第111回 再開発マンションは高過ぎる。なぜ?

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最近販売が始まった密集地の再開発マンションが注目を集めています。具体の物件名を挙げると

・シティタワー大井町https://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/259159/

・パークシティ武蔵小山ザ・タワーhttps://www.e-ansion.co.jp/bbs/thread/590069/

・グレーシアタワー三鷹https://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/616758/

の3物件です。

 

再開発プロジェクトは昔から注目を集めるものですが、売れ行きは物件によってバラつきがあります。具体の物件名は控えますが、築10年経て、今も人気の衰えない優良な物件、大抵はランドマーク的な物件ですが、その中には、分譲価格を今も超えない例が少なくありません。

 

購入した時期によって少し差はあるのですが、2005年頃に契約し、2007年頃に入居したタワーマンションなら、2017年の今年売った人は例外を探すのが難しいほどどなたもホクホクですが、再開発案件のタワーマンションの中には買い値で売るのが精いっぱいという物件があります。

 

成約事例を調べ、分譲価格と比べてみましたが、どの住戸も値下がりしていたのです。ところが、同マンションで少し儲けたという売主さんにたまたま会いました。おかしいと思って尋ねると、売れ残った住戸をなんと1000万円も値引かせて買ったというのです。

 

他にも値引きしてもらった人は少なくなかったはずだと語ってくれましたが、高過ぎて売れ残ったのです。やはり、再開発マンションは、そうなることがあるのだと筆者は改めて思いました。

 

●再開発マンションの希少性

再開発は複数の地権者の合意形成に時間がかかると言われ、成功事例は少ないのですが、最近はスピードアップしているような気がしています。

 

糸魚川大火のような規模ではなかったものの、実際に火事が発生し、鎮火に苦労した事態に危機感を持った住民がデベロッパーの提案に賛同するのに長い時間を要しなかったという話も聞きました。

 

行政側も積極的に協力する姿勢を見せているらしいとも聞きます。武蔵小山駅前の再開発計画は第2弾、第3弾と続くとあります。連鎖なのでしょうか?古くからの地元住民が街の活性化に前向きに取り組んでいるということでもあるのでしょう。

 

東京の古い駅前商店街などが、街の衰退を未然に止めようと図り、各地で動き出しています。魅力ある街づくりの波は本格的にやって来る気配を感じます。

 

ともあれ、これらの物件価格を聞いて、最近は慣れてしまったのですが、少し前まではあまりの高さにびっくりしたものでした。

 

再開発プロジェクトの価格が何故高いのでしょうか?

 

●地権者の数が多いほど高いかも?

武蔵小杉や豊洲など、最近10年くらいの間に急発展した街は、もともと大区画の敷地が多数あった場所なので、開発を進めやすかったという背景があります。一方、個人住宅や商店が密集する場所の再開発は合意形成に時間がかかるため、デベロッパーも取り組みに消極的だったのですが、用地不足に悩む中で最近は様子が変わってきました。

 

ゼネコンも将来の工事量確保のために中長期の再開発プロジェクトを仕掛ける動きは昔からありましたが、最近は拍車をかけているのかもしれません。デベロッパーとゼネコンが地元住民とタッグを組んで街づくりを行う、災害予防のためにも結構なことです。

 

しかし、再開発マンションは決まってバカ高い売値になるのが普通です。最近の国分寺でも大井町でも、また間もなく売り出される武蔵小山でも、人気度はともかく、多数の見学者の中で購入できる人はごく一部です。価格を聞いて大半が諦めるとも聞きます。

 

駅前再開発エリアのマンションは価値が高いには違いないけれど、その価値に見合う価格かというと、筆者の判定では疑問符がつくケースが多いのです。

 

 

●なぜ高い

今後は魅力的な駅前再開発マンションが続々と登場してくるかもしれません。しかし、価格は驚くほど高く、それでも値打ちあるものと、価値に見合わない高値のものと、玉石混交になるはずです。

 

うかつに高値で買えば、将来の資産価値は期待外れともなりましょう。冒頭で紹介したように、駅前マンション、再開発マンションというだけで飛びつかないことが大事です。

 

さて、例外もないことはないとお断りしておきますが、大半の駅前再開発マンションは異様に高いものですが、その背景には「強い地権者と弱いデベロッパー」という関係があります。

 

筆者も、かつては用地を探してマンションを企画建設する仕事をしておりましたが、その部門の前に経験した「マンション販売」より、「土地を買う・企画建設する」は数倍難しいと感じたものでした。

 

ある日、土地ブローカーが駅に近い条件の良い土地情報を持ってきました。資金力や政治力もあるブローカーらしく、好立地の土地を自ら買ってはマンションデベロッパーに転売していました。一度取引した実績もあったので、あまり疑わずに売買契約を結びました。

 

ところが、開発後半、もうすぐ許認可が下りるという段階に来て、「無瑕疵・無負担の状態で引き渡すという約定が守れない」と言って来たのです。契約では、対象地に居住している借地・借家人を立ち退きさせた後に残金決済するとなっていたのですが、土壇場で借家人が明け渡さないというのです。

 

いくら金を積まれても出て行かないと抵抗していて、二進も三進も行かない膠着状態に陥り、仕方なく通告してきたのです。筆者は責任者として窮地に立たされることになりました。その土地を所定の期日までに明け渡してもらい、ある時期までに着工しなければならなかったからです。

 

決算の3月に間に合うように逆算式に事業スケジュールを決めたいたので、余裕はあまりありませんでした。借地・借家人は地主と50年来の係争していたらしく、積年の恨みが「梃子でも動かない」と言い張っていました。最後はお金で解決となったのですが、その金額は法外なものでした。

 

金額で争えば時間はますます長引くと見た筆者は上司にひどく怒られながら、本来払わなくていい立ち退き料の一部を負担して早期解決に持ち込みました。無論、原価が上がった分は売値を上げて販売するしかありませんでした。

 

また、あるプロジェクトでは地上げを担当していたゼネコンに地主代表の家に同行を求められ訪問したのですが、これが運の尽きで、それ以来、地主代表は筆者に連絡してくるようになり、買収予算の吊り上げを迫られました。

 

ゼネコンの担当者は、あとで聞くと買収が暗礁に乗り上げていたので、誰かに代わってもらいたいと思ったらしいのです。筆者は、採算分岐点がここだから、これ以下で土地価格を決めてもらいたい。その範囲に収まりそうなら買いましょうという「買い付け証明書」も提出していました。

 

ゼネコンは地上げの話をまとめないと工事受注の恩恵にはあずかれないので、何とか買い手。売り手双方を説得して折り合いをつけたいわけです。

 

結局、ゼネコンの担当者の策略にまんまと嵌り、筆者の提示していた買収額は次第に吊り上がって行きました。まとまれば滅多に手に入らない大きな土地だったので魅力でした。地主の代表者は、いつも3人しか来ませんでしたが、地主は全部で10人くらいありました。

 

その中に希望価格の2倍を要求する人がありました。その人の敷地を残して買収する計画の練り直しもしましたが、中々良いプランができません。変形のプランでもよかったのですが、地主側が仲間外れにしないでくれ、何とか妥協させるように努力するからと泣きついてきました。

 

しかし、結局買い手からの歩み寄りの方が大きいカタチで決着するほかありませんでした。

 

二つの経験談を述べましたが、用地買収に関する話は語り出すと本一冊分にもなる苦労話になります。ここで皆さんにお伝えしたかったのは、「泣く子と地頭には勝てない」という諺がありますが、マンション業界には「泣く子と地主には勝てない」という言葉があるのです。

 

相手が一人なら何とか折衝のしようもあるのですが、地権者が何十人にもなるような密集地の再開発になると、合意形成には長い時間をかけた挙げ句に最後は金銭の上積みを強いられてしまうという業界(買主)の弱さが露呈してしまうのです。

 

最近のことですが、あるデベロッパーの用地担当者は、「時間がかかるし、交渉当事者としてテーブルに着くのはTTPの交渉のように難しい」と語っています。TPP交渉の場に居たわけではないはずですが、報道で得た交渉の断片からそう感じるのでしょう。

 

地主の数が多いほど難しいことは容易に想像がつきます。特に駅前は、借地人がいて別の借家人もいたり、店舗の営業権をどうしてくれるのかとか、底地人と借地人との債権・債務が絡んできたりするので、複雑怪奇、もつれた糸をほぐすのは簡単ではありません。

 

しかし、デベロッパーは用地難に苦しんでいるので、何とかくらいついて行きます。駅前なら多少高くても売れると思うのでしょう。最後は、1億円、2億円の増額で合意に持ち込むという誘惑に負けてしまうのです。

 

本当に地主は強い。そんな感想を何度も持ちましたし、何度も聞きました。

 

●高値のマンションを買い手はどう見るべきか

 

駅前だし、大きく変貌するので価値は上がるだろう。そう期待して購入に踏み切る人もたくさんあるわけですが、果たして?

 

高い価格が物件価値に見合うものではなく、開発後の価値を織り込んだ、いわば先取り価格である場合が多いのです。冒頭に紹介したように「大きな値下がりはなかったとしても、大きな値上がりの期待は持てない物件もある。そう思って再開発マンションは見た方がいいのです。

 

 

・・・・・・本日はここまでです。ご購読ありがとうございました。

 

 

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