タワマンって災害のときに心配じゃないの?どう考えてますか?

スムログ更新ノルマ未達は許されない、マンションブロガーのらえもん。本日もやります、書きます!いくぜ月13本!!
みんなメッセージを送ってくれよな。

誰に答えて欲しいですか?
のらえもん

メッセージ本文:
のらえもんさん

Twitterで高速回答中とあったので是非と笑

先日のタワマンの良さ、の記事を拝見しました。
今板マンとタワマンを検討しているなか、良さはわかった一方、「タワマンの震災・災害耐性」についてお聞きしたく。

東南海地震など、そもそも東京圏全域アボーン、な状態でタワマンだけどうのは意味がないかもしれないですが、例えば震度6程度に遭遇した場合、豊洲や武蔵小杉、川口などタワマン横町は生活の場として成立し得るのでしょうか?
(たまたま上述地域は河口、海側ですがそういった要素は除いて)

おそらく震度6だと免震でも縦長タワマンだとエレベーター止まるでしょう。
(3.11時は免震板マンはエレベーター止まらなかったらしいですが)
板マンでも同じですが相対的にタワマンの方が
・エレベーター停止による降りれない登れないの影響者数、影響度が大きい
・狭い地域に人口が密集しているので食料支援含め行政などの支援が遅れる
・万が一下部が火災となったとき火事階より上階はどうなるのか
など、災害生活耐性の面ではどうかと思うも、あまりそういう議論を聞いたことがなく、
のらえもんさん目線でコメントいただけると幸いです。


タワマンの災害耐性についてのご質問ですね。まずは2011.3.11で起こった故事を考えてみましょう。

大地震が起こったときにはタワマンのエレベーターは止まります

これは間違いなく止まります。3.11でもP波を検知して自動的に最寄りの階でエレベーターが止まりました。これは本震(S波)が来る前に、かごの中の人を出してエレベーターの閉じ込めを防ぐためです。もちろん例外もあり、高層オフィス含めて閉じ込められた人はいます。大地震のエレベーター再開は自動復旧ではなく、係員かけつけが必要なため、しばらく待つ必要があります。しかし、私が知る限り東京のタワマンで24時間以上、翌日までエレベーターが止まったままの事例は知りません。電気と機械系統が無事である限り、復旧は早いものでした。

3.11は震度5強だったじゃないかというお声もあるでしょうけど、遠方マグニチュード9クラスの地震によるものであり、長時間タワマンは揺らされ続けました。地震波によって加えられたエネルギーは積分すると阪神淡路大震災の直下型地震とほぼ同じであったと聞いたことがあります。

この大地震時に24時間程度動かないリスクを、許容できるので「リスク保有」するのか、許容できないので板マンや戸建てを選ぶ「リスク回避」するのかは個人の自由だと思っています。ことさらに強調するものでもないかなと。厳しい基準で作られているタワマンがボッキリ折れたり、どうしようもなく壊れるときは、周辺の住宅はマンションだろうと戸建てだろうと壊滅しています。

お絵描きばりぐっどくんに「東京大震災でタワーマンションが壊滅」というお題で描いてもらいました

行政の支援はむしろ一箇所に集まっていたほうがやりやすいのでは?

災害時に大事なのは、「情報が共有されること」「物資が行き渡ること」の2点といえます。さて、1000戸クラスのタワマン1棟と1000戸の戸建て住宅地、どちらの方が支援しやすいでしょうか?

平面に広がった世帯1000軒津々浦々に情報と支援物資を届けるよりも、タワマン1箇所にどかっと配って配布は住民に任せてしまった方が支援しやすいと考えます。実際に、川崎で浸水が起こる不幸な事故がありましたがタワマンのロビーが情報拠点として活用されました。階段上り下りは大変つらいのですが、電気が来ていないのであれば自家発電で防災エレベーターが動きますし、各フロア(もしくは◯階ごとにワンフロア)に情報と物資の支援拠点を作ってしまえば、支援はやりやすい形態です。このためには、日頃のコミュニケーションや訓練が大事なのですが・・・ハードよりもソフトのほうが心配になりますね。

下部が火災となったとき火事階より上階は避難できるのか

2017年に起こったロンドンのタワーマンション火災では、私にも某新聞から取材がやってきました。「日本のタワーマンションでも起こったらどうする?」と。私は笑って心配するなと言ったので記事にはなりませんでした。

グレンフェル・タワー火災のWikipediaより。外壁の防火性能が低くて15分で一気に燃え広がったようです。


あの事故は、耐火性能の低い外壁を伝ってあっという間にタワー全体が燃え広がったものでした。日本のタワーマンションは厳しい基準でできており、このようなことはありえません。タワマンで火災が起こらないとはいいません。近年でも、豊洲や五反田のタワマンで火災が起こりました。結構激しく燃えたり、バルコニーで火災が起こったにもかかわらず、燃え広がっていません。

実は火災がタワーマンション全体に燃え広がることよりも、懸念することがあります。スプリンクラーの消化によってトンクラスの水が上から流れて、下層階へ際限のない浸水を起こすことの方が実はよっぽど心配なのです。

 

はるぶーさん、ふじふじ太さんにも聞いてみました。

はるぶー
火災に関してですがぶっちゃけ防火区画が破られなければ、問題ないですよ。
最近のマンションは、玄関を開けたら、自動でちゃんと閉まるようになってますよね。昔の団地を思い出してほしいけど、自動で閉まらなかったし、開けたまま固定できました。今のマンションは固定できないでしょ?これは、各専有部から廊下に燃え広がらないためなんですね(スカイシティ南砂の火災からの教訓です)。そして外壁を伝っても燃えない。これはいい切っちゃっていいことだと思いますね。

だから、ネットの記事で、タワマンが特別やばいってのはまったく当たっていません。タワマンは耐震基準を満たすために上の柱をぶっとくしていくわけです。同じ耐震基準1だったら、タワマンも板状マンションだろうが同じなんですよ。タワマンがボッキリ折れて、隣の築40年の戸建てが無事とかありえない。東京のタワマンがだめなときは、東京が滅びているとき、その時はしょうがない。

ふじふじ太
ご案内していると、ごくたまにお客さんが極端な仮定を出してくる人いますよ、特に火災を心配されます。
「ふじふじ太さん、タワマンって火災が起こるとあっという間に燃え広がるんですよね」って・・・いやそんなことないから笑!

ですよねー、昔の映画で「タワーリング・インフェルノ」ってのがあるんだけど、それを思い出すのかしら。お二人の見解、全く同じ回答で良かった。

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3 件のコメント

  • 通りがかり より:

    現実にはまず起こり得ないことですが、火災や地震などでエレベーター,階段,避難ハシゴが全て使えず下に降りられなくなった場合、11階から 15階建てのマンションは救出困難になるようです。
    消防の はしご車は 31m までしか届かないため、高さ 31m 以上のビルは屋上に緊急救助スペース(いわゆるヘリポート)の設置が推奨されています。
    しかし、31m 以上 45m 未満(11-15階建て)のマンションには通常は設置されていないようです。 また、45m(16階建て)以上になると推奨ではなく義務付けになるらしく、屋上に緊急救助スペースを表す (R) (100m 以上は (H)?)が必ず描かれているようです。

    • 通りがかり2 より:

      一般的にはタワマンの定義は60m以上(20階建て以上)なので、11階から15階建てのマンションは板マンに分類されます。
      その意味では板マンの方が火災への備えは弱いのかもしれませんね。

  • 通りました より:

    「タワーリング・インフェルノ」は、建設費をカットして
    実際には未完成なのにパーティを開いた話なので、参考には全くならないと思います。

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