お便り返しです。
ご質問
差出人: タワマン買ったどー
誰に答えて欲しいですか?
全員, マンションマニア, タビー
メッセージ本文:
夢のタワーマンション、南向き高層階を契約しました。
モデルルームの素敵な眺望に夫婦で一目ぼれしたのが契約の一番の理由です。
この素敵な眺望を少しでも見ていたい!と思っていますが、南側はとにかく眩しい!熱い!のでカーテンは閉め切りになる、などの情報もネット上では踊っています。
我々夫婦が少しでも眺望を楽しめるようにするにはどうすればいいのかみなさんのお知恵を拝借したいです。
契約した部屋は南側にバルコニーがあるタイプです。
私としては、フーガなどの電動ロールスクリーンを設置して、眩しい時や熱い時は角度を調整し、室内から眺望を見たい際は上げた方が眺望を楽しみやすい!と思っているのですが、妻はカーテンにした方が本当に眩しい時もしっかり遮光出来るし、眺望を楽しみたい時にもバルコニーに出やすい!と主張され、夫婦で頭を悩ませる日々です。
ご購入おめでとうございます!
ご指名理由は次のブラインドの記事ゆえですかね? ご質問のポイントごとに紐解いていきます。
現代の御簾! タワマンに最適なブラインドとは? 調光ロールスクリーンがすごいらしい! ハンターダグラス?FUGA?
眺望を少しでも見ていたい!
タワマンの大きなメリットのひとつが眺望なのは間違いないですね。はるぶーさんとマンションマニアさんのやりとりで象徴的に語られていて、あのマンションマニアさんの価値観を変えたとまで。数あるはるぶーさんの名言でもとくに好きですよ!ちょっと尖った言い方ですがズバリ過ぎて。自分、これで自宅選びの価値観変わりましたもん(笑)
— マンションマニア (@mansionmania) January 30, 2019
モデル訪問300件いくかいかないかくらいの座談会だったと思うので5年くらい前かと思います。 pic.twitter.com/nvLIjl9PEf
はるぶーさんは、カーテンは設置されているもののほとんど使われていないそうです。
私はタワマンにおいては南向きは住んだことがないのですが、目の前に建物がない物件を選んでいることもあり少なくともリビングにカーテンはつけたことがありませんね。経験したのは、プレーンシェード、バーチカルブラインド、調光ロールスクリーンです。
南側はとにかく眩しい?熱い?
タワマン買ったどー さんの物件はバルコニーがあるのですよね? ダイレクトウィンドウなら別かもしれませんが、東や西に寄っていなければ眩しさ、暑さはそれほどでもないと思うのですが。この点は、はるぶーさんのスムログ記事によくまとまっています。
タワマンの夏は灼熱地獄って本当?より引用:
大抵の板マンは真南向けにバルコニー面をつけていますから、奥行きの上限2mまで(これを超えると、容積率に算入されてしまうので殆どのケースでバルコニーの奥行は2m以下です)のバルコニーがある場合、夏の正午近くの一番熱くなる時間に部屋の中に直射日光が入るということは起こりません。タワマンでもこれは考え方としては同じ。
はるぶーさんはサラっと流していますが、バルコニーがあるとなぜ直射日光が入らないかは、中学受験レベルの知識で容易に説明できます。
まず、太陽の南中高度は、もっとも高い夏至と、もっとも低い冬至は次の式で求められます(国立天文台より)。
国立天文台 質問1-9)太陽の南中高度はどうやって計算する? より引用:
- 夏至のときの太陽の南中高度(度) = 90 - (その場所の北緯) + 23.4
- 冬至のときの太陽の南中高度(度) = 90 - (その場所の北緯) - 23.4
さらに中受でよく見る図を、まさにマイナビ子育て「中学受験ナビ」から引用します(東京の北緯35度のケース):
ちなみにこのこと自体は中受ではかなり基本的なので、順難関校以上ではそのまま問題には出ません。興味がある方は、たとえば吉祥女子中学校の2020年度理科の入試問題大問2をご覧ください。中受が算数以外でもけっこう(かなり?)難しい問題を扱っていることを実感いただけるかと。
真夏の南中高度は70度以上はあることになるので、バルコニーが2mあればお部屋の中で南中時に太陽が直接見えることはほぼありません。一番低い冬至は32度なので、室内の位置によっては多少眩しいかもしれませんね。
こちらは、マン点さんの記事を参照ください。
バルコニーの奥行Dを2.0m、開口部高さHを2.4mとした場合の、東京の冬至(17年12月22日)の南向きリビングへの射し込み長さを計算した結果(1時間ごと)を次表に示す。
次表から、たとえば12時のリビングへの射し込み長さ(バルコニーの奥行2mを引いた値)は2.0mであることが分かる。
詳細は記事を熟読いただくとして、バルコニー2m、サッシ高2.4mで射し込みは2.0mなので、あまり問題にはならないかと。
南中時からずれると、縦方向の射し込む角度は浅くなってきますが、いっぽう横方向で部屋に直接日差しが射し込む角度は少なくなるのでこちらも眩しい場所は限られます。
これを考えはじめると、東の朝や、悪名高い西の夕方のほうが正面となりよほど凶悪なので、南向きの方がことさら考える問題ではないですよね。
暑さに関しては、ダイレクトウィンドウの西向きは冬でもエアコン必要などと言われているので、ご質問はそのお話が混じっているかもしれないと思いました。
それでも暑さが気になる場合、はるぶーさんも上記の引用記事で書かれていますが、熱線をカットするフィルムは有効と個人的には思います(紫外線はどんなフィルムでもカットされます)。私の記事も参考になさってください。
眺めのいいタワマン、家具や白物家電の日焼けが心配!対策はLow-e?それともフィルム?
FUGAで角度調整すればOK?
再度後半のみ引用:私としては、フーガなどの電動ロールスクリーンを設置して、眩しい時や熱い時は角度を調整し、室内から眺望を見たい際は上げた方が眺望を楽しみやすい!と思っているのですが、妻はカーテンにした方が本当に眩しい時もしっかり遮光出来るし、眺望を楽しみたい時にもバルコニーに出やすい!と主張され、夫婦で頭を悩ませる日々です。
私が意味を勘違いしているかもしれませんが、調光ロールスクリーンのなかで少なくともFUGAは角度調整できませんが一般的でありません!(ご質問いただき修正しました)
FUGAは下ろすあいだずっとスラットが閉じていて、下ろしきった状態ではじめて開いた状態になります。さらにFUGAの特徴として、その状態から逆方向に巻きあげることができるのですが、その際にスラットの角度は変わりません。…と書いても文ではわからないと思うので、カーテン夢考房さんの動画をご覧いただければ一目瞭然かと(動画は次のリンクより引用)。
(追記)ご質問があったので追記します。
FUGAって角度調整できないんですか?
部分的に上げる際は全開になるものの、全て閉まってるときであれば角度調整できるもんかと思ってました…。
厳密には、FUGAも最下部まで下がってからスラットが全開になるまでのあいだは、電動でも「微調整」ボタンがあるので角度調整はできます。ただし、通常の施工では全開時に下端がちょうど床ギリギリになるようにするので、最下部まで下がった状態は床に着きます。床についた状態で角度調整するのでもよろしければ、もしくは全開時に床と隙間ができる、のいずれかの制限がつきます。…と書いても相変わらずわかりにくいのでリンク先を参照ください。
ミツワインテリア STAFF BLOG 『FUGA』調光ロールスクリーン。「オーバーサイズ」仕様・納品事例。
インテリアカノン FUGA 出来上がりサイズはどっち?
(追記ここまで)
そして奥様の懸念ですが、南向きは基本眩しくはないのでそもそも閉めなくて大丈夫…あれっ、少なくとも東や西では有効とは思いますが南向きだとFUGAいらない? はい、この記事の趣旨だと南向きはなにもなくてもいいかもしれません(フィルム施工は検討をおすすめ)。
普段から角度調整するなら、ブラインドの記事に書いたとおりベネシャンブラインド(よこ型ブラインド)かバーチカルブラインド(たて型ブラインド)で、東向きや西向きでは有効と思います。
そしてわざわざバルコニーに出て眺望を楽しむかは人によりますね。ここまでのお話で、南向きで部屋から眺望が楽しめて出る必要がなければとことん出ないかも。もちろん、季節がよい場合にテーブルを置いてお茶などはよいと思いますが夏冬は…
タワマン買ったどー さん、どれだけご参考になったかわかりませんが、最高の眺望を楽しまれてください!
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FUGAって角度調整できないんですか?
部分的に上げる際は全開になるものの、全て閉まってるときであれば角度調整できるもんかと思ってました…。
ご質問ありがとうございます。えんえんFUGAの話を書くのもどうかと「調整できません!」と言い切ってしまい失礼しました。機能的にできないことはないが一般的ではないと思うので、本文修正しました。お手数ですがご質問の意図にあっているかご確認ください。
非常にわかりやすくてめちゃくちゃ参考になりました!
ありがとうございました。
タワマン買ったどー さん、ご参考になったならなによりです!
最終的にはのらえもんさんのアドバイスどおり「黙って奥さんの言うことを聞いておく」ことになるかもしれませんが(^^)。
眩しさ、でしたら
以前にタワマンの北向き高層階に住んでいましたが、
夏に照り返しの光がギラギラと室内に入って眩しかったです。
なぜか冬にはその光は入らなかったのですが。
通りました さん、北側は単純に明るいだけでなく、意外に周囲の建物などによる照り返しもありますよね。
中学受験的に言うと(笑)、入射角と反射角は等しいという法則があり、記事に書いたように夏と冬では太陽高度が異なるので周囲の建物の位置関係によるのでしょうか。