第82回「ご存知ですか?意外なマンションの常識」

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このブログにお越し下さる方は、玄人はだしの方から研究し始めの方まで幅が広いようです。今日は、研究し始めの方を意識して記事を書いていきますが、よく勉強していらっしゃる方でも盲点と思われるものも一部取り上げましたので、最後までお目をお通しいただけると嬉しいですね。

 

 

1.設計と施工の関係

マンションの設計は、開発会社(デベロッパー)から設計事務所に委託して進められるのが一般的です。設計事務所が作製した図面をもとに施工するのが建設会社(多くはゼネコンと呼ばれます)となります。

 

設計事務所がゼネコン内部にある設計部門である例も少なくはなく、マンションの「建築概要」や「物件概要」の項目では、ひとくくりにして設計・施工/〇〇建設と表示されています。

 

マンションは施工会社が変わればプランが変わるという誤解をお持ちの人もいますが、本来マンションのプランニングはデベロッパーの仕事であり、設計事務所・ゼネコン設計部はデベロッパーの意を汲んで描画するだけの立場です。もちろん、設計者は設計者なりのセンスを生かそうとしますし、デザイン性に関しては設計者に細部をゆだねるのが普通です。

 

設備や内装の材料選びも、基本はデベロッパーが「ここはこうしたい」という意向のもとに進められます。

 

2.管理と監理。その意味は?

マンション分野で管理は、管理人さんの業務を含む管理会社が担当する建物の維持管理を指します。

監理は、監督と管理のことで、設計図通りに正しく施工が行なわれているかを監視したり、工期のチェックなど、適切に工事が進捗するようにコントロールしたりする業務に使う言葉です。

 

最近、設計・施工・監理を1社で兼任するケースが見られますが、好ましい形態ではありません。なぜなら、施工面で都合の良い(施工のしやすい)設計をされてしまうからですし、監理も身内同士なので甘くなりがちだからです。

しかし、昨今はデベロッパーのチェックが厳しいことに加えて、「住宅性能評価制度」ができて以来、第三者のチェック機能が働くようになっているので心配いらないという見方もあります。

設計にしても、デベロッパー自身のこだわりから細部まで注文が付くし、チェックも厳しいので、おかしな設計はできないとの反論もあるようです。

 

しかし、発注者のデベロッパーに人材とチェックのノウハウが備わっていればこそのことであり、少なくとも設計と施工の一括発注には注意が必要になるでしょう。

 

3.売主と販売会社の違いは?

マンションを開発し、それを分譲販売する会社は、売買契約に登場する「売主」となりますが、販売の実務(セールス活動)は、しばしば売主みずから行うのではなく、販社に委託して行われます。

 

「このマンションの販売会社はどこか」と聞かれると、答えは売主の名を言うのが正解ですが、業界内の会話なら「販売はどこが担当したの?」になり、「販売は売主の子会社〇〇です」か、「売主直です」となります。

 

4.小学校まで徒歩10分は何メートル?

マンション・住宅の販売広告には、公正な競争のために定められたルールが存在します。それによると、距離を表すときは80メートルを1分とすることになっています。

従って、小学校まで10分と表示されてあれば、800メートルということになります。しかし、これは大人が歩くスピードを基準にしたもので、子供が通学すると15分か20分かかるでしょう。

 

この表示を鵜呑みにしないことです。特に、まだ小学校児童のいないファミリーは注意が必要です。その時が来て気付いても遅いのですから。

 

5.天井高と階高。その違いは?

工事が完了したマンションの室内に立ったときの、床から天井までの高さを天井高と言います。コンクリートの上にフローリングや畳などの表面材を置いて床が構成されます。天井もコンクリートむき出しではなく、二重になっているのが普通です。

一方、階高とは設計図書の断面図で、コンクリート面から直ぐ下(または上)のコンクリート面までの距離を指します。

 

階高が2900ミリ、天井高は2500ミリなどとなるのが普通です。

階高が低く、天井高は普通。このような建物は注意しなければなりません。

 

6.北向きマンションも意外に明るい?

タワー型マンションに多い北向き住戸は、言わずもがな直射日光は当たりません。しかし、窓面積を大きく取ったものが多く、意外に明るいのです。

また、窓から見える目の前の建物は南向きなので、太陽を浴びてキラキラ輝いて見えます。その光景も暗さを感じさせない要因となっています。

 

7.南向きマンションは真っ暗な(?)部屋が多い

マンションの間取りには、個室が全て同じ方向を見ているものは少なく、南向きマンションという場合、バルコニーに面するリビングルームが南を向くものを言いますが、その住戸の寝室は北側玄関横にある間取りが多いのです。

しかも、たいていは2室あります。3LDKの3個室のうち2室が北向きというわけです。真南向きでなく、東か西に少しでも振れているといいのですが・・・

 

南向きが好きな日本人ですが、北向き寝室は永久に日が入らないことを知って購入しているのでしょうか?

 

8.住宅ローンの金利、10年間に限るとマイナスになる。本当?

金利が低い上に、年末時点で借入残高の1%を所得税から差し引いて還付してくれる(初年度。2年目からは源泉税が減額される。物件による)ので、実質金利はマイナスになるのです。

住宅ローン控除は10年間だけなので、マイナス金利になるのも10年間に限定されますが、こんなことは過去になかったので、将に希代の現象です。

 

例えば年末残高が4000万円のとき、ローン控除は最高(納税額40万円以上の人で)40万円になりますが、4000万円の住宅ローンの金利が0.8%であれば、年間の金利は32万円以下ですから、逆金利が8万円というわけです。

 

9.住宅ローンの審査で「他の債務」は問題になるの?

住宅ローンの審査では、「総借入の返済額」が所得の何%に当たるかをチェックします。従って、マイカーローンやカードローンなどがあれば、その借入額と住宅ローン希望額とを合算して返済に無理がないかの審査を行うのです。

 

こうしたローンを抱えていると住宅ローンの審査は通らないので、先に返済を済ませた方がよいでしょう。

 

10.住宅ローンが返済できないとき、銀行は待ってくれる?

ローンの返済が遅延したり、返済不能に陥ったりすれば、銀行は担保を処分して融資金を回収しようとします。そうなれば、自宅を失うだけでなく、ブラックリストに載ってしまい、再び住宅ローンを利用することが難しくなってしまいます。

 

そうならないためには、予め銀行を訪れ、返済を猶予してくれるよう相談することが必須です。銀行は、例えば2年間の返済を猶予し、金利だけの返済に契約変更を勧めてくれたりします。

 

11.建物が劣化しているのに中古マンションの価格はなぜ上がる?

新築マンションに比べると、中古マンションは劣化した分だけ安い理屈です。ところが、新築が値上がりすることで中古の相場も上昇します。 結果として、購入額から見ると安くならず、条件の良い中古物件は新築を上回る価格で買い手がついたりするのです。

 

12.中古住宅を買うと、手数料は必ず3%を払わなければならない?

手数料は法律で上限が決まっています。正確には物件価格の3%+60,000円+消費税となっています。しかし、これは上限を定めたに過ぎないので、仲介業者によって、あるいは取引価格の大きな物件の場合は2%に下げているケースもあります。

 

手数料の値下げ交渉は是非チャレンジしたいものですが、大手仲介業者には通用しないかもしれません。

 

13.フォームとリノベーションの違いは何?

先進の機能を持つ設備に交換するとか、間仕切りを大幅に変えるような、大掛かりなリフォームのことをリノベーション(Renovation:改革・刷新)と定義しています。

 

これに対し、壁紙を張り替える、絨毯張りの床をフローリングにする、建具のドアハンドルを交換するといった程度は「リフォーム」の部類です。

間仕切りをそのままに、設備の交換と壁、床、天井の張り替えをした「フルリフォーム」をリノベーションと主張している売り出し広告を見かけますが、厳密にはリノベーションではないという見方もあります。しかし、線引きは必ずしも明確ではないようです。

 

14.大規模マンションは管理費が高いって聞いた。本当ですか?

スケールメリットがあるはずの大規模マンションの管理費は、意外にも高い物件が多いのは確かです。

大規模マンションでは、24時間有人管理をしたり、居住者サービスとして管理人以外に「コンシェルジュ」を配置したりするほか、パーティルームやキッズルーム、スタディルームといった様々な共用施設が設けられることが多く、管理対象面積が広いために安くならないのが普通なのです。

 

15.修繕積立金が安いマンションの特徴は?

修繕積立金は、共用部分の改修に必要な費用として管理組合が蓄積するものです。

共用施設が豊富なほど、共用部分の面積が広いほど、あるいは共用の設備が多いマンションほど費用も増える理屈になります。従って、共用部分が貧弱なマンションなほど費用も少なくてすむと考えられるのです。

 

16.大規模修繕で何がどう変わるの?

分譲マンションでは、長期の修繕計画を立案されるのが普通になっていますが、その内容は主に次のようなものです。

コンクリート躯体の亀裂の修復/屋上・バルコニーの防水/外壁の塗装/鉄部の塗装/給排水管の清掃・交換/エレベーターの補修・交換/空調・換気設備の交換/機械式駐車場の交換/住戸の玄関扉の交換/その他

 

これらの大規模な修繕は、概ね12年ごと、周期的に行われます。

 

17.マンションの寿命は何年?

建物ごとに耐用年数にはバラつきがあります。造り方・住み方がそれぞれ異なるマンションが「一律に同じ」ではないのです。

短命で終わるもの、長持ちするものと差が出てくるのは、下記にあげる要素が大きく関係しています。

①劣化のしにくさ

②設備配管類の維持管理のしやすさ

③入居後の適切なメンテナンス

④地震などの外的要因

 

耐久性を知る方法として、「住宅性能表示制度」を利用する方法があります。

同制度を利用したマンションでは、そのマンションがどれだけ長持ち仕様で造られているかを、一般の人にもわかりやすく表示しています。それが「劣化対策等級」というものですが、 等級ごとに、以下の耐用年数が期待できるマンションであることを示しています。

■等級3……おおむね3世代(75年~90年)

■等級2……おおむね2世代(50~60年)

■等級1……建築基準法に定められた対策がなされている(最低基準)

 

尚、マンションはコンクリート以外の構成要素(配管やエレベーター等の設備)がありますが、この耐久性はコンクリートより短いので、適宜メンテナンスや交換をして行く必要もあります。寿命はそれ次第でもあるのです。

 

18.集合住宅の歴史は何年? 分譲マンションの歴史は?

鉄筋コンクリートに限れば、日本国内で最も古いものは、長崎県にある通称・軍艦島に残る複数の住宅のうち、7階建の30号棟と言われます。1916年(大正5年)の建設で、日本初の鉄筋コンクリート造の高層アパートとされています。

 

世界文化遺産に登録されたことでご存知の人も多いことと思いますが、軍艦島は明治時代から昭和時代にかけて海底炭鉱によって栄え、最盛期の1960年(昭和35年)には5,267人が居住、人口密度は東京特別区の9倍以上、83600人/km²と世界一に達したと言われます。

炭鉱施設・住宅のほか、小中学校・店舗・病院・寺院・映画館・理髪店・美容院・パチンコ屋・雀荘・社交場(スナック)などがあり、島内においてほぼ完結する都市機能を有していたそうです。

 

関東大震災の復興住宅として東京中心に23棟建てられた「同潤会アパート」も有名ですが、2015年を最後にすべて建て替えられました。最も有名な建て替え例は「表参道ヒルズ」です。

 

集合住宅でも「分譲」となると、歴史は浅く、1955年に第一生命住宅(現、相互住宅)が民間分譲マンション第1号「武蔵小杉アパートメンツ」を販売しています(後に再開発されて武蔵小杉タワープレイス等に生まれ変わった)。

 

翌年には、日本信販(現UFJニコス)の不動産部門である日本開発(株)が「四谷コーポラス」を分譲しました。28戸の小型マンションです。今となっては安アパート風ですが現存しています。これが最古の分譲マンションで築60年ですね。

 

    ・・・・今日はここまでです。ご高覧ありがとうございました。

 

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