眺めのいいタワマン、家具や白物家電の日焼けが心配!対策はLow-e?それともフィルム?

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日焼け防止

日焼け対策(いらすとや)


タワーマンションの眺望、飽きるだのなんだのいう方もいますがやはり最大の魅力のひとつですよね。はるぶーさんの煽り気味タイトル記事:

タワマンの夏は灼熱地獄って本当?

でも、タワマン特有の条件として西日や、角部屋がガラスのケースでより日差しが問題となることを考察されています。おもに日差しの問題がメインですが、紫外線についてもサラッと述べられています。

…どんな安価なフィルムでも紫外線を止める機能はあるので、家具や、フローリングなどの日焼け防止にはやはりガラス面にはフィルム施工したいもの。
ちょっとお値段は高くなりますが、可視光は90%近く通すほぼ透明なフィルムでも、紫外線を止めるほかに、熱を伝える赤外線の波長域の吸収・反射のい多機能柄のフィルムはでていて、おおくの場合オプションあるいは自分での施工です。

先日、湾岸タワーを半日で7つまわるという無茶企画があり、私も参加しました(一部座談会として記事化済み)。見学させていただいた専有部は写真NGなので載っていませんが、当日はエアコン室内機の黄ばみが話題になりました。見学した専有部はすべて空室だったのでたまたまエアコンが気になりましたが、私がツィートしたとおりリモコンや家電の樹脂部すべてに言えますね。


樹脂やフローリングが日焼けするということは、タワマンで皆さんこだわるインテリア、とくに木質の家具では影響が大きいことになります。どう防ぐか見ていきましょう。

北向きなら大丈夫?

直射日光が差し込む場合はもちろんなのですが、灼熱地獄問題と異なり紫外線はたとえ北向きでも入ってきます。意外かもしれませんが、原理は中学受験の基礎知識レベルで説明できます。「空はなぜ青い?」「夕焼けはなぜ赤い?」のような問題と同じ知識ですね。


自分の質問箱なので全文引用します。

中学受験的に言いますと、空が青く見える理由は波長の短い光は散乱しやすいためです。 紫外線は青よりも波長が短いため可視光より散乱しやすく、直射日光が決して射さない北向きの窓でも紫外線はそれなりに入ってくることになります。 程度問題なので、どこまで気にするかだとは思いますが。一度UVチェッカーで確認してはいかがでしょう。 …といった内容を皆さん気になるようなのでスムログ記事化します(笑)

というわけでだいぶ時間がかかりましたが記事化しました。入居前から気にされる方も。


調光ロールスクリーンの記事、参考にしていただいてありがとうございます!

現代の御簾! タワマンに最適なブラインドとは? 調光ロールスクリーンがすごいらしい! ハンターダグラス?FUGA?

FUGAだと遮光・遮熱タイプも出ているのですが、はるぶーさんも上記記事で書かれいたとおり、裸で過ごすかは個人の趣味としてカーテンを閉めないスタイルも考えたいですね。

Low-eなら大丈夫?

現在の新築タワマンだと、サッシュがLow-eガラスのものが多いと思いますが、灼熱地獄には一定の効果があるものの、紫外線には一般論でいうと不充分です。

Low-EガラスはUVカットできる?紫外線カット率は何%?(フィルムワークさん)


今回、ピックアップした各3社のLow-E複層ガラスの紫外線カット率は「60%台後半~80%」。モデルによっては、更に紫外線カット率が高いタイプもあります。
概ね、一般的に使われているLow-E複層ガラスは一定レベルの紫外線をカットできます。しかし、紫外線カット率99%以上といった高いカット率ではありません。
としますと、建物に高性能なLow-E複層ガラスを設置しても、毎日、紫外線が室内に流入しています。よって、室内の人と物は紫外線を浴びていることになります。

フィルム屋さんの記事なので多少割り引く必要はあるかもしれませんが、一般のLow-eガラスだけで紫外線カットは厳しいようです。「一般の」と書いたのは、防犯用のフィルムをはさんだ合わせガラスとLow-eの複合タイプであれば対応しています。たとえば、日本板硝子の「セキュオペア」は紫外線99%以上カットでフィルムと同程度の効果があります。

セキュオペア(防犯複層ガラス)より画像引用:

セキュオペア

セキュオペア(日本板硝子ホームページより引用)


いやいやタワマンに防犯複層ガラスは不要?確かに分譲マンションではガラスの種類は選べないのであくまでご参考となりますが、てもとの情報ではLow-e対応のセキュオペアを採用しているタワマンはあります。ただし、Low-e以上の細かいガラスまで説明しているマンションは少ないですし、質問すると出禁になるかは別として絶対マークされそう。そもそも、紫外線のカット具合だけでマンション選ぶのもそもそもどうなのとなります。

UVチェック方法は?

入居後の場合、あらためてどの程度紫外線が届いているか気になりますね。これはたとえばamazonで500円程度で売っているレベルのUVチェッカーで簡単にチェックできます。



数値を正確に測るには2千円以上する機器が必要ですが、今回の目的であればこちらの単純なものではっきりわかるので十分と思います。直射日光下(=very high)はこんな感じ。

UVチェッカー使用例

UVチェッカー使用例


対策が必要となった場合、入居後に眺望確保しつつ紫外線カットするなら、はるぶーさん記事にもあったとおり必然的にフィルムになります。

フィルムは何を選ぶ?

紫外線カットを謳うものであれば、ほとんどが99%以上カットなのでご予算次第ではあります。考えるべきは灼熱地獄との関連で赤外線のカット率、および明るさに関連する可視光カット率のバランスでしょうね。

私がはるぶーさんに信頼できる業者さんを紹介いただいて貼ったときに調べた限りでは、3MのNano80Sがバランスよかったのですが、施工から8年経ちいまでも3Mのラインナップは変わっていない(枯れている?)のでNano80Sは引き続きおすすめできます。

本家3Mの紹介ページより引用:

・高い透明性を持ちながら優れた遮熱性能を有するため、ガラスの透明性を損なうことなく暑さ対策をすることができます。
・金属膜を有さないため、電波障害がありませんので、電子機器をお使いいただく際にも安心です。
・紫外線も99%以上カットするので、日焼け対策にもお使いいただけます。
・ガラス飛散時の飛散を低減する機能があるため、安全対策ができます

Low-eに対抗してか、「金属膜を有さない」ことをむしろ特徴に挙げていますね。

Low-Eガラスで携帯が繋がらなくなる!?エコガラスのデメリット

3Mは、別目的でフィルムを調べたこともありますが、ページ構成の問題か比較がわかりにくいので業者さんのページを確認。

サイバーレップ社 Nano80Sの紹介 より比較表の一部を引用:
透明遮熱
  効果
可視光線
日射
弊社オーダーカット販売価格
メーカー
品名
遮蔽
係数
透過率
%
反射率
%
透過率
%
反射率
%
吸収率
%
価格 円/
0.01M2
各グレードの特徴
3M
Nano70S
0.61
69
9
42
21
37
96
1000nmIR集中カット
3M
Nano80S
0.65
81
11
48
22
30
96
1000nmIR集中カット
赤外線・日射をカットしつつ、可視光の透過率が高くなっています。

NANO90Sもありますが、赤外線のカット率が低くなっています。

ガラスプロテクター社 ナノシリーズ Nano40S / Nano70S / Nano80S / Nano90S

(追記)熱割れについて

記事公開後、熱割れの懸念の情報を建築系、管理系の観点でそれぞれ複数いただきました。代表的なお二方のツィートはこちら。



確かにフィルムを貼った当時は熱割れについても調べていたのですが、完全に忘れていました。貼ったガラスはLow-eが一般的でなかった時代なので、Low-eとの相性までは調べていませんが、Nano80Sは上で引用した表でもわかるよう日射吸収率が低めのため、熱割れしにくいようです。

ハロー工房さんのNano80S説明ページより:

Nano80Sは日射吸収率を軽減し、熱割れの懸念を低減しました。(スリーエム ジャパン社の熱線吸収タイプのフィルムと比べ)

熱割れの目安


透明フロート
ガラス
強化ガラス 熱線反射
ガラス
熱線吸収
ガラス
網入りガラス
(透明)
型ガラス
(表面が凹凸面)
NANO80S
×
NANO90S
×

ちゃんとした業者さんであれば、ガラス熱割れ計算もしてくれるので、一定の安心感はあると思います。下記の港区助成ページでも次のように書かれていますね。

窓から入ってくる日射熱を効果的に遮蔽し、室内の快適性をあげ、空調負荷を軽減して省エネ効果を高めます。
ただし、熱割れといった事象が発生する可能性もあるため、あらかじめ施工業者に必ずご確認ください。

紫外線、熱割れ、コストがみあうか、などそれぞれのリスクを勘案し、ご判断いただければと思います。

(再追記)本家3MのWebマガジンにずばりの記事がありました。

ウインドウフィルムを貼ると「熱割れ」が起こりやすくなる?

詳細にご興味のある方は記事全文を読んでいただくとして、関連する技術担当者の発言を引用します。

今回は、建物の設計者の方からよく寄せられる不安の声、「窓ガラスにフィルムを貼ると、温度の変化により熱割れが発生するのでは?」という問題について考えていきたいと思います。

なるほど、やはり建築家・設計者の方にとっては一般的な懸念なのですね。

フィルムを貼った後に熱割れが起こってしまうというケースは、ごくまれにあります。そのような経験をしたことのある設計者の方が、フィルムの貼付に二の足を踏んでしまうというのは致し方ないところです。しかし、後述する熱割れ計算をきちんとやっていただければ、熱割れはほとんど起こらないということも、ぜひ知っていただきたいと考えています
(中略)
透明フィルムも熱を吸収しにくいため、貼付による温度上昇が比較的起こりにくいといえます。とくに当社製品では、飛散防止や日射調整等で高い性能を示し、ご好評をいただいているマルチレイヤーNanoシリーズの透明遮熱フィルム マルチレイヤーNano80S、Nano90Sは、熱割れを起こしにくい製品です

若干ポジショントークは入っているかもしれませんが、前述の内容とも符合し個人的には腑に落ちる内容でした。

お金はどうする?

自治体によっては助成金が出ますので、見逃す手はありませんね。都心3区のリンクを示しますが、お住まいの自治体に助成金があるか調べてみてはいかがでしょう。

千代田区:令和4年度ヒートアイランド対策助成

港区:各種助成制度 > 日射調整フィルム設置費助成

中央区:住宅・共同住宅用自然エネルギー・省エネルギー機器等導入費助成

港区は現在上限4万円のようですが、当時のメールを確認したところ7.5万円の助成を受けていたので、予算により金額は変わるようです。が、ウチの場合はフローリングのバーチカルブラインドからサッシュ側がすっかり焼けてしまったので、対応される方はおはやめに(写真を載せたいところですが特定防止のためひかえておきます 笑)。

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ABOUTこの記事をかいた人

港区湾岸タワーマンションに在住の計算機技術者(でありたい)。 23区では同エリアしか居住経験がなく、いまも湾岸エリアで評判のMRは見に行っています。 自分の新築リノベーション経験を振り返りつつ、主に湾岸を中心に常に変化し続ける街の情報などを追うことで、次のリノベーションへのヒントを得ようという目論みです。

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