聞けますが「事前登録制」です。こちらから。

セミナーの登録はこちらから


「EV充電器万歳!」って話をしたわけじゃないんだけど・・・

うちのマンションには一昨年の12月にEV充電施設が2区画補助金を使って導入されています。入れたのは私。その後で”私自身”も(本当は買ったのは妻)EV車のオーナーになったせいか、やけに沢山「マンションへのEV充電器の設置」の取材を受けました。もう6-7回は対応したかな。

今週の7/4の読売新聞にも記事がでています。(記事の一部)



EV車にガソリンみたいにコネクタもって充電するわけねーだろってツッコミはなし。求められた写真ですから。

取材で説明している時間の多分2/3程度は、”管理組合理事会が充電設備を入れる困難さ”の話だと思うんですが、記事になってみるとなぜか補助金盛り盛りでマンションの充電施設は簡単にはいるから「もう導入するしかない!」「充電器万歳!」みたいな記事になっているのが普通です。緑のおばさん(都知事)がやけに熱心なのか、特に東京都の場合は充電器そのものは100%助成ですから、既存マンションだってこぞって入れて当たり前だろの”国”や“都”の政策的目線での記事になってます。電気は足りない筈なのになんでEV車をそんなに補助金モリモリで無理に増やしたいのか(車本体でも私のは120万円助成+車の税金も安い)正直いってアホの私にはわかんない。

数年以内に新築マンションの多くには一定割合でEV車への充電設備が設置されるから、暫くすると”充電できない”古いマンションと言われるのも愉快でないし、都内のマンションだと中に停まってる車は外車が多く、ヨーロッパはもうガソリンエンジンは開発を終わりにするような会社もありますから、既存マンションだっておいおいEV充電施設があったほうがいいことは確かですが、組合(特に理事会)の立場からは100%助成金を撒いてくれても実際には導入は難しいって理由は沢山あります。

上の記事は中に、EV設備導入で「規約の書き換えがあったら特別決議ね」が書いてあるだけいいんですが、こちらの記事(日テレニュース)なんかは
日テレニュースの記事(Yahoo)
理事会的に”なぜ導入が難しいのか”は1時間とか沢山話ししたのに殆どカットでちょっと悲しい。

でまぁ・・・「切られた部分」だけブログに書いて「供養」することにしたわけです。

短くはこちら

短いTwitter版はこちら。まぁこれでほぼつきてると思いますが、理事会がなかなかEV充電器導入に踏み切れないのは、誰も今は使わないものの導入に時に過半数~全戸の3/4の賛成が総会で必要になるから。オーナーというのは”自分に関係がない”ものへの支出には極端に冷淡なもの。

今誰も使ってないものをお金を出して導入する困難

都内だと、現在国が半分、残り半分は都が補助だから充電器本体はタダで設置できます。但し工事費用は別なので、どんなに上手にやっても消費税分くらいは組合の持ちだしになります。1区画あたり10-20万円でも、”誰も今使っていないもの”に組合のお金を出すことになるわけです。東京都かそうでないかでここ変わるので注意。

鶏が先か卵が先かみたいな話にもなりますが、導入するとEV車の数は増えます。うちだと導入時には500戸近くに対してPHVが1台だけ、今は私も含めて多分7台が充電施設を使っています。

料金設定の困難

EV車って補助金使っても高いし、ガソリンみたいに瞬間に給油とはいかないから、結構不便なもので、メリットは”電費”が安いくらいしかないもの(ならあんで買ったんだってツッコミはなし・買ったのは”妻”で私は運転手)。

その分、EV車のオーナーは特に充電の値段には敏感で、隣に大きなモールがあると0円でお買い物の間にもせっせと充電していたりします。基本料金(契約受電量がupしやすい)も含め”電気代だけで絶対損しない”料金の設定は実はマンションにとって結構至難です。充電施設だけの電気代って普通は計測できないですし、理事会の人は複雑な電気料金の仕組みを熟知しているともいえず、理事会って案外課金部分について丼勘定なものです。

これは前回のブログ参照で繰り返しません⇒

駐車場のEV対応区画の追加料金月+1000円は安すぎ?

充電施設そのものの費用回収の困難

電気代もここ2年激変しましたから電気代だけで赤字でない(赤字で充電してあげる義務は組合にはない)だけでも難しいですが、充電設備の導入費用も受益者負担で徴収しようとすると、区画あたりで20万円(うちの場合)とかでも、区画とクルマが1:1に対応していたらとても困難です。

EVユーザーは自分専用のコンセントを欲しがる傾向が強いですが(低速だと1晩かかるから、”充電できない”ことがあるととても使えない)、EV充電器のある区画だけ余計に駐車場代を徴収して充電器の設置コストを短期に回収しようとすると、電気代とは別に凄い金額を負担してもらわないと、組合からみてペイしません。

都市部のマンションは、機械式の場合が多く、例えそこに設置できたとしても充電器とクルマの対応は1;1になってしまいます。私のマンションは500区画近くが全て自走式で空きが20台ほどあるほかは全てクルマで埋まっていますから、450台ほどの区画に対して2区画を充電ステーション専用に潰して全てのEV車が順繰りに使うスタイルです。実際に今7台で使っていますが、2台が同時に充電してる姿はまだ見たことがありません。

商業ベースの充電ステーション(テスラのスーパーチャージャーなど)であれば入れ替わり立ち代わりクルマが来るからペイするわけですが、普通のクルマは月800Km走っても130kWhですから、月の充電時間は6kWで20時間ちょっとで2-3晩。クルマと1:1対応させてしまうと1月720時間の殆どはコンセントは遊んでいることになるわけです。

うちの試算だと使いまわせば夜間電力だけで1区画で10-15台程度、昼間も解放すればその2倍程度まではあまり充電区画の満車をおこさずにうけいれ可能な筈で、専用の充電ステーションを平置きで設置したほうが投資回収の面からは有利

マンションの受電設備の制限

うちは6kWの充電器×2台ですが、もしフルに両方使うと実はマンション全体の受電量の15%近くになります。新規に設計すれば区画数に見合った受電設備をはじめからもっているものですが、既存のマンションだとキュービクルの増設がいるなどの困難もあります。
また、ごく最近特例ができましたが、もともと電気事業法の縛りで、1需要場所1引き込みの大原則というのがあって、マンション全体で受電施設は1か所だけなので、マンションの変電室と駐車場が遠いとその間延々と電線で引いてこないといけない困難がありました。変電室からは遥かに遠い駐車場棟の目の前に電柱があってもそこからひょいっとは繋いで電気はとれなかったわけです。同じ理由で”充電施設のみ”が使っている電気の量を測れるマンションって稀だと思います。

うちは駐車場そのものの節電を進めて浮いた電力で、駐車場の配電盤から2区画分の電気を引いていますが、実は2区画というのはその限界で3台目は同じ方式では設置できません。そのくらいに既存のマンションってのは、電気を使うものを新規に繋ぐ余力がないわけで、普通は平置きの来客用駐車場を2区画程度夜間だけ充電で使いまわせるくらいが既存マンションにありがちな限界です(昨年あたりから補助金は何台でも設置した数だけでるようになったけどマンションの受電の制限で使い切れない)。

特別決議になることが多い

EV受電万歳!な記事(Web上のもの含む)では総会は必要だけど過半数決議で通せますとか勝手に決めつけて書いてあるものも多いけど、ある議案が”特別決議”になるかどうかは、うちではしばしば顧問の弁護士さん(管理士でもある)にお伺いを立てる案件で、資格もない人が”きっと通常決議だろう”なんて決めつけるほど簡単じゃありません。

現にうちでは3/4の特別決議でした。駐車場は必ず月極有料で台数や場所の規定が規約にあったからで、”駐車場”を”駐車場でないもの”に変えるから特別決議。規約やその別表・規約に直接添付の図の書き換えとかになれば必ず3/4の特別決議です。

”全戸”の75%の反対がいるのですが、そもそも国内のマンションの総会への出席率って平均で80%くらい。5%以上反対がでたら可決できないわけです。うちの反対もちょいど5%でほぼ100%総会に参加するから可決できましたが、上の日テレNEWSの他での事例では、121票で3/4のところ賛成が123と「薄氷の差」での可決です。反対が一定数でる議案を特別決議で通せる理事会って以外に少ないものです。

ことは管理費や積立金といった料金改定とか、理事会制度の改革といった組合を命運をかけるほどのテーマじゃありません。EV充電設備を生やす程度のささいなことで特別決議になったら通せないほどにマンションを対立する意見で2つに割るもんじゃありません。特別じゃ通せないなら通常でとか変なことだけは考えない方が吉かと。

助成金事業の年度しばり

マンションのEV充電がぎりぎりでも採算に乗るためには、国や自治体からの補助金の利用が必須の条件。ですが国も自治体も会計年度の4月-3月に閉じた助成のだしかたをします。その関係で理事会の日程が年に1回に制限されるのが実は導入への障壁に。

この図はうちでの設置までの日程表を総会の説明資料からもってきたもの。



その年の条件の発表が4月を過ぎてから、その年度の助成枠は下手すると夏前にはなくなるので、慌てて理事会で夏前に理事会決議をして申請、OKがでたら秋に総会をやって、年末あたりに工事して、終了報告は1月締切りで3月の前に助成受け取り。国の分が終わると残りの都の分は5月くらいになるので、うちのマンション(2月期末)だと次年度に越年しての助成金回収になります。

8-9割お金が戻ってくるといっても一度全額払わないといけないわけです。
(自前の施設としてもつ場合;そうでないサービスを展開している企業もあります)

多くのマンションは3月竣工なので、通常総会月は4-6月あたりに集中していることが多い。うちのマンションも4月。4月に今年の補助金の基準は・・・とか発表されるから通常総会だけで組合運営やっていると永久に申請できません。つまり思い立ったら”次年度”の助成金狙いってことが多いわけで、全員入れ替え輪番の組合では扱うことも困難。
うちみたいに大抵年に2回総会(臨時総会で規約などを弄ってる)している組合って必ずしも多くはない。となると、”EV充電器”のために”臨時総会”が必要ってことに。

2年半数改選で継続性があり、総会に99%の票が集まり年に2回総会があって、越年した助成金に対応できるなどの会計上の余裕や仕組みがあるなど、まぁ「組合理事会の力量を示す」目的もあったからやったけど、500台の駐車場の2区画だけをEV対応にする”だけ”のためにはいろいろ日程的な制約が厳しすぎて、なにかEVに振り回された感のある1年になりがちです。

助成金ものは”助成しないとたちゆかない”施策を進めるために仕方なく国がお金を撒くという性格の強いもの。理事会はあんまりアーリーアダプターをやるものでもなく、そろそろEVが生えてないとまずい・・・くらいに普及してきてからでも遅くはなく、無数にやらないといけない理事会が助成率が高いからで無理にとりくむ話題ではないよね・・・・とか取材で必ず発言していますが、100%ボツになります。また来たら言うけど(苦笑)

タワマンとかだと、「テスラ脳」とか私がひそかによんでいる人って多くて、理事会がEV充電施設に積極的でないと、”遅れている”みたいな発言をSNSで見ることも多く、理事会側の人間としては苦笑しているわけです。

!! 重要 !!
 本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者のマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

 

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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