第163回 再開発プロジェクトは地主のエゴが出る?

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このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論を展開しております。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

再開発型のマンションは価格が高くなりがちです。高くなるだけではなく、権利関係にも問題が潜んでいるものもあるようです。

今日は、その理由や背景についてお話ししたいましょう。

 

再開発事業には複数の地主さんが絡んでいます。再開発事業は再開発組合を作って進めて行くのが一般的です。行政も防災の観点から推進役になり、一定の条件のもとに容積率の割り増しなどを認可します。

 

許される条件のもとで、どんな建物が建てられるかを建設コンサルタント企業(ゼネコンの場合もある)がグランドデザインを作図し、地権者に提案します。そこには採算性という検討課題が当然あります。ズバリ、土地代がいくらなら採算が合うか否かの検討を行い提案するのです。

コンサル企業にとって、土地代は安ければ安いほど良いに決まっていますが、地権者(設立認可前を含む組合)としては逆に高く売りたいはずで、コンサル企業は根拠のない低廉な価格を提示するわけにも行きませんから、公示地価や不動産鑑定価格などを基準にしながら事業計画を立案します。

 

その計画をベースに、やがて基本合意ができてスタートしますが、設計作業が本格的に進み建築費の概算見積もりが出て来るあたりから模様が怪しくなります。

 

グランドデザインの段階と基本設計完了後の段階では、建築費に見込み違いが出てくるからです。再開発組合は丸ごと不動産会社などに売却する道を選択することが多いので、途中からマンション業者などが顔を出して来ます。

市場を良く知るマンションデベロッパーは、予定価格を大幅に上回る価格に販売の難しさを感じ取り難色を示したりします。そこで、コンサル企業は地主に建築費高騰の理由など事情を説明し、地価引き下げの希望を伝えます。

ここで紛糾します。話が違うとか、段階的に見直すことに同意はしていたがこれほど変わるとは思っていなかったなどと抵抗します。

 

計画の一部修正などを行いつつ協議は続きますが、地主の抵抗は強く壁が厚いことをデベロッパー側は思い知らされます。しかし、今さら後には引けない状況にあることも認識します。地主側も同じで、決して一枚岩ではないのでリーダー役も苦悩します。「そんな金額じゃ売らない」という強硬派が現れるからです。これを地主のエゴというのは適切ではないかもしれませんが、筆者の経験ではそう感じざるを得ないことが何度かありました。

一部の地権者が組合からの脱退や売却に応じないということになると、計画の全てが振出しに戻りかねません。

 

地主は強い、デベロッパーは弱い」という構図がここで鮮明になるのです。こうして、用地買収費は高いままで、ときには積み上げざるを得ない場合もあります。そうした経過をたどって分譲価格が算出されることになります。

 

時計の針を戻します。コンサル企業がマンション業者に声をかける段階では、試算表を見て「当初から高い」計画に尻込みする業者もあれば「高いけど得難い駅前立地だから前向きに取り組みたい」として参画する業者もあります。当初から高いことを覚悟していたプロジェクトの場合、地主が価格改定に応じてくれないと、異様なほどの高い販売価格になります。

仕方なく、スペックを下げたり共用施設を大幅にカットしたりして少しでも価格を抑えようと知恵を絞ることとなります。

 

再開発事業を円滑に進めるために土地代金以外の部分でも組合の要求を呑んでしまうこともあるようです。

土地代は妥協しよう。その代わり、地権者の所有に残す店舗前の専用通路の管理費を住宅部分の管理組合で負担しろとか、店舗部分の大規模修繕計画は住宅部分とは別にしろといった要求もあるようです。

さらに、用地代の代わりに住戸で受け取る地権者は、その指定を最上階にしてくれと要求し、しかも計算単価は下層階と同じにしろなどとごねたりします。この要求を呑まざるをえず、高く分譲できる階層が非分譲となってしまったりするのです。

また、貸しやすいコンパクト住戸が下層部にずらりと並んだり、1階に地主が経営していた、好ましくない種類の店舗が同居することを認めざるを得なかったりも、よくある姿です。

 

再開発型のマンションは、以上のような問題が内在している場合があるので注意しなければなりません。なかんずく、物件価値に見合わない価格の高さが問題になる例は少なくないのです

再開発によって街が奇麗になり、防犯性、防災性が高まって魅力ある区画ができるのは間違いないので、それまでのマンションの2割増しでも高くはないかもしれませんが、3割増し、4割増しになっている例も散見されます。そのような物件を買ってしまうと、リセールバリューに期待は持てないのです。

 

「再開発マンションは将来性が高い、きっと値上がりする」そう信じるのは危険な場合もあるのです。再開発マンションは価値があるものが多いのは確かですが、金科玉条のようにとらえるのは間違いです。

先述のように、品質的に物足りないものであったり、権利関係に問題がある物件もあります。それだけならまだしも、立地条件の良さから資産価値は高いので、購入する価値は高いものが多いはずですが、その価値を換金価値、すなわち何年か先のリセール価格に置き換えると、見事に買い手を裏切ってくれる事例もあるのです。

言うまでもなく、価格が異常に高いからです。価値に見合わない高値で買ってしまうと、リセールバリューは期待を必ず裏切ります。そのことは何年か経過してやっと分かる場合が多いのです。

 

再開発プロジェクトのマンションを購入するときは、よく吟味しなければなりません。前々回(第161回)のブログでも述べましたが、「期待して損した・時間の無駄をした」にならないよう気を付けたいものです。

 

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