【お便り返し_22】定期借地権付き新築マンションで、売却する際に困らない条件とは?

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すまいよみです。このたび、ご指名でお便りをいただきました。ありがとうございます!

差出人: たまこ

誰に答えて欲しいですか?

すまいよみ

メッセージ本文:

いつも楽しく拝見させていただいております。

10年後くらいに売却前提で妻とマンションを探しています。

ジオ南砂町を気に入ったのですが、駅から徒歩12分というところが引っかかってましたが、すまいよみさんの記事でリビオシティ南砂町ステーションサイトを見て、やはり徒歩3分という部分もあり、こちらに決めようかと考えています。

気になる点がランニングコストと、60年後に無くなる前提という部分ですが、後者について売却価格に影響してきますでしょうか?

(原文のまま)

 


 

ご返答するにあたり、イシューを以下としました。

定期借地権付き新築マンションで、リセールバリュー(RV:%)に影響が少ない条件とは?

定期借地権付き新築マンションで、リセールバリュー(RV:%)に影響が少ない条件とは?

結論、条件は3つあると考えます。

1,立地など好条件であること
2,借地の期間が長いこと
3,同条件の所有権マンションと比べて価格が安いこと

 

立地など好条件であること

よく駅徒歩分数別のリセールバリューが発表されていますが、所有権付きマンションの売却を考える場合と同様です。特に、定期借地権付きマンションでは、敬遠する検討者も一定数いるはずですから、そのハンデを覆すためには、都心部、都心隣接など人気エリア・沿線、駅近(5分以内)、スケールなどの好条件が必要になってくるでしょう。

 

借地の期間が長いこと

定期借地権は、50年以上と定められていますが、借地期間が長いほど売却しやすい、言い換えれば、RVに悪影響は少ないと考えられます。

例えば、借地期間50年の定期借地権付きファミリータイプが、新築から10年後、残40年で売出されていることを考えてみてください。いくら好条件でもスムーズに「よし買おう!」と意思決定できる人ばかりでしょうか。30代の一番のボリュームゾーンであれば、70代で手放す羽目になります。一方で、借地期間が70年だったら、10年後に売却でも60年残っているわけで、35歳で購入しようとすれば、95歳まで住めます。どちらがリセールに影響するか一目です。

 

同条件の所有権マンションと比べて価格が安いこと

RV(%)は騰落率ですから、影響するかを見る上で大事なことは、新築時の売出し価格です。

RV(%)=(中古の価格 / 新築時の価格 ✕ 100)

同条件の所有権マンションと定期借地権付きマンションが、同じ新築時価格だった場合、借地権付きの方が悪影響を受けるのは当然です。

定期借地権付きマンションは、例外なく数十年後には更地にして地主さんに返却しなくてはなりません。簡単に言えば、土地の所有権が無いため、価格も安くなります。

所有権マンションは、50年後でも土地代と最低限の使える専有部分で数千(百)万円の価値が残りますが、定期借地権付きマンションは、最後価値が0になります。グロスでの価格では、当然、年を経る事に下がり幅が大きくなり、所有権付きマンションに勝てるはずがありません。ですから、新築時価格がどれだけ反映されているか(安くなっているか)が、RV(%)を維持できる上でのポイントになります。


 

リビオシティ南砂町ステーションサイトのリセールは?

以上を踏まえた上で、「リビオシティ南砂町ステーションサイト」の条件面、周辺新築相場との比較などを考慮した10年後は、同条件の所有権マンションに近いRV(%)を維持できるのではと想定します。

このマンションのRV(%)に好影響を及ぼす要因は以下です。

「東京駅6.1kmエリア」
「沿線と街の人気、将来性」
「駅徒歩3分の希少立地」
「361戸のスケール」
「所有権では手に入らない価格」


現相場(21年8月現在)では、所有権で買おうとすると手に入らない予定価格のため、押えられた投資額でRVが高いマンションを購入できることも意味します。

10年後のRV一例です(わかりやすくするため数字も適当です)。

徒歩3分の所有権マンションのRV95%
新築時:7,000万円→10年後:6,650万円

徒歩3分の定期借地権付きマンションのRV93%
新築時:6,000万円→10年後:5,580万円

徒歩10分の所有権付きマンションのRV80%
新築時:6,000万円→10年後:4,800万円

更に大きいのは、少ない経済的負担額で、条件が良いマンションであることイコール、満足度が高い住まいを手に入れられることです。そもそも住まいとしてのマンションを購入する基本的なこと。RVを意識しながらも、結局永住することになれば、それはそれで幸せです。

ただし、1つ懸念材料は、当マンションの借地期間が60年であるため、10年後は残50年になっていることです。10年を超えて、残が40年代、30年代と少なくなれば、リセールは大きな影響を受けることが予想されます。

以上の結論にいたった理由、物件の特徴(21年8月6日現在)については、私のマンションレビュー記事もご参考にしてください(参考記事)。リビオシティ南砂町(すまいよみ メインブログより)

最後にランニングコストですが、まだ提示されていません。所有権マンションよりも、月々の地代、更地にして返すための原状回復費用が余計にかかりますが、固定資産税の負担がないメリットもあります。それでも、同条件のマンションより月々5,000円~10,000円前後負担増になるイメージでしょうか。スケールメリットを活かし、管理費などを少しでも抑えてもらいたいですね(一方で、充実した共用施設も逃せませんよ!)。

簡単ですが、以上になります。たまこさんにとって、素敵なマンションが見つかりますように!

スムログ出張所(マンションコミュニティ)

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ファミリーで永住できる居住性を第一に、資産としての側面も合わせて見るのが、すまいよみマンション選びのモットー。ただしマンション選びに失敗しても深刻になる必要はありません。今や住まいは一生物の買い物ではなく、僕も4度のマンション購入を経て満足の境地に達しました。
東京東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)のマンションを日々探訪しています。
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1 個のコメント

  • 東西線ラブ より:

    はじめまして。
    私もジオ南砂町、リビオシティ南砂町ステーションサイトの新築2件と、永代通り沿いの3つの中古大型物件(グランエスタ、ニューライズシティ東京ベイハイライズ、クレストフォルム東京アヴァンセ)を比較検討しておりあまりのタイムリーさに思わずコメントしてしまいました。

    売却の選択肢は残しつつも、相談者様とは異なり可能な限り長く住みたいと考えています。ジオは駅距離の問題があり、リビオは早期決断をしないと売却に向かないことから我が家は駅前3大中古マンションから価格のバランスをみて選ぶことになりそうです。

    いずれも駅近スナモ至近、一般的な好条件もほぼ満たしておりどれを選んでも価値を維持しやすいと考えておりますが、物件選択時に気をつけるべきポイントなどありますでしょうか。

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