委任状って言葉は管理規約に存在しない!?

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管理組合の総会の議長は、通常理事長が勤める(規約規定になってる組合が殆ど)ので、よく言われるセリフが、「委任状があって無関心な人がそのまんまだしてくるからなんでも可決できちゃうでしょ!」というもの。

今回は総会における委任状について考えてみましょう。

『委任状』って規約には存在しない

無関心層から集めた委任状でなんでもできるとか言われるとなんか賛成票を失うみたいでうれしくないから、一時期できるだけ委任状は使ってくれるな運動をしていました。
でもよく考えると、

区分所有法第39条2項
『議決権は、書面で、または代理人によって行使することができる。』

ですから、議決権行使書同様、代理人指定も理事会側から拒んじゃいけないわけで、今は気にしていません。直近の総会で、全戸の98%が参加した総会で、代理人指定された票は25%ありました。議決権行使が7割で、平日夜の緊急開催ということもあり会場には3%。
理事が30戸あるから普通はそれだけで6%になるけど、1議案の軽い臨時総会だから来なくて構わんとしたものです:保険切り替えでどうしても平日晩にやるしかなかった。

何年か前、理事会の法務に詳しい人から言われたのは、
「そもそも『委任状』なんて言葉はうちの規約にも区分法にもでてこないよ」
というもの。
※実は今検索してみたら2箇所細則に・・・

確かに、区分所有法にも、標準管理規約にも委任状って言葉はでてきません。なので、うちのは書式名称を変えて今は名称を、上の法律の条文や規約にあわせて”代理人指定書”としています。まぁ俗に”委任状”でもいいのですが、”代理人指定”だと、気分として総会における行動全体を代理しているってイメージが強くて、”委任状”より使われ方が明確な気分にはなれるから。

サンプルはこんな感じ。実際に使ったものとはちょっと違います。例を示すためなのでうちに固有の部分ははずしているので。他からのもらいものですのであれうちのと似てるって人はうちの方がコピーです、代わりにこの状態のテンプレートで差し上げたマンションもあります。



うちの代理人指定は、議長が受ける場合には「議長は理事長ですが、いかなる場合でも議長は全議案に賛成」しますと宣言して受けてます。つまり議長への代理人指定は、議決権行使書の全議案賛成と効果としては同じ。議案の数だけ賛成にチェックするもの大変かもで、議案が多いときには全議案に一回チェックで賛成になる欄も作っていて、これでなんで代理人指定する人が沢山いるのかは謎です。

ま、委任状のほうが皆さん慣れているでしょうからこの先もこれで続けます。
委任状で大事なのは、”誰に”委任するのか明確であることです。白紙委任状といって、誰に委任するか明確でないのはいけません。
一方で、きちんと委任された人はどう使おうとその人の勝手ですから、普通は理事長なら賛成に使うことになります。

議決権行使書のないマンション

ある程度の戸数になって、”委任状”がないはまぁありえないと思うけど、どこのマンションもちゃんと ”総会に欠席で反対”できるのかなでTwitterで訊いてみたもの。

私のTwitterのフォロワーは、宅建士・管理士などの保有率がとても高いとか偏っているかもしれないですが・・・

100戸以上の人むけ


100戸未満の人むけ


特に戸数が多いと 議決権行使あり:なし比率が10:1に近いくらいでかなりよく普及しているようです。大戸数のマンションで、書式をつけてくれないのは反対票などみたくないということで、理事会の姿勢としてはちょっと後ろ向きですからなんでうちないの??と聞いてみてもいいかもしれません。

無論自作して提出すれば有効に決まっています(書面で参加できるって区分所有法の規定は強行規定で規約留保はありません)。でも堂々と、反対するならここマークしてねって書式を理事会がつけてくれないのはどうかなと思うわけです。

なお、”知らない”って人が100戸以上で5人に1人くらい・・・まだまだ”フォロワーの強靭化”が足りてないみたいなので、もっとディープな管理ネタしかつぶやかないようにしないとな。

戸数が多いと実出席は少なくなる

うちの顧問の管理士事務所さんがいうには、巨大マンションでも、小さなマンションでも何年か経過すると、大体総会にくるのは50人程度とかで頭うちになるとのこと。戸数に実参加率は反比例って本当?とか思っていました。

最近大和ライフが始めた”マンションみらい価値研究所”の報告書がなかなかディープで興味深いのですが、こちらの報告
https://www.daiwalifenext.co.jp/miraikachiken/report/Report_005.html
に、戸数と総会の”実”参加率の関係がでていました。こちらに引用させていただきます。



確かに500戸とかだと、総会に来るのは1割がいいとこかなとは。

書面での議決権参加を進めれば進めるほどに、議場の票の重みが減っていくのは確かです。うちでは、
『理事長が突然思い立って、議場にいる人全員とともに自分の預かっている委任状を全部反対につっこんでも、欠席で議決権行使している賛成票だけで3/4を超えてしまっていて特別決議でも否決することができない』
ということが頻繁に起こります。

総会の場でどのように出席者がふるまっても全議案の可決を阻止できないとなると、かなり気勢をそがれるのは確かでしょう。総会いらないのでは? とか言われそうですが私はそうは思いません。問題点がないかどうか質疑応答などで厳しくチェックする人は総会には来て欲しいものです。ほぼ全員賛成していても違法な決議なら無効でしょう。これをチェックに来る人がいないのは健全とは言えません。

議場票が反対優勢でも、議長は委任状を賛成に使ってよいか

私の答えは当然YESというもの。

上に書いたほどの極端な例は少なくて、委任状をどう使うか(賛成に使うか反対に使うか)で決議結果が変わる場合があります。

よく聞くのは、会場に反対派は大挙しておしよせて、議場では反対のほうが多かったけれども、欠席議決権行使+委任を賛成に使うと可決できるというケース。うちでも、特別決議でこれに相当することは起こったことがありますが、議長≡理事長だった私は当然に”賛成”に使いました。理事会の代表者ですから、理事長が反対ってのはちょっとありえない。

区分法にも、管理規約にも、議場に来た人の意見のほうを重視すべきだという規定はありません。たまたま議場にきた、ごく少数の声の大きい人が、議案を変えようとしたり、採決を止めようとしたりすることがありますが、これはごく一部の人が、全体に影響を与えていて民主的でないから必ず阻止すべきだと思うわけです。

もう7割の人が賛否表明を済ませていますから、議案は変更できず賛成・反対しかできませんというのは私は総会で真っ先に説明しています。

先に説明しておかないとこんな状況においこまれるかも・・・これ結構進むも退くも地獄ですよ。


会場の票と欠席参加の票の重みは同じですし、議長への代理人指定を反対に使えるわけでもないので当然最後のが”正しい”のですが、さてこんな地獄みたいな状況になってしまってそれを押し通せるかというと結構日和っちゃって議案取り下げということは起こります。実は私も会場には反対の人の方が多いんでは(来客用駐車場の有償化で1時間ほど質疑応答が1つの議案だけであった)って状況の中で採決をしたことがありました。人数は実際には会場でも賛成の人が多かったのですが、反対の人は声が大きいですからね。やっぱり先に代理人指定うけたらどう使うかは書いておいたほうがいい。

議決権行使書と、代理人指定の併用時の注意

貼った例のように出欠票・代理人指定書・議決権行使書を同じ紙面上で併用すると、かならず不思議な使い方をする人がでてきます。

3つあるので提出パターンは使う使わないだけで 2^3=8通りあり得ます。

出席すると意思表明があったにもかかわらず、議決権行使書が、一部の議案は空白のままで一部だけ賛否が書いてあって、さらに代理人指定が議長あてででていて、実際には欠席したとかのケース。

書式を集める理由は、紙を出してしまうと必ず出席議決権として確定されることにありますから、無効票や棄権票になるのは望ましくありません。
このような不定のものについては、意思表明が不定な議案単位で、議長に代理人指定されたとして拾うしかないですが、ちゃんと集めた紙面に承認事項として書いておかないと無効だと言われたら対抗できません。

このあたりの扱い方は、代理人指定優先とか、議決権行使書優先と両方ありえますがきちんと先に決めておくべきで、きちんとした理事会ほどきちんと記載があるはずです、つまり総会の書式をみただけで、ある程度理事会の実力がわかることになるかなと思うのです。両方だしたらどっちが優先は両方のパターンをみたことがありますが、書いてないのはまずいわけです。うちは議決権行使優先です。

(補足)管理組合の総会で動議が認められないわけ

前回のブログに、なんで総会で動議はだめなの?って質問きてたので補足です:

区分所有法第35条に
「集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、
会議の目的たる事項を示して、
各区分所有者に発しなければならない」

とあります。

この一週間は同じ条文で、規約で変更できるとあるので殆どのマンションでは標準管理規約準拠で二週間です。

※この二週間の数え方ですが、民法風に総会日と招集通知の日を含めないで二週間なので15日前には通知しないといけないと指摘を受けて、15日前の23時ころ慌てて掲示板に手書きの殴り書きを・・・(実話・黒歴史:マンション外の人に間に合ってない気もする)

さらに、

第37条
「集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ
通知した事項についてのみ、決議をすることができる」

なので通常、総会内での緊急動議は否定されています。
通常総会では議案変更はできず”そのままで、可決か否決”するしかありません。

※ただし37条には2項があって規約で別段の定めOKですから、怪しげな規約を制定して、特別決議以外はなんでもほぼ無人の総会でぐふふ・・・変えまくりなんてことは考えないほうが吉でしょう。規約の暗黒面に堕ちます。

この手の解説は弁護士さんの書いたもの以外はちょっと怪しいのが多い。
これは大丈夫そう
https://www.gojin.co.jp/faq/03/faq_03_44.htm

ps. スムログの寡作ブロガーも次々運営の鬼のやまちゃんにせかされてエントリーをあげる年の瀬ですが、皆さんよいお年を。(今年もう書かないとは言ってない)

!! 重要 !!
 本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

27 件のコメント

  • ぴ~す より:

    江東区の500超のマンションで理事長をしていました。
    総会で議論したらほとんどの出席者が反対になり理事会も反対多数となったものの、議決権行使で成立していて撤回も出来ないというケースに直面しました。次年度からは「総会出席者の多数意見に投票」という選択肢を設けるようにしました。

    • はるぶー より:

      うーむ。それは避けたほうがよいのではないでしょうか。
      500戸程度だと50人程度だったら、反対派でも賛成派でも大挙して
      議場におくれば、500人分の意見をもってこられることになります。
      筋が悪くて、それなら”委任状をつけるのをやめる”(自作のものしか認めない)
      ほうがずっとましに思います。

      • ぴ~す より:

        たしかに総会の中立性が担保されていてない場合は危険かもしれませんね。意見が真っ二つに割れるような議案がある場合は操作しやすくなるし。まあ両派が動員合戦をして総会の場自身の価値が上がるならそれもヨシかと。

        • はるぶー より:

          議場ではどうしても反対とか疑義あり!という人の声が大きいので
          なんとなく反対の人のほうが多そうなのに、数えてみると議場も賛成優位だった
          とかの経験は1-2期になんども経験しました。やはり総会は議論の場ではなく
          議決の場なのでないかなと。

          小さなマンションだとみんな来ているってありえますが、このブログの通り
          メガマンションで総会に実出席している人は、総会の参加者に対して僅かで
          ほとんど書面参加ですから。みんなきたら入れる部屋がありません。

  • 考え中です より:

    うちは300戸程のマンションですが、理事会に質問する機会が説明会と総会当日しかないんです。平時は個別に質問しても質問者以外には回答公開されない仕組み。

    総会当日に議案の可否を左右する相見積もりの結果公表する日としたり、事前に受けた質問もまとめて早口で回答読み上げて終わり。
    事前に委任状や議決権行使書取るなら、情報開示必要だと思います。
    やっとこの問題点が住民に広まり、なんとか理事会がオープンな方向に行きそうな雰囲気となりましたが。

    当日議案を変更しないならしないで、都合悪い情報を総会当日公表は本当に悪質だと思いませんか?

    • はるぶー より:

      質問者には返事があるのであれば、それを全戸に知らせるかどうかは理事会の判断ですかねぇ。
      うちだとポータルサイト(コラボってのを使ってます)が理事会や自治会に直接質問や要望を
      要望箱からだしてやりとりできますが、その家の個人的な情報などが入っていることも
      あり、その家以外には非公開です。ほかに掲示板もありますがほとんど書き込みはないです。
      うちは事前質問の回答は、総会に参加した人に印刷して配っています。4月の総会では小さな
      活字で8ページとかになったのでいちいち回答を読み上げるとそれだけで30分とかかかるので
      ここで読み上げたことにしますとして、全戸にポータルサイトの上に乗っけて公開しておしまいですね。

      総会の議案は当日変更できないので、判断に直接かかわる情報を当日交換は変ですね。
      例えば会社をどこにするかなどを不定にする場合(今回は8月の保険の切り替えがそうでした)
      ”5年1000万までで理事会が好きに保険代理店と損害保険会社・保険内容を決めて契約しますから
      一任でよろしく” みたいな決議をとればいいだけで、それならその値段までは理事会の裁量で
      自由です。この手の決議の取り方はうちではとても多いですが、殆ど反対はでません。
      これで全戸の99%くらいの賛成で可決できるのは超徹底した情報公開をしているからです

      • 考え中です より:

        お返事ありがとうございます。
        徹底した情報公開。。。うちは真逆です。議事録も一度も配布された事はなく、管理室に置いとくから見たい人は見に来てとのスタンスで、何度要望しても変わりません。
        総会での質問の回答も、総会出席した人しか知りませんでした。
        不信をかいすぎて、会社選定までする権利をもう住民は認めないでしょうね。。。

        ただ、良い事もありました。住民が理事会運営に関心を持ち、規約や説明会資料を熟読するようになりましたし、先日の説明会には80人超の参加者があり沢山質問がでました。

        次期理事会で、よい運営に方向に進む事を願ってます。

        • はるぶー より:

          なお議事録の配布はうちも実施していません。無論閲覧規定は
          必要で、閲覧場所の指定も、管理事務室であるとした館内掲示は
          ありますが過去11期1名も求めた人がいません。

          住民だけが参加可能な住民専用のポータルサイトの上で
          ”公開用”の議事録をPDFで公開しているだけです。

          オリジナルと公開用は少し違っていて、殆ど同じですが、
          滞納者の氏名・部屋番号といった”理事でない人を特定できる情報” や
          防犯カメラの死角になる箇所など、”セキュリティホールに関わる情報”
          などは公開用では削除・墨塗りなどがあります。

        • はるぶー より:

          住民が認めるかどうかはその住民個々人の勝手で、理事会のやったことが
          適当か否かは、区分所有法+そのマンションの規約で判断するしかありません。
          無論徹底的な広報をしたほうがよいことは確かです。
          ・・・私は”自分自身のクビ”をまもるために理事会の知っていることは殆ど
          どこかにアップされていて住民も確認できるレベルで広報しています・・
          一方で、理事会がなにかを報告する”義務”があるのは年1会の総会における
          報告義務くらいしかないと思うのです。

          ”●●したほうがいい” と ”●●しなければならない” さらに”●●しなければ
          規約違反あるいは違法である”の間には大きな差があります。

          このブログで取り扱った事例ではその区別があまりついていない感じでした。
           
          これは運営する理事会側も、理事会の失政?を糾弾する区分所有者の
          側でもきちんと区別する必要があります。裁判すれば理事会相手にでも勝てるような
          こと以外を指摘しても仕方がないと私は思っているわけです。
          総会での質疑応答を全部公開する”義務”があるかといえばないわけで、決議結果のみの
          議事録でも無論問題はありません・・・それで住民が納得するかどうかとは別です。


          会社選定までを議案としているのであれば、その会社名も含めて総会決議ですが、
          通常(すくなくともうちでは)そのような議案の作り方をしていません。
          うちの直近の総会では保険を切り替えるので最大で700万とある特殊用途の
          会計を取り崩しますとしたものがありますが、会社名や保険に内容は議決していません。
          これで誰も反対しないなら、特定の会社のどの保険を採用しますなんてことは議案には
          しないほうがいろいろじっくり理事会が検討できて有利です。

          情報公開はしっかりする代わりに、極檀に理事会側の裁量は大きくしているのが
          うちのマンションの特徴です。普通だと総会が必要なものが、一部の理事の単独決済
          でできてしまうものまであります。これはやる以上は公開と表裏一体だとうちでは
          考えているわけですが、それはあくまでもうちのマンションのローカルルールです。

  • むさこ より:

    急に欠席した人や、
    両方に記載がない場合を議長への委任と解釈してしまうのは、白紙委任状を有効としてしまう事と同意ではありませんか?

    どちらか必ず提出しなきゃいけないなんて、規約にあるのでしょうか?

    • はるぶー より:

      これは、規約や、書式の作り方によります。

      うちは ”出席とした後で欠席の場合、議長を代理人に指定する” と明記している
      紙に署名して提出しているので、白紙委任状とは全く異なります。
      国交省の定義にもあるように”白紙委任状”というのは、誰に委任するかの利用法が
      明確でないものだけです。


      また、記載がない場合の扱いについても、同じように提出書式に記載しています。
       
      出席の人まで含めて、書式を事前提出させる目的は、総会を確実に成立させるための
      ”出席を確定している議決権数”を書面の提出時に確定させるのが主目的です。
      ・・・総会の日になってみないと成立しているかどうかわからないでは議場に
      来てくれた人に申し開きができません。
       
      その趣旨からいって、これらの扱いの明確化は当然に出欠の通知書に明確に記載されて
      いるべきで、その書式の作成方法は、違法なことや規約に違反したことををしていなければ
      理事会側の裁量範囲だと考えます。 つまりお話は逆で、そんな詳細は規約には書いてないから
      ”明記”してあえば理事会側が自由に決めて作成して構わないのではと。

      なおうちの規約では”総会の議案への賛否を棄権すること”を禁止としています。

      • むさこ より:

        明記しちゃえば、逆になんでもアリと言う事なんですね。
        委任先を記入しなくても、説明してある用紙にサインしたら白紙委任状ではなくなるとの解釈で宜しいでしょうか?

        徹底的な広報が行われている、貴マンションでは特段問題なく民意反映できそう(住民が理解している為)ですが、広報のない無関心な住民が多いマンションで仕組みだけ真似されたらどうでしょうか?

        色々なマンションの理事が真似(参考ですね)するならば、徹底的な広報を大事にされるはるぶーさんのお考えまでを真似してくれると良いなと思います。
        とても参考になりました。年末のお忙しい時にありがとうございます。

        • はるぶー より:

          総会の出欠通知に関わる書面は、法的な規定はありませんから、
          区分所有法およびそのマンションの規約に違反していない限り、
          書式をどうするかは完全に理事会の裁量範範囲だと思います。


          うちの例ではありませんが、より理事会を有利にする
          (欠席して反対しにくくなります)ものとしては
          ー議決権行使書は必要なら作成してくれとしてつけない
           。。。実際の会に欠席で反対することができなくなります
          ー委任状は議長あてのみ可能な書式をつけて
           そうでない人に委任する場合には、その人の承諾書をつけて
           別紙面でだしてくれとする
           ・・・”委任”契約なら、相手の承諾は必須ですから、勝手に
           名前を書かれるのは本来的には起こらないようにするのは
           筋が通っています

          などはいずれも通常の規約(標準管理規約のまま)であれば合法的だと
          考えます。

        • はるぶー より:

          白紙委任状の定義は、標準管理規約のコメントによれば”誰に委任するか
          明確でないもの”です。うちのは、全議案いかなる場合にも賛成である議長が
          それでよければ代理人に指定を受けると宣言してそれを書いてある書面の
          上でしか絶対に代理人指定はうけていません、そもそも委任状なんて名前の
          書式はなくすべきで”代理人指定書”であるべきが私のこのブログでの主張です。

          全ての利用法の場合にどう使うか明記されている同じ紙に自筆で署名するんですよ。
          誰に任せたかは明確です。

          総会の議決権行使とか一切まぎれのないことが大事でちゃんと広報したからとかは
          実際のところ副次的なことにすぎません。
          いろいろいちゃんもんつけられて、たとえ裁判になっても負けないことのほうが
          広報の実施頻度よりはるかに大事かなと。理事会から見れば普通より桁違いに
          やっていても、”聞いてない”という人は必ずでてきます。
          規約などの規定も、定めてしまえば、それを読み込んでいないことによる
          不利益は全て”読んでいなかった”人がおうべきだと思うわけです。

          このブログ2回を書いたのはプラウドシティ大田六郷というマンションの
          住民の方から相談を受けたのがきっかけでした。
          2回もきちんと説明会を開催している議案について
          説明不足だといわれた案件でした。
           (私は最近は全く説明会なんかしないもしくはせいぜい1回です
            まずアンケ―トで事前に意見を聞くこともしません)

          広報が足りているかどうかは努力目標にすぎないので、
          年に1回通常総会の第1号議案で説明すれば個別の住民問い合わせに
          ただちに回答するような法的な義務は理事会にはないと思うわけです。
          ・・・あんまりしつこい人には次の回答は2月先ねは私もしょっちゅう
          やっています。仕事で理事やっているわけじゃないので、相手の要求する
          ペースに合わせる義務もないのです。

          多くの方は
          ”したほうがいいこと”と
          ”しなければいけないこと”の区別がついていないのです.


          実は実質上同じ議案を予算支出の承認など片方は通常決議で、
          その規約での反映の改正条文の承認は特別決議で同じ内容を
          2議案にわけて上程することはうちではよくあります。
          多くのケースでその賛否割合は全く一致しません。
          皆がちゃんと議案書を理解して投票行動をとっているかといえば
          表題の先を1行でも読んでいるのは5割程度だと思っています。

          だからこそ、”理事長を代理人指定”という票は”一任する”という
          意思の表れとして大事にしていきたいなと思っています。

          • むさこ より:

            アンケートや説明はマスト(しなくてはいけない事)ではないかもしれませんが、してくださったほうが、住民側からすれば「意見を聞いてくれた」となり安心感を持てたり、その結果の決議結果にも個々の責任感が生まれると考えてました。勿論しなくても違反とは思いませんし、手間が増えるだけかもしれませんね。

            何よりも裁判で負けない事の方が大切。。。成立さえしたらよい?と言う事でしょうか。 

            色々なお考えがあるのだな、と勉強になりました。ブログも改めて最初から読ませて頂きたいと思います。
            (次回理事をやってみようと思って色々調べている者です。自分の考えだけが全て正しいとは思っておりません)
             

          • はるぶー より:

            例えば、理事会がアンケートをして意見調整を図るべきだというのをルール
            として住民が要求することができるのは、当然その実施義務規定が
            ”規約”なり”細則”なり、あるいは理事会自身が定めた内規的運営方針でも
            いいですが、その中に明記されている必要があります。 

            実はアンケートをするとその案件に関心度の高い人だけが意見を
            だしてきます。うちでのミニショップの廃止提案がそうだったのですが、
            住民の2-3割が強い反対だが、その人達の多くの割合が女性で、
            その人たちが区分所有者ではない(夫婦で住んでいても、
            夫の側だけがオーナーである家がうちではほとんどです)
            一方で、7-8割の理事会議案への賛成者の住民が男で、
            消極的な賛成である場合、アンケートは特に紙で実施すると時に
            反対が多数なくらいなのに、総会をやると明確に賛否を書いてある
            議決権行使書では賛成が圧倒的ということが実際に起こります。 

            アンケートをしろと声高に叫ぶ人は案外、総会の参加率には
            こだわりません。限りなく住民の100%近くを集めて
            オフィシャルに意見を聞く、
            ”総会”という名前のYES/NO二択式の質問だけあれば基本は
            十分だと私は考えているのでとくに重要な案件では先にアンケート
            をすることはほとんどありません。特に積立金改定のような組合の
            将来を左右する案件で、値上げ幅をアンケートで決めるような
            無責任なことを理事会がしてはならないと考えています


            うちでアンケートをするのは、実際には理事会の考え方を浸透させよう
            というのが本当の目的の場合・・・可決できるにしても賛成率は高い
            ほうが組合の政治的安定の上からは有利です・・・か、
            例えばレンタサイクルは初乗り3時間200円なら何人使う?
            といった需要予測を行う場合だけです。
            誰も利用しない有償サービスをお金かけてスタートするわけにも
            いかないからですね。

            この2回のブログのもとになった相談は、”2回も” 説明会を実施した
            積立金の値上げ計画のしているのですが
            (私ならそんな親切なことはしません、理事側の時間も、
            説明を聞く人の時間と同様に貴重なので同じ説明を複数回
            繰りかえす義務などないからです:1回やって満席で断った
            人がでなければ、2回3回とやるのはやったという言い訳の
            ためだけになります)
            それを説明不足を批判することは自由ですが、
            運営に手続き的な問題があるわけではないんですよね。

            総会などの議事録で一番重要なことは、
            ”きちんと成立していること”と
            ”何が議決内容だったか” が議事録の中だけで明確で
            あることです。絶対に議事録が必要になる場面というのは、
            法人登記の証拠とするとか、裁判の証拠にするくらいしか
            思いつかないんですよね。

            区分所有法に規定のあるものですので、それにのっとった
            扱いは重要です。中身よりも形式的不備がないほうが
            大事だったりするかなと。
            ・・・なのでうちのは日頃の広報や、月次の理事会議事録は
            非常に細かいですし総会は使ったビジュアルエイドのファイルや、
            当日までに質疑応答のファイルを別途ポータルサイトで公開して
            いたりしますが、”議事録”そのものは超あっさりです。

            票数などの情報は非常に細かく書いてありますが、基本は議案通り
            可決されたことしかでていません。当日の質疑応答なども
            必須のもの以外は記載していません。

            それが必要である人は総会に自分で出席すべきかなと。

  • むさこ より:

    「日頃の広報や、月次の理事会議事録は非常に細かい」これを実施されてるからこそ、総会議事録がアッサリされてても、質疑応答が必要最低限のものでも大丈夫なんだと思います。かえってその方が決議内容の要点がわかり、伝わりやすいですよね。

    説明会2回もするよりこの部分参考にされたら良かったのにな、と個人的には思います。
    (すみません、太田六郷の住民ではないのですが。)

    • はるぶー より:

      特定のマンションの話題としていえば、くだんのマンションはなかなか
      売れないよねで、外国人割合がかなり高くなって完売されています。
      もともと月次の積立とかの概念はない国からの人の反対票は当然予想される
      ところです。 ずーっと一生住んでいるつもりかもわからないですし。

      その住民層に対して3期終わりで、臨時総会を開催してまで急いで通す
      ためには例えば新子安のパークハウスが実現できたような、大人数で 
      理事会を回して殆どの初期設定の問題の解決を済ませてあったとかの
      ”理事会の運営へのゆるぎない信頼”をそこまでに勝ち得ていなければ
      なりません。 

      速さより政治的な安定性
      (うちは理事会役員の選任議案はいつも反対票ほぼ0で通っています)
      のほうが大事だと私は思うのですが少し焦ったのかなとは。

      積立金の爆上げは超えなければならない”築浅マンションの卒業試験”ですが
      マンションをこのような長期的な方針で”割る”ものではないので、
      総会の手続き的な瑕疵は”法的”にはなかったとしても、
      少し広報が徹底していなかったのでは?とは思います。 

      これは
      ”やっておいたほうがよかった”
      部類の話です。 それと
      ”やっていなければ違法・規約違反”
      というのはすくなくとも総会の正統性を議論する上では
      峻別されなければなりません。

      広報回覧一切なし、住民の質問への回答は年1回の総会にきてねだけで
      殆どのマンションの規約には違反しませんし、無論法令違反でもないのです。
      反対派は、しばしばこのあたりをついてきますからね。
      そこには毅然と対応すべきかなとは考えるわけです。

  • ワンダーランド より:

    秀和幡ヶ谷レジデンス 所有者です。理事ではありません。
    こちらの “板” 理事会運営の姿勢を知る、に とても勉強になります。
    とくに ↓

    引用)始め ——–
    ”●●したほうがいい” と ”●●しなければならない” さらに”●●しなければ
    規約違反あるいは違法である”の間には大きな差があります。

    総会の議決権行使とか一切まぎれのないことが大事でちゃんと広報したからとかは
    実際のところ副次的なことにすぎません。
    いろいろいちゃんもんつけられて、たとえ裁判になっても負けないことのほうが
    広報の実施頻度よりはるかに大事かなと。理事会から見れば普通より桁違いに
    やっていても、”聞いてない”という人は必ずでてきます。
    規約などの規定も、定めてしまえば、それを読み込んでいないことによる
    不利益は全て”読んでいなかった”人がおうべきだと思うわけです。
    引用)終わり ——–

    本当に、良くも 悪くも ↑ のように思います。

    理事運営に 文句を言う人の大半は 規約すら読まず、、、

    そういう 所有者の無関心(不勉強)に付け込んで、
    理事会だけの決定事項を、全体ルールとして 押し付けてくる

    そもそも ルールでは ないので「従う」必要すらないのです
    と 思うのです。。

    • はるぶー より:

      話題のあの”秀和”の方でしたか。雑誌の記事だけ読んで、争いのある片方にだけ肩入れするはずもないのですが、
      何か解せないものも、規約などをとりよせた後でも残ります。
      規約・細則にでてない”俺様ルール”は無視すればいいだけやろとか思うんですけどね。

      • ワンダーランド より:

        Twitter の はるぶーさんの投稿 全て読ませて頂いてます。わかりやすいです。

        規約・細則にでてない”俺様ルール”は無視すればいいだけやろ

        その通りにも いかないのです。
        何せ、理事会ですから。

        例えば、工事申請
        https://twitter.com/shuwa_hatagya/status/1290614734367072257/photo/1

        Twitter に 申請書類が 投稿されていたので見たところ、、、
        いつのまにか 理事会に “保証金を預託する” ことになっている

        いつ決まったのだ? どの総会の決議なのか? 過去 議事録見ても「らしい」ことの記載はない。

        預託ってことは、何も なければ 返してくれるのかな?
        規約にも、使用細則にも 議事録にもないから 断っていいのかな?
        断ると、この工事申請は 却下かな。。。(希望の工事もできない・・・)

        つまりは こんな 些末なことが てんこもり(私的意見)なのです。

        • はるぶー より:

          規約細則や、総会決議などにないことで、納得できないことを強要されたが
          事実であるなら、まずその証拠をきちんと残すことが大事かなと思います。
          いやそんなことはいっていないとか、していないと言われたら文句もいえませんので。
          またずっと、同じグループが理事会をしているということであれば
          ・・・規約は拝見しましたが、普通に標準管理規約通りですので・・・
          2年ごとに再任の立候補を繰りかえしているということです。立候補すれば輪番や抽選
          などよりも優先的に採用されるというルールが少なくとも慣習法的にはあるということ
          ですから、愚痴をいうだけでなく【本気】で状況を改善したいと思うのであれば、
          理事に立候補されるしかないと思います。管理組合は”理事会の中”からしか改革・改善
          することはできません。 外から攻撃?するなら、その手間で中から声をあげたほうが
          はるかに楽なのです。できれば複数名で入るのがよろしいですかね。

          そこまでして・・・ということであれば、冷たい言い方になりますが、
          この問題は、”ワンダーランド”さんにとって
          さほど重要な問題ではないということになります。

          • ワンダーランド より:

            はるぶー さん
            より沿った ご意見ありがとうございます。

            >管理組合は”理事会の中”からしか改革・改善することはできません。

            おっしゃる通りです。

            >【本気】で状況を改善したいと思うのであれば、理事に立候補されるしかないと思います。
            >そこまでして・・・ということであれば、冷たい言い方になりますが、
            この問題は、”ワンダーランド” さんにとって、さほど重要な問題ではないということになります

            現行管理規約の 理事 立候補の定義が「現に居住する所有者」とされています。ここは 標準規約に沿っていない(との認識です)。

            理事立候補 定義 については、標準管理規約 より 現行管理規約(マンションローカル定義)が優先される、、、と聞いています。

            所有者ですが、住んでません。

            >スムログでの”管理ネタ”のもう一人の書き手の東京湾岸ライフさんとも管理テーマ の対談を週明けに予定

            楽しみです!
            ライブ配信ですか? スムログに来訪すれば 記事は読めますか?

          • はるぶー より:

            もともと標準管理規約には”現居”の条件があったのを最新のものではなくしていますから、貴マンションではそこは変えなかったわけです。
            もちろん”標準”管理規約は、区分法と無矛盾なひとつの雛型にすぎないものですので、”そのマンション”の管理規約が優先で、ワンダーランドさんは理事にはなれません。

            ライブ配信ではなく、2人で話し合ってから文字起こしですね。対談シリーズの1つです

        • はるぶー より:

          いろいろなローカルルールは特に大手も含む”仲介出禁”など、大きくマンションの
          流動性を下げて、結果としてマンションの資産価値維持に寄与しているとはいえない
          ように思います。”全宅ツイ”のメールマガジンでもそのようにコメントしましたし、
          こちらスムログでの”管理ネタ”のもう一人の書き手の東京湾岸ライフさんとも管理テーマ
          の対談を週明けに予定しています。 そこでもとりあげさせていただきます。
          … 理事会側に悪気はないのだとは信じたいですが、結果としてなんでこんなに
          安いの?(築年数はいっていますが、都心一等地で綺麗に修繕維持されている”秀和”の
          お値段ではありません)ってことになっている理由が外からは見えないだけに
          ”謎のローカルルールおしつけ” が怖くて手がだせないんだと思います。

  • ワンダーランド より:

    はるぶーさん

    丁寧に返信ありがとうございます。

    >”そのマンション”の管理規約が優先で、ワンダーランドさんは理事にはなれません。

    規約を読み違えたわけじゃない、に安心しました(理事になれない、に安心した ではないです)


    当マンションの管理規約を読み返していて下記2点が気になります。
    1、監事 選任の定義
    2、総会開催議決数


    1、監事 選任の定義

    管理規約には 役員について
    「管理組合法人において、理事長、副理事、監事 をおく」
    「役員は 現に居住 または 自ら使用する組合員のうちから、総会で選任する」
    「理事長、副理事は理事の互選により選任する」
    とあります。

    監事の選任が、理事(役員)の互選による、とは定義されていません。
    ということは、総会前に「自分は監事をやります」と役職宣言して候補できるのではないか?


    2、総会開催議決数

    管理規約には 総会について
    「管理組合法人び総会は、総組合員で組織する」
    とあります。
    秀和幡ヶ谷レジデンスでは 総会議決数を
    – 出席表明を当日になって欠席の場合は 理事長一任
    – 総会を途中退席の場合は、欠席とみなし号議の最初から理事長一任
    – 提出なき場合は 理事長一任
    とカウントします。
    個人的に このカウントに違和感を感じるのですが「法人組合」ならでは なのでしょうか?

    「議決権を書面で行使する」の一文は明記されているので、不満なら手間ひま惜しまず「書き替えろ」です。

    • はるぶー より:

      1.通常の規約(標準管理規約準拠)であれば、監事は、理事とは独立に総会で直接選任されて、理事+監事が役員です。 理事をまず総会で選んで、選ばれた理事が互選で理事長を選ぶのが普通で、そこには監事は関与しません。 理事とは全く違った立場をもたせるためにそのようにするのが普通です。 監事として立候補することは可能だと思いますが、”役員”に原居条件があったら、規約制限で就任できないのは一緒ですね。ただ、外部居住の人まで理事として認めるかどうかは、完全にその管理組合の自治範囲です、そのマンションの規約優先。

      2.かかれている3つの例のうちの上の2つは、うちのマンションでも”議長への代理人指定”になるように書式そのものが作成されています。 何も書いてない”委任状”などをだしたのを無理に議長に指定するのはいけてないですね。ちゃんと書式に明記すべきかと。
      書式未提出にも関わらず(本人の意思が確認できない)”代理人指定”されたものとするのは無効だと思います。
       議決権行使の書面を自作して提出するのは、区分所有法側で認められた権利で、そこには規約で別段の定めは認められていませんから、「議決権行使書を自作して提出したのに使ってくれなかったら違法」です。
       一方で、理事会が予め議決権を作成して配布する”義務はない”と思います。
       
      規約面は見た目しっかりしているようですが、なかなか総会の書面の処理は謎めいた処理がなされているようでその点には疑問が残ります。

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