ミクロ視点からみる湾岸マンション市況のブレーキ要因についての考察

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こんにちは!
ふじふじ太です!

今回のテーマは「ミクロ視点からみる湾岸マンション市況のブレーキ要因についての考察」というテーマで解説していきます。

湾岸エリアの市況と諸事情に詳しいということで、購入・売却相談だけでなくメディアの取材も増えてきている今日この頃です。

最近は特にご売却のご相談が多いです。

「他社で売却しているけどなかなか売れません」
「適正な価格はいくらでしょうか」
「売るタイミングに悩んでいます」

などなど、売却に苦戦していて媒介を切り替えたいという相談も増えております。

湾岸エリア全体の価格推移をみても、確かにだいぶ踊り場感が強くなってきました。



<シン・湾岸マンションアナリティクスより>

 

 

なぜ今、あれほど過熱していた湾岸中古マンション市況にブレーキがかかってきたのか、今回はその裏側にある買い手/売り手側の心理とその変化を、現場を知っている私ならではのミクロな視点で掘り下げてみたいと思います。

この構造を理解すれば、今の状況はそれほど悲観するほどのものではなく一時的なもので、湾岸エリアが決して暴落することもないということをご理解頂けると思います。

主なブレーキ要因は以下の4つです。

 

①海外投資家/海外実需の減少(買い手バリエーション減少)

②SKYDUO供給過多(資産価値懸念)

③イラン/アメリカ戦争(心理的な経済不安)

④メディアによる風評被害【特に晴海フラッグ治安問題】(居住性懸念)

 

他にも「住宅ローンの金利上昇」もブレーキ要因であると一般的によく言われていると思いますが、今のところ現場感的にはそれほど買い手のブレーキになっているとは感じておりません。

「金利が上がるからやっぱりマンション買うのやめます」という方はあまり見たことがありません。

 

むしろ逆で、家賃も上がってきているし、今まだ金利が安いうちに審査して、早くマンション買いたいですという方の方が多い印象です。

強いてあげるなら、利上げを見越してキャッシュフローをより注意するようになったので、あまり無理しすぎない予算感で探す方が増えてきました。

グロスの上値が重く底値が切り上がっているというのは、そういう事情です。

 

見方によっては湾岸エリアの高グロス帯のトップランナーの売れ行きに影響を及ぼしているという点では一部ブレーキ要因と言えるかもしれませんが、個人的にはブレーキというよりトレンドの変化という感覚です。

 

さて本題です。
上記の4つの要因について詳しく解説していきます。

 

 

①海外投資家/海外実需の減少(買い手バリエーション減少)

 

個人的にはこれが一番インパクトが大きいのではないかと思っております。

都心〜湾岸エリアの強みのひとつであった「買い手のバリエーションの豊富さ」がやや弱まってきた感じです。

特に中国人の買いの動きが昨年の終わり頃から極端に減少しております。
これは現場でもひしひしと感じているところです。

原因として考えられるのは「経営管理ビザの厳格化」と「日中関係の悪化」でしょう。

正直、これはなかなか根深そうです。

世界の潮流として、各国それぞれのナショナリズムが強くなっているのは否定できません。

 

とある詳しい関係者にヒアリングしてみましたが、ビザの件は条件が面倒くさすぎるので新設法人作る人が減っていて、日本への旅行者の減少もあり中国から日本に行ってビジネスやろうという人も減っているようです。

現状、復調の兆しはないものの、日中関係が良くなればまた元通りになるのではないかということでした。

よって、日中関係に纏わるニュースには今後も注目です。

 

ただ、ここからは私の見解ですが、仮に日中関係が回復したとしても、送金問題で懸念が残ります。

中国本国側の規制が厳しいのはもちろん、マネロン防止で日本側の受け取り側の確認も強化されていて、この点については不可逆性が高そうかなと見ております。

 

資金調達難易度が上がったことで、すでに日本や複数国で事業をしている信用力の高い超富裕層の方でないとなかなか購入に動くのは難しいかもしれません。

 

 

②SKYDUOの供給過多(資産価値の懸念)

 

SKYDUOの募集件数は、なんと湾岸エリアの供給数量の15%を占めております。
つまり、湾岸募集全体のおよそ約6分の1がSKYDUOという訳です。

圧倒的な供給過多から、当該マンションはもちろん、晴海エリア全体の需給バランスの崩れを引き起こしている一番の原因と言えます。

SKYDUOに競合する近隣タワマンの売れ行きにも徐々に影響を及ぼし始めてきております。
まさに供給過多懸念の2024年問題そのものです。

 

これだけ在庫が多いと、買い手としてはなかなか買いにくいでしょう。

「人気がないマンションなの?」
「全然売れていない?」
「買ったらもっと下がる?」

などなどの不安がよぎってしまう訳です。

 

ここ最近の晴海エリアでは、不運にもバッドニュースが複数重なってしまったこともあり市場の歪みと言えるレベルの割安募集もチラホラ散見されます。

まさに大バーゲンセール中です。

 

この割安募集をみて、暴落だ暴落だと後ろ指をさしている方も多いようですね。

これだけ在庫が多いと、ある程度在庫が捌けるまではまだ時間がかかりそうです。

 

そうなると待てば待つほどもっと価格が下がると考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

が、私はそうは思いません。

 

なぜそう考えているかというと答えは簡単で、それは売り手の事情によるものです。

 

現場で相談を受けているのでよくわかるのですが、売り急いでいる方は「期限があるから」です。

 

売却の期限がない方はそんなに安売りしません。

希望価格で売れなければ賃貸に切り替えるか、そのまま高値放置して住み続けるか、売り止めにするかです。

 

売却期限とはつまり、「買い替え時の後売り条件の期間(6ヶ月~1年以内)」であったり、「投資用で購入時のプロジェクト融資期間(1年以内)」のことを言います。

 

SKYDUOは近隣エリアからの買い替え需要の受け皿であったのと同時に、投資用で購入した方も多いマンションでした。

 

SKYDUOの引き渡しは昨年2025年9月から徐々に始まりましたので、晴海エリア内には2026年3月〜9月頃迄に必ず売却しなければならない方が相当数いらっしゃるということです。

 

特に晴海2丁目タワマン(クロノ・ティアロ・パークタワー晴海)からSKYDUOに引っ越した方も多かったということで、晴海2丁目タワマンも弱含みな募集が多いのはそのためでしょう。

その期限が迫る焦りから、価格を下げざるを得ないという構造です。
※中には一部狼狽売りをしている方もいらっしゃるかもしれませんが。。


 

さらに深掘りしますと、2026年9月までに売却決済を求められるということは、遅くとも2~3ヶ月前迄には契約しておきたいと多くの売主さんは考えます。
あまり期限ギリギリになると胃が痛くなりますので。

ということは、余裕をもって2026年4~6月の迄には何としても契約したいと考える売主さんが多い訳です。
最近特に値下げのペースが早く見えるのはそのためです。

 

逆にいうと、買主さん目線で割安で買えるボーナスチャンスが、まさに今であり、長くてもあと数ヶ月以内くらいかなと予想しております。

それ以降は、安売りするオーナーさんの数は徐々に減少するため、値下げが値下げを呼ぶような構図にはならないと考えます。

 

③イラン/アメリカ戦争(心理的な経済不安)

 

これはミクロじゃなくてマクロな視点だろという指摘は一旦脇に置いて解説していきます。

 

今回のこの戦争は完全に予想外だったと言わざるを得ません。

この混乱がなければ、すんなり売れる湾岸マンションも多かったでしょう。

期限が迫っていて今急いで売却しなければいけない売主さん達にとっては不運でした。

 

湾岸エリアでマンションを購入しようとされる方は、実需とはいえ投資目線をもっている方も多いという特徴があり、経済ニュースに大変敏感です。

 

今の日経平均が乱高下していて、今後どう決着が着くかわからない状況でマンション購入に踏み切るのは大変勇気がいると思いますので、一旦様子見をされている方も多いと思います。
※だからこそ逆張りのチャンスとも言えるのですが。

ロシアウクライナ戦争と異なり、今回の戦争は日本の血液とも言える石油輸入に関わる重大な要素を絡んでいるため当事者意識が高いというか、対岸の火事という訳にはいきません。
私自身も夜寝つきが悪い日が増えました。

 

今後、それほど遠くない日だと思いますが、戦争の終結の道筋が見えれば、今まで様子見をしていた層が一気に動き出すでしょう。

低迷している株価も一気に戻す、というか上値を破る可能性が高いと思っております。

 

そもそも戦争とはインフレ要因です。
2022年のロシアウクライナ戦争の時もそうでした。

 

原材料費の高騰は避けられません。
そうなれば金利を上げざるを得ない状況になるでしょうから、輸入産業や中小デベは一定の新陳代謝は避けられないかもしれません。

 

と同時に、今回のイラン/アメリカ戦争をきっかけに様々な地政学リスクが顕在化したことで、東京都心マンションが世界から再評価される可能性もあります。

行き場を失った富裕層マネーが手堅い東京都心不動産に流れるということも十分考えられます。(少し楽観的かもしれませんが)

 

現に、このタイミングでブラックストーン社が3年間で2.4兆円を日本の不動産に投資するというニュースも、その流れを裏付けるものかなと思ってみております。

 

同社は「東京や大阪の不動産の需要は世界屈指で、強力な収益の成長が見込める」と明言しているようです。

 

その流れが加速すれば、①の買い手のバリエーション減少の懸念を補完して余りある結果になるでしょう。

都心〜湾岸タワマンにも海外マネーが入りやすいのは実証済みです。

 

悠長に価格が下がるのを待った結果、ひとつのきっかけで突然また売れ始めて、「あの時割安だった時に買っておけばよかった。。」と後悔することがないようにしましょう。

コロナ禍がまさに同じような状況で、まだ下がるまだ下がると様子をみた結果、誰も想像ができない程にV時回復しました。

ただ、今回は元々それほど大きなショックがあった訳でもないというか、全体的には横ばいで、局所的な調整があった程度なので、急なV字回復ということもないと思います。

 

ローン借入可能額的にも実需が買える限界に近づいてきているのは感じるので、仮に日経平均株価が上抜けして爆伸びしたとしても、不動産の上値は重そうかなという気もします。

年5%の賃上げは実現しているということですから、その賃上げの上昇率と同じようなペースで、じわじわ上がっていく可能性が高いとみております。

おっと、ちょっと専門外のマクロに脱線してしまいましたので本筋に戻ります。

 

 

④メディアによる風評被害【特に晴海フラッグ治安問題】(居住性懸念)

 

これは本当に困ったものです。

わざわざ個別マンションの管理組合で解決するべき事象をメディアで取り上げて、あたかもそのマンション全体やそのエリアに問題があるかのように報道するのは本当にやめてほしいです。

 

最近、全く不動産に詳しくない友人とたまたま晴海フラッグの話しになったときに、真っ先に「白タクで話題の?」と返されて、あーこれが世間のイメージになっているんだなと残念に思いました。

 

その事象自体は事実なのかもしれませんが、これだけの大規模マンションであればいろんな人が住んでいるのは当たり前で、どんなマンションにも大なり小なり問題はあるものです。

湾岸エリアで長く営業しておりますが、問題を抱えていないマンションはありません。

なぜ晴海フラッグだけこれほどメディアが話題にするのか。

はい、わかっています。
話題になりやすくてPVが取れるからです。
または、シャーデンフロイデというやつです。

これは湾岸エリアの宿命ですので、それも含めて受け入れましょう。

裏を返すと風評が多いということは関心の高さ現れであり、歴史的にみても風評がたつエリアは過小評価されているので価格上がりやすいものです。

 

ピンチはチャンスです。
この風評を乗り越え、更なるジャンプアップをしている湾岸エリアが私には見えます。

 

 

 

上記、いかがでしたでしょうか。

 

湾岸エリアの現場がどういう構造になっているのか、物事の本質は何か、そして今後どのようになっていくかなど、私なりの解釈をまとめさせて頂きましたのでご参考にして頂ければと思います。

 

 

本日は以上となります。

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不動産コンサルティングマスター。2022年MBA取得。現場で仲介営業を10年経験済。取引件数500件以上。賃貸・売買どちらにも精通。多数メディア出演経歴あり(NHKクローズアップ現代・ABEMA TV・香港TV等)。不透明な不動産取引業界を透明化させ、失敗のない購入・売却のサポートをすることが使命!マンション購入は怖くないと発信していきたい!皆さんのマンションライフを応援しています!YouTubeもやっております!

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