第272回 「郊外マンションは割高?」

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このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

在宅ワークの増加が要因かどうか、郊外マンションが販売を伸ばしているという話を耳にします。中古より新築マンションの方が増えているらしいのです。

その検証はさておき、郊外マンションの話題を今日は選んでみました。

 

新築マンションの価格はこうして決まる

新築マンション価格の構造を先ずは説明しましょう。

 

価格は言うまでもなく、原価と販売経費と利益の合計です。新築マンションの場合、原価とは用地費と建築費、販売経費とは広告費とモデルルームの建設運営費、販売手数料などです。

 

原価と販売経費を引いた利益があってはじめて、本店経費、すなわち間接部門の経費を賄うことができ、最終的に企業利益が確保できるわけです。

 

分譲価格に占める割合で最も大きな原価(用地費と建築費)は総売り上げの80%を占めます。このうち、用地費と建築費の割合いは都心部で50:50、郊外では30:70と分解できます。用地費は言うまでもなく都心ほど高いためです。

 

建築費は郊外も都心部も変わりませんから、郊外マンションの建築費は割高とも言えます。無論、大きな敷地では工事のしやすさがあって郊外の大型マンションの場合は、建築費も安いという例がないわけではありません。

 

用地費が安い郊外マンションが安くない理由

安いはずの郊外マンション、実は都心のマンションに比べて安いとは言えない事由があるのです。もうお分かりの通り、建築費は都心も郊外も変わらないからです。ただし、都心には大型の用地が少ないので、建築費も割高になってしまう、すなわち用地費も建築費も都心は高いと言えるのです。

 

相対的に安い郊外マンションですが、都心のマンションに比べると安いとは言えないことがお分かりになったでしょうか。

 

郊外なりに安いうえ、魅力的なマンションが造られるとしたら、建築費も安く抑えられたものということになります。とどのつまりは、大規模マンションということになるのです。大規模マンションとは、平たく言えば200戸、300戸スケールのイメージです。100戸程度では大規模とは言えないのです。

 

200戸、300戸のマンションを建設できる用地は、工場や倉庫、学校跡地などです。これらの用地は、鉄道の駅の前にあるとは限りません。大抵は駅から徒歩で10分前後と離れています。 稀に駅前があるとしても、不便な支線や急行電車の止まらない駅である場合が多いのです。

 

一方、郊外の中核都市、駅名で言うと、大宮や浦和、津田沼や市川、武蔵小杉や藤沢、たまプラーザといった人気の駅になると、地価(用地費)もそれなりに高いので、結局マンション価格は東京都心並みとはいかないまでも、郊外都市の割には高いレベルになってしまうのです。

 

割高な郊外マンション。中古になると・・・・

郊外も安いとは限らないということですが、中古マンションになると様相は大きく変わります。人気のエリアでも中古は安く、駅から遠い物件、枝分かれしているローカル線の駅ななると一段と安く、言ってみれば激安物件が並びます。

 

郊外の中古が激安なのは、買い手がなかなかつかないからです。言い換えると、買い手の総量が少ないことを示しています。

対して都心は買い手が多く、新築の供給が少ない昨今は需給バランスが崩れ、買い手の多くが中古に流れています。その結果、新築並みに高い中古取引がも少なくないという実態となっています。郊外とは対称的です。

 

日本人は新築志向が強いと言われます。日本人が古いものを愛する志向がないわけではなく、木造建築が主流の文化の中で暮らして来た国民だからです。言い換えると、何度も大火に見舞われながらも、そのたびに建て替えて木造住宅に暮らす文化が2000年以上も続いて来たからでもあるのです。

 

1950年代以降、庶民の住宅がコンクリート造に替わって来たとはいえ、その歴史は短く、今も一戸建てを志向する日本人は多数です。そのせいで、郊外では戸建て志向の人が多く、マンションは中心需要ではないのです。

 

つまり、マンションの市場規模も郊外は小さく、安値でも中古マンションの人気は残念ながら低く、買い手のつく中古は限られてしまうのです。売れないから価格を下げる、それでも売れないので、また下げる。まさに負のスパイラル。それが郊外の中古マンションの市場実態です。

 

人気がない郊外中古。その背景・要因は?

郊外の中古マンションが安い理由・背景は需要が少ないからです。繰り返しになりますが、郊外では安く一戸建てが手に入るので、管理費や修繕積立金などの固定経費が毎月発生するマンション、しかも狭い家は人気がないのです。

 

言い換えると、郊外ではさほど不便でない場所で一戸建てが手に入るので、狭いマンションを選ぶ動機がないというわけです。無論、郊外でもマンションを志向する買い手はゼロではありませんから、条件の良い中古マンションはそれなりの値で買い手が付きます。

 

条件とは、「便利で広くて安い」か「賃貸マンションよりは広いものがいいが、100㎡などは論外、70㎡もあれば十分。ただし、駅前などの高い利便性」と語る人が多いのです。

 

郊外はマンション需要が少ないので、高く売れる中古は極めて限定的と言えます。少しでも条件が悪ければ、つまり不人気中古のマンションは買い手がつかず、2度、3度と値下げしてようやく買い手が決まるという実態にあるのです。

 

郊外でも高値が付く中古とは

もうお分かりのことと思いますが、郊外でマンションを買うときは物件選びを「より慎重に」しなければなりません。けっして安値に釣られて選ぶという態度だけは戒めなければならないのです。

 

「そもそも、郊外ではマンション需要がないのだ」と思うべきです。

郊外でも高値の中古・・・選ぶなら基本姿勢はこうあるべきです。言い換えると、「安いマンションは将来は一段と安くなる」と覚悟して買うべきなのです。

 

郊外で高値になるのは、駅前マンション、大型マンション、。しかも駅ごとに見れば高々1物件か2物件しかないと見るべきです。

 

まあ。「ちょっと良い」ではなく「抜群に良いマンション」を選ばなければなりません。

 

◆     ◆     ◆

郊外の新築マンションは割高と筆者は考えますが、読者の皆さんはどんな印象をお持ちですか? 郊外こそ、選ぶなら中古。しかも、郊外にしては高いのでは?そう感じるほど高値のマンションが望ましい。筆者は、そう思います。

 

新築マンションの価格は原価の積み上げで価格が決まりますが、中古は原価、すなわちいくらで買ったかをに関係なく、市場が価格を決めているのです。言ってみれば、市場価格は買い手が決めているようなものです。その買い手が高く評価する郊外で一番のマンションを選ぶ方が良いと言えます。

 

永住するわけではないのですから、いざというときに高値が付く人気マンション、地域一番マンションを選んでおきたいものです。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。次は10日後の予定です。

 

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