マン点流!見える化(中古マンション市場の高騰状況)

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コロナの影響で郊外に転居する人が増えているとか、生活苦でマンションを手放す人が出てきているとかマスコミは報じるのだが、都内の新築マンションはもとより、中古マンションの価格も高騰し続けている。

首都圏の中古マンション市場ではいったい何が起こっているのか。また、今後どうなるのか。東日本不動産流通機構が毎月公表しているデータを元に見える化しておこう。

※以下は首都圏の中古マンション市場の話。近畿圏、中部圏などに関心のある方は、その旨ご承知おきください。

【もくじ】
首都圏全体の中古マンション市場を俯瞰する
1都3県の中古マンション市場を俯瞰する
23区の中古マンション市場をつぶさに観察
今後どうなるのか

首都圏全体の中古マンション市場を俯瞰する

まずは、首都圏全体の中古マンション市場を俯瞰する(次図)。

首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破したあと鈍化。19年に入り再び価格が上昇し始めたところでコロナの感染拡大が始まり、緊急事態宣言が出た20年の春ごろに一時的に下落するが、すぐに回復。現在は60万円に迫っている

首都圏全体の中古マンション市場を俯瞰
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)

以上がリーマンショック以後の中古マンション価格の動きだが、特筆すべきは件数のほう。新築マンションと中古マンションとの円の大きさの変化をみてほしい。新築マンションの件数(発売戸数)は、アベノミクスが始まったころは多かったが、16年あたりから発売戸数が減少傾向にあるのだ。つまり新築マンションの発売戸数が抑制されることで高価格を維持しているのである。値下げをしなくてもやっていける体力のある大手デベロッパーの寡占化が進んでいることの影響が大きい(⇒発売戸数上位20社のシェアは現在6割に迫っている)。

一方、中古マンションの件数(成約件数)は、新築マンションのような減少傾向は見られない、というか16年あたりから、新築の発売戸数の減少を補うように増加傾向にあるのだ(高騰した新築に手が届かない層が中古にシフトしている)。

1都3県の中古マンション市場を俯瞰する

次に、1都3県の中古マンション市場を俯瞰する(次図)。

首都圏の中古マンション価格がアベノミクス以後、高騰傾向にあることは上述した。

1都3県の中古マンション市場を俯瞰
上図を見れば、首都圏のなかでも高騰が著しいのは、東京であることが一目瞭然であろう。神奈川県の中古マンション価格も高騰傾向が見られるが、その上昇の度合いは東京の比ではない。しかも東京は成約件数(円の大きさ)が圧倒的に多い。

都内の中古マンション価格は、20年春先のコロナ第1波が過ぎた後は大きくリバウンドし、現在は70万円に迫ろうとしている。

23区の中古マンション市場をつぶさに観察

さらに、23区の中古マンション市場をつぶさに観察する(次図)。

価格と在庫件数の推移を両にらみすると、ザックリと4つの期間に区分できることに気づく。
  1. リーマン~アベノミクス前夜(08年~12年)
  2. アベノミクス前期(13年~15年)
  3. アベノミクス後期(16年~19年)
  4. コロナ期(20年~)
23区の中古マンション市場をつぶさに観察

  • 都心3区:千代田、中央、港
  • 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
  • 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
  • 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
  • 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川

  • リーマン~アベノミクス前夜(08年~12年)
    価格水準はリーマンショックから1年ほどでリーマンショック前に戻るが、その後息切れ。
  • アベノミクス前期(13年~15年)
    在庫件数の減少とともに価格が上昇。
  • アベノミクス後期(16年~19年)
    在庫件数の増加とともに成約件数は減少し、価格は緩やかに上昇。
  • コロナ期(20年~)
    在庫件数の減少とともに成約件数はさらに減少し、価格は上昇傾向を維持。
あと、上図で特記すべきは、城東地区の変化。他の3地区と比べて、圧倒的に成約件数が多いことと、アベノミクス後期に入っても成約件数が減少していないことである。

今後どうなるのか

都心の中古マンション価格は株価と連動する傾向があるので(次図)、短期的な予測は難しい。

中古マンション価格は株価と連動
マン点流!見える化(確実に予測できる未来)」より

当面は金融緩和が続くだろうから(黒田日銀総裁の任期は23年4月)、株価が大きく下落する環境にはないのかもしれない。現在の新築・中古マンション価格の高騰は、投資家や富裕層、比較的家計に余裕のある層に支えられていることを勘案すると、株価が大きく下落しないと中古マンション価格も下がらないのではないか

株価以外の要因として、新築・中古マンション価格に大きなインパクトを与えるのは、首都直下地震だが、これは予測不能

ということで、マンション購入を検討されている方は、このような中古マンション市場を踏まえたうえでご判断を。

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ABOUTこの記事をかいた人

一級建築士/マンションアナリスト/マンション・チラシ研究家/長寿ブロガー(16年超)

不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」
twitter.com/1manken

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