【書評】三代目東京人へオススメ。「街間格差-オリンピック後に輝く街、くすむ街」

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常日頃、湾岸タワーマンションに厳しい目線を送られていらっしゃる、オラガ総研牧野氏。彼の著作の新作が出たので買ってみました。「街間格差-オリンピック後に輝く街、くすむ街」です。同じ出版社から出ている池田利道氏著「23区格差」と対をなすような本です。



結論から先に言っちゃえば、表紙の帯紙に書かれているような煽った感じは一切無く、著者牧野氏の穏やかな性格がそのまま現れたようなご本でした。特に本書の後半は、幼少期から東京都中央区育ちというご自身の生い立ちを引き合いに出しながら、東京育ちが語る「これから住む街ガイド」のようなテイストです。私も知らない街もありましたので、時間がある時に行ってみようかなとも。

ただ、本書の根底に流れるご意見、「住宅の購入には資産価値とかあまり気にせず、気に入った街に住もう」「働き方改革によるリモート・テレワークの実現によって駅から○分といった価値観は崩壊する」という論調は、私と全く意見が合わないかなとも思いました。これは、牧野氏と私の生い立ちが違いすぎるからかもしれません。

まずは、「住宅の購入には資産価値とかあまり気にせず、気に入った街に住もう」という考え方。牧野氏のように、裕福な外科医の家に産まれた帰国子女、母方祖父は番町住まいと親からの資産継承が十分期待できる方にとっては、本当にそのとおりだと思います、東京の魅力的な街を選んで気に入った場所へ住むのは、人生を楽しむのに合理的です。

ただ、私は親からの資産を全く期待していない無産階級かつ東京に何の資産背景も持たずにやってきた上京組のサラリーマンです。人生最大の買い物で失敗していたら、資産形成どころではないのです。

また人生には何があるかわからりません。
大企業勤めの悲哀としての急な転勤、親の介護や同居の発生、もしかして自分が交通事故にあって亡くなるかもしれないといったリスクの発生において、これといった資産を持たない家庭が、資産価値を何も考えない住宅購入をすると、簡単に詰んでしまうことを知っています。

もうひとつの論調「働き方改革によるリモート・テレワークの実現によって駅から○分といった価値観は崩壊する」も、それはこの先も起きそうにないし。むしろまだまだ駅前に集中してしまうかなと私は考えます。悲しいことですけど。

働き方改革や時短は、大企業を中心に近年急速に進んでいますが、そのしわ寄せは子会社や取引先の中小企業に押し付けられているのが実態です。テレワークができるような業種は案外少なく、大多数の業態は今後も勤務地に集まる必要があります。高齢化社会において、人は貴重品になっていきますから、実はテレワークでできることはAIやロボットに代替されて、人しかできない作業をその場所にいることがますます重要になって来ると考えるのです。

また、21世紀に入ってからの社会保障の負担増により、専業主婦家庭の維持が難しくなっている事情があります。これから家を購入する若年層は本当にお金がなく、「普通の通勤時間・子供への教育もそれなりに・ある程度外食や趣味を持つ」生活をしようとすると、フルタイム共働きでないと維持できないのです。

その時に重要なのは、とにかく利便性。
毎日の保育園の送り迎えを考えると、郊外で広々としたマンションとか、庭付き戸建てで丁寧な生活などといってられないのです。

私は自分が本質的に貧乏性であることを自覚しています。それは東京に出てきた初代だからです。次の世代に少しでも苦労はさせたくないという、ただそれだけなのです。

三代目東京人の皆様には良い本だと思いますね。

P.S.
東京初代の皆様には三井健太さんの本をおすすめします。
【書評】2019年のマンション購入書籍の決定本「マンション大全」

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1 個のコメント

  • 今後も利便性重視風潮なのは、私も同意です。
    リモートワークオフィスのサービス拠点が
    品川とか新橋とか神田や秋葉原とか
    人口密集地と言うより利便性良い場所ばかりなのが、
    なんだかなあ。

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