第220回 「中古マンション買うなら築15年以上???」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

 

人間心理なのでしょうか?「中古マンションを選ぶならできるだけ新しいものがいい」と考えがちで。しかし、それはしばしば間違いの元だという話をしましょう。

 

●中々良いものがないと嘆くあなたへ「発想の転換を!!」

日本人の特質なのでしょうか?家を買うなら新築と考える人が多いのは確かです。新築志向が強いということですが、その理由はどこにあるのでしょうか?

実は筆者も何回かの買い替えをしてきましたが、中古を購入した経験はないのです。新築マンションのデベロッパーに在籍していたせいかもしれませんが、新築マンションという選択肢しか思い浮かばなかったのも確かでした。

 

さて、新築を買っても何年か住めば、その家は間違いなく「中古」になるのですから、新築の「気持ち良い家」に住んでいられるのも、せいぜい5年程度です。

 

中古を買っても新築を買っても、何年か経てば皆中古になるのです。見ようによっては、中古を買っても新築を買っても数年たてば同じではありませんか?

 

筆者の現在の家は一戸建てで、10年ほど前に新築した2世帯住宅ですが、綺麗に使ってきたと自負しているものの、僅かながら変化も見られます。海辺に建っているせいか、2階に上がるとき偶にしか使わない外階段ですが、錆が出ているのです。

 

念入りに施工してもらい、潮風対策もしっかりしていたはずと思い込んでいたものの、十分ではなったのかもしれません。

 

一方、今の家に移住する前に住んでいたマンションを思い起こせば、綺麗好きだった家内のおかげで築18年を過ぎて売却したとき、買い手さんは補修箇所がないと感激して買ってくれたことを思い出します。

管理の良いマンションだったせいで、共用部にも不満はなかったらしく、喜んで即答してくれた買い手さんでした。

 

家というものは、住んで行くうちにあちらこちらに痛みや汚れが目立つようになるもので、新築の家を買っても、何年か経てば中古なりの雰囲気を漂わせるように変化して行くものです。しかし、所有者の手入れの仕方では「美しさ」を長く保って行くことができます。共用部分は管理会社に委託するので他人任せになるものの、室内は個人個人によって「綺麗に保つ」ことができます。

その結果として、年を重ねたとき、あるマンションは年数なりの古さとなり、あるものは信じられないほどの美貌を保っている住宅という差となって行きます。

 

補修をしたらみな若返って美しくなるかというと、現実には限界があるのです。補修の仕方によるわけですが、お金のかけ方次第とも言えます。ヴィンテージマンションなどと呼ばれるマンションをいくつか見て来ましたが、さすがに築50年近いものを見ると、その古さは老朽マンションというほかありません。

しかし、中には古さを感じさせない優良マンションもあるのです。さすがに50年近いマンションの中にはないと言って過言ではありませんが、築30年台のマンションには「信じられないほど美しい」印象を受けるものが少なくありません。

 

中古マンションの価値(=価格)は立地条件が良いことに加えて、建物管理がどのように行われて来たかによって大きな差ができてしまうことが分かっています。同じエリアでも、管理の仕方と室内以外の部分がどのような姿になっているかで、こんなにも違うものかと感じる事例にたくさん遭遇して来ましたが、「綺麗なのは若いときだけ。売却するときも綺麗でいられるか」に思いをいたし、「手入れを怠らないようにしましょう」と言うことにしてきました。

 

現実には買ったマンションの10年以上先を見通せないためか、「できたら新築。妥協しても築浅の中古」という志向になってしまう人が多いのではないかとも思います。

 

「新築が一番の望みだが、希望するエリアで見つけるのが難しい」「しからば、中古をと探してみたが、良さそうな中古は新築並みの価格だ」――などと嘆いている人が最近はとても多いと筆者は感じます。このような人は、この先どのような方針でマンション探しをしていけばいいのでしょうか?

 

●今は新築より中古がいいかもしれないときだ

新築マンションの供給戸数が大幅に減ってしまったことをご存知でしょうか?新築マンションの年間供給数は、首都圏全体でひところ10万戸弱だったのです。15年前の話です。下段のグラフ参照。

これは異常値で、それ以前の数年間が年間2万戸前後の供給にとどまったため、買いたくても買えない人が溜まっていて、異常な大量供給にも関わらずよく売れた時代が数年間続きました。

その後は、さすがに供給過多の状況に至り、平年並みの販売に留まるようになりました。

 

平年並みの戸数とは首都圏では約5万戸とされていました。団塊2世(現在40歳代)がマンション購入適齢期を過ぎたので、最近は4万戸に減ったとも言われますが、その分析の適否はともかくとして、新築マンションの供給戸数は最近数年を見ると4万戸もありません。

◆首都圏・新築マンションの供給戸数推移(過去17年)◆


これは、需要がなくなったためでしょうか?そうではないのです。数だけなら需要はもっとあるに違いないと見ています。売れないので、供給調整をせざるを得ない状況が続いているのです。

新築マンションは建物の竣工時までに完売させ、竣工から3か月以内には全戸を購入者に引き渡し、管理も同時にスタートさせたい。これが一般的な分譲マンションビジネスのスタイルです。

 

建物が完成すれば、分譲主のマンションデベロッパーは建築代金を建設会社に支払って品物を受け取り、その後に購入者に順次引き渡しをしていきますが、1人でも引き渡せばエレベーターも動かさなければなりませんし、共用部の照明も点灯しなければなりません。管理人さんも清掃要員も配置しなければなりませんから、その費用を買い手から徴収する管理費で賄う以上、できるだけ多くの(理想は100%の)戸数を一斉に引き渡して、管理費を集めたいと考えます。

 

3分の1も売れ残ってしまったら、売主はその分の管理費を管理組合に拠出しなければならないので多数の売れ残りは避けたいのです。そこで、あの手この手で販促に躍起になりますが、値引き販売で利益をなくすわけにも行きませんから、それにも限度が当然あります。

分譲マションビジネスの利益率は粗利ベースで20%、そこから販売手数料や広告費、モデルルーム維持費、広告費などを支出して行くと、純利は10%程度になります。

 

言うまでもなく、企業は利益を確保しなければ存続が危うくなります。分譲マンションが主体のデベロッパーとて例外ではありません。大手の不動産会社は貸しビル部門も仲介部門もホテル部門も、はたまた商業施設部門など多岐に渡って不動産事業を営んでいるので、マンション事業の不振がたちまち企業の浮沈を左右することはないとしても、分譲部門の売り上げ高は巨大なので、その利益減少はグループ経営に影響を大きく与えがちです。

 

従って、なんとしても大赤字だけは避けようとします。売れない商品を作ってしまって過剰在庫を抱える事態だけは避けたいのです。売り上げ高もさることながら利益を確保したいというホンネもあります。

 

売れ行き不振状態にあったとしても、着工してしまえば建設会社等への支払いがいやおうなしにやって来ます。一時的に借り入れなどで対応するとしても、早々に完売しなければ、資金繰りにも影響しますし、金利負担は低利時代といえども、額が巨大なので、利益をむしばみます。また、販促のための広告費増加や値引きなど販促費もかさみます。

 

これらを極力避けたいデベロッパー(分譲主)は、どうにかして利益を確保しつつ早期の完売に全力を挙げようとします。結果的に初期の目標利益の70%程度を確保し、残りを最悪はゼロ利益で完売を目指すことになります。

 

ということは、買い手にとって運が良ければ最大20%の値引きの恩恵にあずかることもあります。しかし、20%引きでも高値の物件というケースは少なくない時期にあるので、「20%引き」がお得とは限らないことに注意しなければなりません。

 

 

●今は中古マンションが良いという理由

見た目だけなら新築は美しく、中古は「古ぼけた印象」になるのは仕方ないところですが、そこが妥協できるなら「中古物件の方が価値ある」と判断できるものが少なくありません。

 

見た目にも魅力的なマンションは、マンションの共用部(通路や廊下、レベーターなど)が年数の割に綺麗に保たれているものですが、それでも新築マンションほどの印象はありません。しかし、よく手入れされた庭園や植栽を見ると、本当に20年も経っているのかと一瞬疑ってしまいそうな印象を抱くマンションもあります。

 

大きく育った樹木が通路を覆うようになっていて、まるで「緑のトンネルだ」と感じさせたくれたり、エントランス前の植え込みがきれいに手入れされていて、訪れる人を心地よくさせてくれるマンション、赤や黄色の花壇が目を楽しませてくれるマンションもあります。

 

他方、敷地内の空間は灰色の駐車場で、何台かの赤や青のマイカーが駐車しているものの、何とも侘しい印象のマンションも少なくありません。最悪は3段式の駐車機械が武骨な姿をさらけ出したまま、などという残念な例も少なくありません。

 

中古マンションの良い点は、素のままを見ることができることにあります。古いと長く住めないのではないかという疑念を持ってしまう人も少なくありませんが、それは誤解であって、マンションの寿命を仮に90年としたら、築20年の中古マンションは余命70年もあるのです。同じマンションに70年住むことはないとしても、そのくらい長く住むことができるなら、多分何も問題はないはずです。

 

90年と70年、大差はない、そうは思いませんか?反論はあると思いますが、価値ある中古を見る目を養っていけば、新築にこだわることはありません。中古マンションの定義を仮に築5年以上とするなら、筆者が18年ほど住んだマンションも築5年中古に13年住んだと言い換えることができます。

 

中古マンションでも価値ある物件は少なくありません。実は、最近の新築マンションには失望させられることが多いこともあって、ここ5年以上、筆者は中古の価値判断が研究テーマの中心になっています。

 

新築にこだわっても、必ず中古になるのだから、だったら中古の良い物件を探す方が賢明かもしれない。筆者は、5年くらい前からそう思ってきましたし、検討者にも勧めてきたのです。

 

●中古物件を選ぶなら築15年くらいまで広げてみましょう

中古マンションと言ってもピンからキリまであります。どんな中古を選べばいいのでしょうか?この質問にお答えするのは簡単ではありません。

 

詳細は別の機会に書くとして、今日は「築浅の中古に目を向けていたらダメ」という点のみお伝えしておきしょう。理由次の通りです。

 

新築志向の強い日本人は、中古を検討するにしても「できるだけ新しい物件を」と考えがちです。

また、「品質保証の付いた新築は安心だが、個人から買う中古マンションには保証が何もから不安だ」「同じ中古でも築浅マンションには分譲業者の保証が築後10年くらいはあるから10年以内のマンションなら中古でも安心だ」と考える人もあります。

 

中古市場を毎日見ていて感じるのは、築浅の物件は極めて少ないという点ですが、それも道理です。筆者も連日様々な形で購入相談を受けて調査をしていますが、ご依頼の検討マンションの多くは築10年を超えています。

 

稀に、築10年未満の「築浅マンション」の評価依頼やご相談を受けますが、競争が激しいためか、筆者のレポートが3日以内に届いて検討を前に進めても、競争率が高くて「買えなかった」という例が多いのです。

築浅(ちくあさ)中古の中で、優良な、とりわけ都心・準都心マンションは買い手が殺到して価格も結果的に吊り上がり、希望価格で買いの意思を伝えても買えないことがあるというのです。

 

言い換えれば、新築マンションで抽選になるような状態が中古マンションの世界でも起こるということになりましょうか。そのようなケースは稀有だとしても、早い者勝ちの中古はスピーディな購入行動をとらないと買えないことが多いのは事実です。

 

買手が殺到する人気マンションは確かに優良な物件なのでしょう。しかし、新しいだけに実力以上の人気になって価格も吊り上がっていると筆者は思います。

少し発想を換えると、優良マンションではあるが、築年数の長い物件だけに築浅マンションほどの人気になっていない価値ある中古マンションもあるのです。このような中古を見つけたら、速やかに行動を起こしましょう。そうして行けば、思いかけない優良マンションに遭遇することもあるのです。

ただし、速やかな返答が求められます。その点を踏まえておれば「優良中古をゲットできる」のです。

無論、判断のための情報や資料をあらかじめ集める、もしくは事前に集めるのは簡単なことではありません。とりわけ共稼ぎご夫婦には荷が重いかも知れません。そこは工夫で、例えば筆者の提供する「マンション評価サービス」を活用なさるのも方法です。

「築15年、大丈夫かなあ」「何年住めるのだろう?」「先々買い手はつくかなあ?」「いくらで売れるのだろう?」「この中古は価値がどのくらい下がってしまうの?」「何かの事情で売りたいというとき、損はしないだろうか?」「売れるかなあ?売れなくて、仮に賃貸するとしたら?」「このマンション買って損はないか?」など、様々な疑問や心配が去来することでしょう。

 

このような疑問にすべてお答えするのが、筆者の「マンション評価サービス」と「将来価格の予測サービス」です。どうぞご利用下さい。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。(http://www.syuppanservice.com)

 

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ちなみに、9月10日の第692回は「中古も高い。同じだったら新築にしようは正しいか?」です。

 

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