中国人が日本の不動産を買っているという話はよく聞くが、公的な統計データがないので、その全体像はよく分からない。
そこで、筆者は21年1月以来毎月1日頃、中国人向けの日本の不動産物件売買プラットフォーム「神居秒算(しんきょびょうさん)」(次図)というサイ卜に掲載されている23区の物件数を調査し、可視化分析している。
同サイトに掲載されている物件数は、21年5月をピークに減少後、23年3月に増加に転じていたのだが、24年6月に急増した(次図)。特に、港区は爆増。爆増した港区の物件の内容を調べてみることにした。
「神居秒算|中国人投資家による日本のマンションへの投資状況 ※随時更新」より
港区で中古マンションとして掲載されているのは547件(24年6月4日現在)。547件のうち違う業者が同じ物件を掲載するなど、ダブって表示されている201を除くと346件。以下、この346件について分析する。
竣工年×価格の分布
まず、横軸に竣工年、縦軸に価格としてグラフに描いてみた(次図)。ザックリ言うと、2000年以降、億ションが多く掲載されていそうなことが分かる。あと、6億円を超える14件もあることに驚かされる。
※1人民元=22円換算
特に、価格が突出しているのは次の3件。
- パークコート青山ザ・タワー:17.9億円
- 3LDK、234.04m2、24階住戸/26階建て、南西向き
- 南青山2丁目、総戸数163戸、2017年竣工
- マジェス元麻布ガーデンズ:13.8億円
- 3LDK、307.16m2、3階住戸/4階建て、南向き
- 元麻布3丁目、総戸数41戸、2001年竣工
- アークヒルズ 仙石山レジデンス:13.5億円
- 3LDK、 185.33m2、11階住戸/47階建て、西向き
- 六本木1丁目、総戸数276戸、2012年竣工
価格×専有面積の分布
次に、「価格」と「面積」でクロス集計した結果を次表に示す。ザックリ言うと、0.9~2.1億円・50~89m2の件数が多い。
また、6千万円以下でワンルームなどの小規模住戸(29m2以下)、3.3億円超で100m2以上の住戸が多く見られる。
町丁目別の内訳(マップ)
町丁目別の件数につき、多い順に描いたのが次図。港南4丁目が12件と最も多かった。
町丁目別の件数を地図に落としてみた(次図)。
港区全体に広がっているように見える。
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次の項目ごとに、可視化分析した記事。
- 竣工年、間取り、階建て、居住階、方位、仲介業者
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