マン点流!(回答)勝手に賃下げ

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実家の両親が経営しているアパートの家賃が家主の承諾を得ず賃下げされてお困りの「アパート家主」さんからの質問。

他のメンバーからの回答がないようなので、マン点流回答をご用意しました。


 

「アパート家主」さんからの質問

住むログ、いつも拝見し、勉強させていただいております。

実家の両親が神奈川県でアパート一棟(といっても一階が自宅で二階が賃貸二部屋の小ぢんまりとしたものです。)所有しており、A社で建てたため、B社(マン点注:A社のグループ会社)に管理を委託しています。

居住者よりバイクを置きたいとの相談があったため、父が好意で敷地内に無料で置かせていました。
この度、B社が私ども家主側に無断で駐車場代を徴収していることが判明しました。
駐車場代は我々と契約書を交わしたわけではありませんので、全てB社の懐に入っています。

B社の説明ですと、電話で父に月1000円でB社が全て持っていくことで了承してもらい、口頭で契約済とのことですが、B社が不動産仲介業者から値下げ交渉されたので家賃を下げた分駐車場名目で2000円徴収していたことがわかり、値段も違えば勝手に家賃を下げて家主側に知らせないなど、B社の説明が事実からかけ離れています。

アパート経営の税金にも影響しそうですし、何より居住者が家主側の預り知らぬ金を徴収されているのが可哀想で仕方ありません。
こういう場合、適正なアパート経営に戻すにはどのようにしたらよろしいでしょうか?
どうかご教示お願いします。

※「アパート家主」さんのオリジナル文章には、A社・B社に具体的な社名が入っていたが、諸般の事情により匿名化した。

管理委託契約書に抵触しているところはないか

詳細が不明なところもあるので、私(マン点)ならこのように対応するという概略を以下に記す。

まずは、ご実父とB社との間で締結されている管理委託契約書をつぶさに確認する。

そのうえで、管理委託契約書に照らし合わせて、適正に履行されていない点があれば、B社との交渉を通じて、相手にも受け入れられるような落としどころを探る
たとえば、次のような項目は確認したい。
  • 駐車場は管理委託の範囲内なのか?
  • オーナーの承諾なしに家賃を下げることは可能か?
  • 管理委託契約が無効になるのはどのような場合か?
  • 管理委託契約上、口頭による追加契約は認められているか?

国交省が推奨している「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書・一括委託型」に照らし合わせ、気になる点を以下にザット列挙する。

「代理権の授与」に係る事前協議・承諾違反の可能性
第3条(代理権の授与)には、乙(B社)は事前に甲(実父)と協議し、承諾を得なければならないとして、「賃貸借契約の更新」が掲げられている。

駐車場代(附属施設使用料)の徴収を口頭で済ましたことはまだしも、勝手に家賃を下げて(賃貸借契約の更新)家主側に知らせないとすれば第3条(代理権の授与)に抵触している。

(代理権の授与)
第3条 乙は、委託業務のうち次の各号に掲げる業務について、甲を代理するものとします。ただし、乙は、第四号から第七号までに掲げる業務を実施する場合には、その内容について事前に甲と協議し、承諾を求めなければなりません。

  • 一 敷金その他一時金(以下「敷金等」といいます。)並びに賃料、共益費及び附属施設使用料(以下「賃料等」といいます。)の徴収
  • 二 未収金の督促
  • 三 賃貸借契約に基づいて行われる借主から甲への通知の受領
  • 四 賃貸借契約の締結
  • 五 賃貸借契約の更新
(以下略)

「賃貸借条件の変更の助言等」違反の可能性
「勝手に家賃を下げて家主側に知らせない」のが事実だとすれば、B社の行為は第10条(賃貸借条件の変更の助言等)にも抵触している。

 (賃貸借条件の変更の助言等)
第10条 乙は、募集物件の賃貸借条件が地価や物価の変動その他事情の変更によって不適当と認められるに至ったときは、甲に対して、賃貸借条件の変更について根拠を示して助言します。

(以下略)

「委託業務に係る収支報告書」実父が見落とした可能性
乙(B社)は毎月〇日までに委託業務に係る収支報告書作成し、甲(実父)に報告する義務が課せられている。

B社が「勝手に家賃を下げて家主側に知らせない」ということではなく、同収支報告書を通じて実父に報告されていたということはないのか。このあたりはキチンと押さえておきたい。

(委託業務の報告等)
第19条 乙は、頭書(5)に記載する期日までに委託業務に係る収支報告書を作成し、甲に報告しなければなりません。

(以下略)

これらの対応が難しいようであれば、あとは弁護士に相談する。

※上記はあくまでも、私(マン点)ならこうするという一例。本例を参考に「アパート家主」さんが行動したいかなる結果についても、マン点は責任も負わないことをご了承いただきたく。

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マンションアナリスト。11年間で5,000枚のマンション・チラシを“読破”したマンション・チラシ研究家。一級建築士。

不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」
twitter.com/1manken

1 個のコメント

  • マン点様、回答ありがとうございます。
    さっそく実家から契約書を取り寄せて、国交省標準規格と見比べてみます。
    弁護士さんも探して、最悪の場合に備えます。

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