新築マンション2018市況マップをつくってみた

2018年に販売された新築マンション(未入居物件含む)の一覧を入手したのでGoogleMapで重ねてみました。いろいろ味わい深いのでご賞味ください。

抽出条件は、

    • 2018年1月〜8月に販売された新築マンション
    • 販売戸平均専有面積5555㎡以上
    • 徒歩15分以内
    • 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県でだいたい都心から40km圏内
    • 販売住戸平均坪単価200万円以上
となっております。このようなデータはネット上で公開されてはおらず、一部のマンション好事家にとってはなかなか価値のあるものと推察します。こちらの完全なデータではなく、郊外部分でかなり抜けありです。今販売されているものから、すでに売り切れたものまであるので、あくまで状況把握としてください。

※「マンションを値段優先で買う」ことはある種間違っていて、満足度につながらないことが往々にしてあります。個別マンションについて書きますが、あくまでも値段と東京への地理的近さしか語っていません。

GoogleMapでの色分けは坪単価別にしております。階層とそれぞれの事例数は、
  • 〜坪500万円(30)
  • 坪400〜499万円(30)
  • 坪370〜399万円(17)
  • 坪330〜369万円(33)
  • 坪300〜329万円(29)
  • 坪280〜399万円(30)
  • 坪260〜259万円(27)
  • 坪240〜259万円(53)
  • 坪200〜239万円(80)
となっています。各シンボルの横についている数字は平均坪単価です。マップはクリックすれば全て大きくなります。

新築マンション2018市況マップ:



すべてプロットすると、このように都心からの近さ順に放射線状に並びますが、郊外でも周辺より飛び抜けて高いマンションがあります。こうした物件はほぼすべてが駅チカ物件です。駅徒歩1分と15分では、都心への実の地理的近さよりもずっと単価が変わるのです。

新築マンション2018市況マップ(坪200〜239万円)



現状の相場環境下で、エントリー層と言える坪単価層です。東京市部、神奈川、千葉、埼玉など郊外に広がっております。ただ、ズームしていくと23区内でも結構発見できます。荒川区・葛飾区・江東区・江戸川区・北区に見つけました。

23区内坪239万円以下ですと、ほぼ駅徒歩10分以上の物件ですが、板橋本町駅徒歩8分の「オーベル板橋本町」が、駅10分以内でこの枠内にギリギリ収まる物件となっています。

新築マンション2018市況マップ(坪240〜259万円)



数年前だったら、湾岸タワーマンションですらこの範囲に収まっていたレンジです。一部の築浅中古タワマンはこのあたりから被って来ますね。

埼玉の京浜東北線沿いに連続してこのレンジのマンションがあります。

一番東京駅から遠いところにあるのが、海老名駅徒歩3分のタワーマンション、「リーフィアタワー海老名アクロスコート」です。逆に一番近いところにあったのが、田端駅徒歩10分の「イニシア田端ツインマークス(完売)」でした。

新築マンション2018市況マップ(坪260〜279万円)



平均価格が6,000万円前後となってくるこのゾーンから、郊外物件は無くなり、だんだんと近郊〜都心エリアに近づいてきます。

一番東京駅から物理的に近いのは…なんと文京区の物件!しかも護国寺駅徒歩2分!なんだソレは?と思って調べたら、マンションと言うよりテラスハウスでした。

「プラハテラス文京音羽」です。物件はこんな形しています。お、おう。



このゾーンになってくると、人気の東急田園都市線沿線あたりも入ってきますね。目測で東京駅から一番遠いのは戸塚の徒歩4分「パークホームズ戸塚ステーションプレミア」坪260万円、戸塚徒歩6分「ザ・パークハウス戸塚ガーデン」坪260万円、もしくは浦和徒歩14分「クリオ浦和仲町」坪275万円かな。。。あと津田沼駅徒歩4分「津田沼ザ・タワー」坪270万円もここのレンジに入ってきます。津田沼ザ・タワーが現在販売中の千葉物件で一番高いですね。

新築マンション2018市況マップ(坪280〜299万円)



八王子駅徒歩2分の「シティタワー八王子フレシア」、相模大野徒歩3分の「ザ・パークハウス相模大野」、浦和駅徒歩7分の「ザ・パークハウス浦和岸町」あたりが郊外物件ながらこのレンジに。やはり郊外でも駅前プレミアがだいぶついていて、いろいろ揃っている郊外中核都市の駅前に住めるってのは、現在だと非常に高いプライスになってしまうんですね。

この中で都心物件と言えそうなのが、銀座線田原町駅3分の「パークホームズ浅草寿」。ただし定借62年のマンションです。

新築マンション2018市況マップ(坪300〜329万円)



ちょっと前なら「高級物件」と言われたレンジに入ってきます。このゾーンでも近郊に広く存在することがマップ畳から確認できます。一番都心に近いのは、京葉線越中島駅徒歩4分の「プラウドシティ越中島」です。その他、錦糸町・住吉・西日暮里に駅チカ物件がありますね。

西方向に東京駅から一番遠い物件は国立駅徒歩7分の「ブランズ国立」で坪単価312万円でした。

 

新築マンション2018市況マップ(坪330〜369万円)



坪330万円を超えると1㎡=100万円を超えます。ファミリータイプの間取りはこの低金利下でも共働き庶民が買えるほぼ限界の価格になってきます。

「ザ・パークハウス東陽町翠賓閣」東陽町徒歩8分・坪340万円が江東区で一番高い物件だと思ってたのですが、2018年になって猛追し、なんと追い越してしまった物件がありました。「シティタワーズ東京ベイ」国際展示場駅徒歩4分・坪343万円です。



あれ?1年前にのらえもんブログで紹介した価格とずいぶん違う??いえ、住友不動産は時価です。ちなみに「パークタワー晴海」も坪343万円で全く並びました。この坪単価水準を他の地域で見ると、二子玉川徒歩15分の「ロイヤルシーズン二子玉川 」坪338万円、溝の口徒歩7分「プレミスト溝の口」坪355万円、武蔵境駅徒歩6分「プラウド武蔵境テラス」坪345万円、浦和駅徒歩4分「ブリリア浦和仲町」坪332万円、笹塚駅徒歩9分「ザ・パークハウス渋谷笹塚 」坪356万円などとなっています。

新築マンション2018市況マップ(坪370〜399万円)



いよいよ、庶民では全く手の届かない水準になってきました。70㎡8,000万円水準で、億ション一歩手前、80㎡超えている部屋は億ションになります。

小伝馬町徒歩4分「ザ・パークハウス日本橋大伝馬町」がぶっちぎり一番都心に近いですね。国分寺徒歩1分の「シティタワー国分寺 ザ・ツインイースト」が坪390万円、大井町線下神明駅徒歩3分、大井町徒歩10分の「ローレルコート大井町」が坪400万円です。若干、頭がクラクラしますね…

東京都以外の物件で唯一堂々ランクインするのが馬車道徒歩1分「ザ・タワー横浜北仲」坪394万円です。さすが。そして即完売したのが記憶にあたらしいところです。

新築マンション2018市況マップ(坪400〜499万円)



坪400以上になると、もはや「高い」くらいしかしゃべることがないのですが、このあたりに並んでくるのはもはやブランド立地。選ばれし者たち向けのマンションです。湾岸にも2物件あります。

月島徒歩2分「MID TOWER GRAND」坪434万円に、勝どき徒歩10分「ベイサイドタワー晴海」坪423万円です。

・・・エッッッッ!?

新築マンション2018市況マップ(坪〜500万円)



モノポリーでいうボードウォークに建つマンションたちです。番町周辺に固まってます。左下端に見えるのは二子玉川駅徒歩10分「ザ・パークハウス二子玉川碧の杜」坪510万円です。もはやこのクラスになると全部億ションですし、駅チカは関係ないですね。

という感じで首都圏エリアのいまの新築マンション市況をざっくり眺められるマップ。作成やキャプチャ、紹介などでいろいろ手間取ってしまい、ブログアップまで大変お時間かかってしまいましたことをここにお詫び申し上げます。

スムログ、これからもちゃんと更新しますからね。

−−−
追伸:スムログ久しぶりに更新したら、こんな風に煽られました。


実は坪199以下のデータも手持ちにあったんだけど、GoogleMapのレイヤーが追加できなくて断念してました。その後試してみるとあと1枚追加できましたので公開します。

新築マンション2018市況マップ(坪199万円〜含む完全版)



ちょっと細かく見てみましょう。

新築マンション2018市況マップ(西東京)



同じ八王子駅徒歩圏内でも、駅前と駅から歩く物件ではお値段が坪100万円以上違うのがひと目でわかってしまいますね。

新築マンション2018市況マップ(小田急線〜横浜)



町田駅・相模大野でもかなり激しい価格差があるのがわかります。横浜駅周辺は別格に高いですね。田園都市線も謎の格差が。

新築マンション2018市況マップ(目黒区・大田区・世田谷区・川崎市周辺)



新築マンション超激戦区。同じ世田谷区の中でも坪288〜坪510までかなり差があります。

新築マンション2018市況マップ(東京東側〜千葉県西北周辺)



こっちはけっこうのどかなもんです。埼玉県は郊外でも浦和〜大宮あたりのブランドゾーンがありますけど、千葉県にはあまりないですね。2018年に売り出されている物件に適地が無いだけかもしれません。

いかがでしょうか。めちゃくちゃ面白い!と思われた方。私の仲間です。

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マンションアナリスト、ブロガー、インフルエンサー。マンション購入ということに真正面から真剣に考えたブログを足掛け10年も運営しました。忙しくなりすぎて更新が滞りがちですが、スムログも引き続きがんばります、よろしくお願いします!
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4 件のコメント

  • 匿名 より:

    徒歩10分以内版もアップして欲しいです。

  • グル より:

    おもしろーい!!

  • こういうデータ大好きです。 より:

    ざっと見ると江戸川区・墨田区と練馬区・板橋区あたりが都心からの距離だけで言えばお得に見えます。
    ※練馬・板橋は詳細マップの範囲外なので駅から遠いだけかもしれませんが

    将来的にはどうなっていくのかはやや気になりますね。
    江戸川・墨田・板橋・練馬のエントリー物件に住んだファミリーがそこにすみ続けて(街の雰囲気が変わって)東京の地価が平準化していくのか、あるいは転居が当たり前になって二極化がますます加速するのか・・・

    外国資本が入ってくる東京都心は違うロジックで動くんでしょうが、実需中心で高価格の城南・武蔵野・三鷹あたりとの差がどうなってくるかは非常に興味があります。

  • 匿名 より:

    坪500~も見てみたいです!

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