読者からのご質問にお答えします

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(ご質問)

都内、23区、さらに言うと山手線内側では坪単価がぐんぐん上がっている中で新築マンションの建設数が減っているのは何故かと思われますか?

普通に考えれば、相場が上がっているときにはどんどん建てた方がディペロッパーは儲かるはずです。

もはやマンションに適した土地が減っている!なども説得力がある説明ですが、私が住んでいる場所近辺(山手線内側)では、各ディペロッパーが持っていると思われる、子会社のコインパーキングが乱立していますがマンションは建ちません。

また、老朽化が著しいマンションも建て替えが進んでいません。

短期(数年)では三井さんがおっしゃる通りだと思いますが、中期(10年程度)長期(数十年)では建築費などが高騰している今は建て時ではない、とディペロッパーは考えているのでは?と考えておりますがどう思われますか?

逆に大手ディペロッパーがそう考え、建築数を絞っているので今後10年程度は新築価格は大幅には下がらないと考えていますがどう思われますか?

 

(お答え)

都区内の建設戸数が減っている最大要因は、用地不足にあります。

相場が上がっても、売ればければ建てることは資金負担だけを増やし、企業のバランスシートを悪化させますから、どんどん建てるということにはなりません。何より、適地不足がデベロッパー各社の悩みです。

 

マンション建設に必要な用地の面積は50坪や100坪の狭いものでは不都合です。容積率が500%の商業地でも100坪の土地では500坪の建物しか建ちませんから、単純に20坪平均の住戸で構成するマンションでは25戸しか建たないのです。

この程度の小型マンションでは、デベロッパーは非効率ゆえに手を出さないものです。建築費も小型ほど割高になりますから、小型の売地といえども最低300坪、大手なら500坪以上を求めるのです。

そのような土地は、都心には少なく、従って売地も少ないのです。デベロッパーは、毎日のように良い土地はないかと探していますが、2000年代初頭の大量供給時代に売地も枯渇してしまったようです。

 

どんどん建てたいと思っても用地がなければ如何ともしがたいのです。売地は玉石混交ながら多数あるのですが、マンション建設にふさわしい用地は稀有なのです。郊外には、比較的まとまった土地が出るとも聞きますが、デベロッパーは郊外を嫌う傾向があります。

郊外は売りにくいからです。都心より用地費は安いものの、建築費は郊外も同じなので、分譲価格は期待するほど安くできないのです。

 

新築マンションは、用地費も高いし建築費も高いために高値が続き、手が出ない買い手が増えて販売状況は非常に悪くなっています。売ればければ、在庫だけが積み上がるので着工を取りやめて様子を見るという姿勢に転じているのが最近数年のマンション業者の姿勢です。

 

新築マンションの価格が下がるとすれば、用地費も建築費も下がらなければなりませんが、その見通しはありません。つまり、買ってしまった用地は値下がりしないこと、今後も安値の土地が放出されることはないことが理由です。建築費は、大不況が来て官民ともに委縮し、あらゆる建設投資にブレーキをかける事態が来れば下がる可能性はゼロではありませんが、現実は逆で、景況が悪くなると建設投資は他方で増える動きが起こるものです。

つまり、景気刺激策が講じられるからです。過去の歴史を見ても、政府は直接、間接に公共投資や民間需要の喚起を図る策を打ち出して来るに違いありません。

 

従って、建築費が大きく下落するという見通しは立たないのです。おっしゃる通りです。

土地代も、建築費も共に下がらないとするなら、新築マンションの価格は下がりそうにないことになります。高値でも買ってくれる人はいる。この立地・このプランなら高くても売れるはずだ・・・そう考えるデベロッパーはあるので、都心・準都心の人気エリアでは今後も新規供給は続くことでしょう。

しかし、良い条件の土地が枯渇している現代、供給数はますます絞られていくに違いありません。

 

新築マンションの価格が高値で推移するのは間違いないと考えています。マンションデベロッパーは販売に苦戦していますが、今後も売上・利益の確保に躍起になっていくことでしょう。しかし、大手はマンション分譲以外の収益源を持っているので、市況をにらみつつ小出しにしながら分譲事業を続けることになるはずです。

苦境に陥っているのは、中小デベロッパーです。2000年頃に比べれば、撤退・倒産・廃業などで数が減ったとはいえ、存続している企業もあります。

しかしながら、このままでは事業継続は困難と考えている中小デベロッパーもあるようです。大手が手を出さない領域を担ってきた中小デベロッパーが商機を掴めなければ、新築マンションの供給はますます減少することでしょう。

 

「新築マンションを買いたくても買うものがない、候補はあるが高過ぎる」このような嘆きの声は当分続くことになりそうです。当分買わないで様子を見るという選択ができる人はともかく、様々な事由からマイホームを買うべきと定めている人にとって当分の間、選択に苦悩する日々が続くことになるはずです。

 

以上、ご質問のお答えでした。

三井健太のマンション相談室はこちら  http://www.syuppanservice.com/

 

 

 

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マンション業界の裏側を知りつくした、OBだからこその視点で切り込むマンション情報。買い手の疑問と不安を解決。マンション購入を後押しします。

運営ブログ:「マンション購入を考える」