購入したばかりの現居を売却し、住み替えしたくなった。最適な時期は?

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すまいよみです。

最近、立て続けに「購入したばかりの現居を売却して住み替えしたくなった」と言うご相談がありました。1.2年で売却益が大きく出る物件が増えていることも影響しているでしょうか。

例えば以下のケース。

【家族状況】
夫::32歳。昨年年収800万。昇格したため来年の年収は1,000万程度となる見込み。
妻:32歳。昨年年収500万。現在育休中で来年4月復帰見込み。
子:0歳。

【資産状況】
預金:約200万。
保有マンション:一昨年に新築をフルローン5,000万円で購入。

【相談内容】
・現居は元々DINKsとしての想定で購入した約60平米のため、3人家族でも住めないわけではありませんが、手狭な感覚があります。

・また、子どもが1人できたことで場合によっては2人目も欲しいと考えるようになっています。そうなった場合は3LDKが最低でも必要と考えています。

・再来年であれば世帯年収が約1,500万に到達することが見込まれるため、現居を売却し、都内3LDKの別マンションへの引越しが可能になると考えています。

・予算次第ですが、検討したい物件が数件あります(江東区の中古で8,000~9,000万円程度)。

・売却は5年以内だと短期譲渡所得による課税となってしまうのが重いと考える一方、子どもの小学校進学前に引越したい気持ちもあります。

・また、そもそも現在のマンション高値市況を見ていると、悠長に様子見していられないように感じており、早く引越ししたほうが良いのではないかと不安です。

・幸い、現居は売却で数百万の利益は見込むことができそうです。

マンションの売却、引越しを考えた際、タイミングはいつにするのが良いでしょうか。

以下2点を焦点に、ご返答しました。

・住み替えをする最適な時期
・住み替えをする際の注意点

 


結論、検討したい物件が決まっているなら早めに探し始めた方が良いと考えます。健康面、ローンの審査、子育て環境の早い時期での確立(※)などを踏まえた上で、家庭内需要が高まっているうちに検討を始めましょう。価格が落ち着いたり、更に良い物件が出るのを待つより、今最善の選択肢をした方が賢明です。目当ての物件が江東区で現相場が8,000万円以上であれば、物件に寄りますが尚更だと思います。江東区の湾岸エリアや深川エリアは、人気が上昇中のエリアで、よほどのことが無い限り、しばらく下がる要素は少ないからです。

(※)子供が保育園や幼稚園に入る前、最低でも小学校入学前に住まいの地域をかためる→子供が小さい時ほど、親が関わるイベントが増えるため、親同士の交流、地域密着が図りやすく、将来的にも地域に愛着を持って暮らし続けられると考えています。

人気の江東区、人気のタワーマンションの相場は引き続き堅調に推移しそうです。


住み替えを進める上で、以下を考慮しながら進める必要があります。

・予算設定の考え方
・住宅ローン借入
・ローンの組み替え
・手付金
・売却益
・短期譲渡所得

まず、予算・ローンについてですが、私なら「変動金利で少し手堅く」考えます。現状、数年間は変動金利が上がる要素は薄く、史上まれに見る低金利だからです。ただし見通しが不安定なのも事実で、予算自体を手堅く見る必要があると思っています。例えば、世帯年収が1,500万円になる見込みですが、奥様の分は考えずに1,000万円で見ます。

属性や金融機関の審査によって異なるので、およその目安ですが、35年の変動で借りようとすれば、8,000万円程度の融資額がつきそうです。0.4%の変動で借りれば月々20万円の返済目安。再来年であれば十分ですが、もし再来年待たずであれば、ペアローンなどでいけると思います。目当ての物件の相場がぎりぎりなところなので、予算と今後のライフプランを踏まえて、事前に第三者から家計診断をしてもらうことをお薦めします(関連記事、すまいよみメインブログへ)。マンション購入予算を「FP無料診断 by 保険チャンネル」で決める4つの理由

住み替えにあたって、預貯金や与信枠がなければ、現ローンを返済して残高を無くしてからでないと新たなローンは組めません。そうした際に、新たな住まいに入居するまでに賃貸など仮住まいが必要になってきます。もし、仮住まい無く、スムーズに現居から新居に引っ越したい場合は、現在のローン残高を一旦見ずに、現居を後売りする条件にて新居のローンを貸し出してくれる銀行もありますが、金利、条件面など一部新規の借入と比べて制限がかかるため注意が必要です。対応してくれる金融機関も限られてきますので、若干ハードルがあります(関連記事、すまいよみメインブログへ)。買い替え時、既存の住宅ローン残債を見ずに、借入(Wローン)可能な金融機関

最近では、住み替え実現ローンなどの商品も出てきています(関連記事、すまいよみメインブログへ)。アルヒ住み替えコンシェルジュ メリット、デメリット


手付金問題について。新築なら10%、中古なら5%程度が一般的です。8,000万円の物件だと400~800万円ほど手元に現金が必要になります。売り先行で売却の契約が先に進んでいれば、こちらが手付金をもらえるので現金は手元に入ります。どうしても手元に現金がなければ、100万円程度の少額手付でお願いするか、親族に一時的に借りるしかありません。

捻出できそうな売却益をローン審査には反映できませんが、売却、住み替えのタイミングによっては、最終の借入金額に反映できるので、金融機関に支払う手数料を安くできます。売却先行で賃貸に仮住まいしきれいな体になっていれば、手付金にも、ローンの頭金にもできます。

短期譲渡所得については、あまり考えなくて良いと思います。「買い替えたい」動機を優先するのであれば小さなことだと思います。何千万円も利益が出れば別ですが、数百万円であれば税率20%も40%もそれほど変わりません。

例えば、500万円の利益が出たとします。そこから対象物件の取得費、譲渡費用などを差し引きできるので、おおざっぱですが、費用を差し引いて(仲介手数用などが対象、ローンの保証料は費用にならない)課税譲渡所得金額が300万円になるとします。300万円の40%は120万円。20%は60万円。差額の60万円は誤差の範囲です。

私は、より好きなマンション、より条件が良い部屋に数百万円を惜しんではいけないと考えています。数百万円は、月々のローンに直せば数千円から1万円程度。住み始めれば意外と何とかなってしまうものですが、妥協した後悔の念はずっと残り大きな代償になります。数十万円、100万円程度の税金負担は割り切りましょう(7月4日追記:このケースでは、譲渡所得の3,000万円特別控除より、新たなローン借入に伴う住宅ローン減税使用を優先)。

以上になります。

マンションの市況については、都心部や都心に近い物件、人気のタワーマンションは、よほどのことがない限り、しばらく緩やかに上がりそうなので、自身の年齢や子育て環境を固めるためにも早めに検討した方が得策かと思います。

スムログ出張所(マンションコミュニティ)

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ファミリーで永住できる居住性を第一に、資産としての側面も合わせて見るのが、すまいよみマンション選びのモットー。ただしマンション選びに失敗しても深刻になる必要はありません。今や住まいは一生物の買い物ではなく、僕も4度のマンション購入を経て満足の境地に達しました。
東京東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)のマンションを日々探訪しています。
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6 件のコメント

  • りゅうすけ より:

    すいません、私も同じく大阪で住み替えを検討しています。売却益500万であれば3,000万円特別控除の適用により売却で生じる所得税は全額控除可能ではないのですか?もちろん、他の住宅ローン減税不適用の前提ですが。

    • すまいよみ より:

      コメントありがとうございます!
      失礼致しました。
      ご指摘の通りです。記事内のご質問内容が新たなローン借入前提と、譲渡所得が少額なことから、住宅ローン減税使用と前提で書いていました。このケースの場合、100万円程度の税負担控除より、ローン減税を優先が一般的な考え方かと思います。

  • 通りがかりさん より:

    短期譲渡所得税についてですが、自己住居用であれば3000万円の控除枠は使えないのでしょうか?

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