同じ広さでも「2LDKの方が高い」──23区マンション市場に潜む“間取りの断層”

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同じ70㎡前後、同じ東京23区。
それでも、2LDKの方が3LDKより最大2,700万円高い

部屋数が多いほど高い──そう思って見ていると、この差は説明しづらい。
2024年〜2025年の成約データを、面積を揃えて並べてみると、違う並びが出てくる。

広さというより、どの間取りに人が集まっているか
今回は、その差だけを切り出してみる。

同じ広さでも価格が逆転している

図1(面積帯別・間取り別の成約価格(中央値))
東京23区の成約データ(2024年第4四半期〜2025年第3四半期)から、
2LDKと3LDKを「60㎡台」「70㎡台」で揃えて比べた。

60㎡台では、
2LDK:約7,500万円
3LDK:約4,800万円

70㎡台でも、
2LDK:約9,250万円
3LDK:約7,000万円

部屋が1つ多い3LDKの方が、総額では下に来る。

単価も同じ並びで、2LDKの方が上にある。
面積を揃えている以上、「広いから高い」という説明は使えない。

立地や築年の違いだけで片づけるには、差はやや大きい。

「広いほど高い」は成立していない

図2(面積帯別・間取り別の㎡単価(中央値))
㎡単価でも、2LDKが上に来る。
60㎡台でも70㎡台でも、この並びは変わらない。

同じ面積帯の中で、間取りだけで単価の順番が入れ替わっている。

少なくとも今回の範囲では、
「何㎡か」より「何LDKか」の方が価格に効いているように見える。

なぜ2LDKが最も高くなるのか

はっきりした因果までは断定できないが、方向は見える。

2LDKは、単身から子ども1人世帯までカバーできる。
購入可能な所得・ローン枠に入る層が広く、選択肢として重なりやすい。

一方の3LDKは、ファミリー向けに寄る。
同じエリアであれば総額も上がりやすく、ローン上限に当たりやすい。

結果として、
  • 2LDK:購入可能な層が厚く、競合が重なりやすい
  • 3LDK:需要はあるが、買える人がやや限られる
この差が、そのまま価格に出ている可能性はある。

なお、60㎡台の3LDKには築年が古い物件も一定数含まれており、
建物仕様の差が価格の一部に影響しているとみられる。

この構造をどう読むべきか

今回の並びを見ると、
2LDKは最も競争が重なりやすいゾーンにある。

同じ価格帯に人が集まりやすく、条件の良い住戸ほど押し上がる。
一方で3LDKは、総額の制約で単価が伸びにくい。

結果として、
「1部屋多いのに割安に見える」場面が出てくる。

もちろん、管理費や間取り効率など個別条件は別に見る必要がある。
また、間取りごとに立地や築年の分布が異なる場合、その影響も一部は含まれる。

広さだけで選ぶと、このズレは見えない。
どの間取りに人が集まっているか──そこを見る必要がある。

「どの広さを買うか」ではなく、
「どの競争の中に入るか」という話になる。


  • 本データは間取りごとの立地や築年のばらつきを揃えた比較ではないため、価格差にはそれらの影響が一部含まれる可能性があります
  • 各セグメント件数:60㎡台 2LDK n=2,266/3LDK n=906、70㎡台 2LDK n=1,244/3LDK n=2,747
  • 出典:不動産情報ライブラリ(国土交通省)より筆者集計(2024年第4四半期〜2025年第3四半期)
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