第130回 価値あるマンションでも、バブル価格で買うと損をする

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立地も良し、建物プランも良し。物足りなさもあるが、標準を大きく上回るレベルの優良マンションをときどき見かけます。第124回の記事で「新築マンションはろくなものがない」と言いましたが、中古を含めて言えば、とても良いと感じるマンションにたまには遭遇します。

 

しかし、価格は「やっぱり高い」のです。高いマンションを買ってしまうとリセールのとき損をすることがあります。今日は、そんな話をしようと思います。具体的な物件名を揚げると差しさわりがあるので隔靴掻痒のきらいは否めませんが、お許し下さい。

 

毎日、新築・中古を問わずどこかの「マンション評価」の作業をしている筆者ですが、購入を検討している中古の新築時価格を教えてくれる人があります。

大抵、何十%も値上がりしていること、何十%も高く売ることに腹が立つという意味合いが多いのですが、中には反対のニュアンスもあります。

「10年前の分譲時に〇〇万円だったというのですが本当でしょうか?というのも、10年前と売り出し価格が同じというのが信じられないからです」といったものです。

 

「10年経って価格が下がるどころか、最近は値上がりしているという情報が多いようなので、全く上がっていないということに違和感を覚えます。購入者の立場では高くない方がいいのですが、このマンションは思ったほど価値がないということなのでしょうか?」――このようなお便りをいただいたこともあります。

 

筆者の評価では高得点の物件でした。その価格は、同駅圏のマンションのどれよりも高いのです。突出していたと言っても過言ではありません。地域一番のマンションです。高くて当然と思いました。

そのような優良な物件が、どうして分譲時の価格から上がっていないのでしょうか?通常、10年経てば中古は20%くらい下がるものです。しかし、その間に新築相場が30%も上がると、中古は底上げされて逆に10%も上がっったりします。

10年前ということは2018年ですから、販売は2006年か2007年のことです。前回の高値の時期のことです。

 

そうです。一番高い時期に分譲した物件なのです。しかし、それでも今の相場は当時より少なくとも25%くらい上がっているのだから、説明にならないなあ。そう思ってさらに調べてみました。

 

分かったことは、そのマンションは飛び抜けて高かったということでした。良い立地だし、評判も良く、多数の集客に成功したかに見えました。しかし、成約に結び付か、完売まで3年を要しています。最後の1年は、表向きはともかく値引き販売が常態化していたのです。

 

最初のころは勢いよく売れたそうです。当然、定価で売れました。80%程度の住戸は定価販売だったようです。

 

再開発プロジェクトだったと聞いています。再開発はその駅(街)が整然とし、美しくよみがえるのです。街の魅力が高まれば、住みたい人が増え、つまり需要が増えます。需要が増えれば、マンションの資産価値も上がります。

 

大抵、再開発はマンションだけでなく商業施設も増えたりします。伴って地価上昇を招くのが普通です。地価上昇は新たなマンション開発があるとしても価格を押し上げます。

 

このようなことを一言で表現すれば「将来性が高い街」ということになるのでしょう。その期待をマンションの買い手に抱かせます。

 

しかし、10年経って、街はどうなったのでしょう。美しく変貌しました。その駅圏の新築マンションも中古の相場も確かに高くなりました。地域一番のシンボル的なマンションは確かに高いのです。しかし、分譲時の価格と比べると変わらないのです。

 

もうお分かりのように、10年前の価格が高過ぎたのです。いわば、10年前のか価格は10年先の価値を織り込んだ「先取り価格」だったというわけです。

 

期待は裏切られました。しかし、損はしなかったということです。

 

価値あるマンション、それでもその価値と合致しない価格を「バブル価格」と呼ぶことにしましょう。その見極めは簡単ではありませんが、「割高だなあ」と感じたら、疑ってみましょう。周辺の物件と比較してみましょう。

 

類似の物件がないはずです。価格も突出して高いはずです。そこが一番危険です。もしお分かりにならないときは、いつでも筆者にご用命ください。

 

・・・この記事はここまでです。今日はもう1本書いています。

 

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