第107回 理想を追うと買えないことは分かっているが・・・

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★マンション購入で後悔したくない方へ★このブログは、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線でハウツ―をご紹介するものです★★特に資産価値を気にする方は是非ご高覧ください☆・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています

 

マンション選びに当たっては「あちら立てればこちらが立たず」というふうに条件を全て満たすものはないものです。

 

しかし、理屈は知っていても「ないものねだり」、「理想主義」に陥りがちなことも現実です。言い換えると、マンション探しの旅に出た人の中には、「青い鳥症候群」に陥る人が少なくないのです。

 

沢山の物件見学を行ない、沢山の知識と情報を詰め込み、それが仇となって迷走してしまう人のことです。研究をすることは良いことですが、理想像を捨てきれず、何年経っても購入に至らない人があるのは事実です。

 

仕事の合間のマイホーム探し、実は簡単ではないのかもしれません。それを効率よく、ひどく遠回りせずに購入に至るコツは、条件に優先順位をつけること、枝葉末節を思い切って切り落とすこと、妥協すべき条件と妥協できない条件を整理して選ぶことです。

 

優先すべき条件は「立地」です。駅から近いこと、都心に近いこと、都心にダイレクトアクセスの鉄道利用であることなどです。

 

しかし、その条件に当てはまっていたら建物条件は軽視していいわけでもないのです。次は、できるだけ大きいもの、ブランド力のあるものなどが続きます。

 

こうした注意点を筆者なりの視点で「12か条の法則」にまとめました。以前、別のブログに書いたので、ここでは簡単に紹介します。

 

 

●マンション選びの法則 12か条

 

1)高い物は高く、安い物はより安く

「安く買えば、それだけお得になる」この一見正しそうな論理は反対の結果になることがあります。

 

都心のマンションは150で買っても20年後に100くらいに留まり、郊外マンションは100で買っても20年後は50になってしまうといったことが起こります。

 

 

2)バス便物件が値上がりすることはない

「高い物件はより高く、安い物件はより安く」という法則は、そのまま駅近マンションとバス便マンションとの差にも当てはまります。

 

バス便マンションは、環境の良さと価格の安さを「売り」に販売されます。

しかし、通勤を犠牲にしてバス便を選択する人の絶対数は少ないので、新築時の販売状況を見ていると例外なく苦労しています。

 

バス便マンションは需要が少ないので、中古になっても買い手を見つけるのに苦労することになります。そのために価格は下方圧力を強く受けることになるのです。

 

3)利便性と環境の良さは両立しにくいものだ

数万坪の大規模な再開発が駅前で行われると、道が綺麗になり、公園が整備され、街並みががらりと変わります。マンションと商業施設が誘致され、便利で環境も良い理想的な住宅街が完成します。このような街は稀有です。

 

また、環境の良い住宅街を縫うように走る私鉄沿線がありますが、このような場所で駅前にマンション用地を確保することも難しいものです。

 

駅に近いマンションは、喧騒の中にあるか、既存のビルに囲まれたような位置になるので、良い環境条件を併せ持つことはないと思った方が正解というわけです。

 

 

4)再開発で誕生の人気マンション。その価格は10年後のもの?

再開発エリアのマンションの中には、分譲価格が現状とマッチしない高値のものが少なくありません。再開発のグランドデザインがほぼ固まっているケースは、完成後の価格を織り込んだレベルになっているのです。

 

再開発で街の魅力は倍加し、従って値上がりすると期待して多くの購入者が集まるのですが、価格は言わば10年後の価格が設定されているので、中古価格は期待ほどにはならないのです。開発の初期に安く買えた人は幸運というほかありません。

 

5)枝線より幹線・支線より本線

幹線鉄道とは主要鉄道のことで、幹線鉄道は東京都心とダイレクトにつながる鉄道ということです。枝線鉄道とは主要鉄道から枝分かれしている鉄道のことです。

 

駅近マンションは、高くても人気があるものです。首都圏住民は利便性を優先する多忙な人が多いからです。

 

しかし、1回乗り替えを覚悟しなければならない枝線の物件は、駅近でも、幹線・本線鉄道の駅のマンションの人気には敵いません。

 

6)「駅から近い」は徒歩5分までのこと

駅に近いとか遠いとかいうときの基準には個人差があります。

 

しかし、新築マンションの売れ行きを見ていると、「10分を超えると人気がなく、5分以内は人気を博する」という傾向があります。売却時にも当てはまる条件です。

 

7)マンションの価値は立地で決まる

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件です。立地さえ良ければ建物はどんなものでも構わないというほど単純ではないものの、マンションの価値は立地がすべてと言ってよいほど比重が大きいのです。

 

立地が良いとは、駅に近いこと、その駅が都心や都心に近い駅であること、その駅から都心へのアクセスが良いことなどを意味しますが、先に述べたように「駅から近いとは徒歩5分以内」ですし、「鉄道は幹線・本線の駅」が条件になるのです。

 

8)中古マンションは新築より安いとは限らない

一般に中古マンションは新築より安いと言われます。事実そうです。しかし、中には新築を上回る高値の取引が行われている中古マンションもあるのです。物件格差・街力の差、需給バランスなどがカギです。

 

9)業者が売主のリノベーション物件は割高

リノベーションは、玄関ドアや窓のサッシなどを除けば、新築マンションのモデルルームにも劣らない、むしろ斬新な印象を放つマンションを誕生させます。

 

その綺麗でお洒落で、賃貸マンションでは見られない先進の設備を備えたリノベーションマンションは、見学者の購買意欲を高めるのに威力を発揮します。

 

ただし、リノベーション物件は、ほぼ例外なく売主が個人ではなく業者です。個人売主から買い取り業者は安く仕入れ、リノベーションを施して販売するわけです。そのとき信じられないような利潤を加えたものが見られます。

 

リノベーション物件は割高なものが多いと思った方が当たっています。

 

10)直貼り床はローコストマンションの象徴

直貼り床のどこがいけないのでしょうか? 二重床にしないと階下に生活音を響かせるのでしょうか? いいえ、必ずそうなるとも言えないのです。

 

遮音性は、コンクリートの厚さや梁から梁までの長方形面積、施工方法、施工精度など様々な要素が絡み合って差ができるものです。

 

直床構造の最大の問題は、将来のリフォームが制約を受けやすいということです。

 

ローコストマンションは、規格型の設計にして特別な材料も部品も極力使わないこと、作業工程を減らして時間と手間をかけずに労務費を抑えることによってローコストとしていることが特徴です。直貼り構造も、コストダウン策のひとつに位置づけられるものです。

 

11)ブランドマンションには安心料が含まれている

欠陥住宅・欠陥マンション騒ぎが何年おきかに発生します。素人にとって欠陥かどうかの見極めは簡単なことではありません。 実は専門家でも蓋をされてしまうと見抜けないのです。

 

悪意はなくてもスキル不足や管理ミスなどで粗悪なマンションができてしまうのも事実です。

 

そこで買い手は「より安全な製品」を選択するための物差しとして、「大手マンション業者」や「大手ゼネコン」などの看板を頼りとします。

 

ブランドマンションは高いが、しばしば 「安心料だと割り切って買いました」という声を聞きます。大手なら、しっかりと品質管理、すなわち施工過程をチェックし、欠陥マンションの発生をゼロにしてくれるだろうと、漠然としたイメージではあるものの、期待と信頼感によって商品を選択しているというわけです。

 

分譲マンションの歴史は、まだ50年あるかなしかです。この長いとは言えない時間の中で経験を積んだデベロッパーの中には高い授業料を払ったこともあるのです。それが今日の企業活動につながり、今日の地位とブランド価値を高めて来たとも言えます。

 

大手マンション業者、大手ゼネコンのブランド価値は、安心という付加価値を生んでマンションの資産価値の向上に直結しています。

 

12)大規模マンションは小規模マンションに優る

単棟のタワー型マンションにせよ、中高層の多棟型マンションにせよ、大規模マンションはスケールメリットがもたらす付加価値が豊富です。

 

共用施設が充実しており、その恩恵にあずかれるからです。

 

タワー型なら、絶景を楽しむことができる展望ラウンジ、両親を呼んで歓待することが可能なゲストルームなどが定番の施設です。

 

エントランスホールやロビーの大きさも違います。広いだけでも立派に見えるものですが、中には2階に設けたロビーへエスカレーターで移動する形式の大規模タワーマンションも少なくありません。

 

これらの施設は、小規模マンションでは造りえないものです。

 

●資産価値の視点で避けたいマンション

マンションの資産価値という観点から「買ってはいけないマンション・なるべく避けたいマンション」について整理して行きましょう。これは、先の12か条の裏返しでもあるのですが、ずばり直截的な言葉でお伝えしようと思います。

 

1)管理人不在マンション

いわゆる「巡回方式」の管理は、清掃人は毎日来てくれるものの、管理人は1週間か2週間に1回しか来ないという管理体制のものです。

 

管理人の業務は多岐に渡りますから、それを巡回でこなすということは、言ってみれば「間引き管理」です。誤解を恐れずに言うなら「手抜き管理」なのです。

 

管理人を置かないのは、管理費が高くなるからです。管理費が高いと販売がしにくいので、好ましくないと知っていながら、分譲主は「巡回管理」の設定で販売してしまいます。

 

管理費が高くなるのは、戸数が少な過ぎるからにほかなりません。

 

高級・高額マンションの場合は、管理費の負担をさほど気にしない高給取りが住むので、管理人を少なくとも1日8時間以上の勤務で、きめ細やかな管理業務に当たらせるものです。

 

管理人不在マンションは、ルール違反者を取り締まることもできないので、美観を損ねるマンションとなってしまったり、長い間に建物劣化を進ませてしまったりと、良いことは何もありません。

 

12か条の12番目に掲げた「大規模マンションは小規模に優る」という根拠の一部は、この管理体制の差でもあるのです。

 

2)小さ過ぎるマンション

管理人不在マンションは小型マンションであると断定していいのですが、小型の基準については書きませんでした。多少の幅があるためです。イメージ的には、50戸未満と言えます。「小さ過ぎる」と表現しましたので、戸数規模では30戸未満と定義しておきます。

 

1フロア当たりの戸数では2戸か3戸のイメージです。3戸で10階建てなら27戸(1階に住戸はないことが多いので9層)です。14階建てなら39戸となりますが、小型の高層マンションで、戸数よりも1フロアの面積が狭いという条件が加わることになります。

 

小さ過ぎると、差別化が図りづらいのです。高層の場合では、ひょろひょろとした恰好、あるいはペンシル型のフォルムとなります。中低層でも同じですが、建物価値を高く見せるには、ある程度の大きさが必要です。

 

例えば、エントランスを豪華にしたいと思っても小さいマンションでは自ずと限界があります。建物全体に風格を持たせたいとしても、周囲の建物に囲まれてしまうと存在すら否定されてしまうかのようです。

 

しかし、一戸建ての住宅が長く続く街並みの中なら20戸の3階建てマンションでも目立つ存在になることでしょう。

 

結局、大きい、小さいは相対的なものです。500戸級のメガTowerマンションが並ぶエリアでは100戸程度の高層マンションなら霞んでしまうことでしょう。

 

3)直貼り床構造のマンション

直貼りマンションは、リノベーションがしにくいという欠点があります。間仕切り変更をしないなら問題はありませんが、水回りの移動をしようとすると、床を転がす配管スペースが取れず、断念しなければなりません。

 

その程度なら別に大したことではないと思われるかもしれません。ここで「避けたいマンション」に掲げるのは何故でしょうか?

 

それは、直貼り構造がローコストマンションの象徴と考えると、他にも何かあると疑わざるを得ないからです。住んで行くうちに、何かしら不都合が出て来るのではないか? 粗悪品でもないし、危険な建物でもないはずですが、住み心地に不満を感じるときが来るに違いないと、疑った方がいいのです。

 

後悔したくない人は、見えない部分もしっかりとチェックしてから判断すべきです。

 

4)半地下・地下のマンション

半地下・地下住戸を設けたマンションをときどき見ます。とても売りづらい住戸です。価格を少し下げたくらいでは解決できない難しい販売課題を背負う住戸です。

 

そんなものを何故わざわざ作るのかと思われるでしょうが、土地代が高額ゆえに、法的制限いっぱいまで有効に活用したいからです。ひとつの土地に100戸建てるか90戸建てるかでは採算性が全く違ったものになります。法的に許されるなら、100戸まで建てる方が、1戸当たりの土地原価は下がります。それだけ販売価格を抑えられます。

 

逆に言えば、100戸建てないと販売価格が高過ぎて売れない、すなわち儲からないからです。

 

半地下・地下住戸が多いのは、第1種低層住居専用地域に線引きされた一戸建て住宅街の中の低層マンションです。

 

半地下・地下住戸は売りにくいので、価格を安くしたほかに上階にはない付加価値をいろいろ考えて商品化します。

 

例えば、敷地境界線一杯まで広いテラスまたは庭を作ります。このテラスは隣の敷地または道路レベルから見ると深さ1メートルから2.5メートルの穴状となります。建築用語では「ドライエリア=水がないから空堀=からぼり」と言うのです。

 

このテラスまたは庭の先が公道である場合は、通行人からの視線を遮断するために密集した植栽を施すなどの工夫をしますが、それでも売れないケースが少なくありません。

 

人間心理は、隠されるとよけいに見ようとするものです。樹木には隙間があるので、ついつい先を見ようとしてしまうのです。

 

庭では夏なら子供がビニールプールで水遊びをしたりしているのでしょうし、大人はゴルフのスイングを練習したりするのかもしれませんが、視線を奥へと移せばリビングルームまで見えてしまわないかと他人事ながら心配になってしまいます。

 

まあ、立ち止まって中を覗く通行人はいないでしょうが、購入者心理としては抵抗が小さくないはずです。

 

(地下住戸に限らず、例えば1階住戸でもプライバシーを侵害されそうな位置の住戸は少なくありません)

 

本来、家は無防備にリラックスして過ごせるような造りが必要条件です。

 

そのほかにも、洪水に遭わないか、湿気対策はどうなっているのか、セキュリティは大丈夫かなどと買い手に去来する地下住戸への心配事は少なくありません。

 

地下住戸が価値を持たない(低い)の理由の一番は、人は低い所より高い所に住みたがるからです。

 

売却時、このような買い手に不安・疑問を持たれる半地下・地下住戸は避けておきたいマンションの最たるものかもしれません。

 

 

5)販社は一流でも零細企業が売主のマンション

無名のデベロッパーは、一流企業や有名企業のネームバリューを利用しようとします。その方法は事業提携です。提携の形態はいくつかあります。ひとつは、共同事業です。販売提携という方法もあります。

 

前者は、売主としての共同責任があるので、大手と組んでくれれば、買い手にとっては安心です。ところが、販売だけの提携は買い手にとって何の意味も持ちません。

 

売主にとっては、大手の販売力(知名度を生かした集客力)に一定の期待をかけて事業を推進することができるでしょうが、買い手はアフターサービスも10年間の瑕疵担保責任も大手販売会社に求めることはできないのです。

 

ところが、販売広告・販売ツールに有名企業が掲載されていると、さも有名企業の売り物と錯覚してしまう買い手も少なくないのです。

 

冷静に考えれば分かることではあるのですが、錯覚は人を思わぬ方向へ誘導してしまうものです。

 

とまれ、大事なことは売主がどんな企業であるかです。マンションメーカー(デベロッパー)としての経験・実績はどうなのか、大手と比べて引けを取らない品質の建物を提供してくれるのか、アフターサービスは大丈夫か、万一のことがあったとき、満足すべき対応をしてくれるのか、財務基盤は堅固であるか、経営危機に陥ったときはどうなるのかといったことも考えて行くと、零細なマンションデベロッパーから購入するのはハイリスクです。

 

7)価格が高過ぎるマンション

資産価値の観点から、避けたいマンションというテーマで書いてきましたが、価格が高いマンションの大半は実は資産価値が高いのです。しかし、資産価値を売却価値と置き換えると、思ったほど(期待したほど)高い値が付かなかったと落胆する場合があるのです。

 

それは相場が急上昇したような時期に買ったマンションで見られる特有の現象です。

 

赤信号みんなで渡れば怖くないという交通標語がありました。それと同じで、高いと感じながらもよく売れている、人気があると思われるマンションは価値あるものと思い込む人間心理があって、怖がらずに買ってしまうのです。

 

しかし、相場は動くのです。高いときに買ってしまうと、タイミングによっては売却時に損失が大きく出る場合があります。値上り前の低相場のときに買ったマンションは、ありきたりのレベルでも、売却価格が期待した以上になったりします。

 

これと同じで、相場が低位で推移しているような時期に買っても、それが突出して高いマンション(住戸)だったりすれば、売却価格は期待を裏切るのです。

 

例えば、東南の角の最上階のルーフテラス付き住戸が1戸だけあって、そこだけ飛び抜けて高いことを知っていたが、希少価値が高いのでリセール価格も期待できると信じて買った。しかし、全く期待外れということがあります。

 

稀少価値がある、最も価値ある住戸であることは間違いなかったものの、価格がその価値以上に高く設定されていたためです。いくら価値があると言っても、限度はあるのです。

 

タワーマンションの上下格差も同様です。眺望価値が高いので価格は下層階に比べて大きな金額を乗せるのが普通ですが、中古市場では新築時の価格差ほどの差にはならないのが実態です。

 

●例外もある

世の中には、何事も例外はあるものです。小さ過ぎるマンションであっても、平均100㎡で15戸のマンションは全体で1500㎡となるので、半径300メートル四方が一戸建て住宅街のマンションなら、その辺りで一番大きなお屋敷を凌駕する規模となりましょう。

 

マンションは100㎡の平面を買うのではなく、1500㎡全体の価値を買うのです。全体が相対的に大きく、上質または高級なマンションなら、たとえメガマンションの10分の1しかない小型マンションでも価値あるマンションとなるのです。

 

また、そのような高級なお屋敷街なら、規模が小さかろうが、駅から10分かかろうが、買いたい人が現われます。住みたくても提供されることが滅多にない立地ゆえです。そして、価格もそれなりのものとなるのです。

 

 

●住み心地の視点で避けたいマンション

マンション市場を30年以上見て来た研究者であり、買い手の立場でもあった筆者ですが、作り手側に属していた経験からマンション開発の難しさも業界各社の努力と苦悩も知っている立場にあります。

 

こまでの主張は経験と研究成果から、ある種の信念のように固まった原理原則を述べたつもりです。しかし、原理原則が読者を混迷の中に突き落としたのでは本末転倒です。

例えば、直貼りマンションはダメと決めつけたら、これが多い現在、買うものがなくなってしまうと批判されてしまいそうです。そこで、本稿の最後はマイホームの最大の目的は何かという点にスポットを当てて締めたいと思います。

 

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原理原則を意識しながらも、つい選択してはいけないマンションに惹かれてしまう人は少なくありません。何を第一条件にするべきでしょうか?

 

住まいの基本は、居心地がいいことです。ストレスを感じることが少ない住まいであることが重要と言えます。一言で表せば「快適」なことです。

 

 

快適と言えない住まい、ストレスになりそうな住まいとは、例えば次のようなものです。

 

駅から遠い:遠ければ最寄りの駅まで真夏は汗だくになって不快な気分を味わうことでしょう。買い物のために重い荷物を抱えて駅と家を往復しなければならないかもしれません。マイカーを使って買い物をしている人の中には、駐車場の前で長く待たされるので買い物のたびにストレスになるなど・・・

 

寝室の隣のトイレの排水音が響くとしたら、遮音性の低い造りだったと後悔し、神経質な妻は愚痴をこぼすことでしょう。バルコニーの先が隣家の窓。「プライバシーが侵害される気がする。うっとうしい」などの気分になることでしょう。

 

子供が騒ぐので1階住戸を買ったが、冬は寒い。床下に断熱材を入れているという説明だったが、底冷えするような感じがしてしまう。2階の住民に尋ねたが暖かいという。床暖房も効果が低い気がして後悔している。

 

このような例を挙げるとキリがありませんが、「住み心地」という観点は何よりも優先するのです。

 

・・・・・・・本日はここまでです。ご購読ありがとうございました。

 

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