第158回 マンションは全体を見て買うもの。外観・玄関・空間の3カンに注目

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このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論を展開しております。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

マンションは区分所有権を買うものですが、感覚としては1棟の建物を買うものだと考えます。今日は、この話をします。

 

●建て売り住宅は貧相に見える?

先ず、マンションと同じくらいの予算で買える建売り住宅を想像してみてください。

首都圏に限りませんが、マンション並みの価格で買える大都市の建売住宅は木造で3階建てが多いようです。昔は3階建てが許可されなかったのですが、今は規制が緩和され可能になりました。そのおかげで狭い敷地でも容積率制限の範囲で大きな家が建てられるようになったというわけです。

 

そんなことから、東京都内には敷地面積が75㎡と狭小でも建物面積が100㎡ほどの建て売り住宅が分譲されている所があります。1階はガレージと玄関、2階と3階が居住スペースという構成が一般的です。このような建て売り住宅の外観をイメージできるでしょうか?

 

現在分譲中のものでなくても、狭小敷地の建て売りらしき一戸建て住宅をどこかでご覧になったことがあると思います。その種の住宅は、似たようなデザインで数軒並んで建っています。いかにも安普請の家という印象であることも多いものです。

その外観を見て、恰好いいとも高級とも感じる人は少ないはずです。それでも、一戸建てにこだわる人は間取りや設備に惚れこんで、あるいは管理費等がかからない、駐車場の使用料もいらないから得だと思って購入するのでしょうか?

 

筆者の知人で自営業のXさんは、家族が5人と多いので、どうしても4LDKが欲しいと建売住宅を見つけて買ったのですが、希望のエリアでは予算的に難しかったらしく、立地条件を妥協し、かつ狭小敷地の3階建てになりました。

 

竣工写真集を見せられて筆者は絶句してしまいました。同じような家が並ぶのは想像していましたが、敷地ギリギリに建っているので、窓を開けると、隣の家に飛び移ることができそうな間隔しかなかったからです。

 

●マンションは豪邸のようなものだ

一戸建ては、文字通り1軒を全体像として見る形になります。その点、マンションは1住戸の全体像は隠れます。代わって、百戸なら百戸、300戸のタワーなら300戸のタワー全体が我が家として浮かび上がります。

 

共用玄関、共用のロビーやラウンジ、エレベーターも我が家の一部です。3階の端の1室が我が家であっても、50階のタワーマンションが我が家でもあるのです。最上階には展望ラウンジがあるかもしれませんし、2階にはゲストルームがあるかもしれません。これらの共用施設も平等に利用することができますから我が家の一部と言えます。

 

3階建ての小規模な低層マンションでも、周囲の一戸建てと比べればその規模は数倍、いや10倍の大きさかもしれません。圧倒する大きさは、まさに豪邸です。

 

自分の家、それはイメージ的、感覚的に言えば「マンション全体の姿」を表わすのです。意識しているかいないかを問わず、マンションは1住戸の広さや間取り、階数を選択しているようでも、実は全体像を見ながら選んでいるものです。

 

●売りに出したとき見学者の反応は外観から始まる

仲介業者に案内されて買い手候補が我が家にやって来るときを想像してみましょう。

家に近づいて来ます。営業マンは、「あれが今回の物件です」と見え始めた外観を遠くから指さすことでしょう。そのとき、いかにも立派な姿なのか、ありきたりの外観なのか、はたまた賃貸マンションと変わらないような貧相なデザインなのかなどが評価されそうです。

 

現地待ち合わせの場合も、インターネットの物件紹介WEBを見ているので、ある程度は想像していますが、目標をみつけたとき「すごい」と感激するか「えっ、これなの」と落胆するか、最初の感想は外観に関してになります。

 

共用玄関に着きました。エントランスの豪華さに驚くのか、さらに、御影石の床やシンボリックなモニュメント、高価そうなソファやチェア、エントランスホールを目にして感動を呼ぶのか、それとも飾り気もなく広さも最低限度の機能本位のエントランスとロビーなのかなどが見学者に評価されることでしょう。

 

このような検証を様々な角度からして行くと、マンションは全体を見て良し悪しが判定されてしまう一面が確かにあるのです。

 

●マンションの価値は外観・玄関デザインでも差が付く

マンションの価値を決める要素は、立地条件ほか数点ありますが、そのひとつに「外観・玄関デザイン」が含まれることを忘れてはなりません。

 

平たく言いましょう。日本人は物を買うとき、機能性を外すことはありませんが、同時にデザイン性も条件に含めています。つまり、色が良いとか形がいい、恰好いい、個性的だといったような心理・感情を購買の決め手にしているのです。これは、マンションにも当てはまります。

 

戦後、家が足りなかった時代は雨露がしのげるだけで国民の多くは満足でしたが、次第に欲求の水準は上昇し、2DKの公団住宅が文化的な生活の標準形となり、その後は借家生活から持ち家を志向するようになりました。

国は住宅政策の根幹に「持ち家」を掲げ、住宅金融公庫を創設して低利の長期ローンを利用できるようにしたこともあって、サラリーマンの多くがマイホーム取得を夢ではなく現実のものとしました。

 

地価の高騰が庭付きマイホームの夢を遠ざけましたが、マンションが代わりを務めるように変化して来ました。首都圏でマイホームと言えばマンションのことと言って過言ではありません。

 

マンションが多数供給されるようになると、デベロッパーは互いに顧客獲得のために知恵を絞るようになります。買い手も、雨露が凌げればいいなどとは考えません。高い品質、高い利便性を求めるようになりました。住宅設備機器を作るメーカーも次々と新製品を開発し、設計士やゼネコン、マンションデベロッパーに売り込みました。建築家と言われる人たちも、魅力あるデザインや間取りなどを研究したのです。

 

似たようなものが増えると、デベロッパーの中には共用部の充実を図るようになったり、管理サービスで特徴を打ち出したりする企業も現れました。こうして、マンションは進化してきましたが、機能に大きな差がなくなったので、差別化の究極はデザインと考えるようになりました。

 

「あれが我が家です」と知人に示す場面があるとしても、奥ゆかしい日本人は、「どうだ立派だろう。恰好いいだろう。すごいだろう」などの自慢の言葉を押し殺します。

 

そのような外観や玄関やロビー、ラウンジなどを持つマンションは売却の際に見学者を感動させ、購買意欲を高めます。その結果、価格が強含みとなります。

 

マンション購入者は、何となく全体像を見て買っているのだとしたら、ここを意識して選択しておけば有利に売却することができるということでもあります。

 

●外観・玄関・空間の3カンが重要

外観デザインの良いものと言っても、抽象的で分からないという声をよく耳にします。タワーの場合、中低層の場合などでも違いますし、説明は難しいのですが、感覚的に「格好いい」「独創的・個性的」「美術館みたい」「重厚感がある」「お洒落」「品がいい」といった感想を持てるかどうかと自問してみることが大事です。

 

外観の一部である玄関の形も大事です。豪邸は立派な門構えを持っています。マンションでも、ゲート付きがありますし、キャノピー(てんがい=天蓋)を設け、車寄せとしているものが立派に見えます。玄関ドアは3メートルもの高さがあり、それを開けて中に入ると、天井も高く広々としたエントランスホールが迎えてくれる、そんなマンションがいいのです。

 

空間というのは、建物が建っていないオープンスペースのことですが、そこがどのようにデザインされているかも重要です。プライベートな庭園、キッズ用の広場、花壇などが美しく配置されているかどうか、機械式駐車場が武骨な姿をさらけ出していないか、といった視点でチェックしましょう。特に、中高木が何本植えるのかまで尋ねるべきと思います。草花と違い、経年で木は育ち古いマンションが美化されるからです。

 

中古マンションなら一目で分かりますが、新築は分かりにくいので注意しなければなりません。

 

●デザイン性の高さを見る目を養うには

デザイン性が高いとか低いというのは抽象的で分かりにくいものです。格好いいとか高級感があるといった表現も、個人差があります。目の肥えた人が「普通」と感じるマンションも、初めての購入者・見学者は感嘆の声を思わず発するということがあるかもしれません。

 

問題は、他人がどう思うかにあります。自分は「素敵」と思って買ったのに、売るときに見学者の大半が「陳腐だな」とか「不格好」と思うようなマンションや、そこまででなくても「普通」の印象では購買意欲が高まりません。

 

高いデザイン性を誇るマンションかどうかを見る目を養うには、日ごろから多数のマンションを見て比較する意識が必要です。外から見るだけですから、訪問予約も要りません。新築のモデルルームを見るより、中古マンションの外観を見て歩くことをお勧めします。

 

現住所の周りを歩くのではなく、高級住宅街に行き、大規模マンション、中低層マンションを回って全体と玄関周りを写真におさめましょう。マンションのモデルルーム巡りが趣味みたいにしている人がいますが、間取りや設備機器、インテリアばかり見ていてはマンションの本当の価値を見誤ります。是非、完成したマンションの撮影を趣味にしましょう。

 

なお、「空間」のところで述べた経年で美化されたマンションとは言い換えると「高木が育ち、マンションの外壁を覆いつくすようなイメージのマンション」ですが、こうしたマンションも高級住宅街にはよく見かけます。ご覧になるといいでしょう。

田園都市線や小田急線の沿線の郊外にもありますが、東京23区なら世田谷区や目黒区、杉並区などに多く見られます。わざわざ探して見に行くのは面倒という人に筆者がお勧めするのは、玄関も外観も併せて見てためになる「広尾ガーデンヒルズhttps://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/352583/と「広尾ガーデンヒルズフォレストhttps://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/163308/ です。

二つの物件は地続きの大型マンションなのですが、時間を作ってでも見て欲しい物件です。近くには、別の高級マンション「麻布霞町パークマンションhttps://www.e-mansion.co.jp/bbs/thread/541360/もあるので、ついでに回るといいですね。

タワーマンションでしたら、林立している山手線の大崎駅が効率的です。豊洲駅もよろしいかと思います。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。(http://www.syuppanservice.com

 

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