お便り返し(75)マンション売却時の失敗談

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こんにちは、やまちゃんです。今、Amazonで買った中国メーカーのハンドソープディスペンサーを自宅で使ってまして、めっちゃ良いです。普通の液体石鹸を薄めてちゃんと泡になって出てくる充電式タイプで、とにかくランニングコストが激安です。Amazonの評価底上げ警戒でサクラチェッカーも併せてチェックするとハズレを回避しやすいです。これまでCMやってる某製品を使ってましたが、本体はすぐ壊れる、誤動作で無限に出る、石鹸の替えは高いなど全然いいことなくて、もっと早く調べれば良かったと反省です。

差出人:フアン

マンション売却時の失敗談はありますでしょうか?

マンション購入を考えはじめてから暫くたちました。
記事やTwitterを拝見しているとマンション購入に関して、きらきらとした部分ばかりが目に入りますが、実際に購入はしてみたけど売却時に損をしてしまった。という経験はありますでしょうか?
例えば、○○だから残債割れはしないだろうと購入をしてみたけど実際の売却時には損をしてしまった。など
昨今の時代背景から、不動産価格は右肩上がりなのでもしかしたら失敗経験がないのかも知れませんが。

また失敗しないためにこことここのポイントだけは意識するべき!みたいなことがあれば教えていただきたいです。

初めての大きい買い物になるので不安になりご質問させていただきました。

ご回答宜しくお願い致します。


失敗談いっぱいあります!過去に個人で計6件購入(戸建て含む)しまして4件売却しました。買値より売値が安くなってしまったもの(本体価格だけでなくリフォームや諸費用等も含む)を「負け」としますと、3勝1敗となります。

 

(失敗その1)利回りは良かったが売値は行って来いだった

負け案件ではないのですが、場所的には普通のよくある築古マンションで賃料利回りが期待できる価格だったため購入しました。

想定したくらいの利回りで7年ほど所有しまして、それはそれで良かったのですが、売却するとき思っていたよりは高く売れず、「利回りだけで特徴のない物件は微妙」でした。

いざ売りに出すとなりますと周りに似たような物件がたくさんあり埋もれてしまいました。

買主は投資家で、利回りで買った物件は利回りで買われることとなりました。

たまたま上昇相場だから良かったものの、下降相場でやらかしたら賃貸で稼いだ利益を食いかねなかったので良い勉強になりました。学びは「マンションは街や駅の発展を買え」です。

建物部分は必ず劣化しますよね。購入10年経って建物が10年分劣化したのにエリアによっては5割以上高くなってるとか(感覚的には)おかしいじゃないですか。

通貨価値が下がったと言ってしまえばそれまでですが、購入時に確度高い未来を判別できるファンダメンタルとしてやはり立地が大事で、分かり易い追い風が加わるとなお良いですね。

私が買った物件は、近くに商業施設があり買い物など便利でしたが、周辺環境が一切変わらない場所でした。結果、所有年数古くなっただけで物件の評価はあまり変わりませんでした。

長い時間軸で資産価値(リセール価値)にフォーカスしますと、必ず劣化する物件本体であれこれ細かいことを考えるより、不動産としての伸びしろを街や駅の発展に紐付ければ良いと思います。

 

(失敗その2)出口の条件が悪くなった

以前の記事でおまけ記事として書いた内容

おまけの話(1)旧耐震物件

所有していた旧耐震物件が購入後数年して、組合が耐震診断でわざわざコストをかけて「建物が危ない」お墨付きをもらってしまいました。

それで銀行ローン通りにくくなり、重説文言が怖くなりました。もったいないなぁ~と思いましたね。

分かって買うのは良いんです。旧耐震は、10年経っても旧耐震なので。でも耐震診断のお墨付きによって出口の条件が悪くなったことは盲点で、買うときはそんなこと全く考えていませんでした。

学びは「入口に対して将来の出口に落差がないかを想定する」でした。

よくスムログ相談では、将来のリセール価値にフォーカスして「駅遠マンションは大丈夫?」「行灯部屋は大丈夫?」「外観が安っぽいけど大丈夫?」みたいな相談が来ますが、入口と出口が変わらないならあまり心配する必要ないと思います。

なぜなら、変わらない条件は「将来安くしないと売れない」デメリットが「今は安く買える」メリットになり、行って来いです。単に今現在、相場より割安に買うチャンスがあるかどうかですね。

端的には、ここに書いたことは「マイナスの変化を想定」で、前項の街の発展は「プラスの変化を想定」ということになりますね。

 

(失敗その3)決め打ち買いでドボン

投資の話です。以前、大阪で民泊をやっていてコロナで売った一戸建てなのですが、これはドボンをぶっこきました。

営業開始に必要な仕込みの総額(物件価格+リフォーム費用+家具家電インテリア+ほか諸費用)を100としますと、売却した価格は59でした。

2年半ほどは営業しましてトータルではプラスでしたが、まぁ~言ってしまえば骨折り損のくたびれ儲けでした。学びとしましては「決め打ちで買ってミスった」、これに尽きます。

仕込んだ物件は昭和の築古物件でした。通常は必ず賃料利回りを見て買う(賃貸需要ある物件なら最悪なんとかなる)のに、この時はグロスを下げるため賃貸ニーズのない物件も検討し、民泊一本の決め打ちで仕込みました。

民泊営業そのものは順調に推移したのですが、まさかコロナ禍が来る想定などなく、パンデミック以降稼働を停止しどうしようもなくなってしまいました。

当時は持ちこたえるべきか悩んだのですが、場所が遠方でしばらく物件を放置していましたら、築古なだけに夏場に湿気で部屋内がごく一部ですがカビましてですね、あぁ~これはダメだ、物件を維持できないとなり売ることを決めました。

買い手は民泊運営をやっている投資家で、民泊で買った物件は民泊で買われることとなりました。

余談で、決済場所は銀行だったので振込かと思ってましたら、帯付きの現金がドサッと出てきまして、訳あり感満載でした(笑)

余談の余談で、コロナ禍で音を上げた業者から安く買い叩いた資金力ある業者は、今の回復市況において大きな利益を出しており、金持ちがより金持ちになる現場を我が身をもって体験いたしました。うえーん。

 

失敗しないために注意すべき点

また失敗しないためにこことここのポイントだけは意識するべき!みたいなことがあれば教えていただきたいです。
初めての大きい買い物になるので不安になりご質問させていただきました。

住宅は個別要因が大きいのでこれ系の話は他ブロガーの諸先輩方に相談されることをお勧めしますが、大きな話として失敗しないために注意することとは逆説的ながら「失敗しても大丈夫なようにリスクを取りすぎない」ことだと思います。

長い時間軸で見れば、購入当初思いもよらなかった悪いことの1つや2つ、起こる前提でいた方がいいです。

それでもこれまでの判断の延長を生きなければいけないわけで、悪いことがあったらあったで対処するほかありません。なのですが、過去のまずい判断にまつわってダウンサイドの許容ができないと困ってしまいます。

返済率ギリで借りたら給料減ったとか、市況が崩れて高値づかみしたとか、買ったら転勤決まったとか、夫婦合算で買ったら離婚したとか。

言いたいことは、予期しなかった悪いイベントがあっても落ち目を限定できる買い方をしましょう、という主旨です。

フアン様の個人属性が一切書かれていなかったので的外れかも知れませんが、個人的な買い方の基本方針としては、できるだけ夫の単独ローン単独所有、できるだけ返済率20%以下(※)、グロスを抑えたいときは広さ(間取り)を諦める、利回りは見ておく、あたりは最低限気にします。

(※)金利0.5%、元利均等、35年ローンで返済率20% = 年収の6.4倍

合算できる世帯属性でも、妻側の余剰分を蓄財するくらいのバランスでいいと思います。妻側にそういったバッファをもたせる主な理由は、出産・育児です。背伸びして家を買うより、子をできるだけ多く残し養うリソースの余剰を取っておくのが大事という価値観で言っているので、ここが違うと違和感あると思いますが。

マンション購入は金額が金額なだけに不安になりますが結局最後はエイヤー!です。中立の立場で詳しい人に背中を押してもらうのも1つですね。よい物件にご縁がありますことを願っております。

 

おまけの話

不動産を所有していて当初全く想定していなかった「良かったこと」を1つ。

「いつ賃借人が出ていくか分からない」状態って逆にいいもんで、まとまった金額をいつ現金化できるか見通せないお陰で、次の投資機会を分散することができます。

私は最大6件所有した後、直近の何年かは賃借人が出ていったら全部売って、別の投資先(≠不動産)に振り向けてます。その時々で常に投資したい先があって、ついつい手元に入った資金を使い切る勢いでやっちゃうのですが、上手くいくときもあればダメな時もあります。

不動産って人に貸している限り売りにくく(別に売っても良いですけど安売りになるのが癪に触る)、それが却って「資産の強制保存」になってしまうのが良いと思っています。

少し前に面白い記事を読みまして、佐藤航陽(かつあき)さんの「成功は運か努力か才能か?についての考察」というNoteの記事です。とても長いのですが、すごく面白いので読んでない方はぜひどうぞ。読んでてウンウン頷きすぎて脳しんとう起こすかと思いました。

私は思うのですよ、世の中常にチャンスに溢れていますよね。ほんで、今この瞬間もチャンスを掴んでる人いっぱいいる。

それは時給の安い若い人が行動フルマックスで事業やって攻略することもあれば、私みたいなポンコツ中年がなけなしの資金を放り投げてるだけのものもある。

つまるところ長い時間軸で見ますと、「くじをたくさん引いたやつが当たりを引く」というバカみたいにシンプルな法則でチャンスは掴めるのですよ。ダメなら諦めて次行けばいい。

個人事業、投資、なんでもいいと思いますが、座学だけでなく実際に行動して経験することで、自分という人間がどういう本性なのか分かるのも良いです。これ、意外と平常時に論理脳で考えても分からないんですよね。

動物としての本能に近い部分、欲の深さ、苦悩、恐怖とか、実際にそういう局面に出くわさないと本当に自分を分かってることにならない(と思う)。

私は不動産を持ってしまった結果、資金投下の時間分散を意図せずさせられて、バカみたいにその都度ごと興味の赴くまま種類の違う経験ができたことはとても良かったと思っています。

最後に残念な話で、そういう細々した物件なんて買わずに、8年ほど前ですがマジ検討した超高い新築マンションを背伸びして買っていれば、今ごろ左うちわでふんぞり返って赤ワインクルクルする生活が出来ていたのでした。合掌、チーン。

 
注釈:
記事の内容は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。

ABOUTこの記事をかいた人

スムログ担当者です。その昔、某デベで新築営業した後、Web業界に転身しました。妻と子供5人(6歳双子、4歳、3歳、2歳)、7人家族の親父業をやってます。

こちらのサイトでも担当者やってます。
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