管理組合「そうだ!賃貸に出している人だけ管理費を値上げしよう!」→全力否決された湾岸タワマンの変とは?

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とある湾岸のタワマンのオーナーの方から、総会の”前”に質問を貰っていたんですが、ブログにするのは”総会結果がでた後”にしました。難しいんじゃないかなとか思っていましたが、先にブログにしたら刺されそうだし。

総会で理事会が落とした議案(私の予想通り)は、全戸の1/3のオーナーが在外の湾岸のタワマン(以下Aマンションとする)で、”全戸”の3/4の賛成の必要な”在外オーナーへの協力金制度”の規約改正を上程したから。総会の参加率が8割程度なので、5%の反対をだしたらもう3/4にはならないところ、協力金を取られる1/3の人から多数の反対票が総会に着弾して無事?否決。

本件”総会の参加率が低い”のと”在外の割合がとても多い”の両方でとても「湾岸タワマン的です。実は、総会で議案が否決されたという話は、湾岸のタワマンでは話としては頻繁に聞くのでまたか?!程度でそれ自体にはサプライズはない。

理事会の名誉のために言っておくと「他の特別決議」は殆ど反対がなく全部可決されています。これだけでも実は平均よりかなり上なんですが、理由はおいおい。

SNSでの相談は?

そのマンションにお住まいのオーナーの方から。

自分が、協力金を取られる立場ではないんだけど、1/3の在外の人に、一律徴収金を課す議案を、1/4未満の反対に抑えるのは難しいのでは? 総会の議案を否決で落としていいものか心配だってのが質問の趣旨。

理事会の提案もいくつか無理目では?ってなところがあったのも事実。指摘によると:
  1. マンションの規約では在外オーナーは理事にはなれない(前提)
  2. 在外オーナーが1/3を超えて、在住の2/3に負担がかかる
  3. 受益者負担の原則から、一律で月2500円の協力金を在外全員に課す
  4. 2500円の根拠は、平成22年の最高裁判決である
  5. 規約の改定案には”協力金”を納める規定はあるが、その金額などは規約にも細則にも明記がなされない提案である

一応公平だけども・・

管理ヲタクの人であれば、月2500円と聞くだけで、「あーあの最高裁判決ね!」と連想するくらい(ビョーキやで・・・)有名な判決で、その後、協力金制度が流行るようになったのは事実ですが、その裁判でもいろいろなやりとりがあって、例えば在外の人が殆ど納得して支払っているとかの状況があって認められているもの。

他のBマンションで、月いくらで裁判に勝っているから、Aマンションのうちも同じにしましたってのはちょっと理由としては弱いというか、無理目に感じる。最高裁判決のBマンションはもっと何十年も経年していて、もう在外にも相応の負担をお願いしないとどうにもならんとか理由があった筈。

議案にはどこにもAマンションが”2500円でなければならない理由”が書いていません。最高裁判決で認めれたことがあるからは理由にはならない。これだと、在外の人は知らんがな!で反対するだろうなと。

Aマンションは、実際にはかなり築浅なのに、”在外オーナー”は理事にはなれない規約のままでしたから、理事にならない人に一定の義務を一律で課すってのは一応は公平です。

在外は理事になれない規約は結構多いけど?

一方で、在外も理事になれる(権利としては当然だと思う)とか、住民なのに、忙しいなどの理由で役員を拒否したりさぼる人への対処はきちんとできていたのかなも疑問に。

オーナーだけど、そのマンションに住んでいないというのは何か罰金を科せられるような悪いことをしているわけではない。私自身にも経験がありますが、ちゃんと管理費を納めるなど同じ義務を果たしているのに理事になる”権利がない”方にむしろ違和感を感じるわけです。私のマンションの規約は在外も理事になれるように変更していて、実際に今の理事会には、在外居住の理事もいる。実はまさに湾岸のタワマンから理事会の日にわざわざうちまでやってきているのですが。

在外の人に一律というと、”在外である”だけで自動で徴収かい?!で反発を買うわけで、”理事をしない人・できない人に一律に”協力金を提案するなら通った可能性は高いと私は思うわけです。

総会での結果は・・・

総会の結果は”否決”。 参考までに割合で結果を書いておきます。

質問した人に回答したら後日談でもらったので議事録とかではありません:議案の説明の最初で会場全員賛成でも可決できないことの紹介があって数字がでたそう。

ー総会への参加率 80%
ー他の特別決議(可決)の賛成率 77% > 全戸の75%で可決
ー協力金議案の賛成率 64% < 全戸の75%で否決

”総会の参加した人の8割”が賛成でも否決なわけです。
実はこの議案の落とし方(総会の参加者が少な目で、僅かな反対でも否決さてちゃう)はとても”湾岸タワマン的”です。他にも数多くの事例が掲示板で話題になっているので。

協力金議案に反対した人が全戸の15%ほど。
なお全戸の35%が協力金対象の在外だったとのこと。

まぁ 「在外だというだけで一律」2500円で、理由が「最高裁で組合が勝っているから」だけでは(すくなくとも議案にはそれしかでてこない)件の理事会には悪いけど、結果としては順当な気も仄かにします。

私の回答(例)は・・・

私のその質問者への回答は、私がもしもAマンションの在外のオーナーならこう事前質問を送るとしたものでした。質問した方は、外部オーナーというわけではなく単に総会で否決では?と心配していてまあその通りになったので、あたらないのですが。

私が外部オーナーなら以下を質問として書面で事前提出して、回答とその議事録記載を求めます。実際に自分が理事になれない(外部オーナーの)マンションで書面だしてあっさり無視されたことがあります(苦笑;そんなマンションは要らんでももうとっくに売った)。
  1. 私は在外といっても近隣に住んでいて、請われれば理事就任が可能でその意志もある。そのような人物にまで一律に恒久的な賦課金を請求することは適切とはいえない。”在外でも理事になれる”制度を作って、その場合には協力金を除外するなどの公平性の確保が必要ではないか。
  2. そもそも在外でも理事就任可能は標準管理規約の平成23年7月改正における改定点であり、議案が根拠としている最高裁判決よりも新しい改定である。”理事になれる権利”を確保しようとの努力はしないで、中の人だけで理事を回すのが大変で”単純に一律”賦課金のみ課す設定は不適切でないか。
  3. 現在、役員は居住者による輪番であるが、高齢等の理由で辞退した場合も同様に徴収すべきではないか。その点を考慮していないのであれば本議案は検討が十分とは言えない。
  4. 本規約条文のみ修正だと、”協力金がある”だけであり、管理費の徴収表のように規約の一部として、2500円を定める条文の制定がないので、2500円であることを細則にかきこむべきではないか? 総会無しで気軽に数字を変えられる可能性があるのでは賛同しかねる。
  5. この協力金を支払わない場合の外部オーナーへの滞納額などの規定が必要なのではないか? 通常は、駐車場などの使用料は、滞納になった場合に一般承継者には引継ぎが困難なので、滞納扱いにした上で管理費の一部支払いの場合の先取り対象に定めないと難しいのでは。
  6. 集めた協力金をどう使うのかが不明確である。全体の1/3の住戸から年に3万円を集めるのは、管理費会計からみると、管理費を月千円近く値上げするのに近い。理事のなりてがない・大変なら、理事報酬とする・管理士などのプロと契約するなど、”理事会の運営そのもの”の円滑化のために使うべきであって、使い道を定めないお金としては巨額すぎるのではないか。
  7. 以上の点への配慮を欠いていて、オーナーとしてきちんと管理費等の支払いを行い、かつ理事会運営への協力意思ももった在外のオーナーを、在外であるというだけで差別する内容であり賛同はしかねる。
私、理事会側の人間だけど、やめたらなんか総会屋というかクレーマーになりそうな気もする・・・

総会の出席率は在外が多いと当然低め

本件、”一応公平”(在外のオーナーは理事になれないから)とはいえ、”在外に一律”で課金するなら、一定の反対数は予測すべきで、少なくとも総会に9割以上の議決権が集まる状態で実施すべきだったでしょう。実際に15%の反対があったので実際には90%を超えて議場に票を集めていなければ可決はできませんでした。

一方で特に大規模なマンションや、在外の多いタワーなどでは、総会の参加率は低めです。湾岸には無数にタワーがありますが、常時総会に90%以上の参加を集めている組合は私の知る限りでは2箇所程度だけ、平時の参加率は70%前後が普通です。

参加率が74%だと、参加した”全員”が賛成でもその議案は欠席票は反対と同じに扱われる(これは区分法の規定なので規約でどうにかできません)ので、否決です。このような問題はもともと区分法では想定されていなかった・・・小規模で皆マンションに住んでいて、督促にいけば会えると思って作られている・・・ので、メガマンションが極端に規約を変更しにくいというのは、実は今区分法の法制審議会でもまさに今議論中。

総会に来るようにさんざん誘ったけど参加しなかった人の票は分母から除外してもよいのではないかという議論。これやらないと、湾岸のタワマンなどでは単に総会に来ない人のせいで、わずかに反対があるともう規約を変更できないってのは結構なリスクにも思えます。Aマンションでも”賛成率”は3/4を超えていたわけなので。総会に来た人の8割が賛成しても否決ってのは制度としてどうかなとも。

実はオーナーは”自分のマンションの総会参加率”を知らない

Twitterで、総会の参加率と、それを”理事会でない”オーナーが知っているかどうかを訊いてみました。

総会の議決権参加率は?


総会の参加率は理事以外は知らないほうが多い


理事をやったことがあるとさすがに全戸の何割が総会に参加しないかは知っているものですが、一般に組合活動への関心の低いオーナーの過半は、その割合を知らないから参加しないとどうヤバいとかわかんないわけです。

「あなたが総会に来ないだけで、総会にきてかつ賛成した人3人分と同じ重みになってしまうんです!!」ってのは、多分がりがり理事会が広報して知らせないと参加率が上がることはありません。(なお誤解のないように書いておくと”総会に来て反対する”のは一向にかまわない

ちょっとしたコツで、総会の参加率は90%程度にもっていくことができて、大規模でもほぼ全員が総会に参加するという組合はそう珍しくはありません(湾岸にはないと思うけど)。

私が代表している理事長の会でも、総会の議決権参加率を堂々と口にできる理事長は大体が上級&先生格。滞納がないとかと併せて、理事会の実力が数字にでやすいものの代表なわけです。
うちは99%程度ですが、そのくらいの高めの参加率を常時維持できていると、いろんな制度改革を打ち出していけるわけで、総会の参加率は理事会の力の源泉ですから、やはり長くやっている理事長からは拘りのある部分で、中には総会参加率がいつも100.00%なメガマンションもあります、・・・一度クセにしてしまうと、案外維持できるものです。なんか緊張感がなくなるのが怖いからで、思わず全ての総会に特別決議を入れてみたりしがち(うちもそうです)。

なお全国のマンションの平均は、国交省の調査で80%です。90%なら相当平均より上でこのあたりが目標になるでしょう。1/3が在外のマンションでは結構至難ですが(在外オーナーには玄関アタックとかインナーホンで督促できない;賃貸利用など自分では住まない人の多いタワマンに固有の悩みなんですよね)

Aマンションの総会の参加率は、湾岸タワマンとしてはむしろやや高めですが、それでも”殆ど反対の見込まれない”議案でないともともと可決成立は困難だったわけです。

在外オーナーの理事就任の可否・協力金制度の有無

そもそも在外のオーバーが理事に就任できるか(実際に事例があるか)と、協力金制度があるかないかもTwitter で訊いてみました。

在外オーナーは理事になれる?


協力金制度と報酬制度のありなし


標準管理規約の変更は平成23年とかなり前で多くの新築がそのあと準拠した筈だと思うのですが、Aマンションはそれより新しいのに、規約では在外就任不可。在外だと理事になれない(権利がそもそもない)マンションは結構な割合があります。

協力金はくだんの最高裁の判決以来じわじわ流行ってきているのか、アンケートの回答者の13%ほど。もともと標準管理規約は、特別決議なしに理事に報酬をだせるように作ってありますが、実際に報酬を出しているまんしょんは25%ほどと比較しても結構普及はしてきているようです。

そろそろ結構な長さになったので、私が考える”協力金制度”の議論は、その2で扱うことにして、今日はここまで。

実は役員報酬制度と、協力金の制度は水と油のように相性が悪いです。やるならどっちか片方だけが私のお薦めで、その理由まではその2で。

 

がすたま先生のアドバイスでタイトルを入れ替えておきました。その1とかだと、次読みに来ないから…


 

!! 重要 !!
 本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

6 件のコメント

  • たる より:

    文章の書き方が雑すぎて何を話したいのかわからない。1/3とか35%とか数値がいきなり出てくるが何に対する何の比率なのか、それがいくつだとどうなるのか何の説明もなく頭に入ってこない。文章全体で流れのある構成になっておらず、ただ一つ一つの事象や言いたいことを寄せ集めて羅列しただけで何が要点なのかわからない。なぜこんな記事が紹介されてきたのか甚だ疑問に感じる。

    • はるぶー より:

      Google Discover などでアンドロイドのスマホなどからお越しでしょうか。”スムログ”はマンション関係のブロガーに、マンションコミュニティ運営のミクル社が場所を提供しているだけで、記事に関する責任はおのおのの書き手がもつものです。

      管理に関する記事は”プロ”や”理事長”などと、一般の方向けの理解レベルが違いすぎて、両方に納得いただける記事を書くのがとても困難です。私の記事は基本的には理事会など組合を運営する人向けのものですので、前者が対象です。試験に例えてみれば、管理の”プロ”にあわせると偏差値70、一方で一般の方はもともと平均的な理解度ですから偏差値50です。真ん中の60あたりを目指して書いていますが、上をカバーすると下半分あたりがとりこぼしになるのは避けようがないのです。ご容赦ください。

      Aマンションは、標準的(事例が多い)1戸1票で総会に参加する組合です。1/3~35%というのは共に全戸に対する、”オーナー(区分所有者)がマンションに住んでいない”住戸の割合になります。少しだけ本文を修正しておきました。

  • 賃貸派 より:

    私は本件で言うところの在外オーナーの部屋に住んでいる者なので議案書等が届かない立場なのですが、マンション総会はいわゆる株主総会みたいに事前に議案書や議決権行使書のような物は届かないのでしょうか?当然その辺の株式会社並の事務処理をすることになるので理事会的には負担が大きいと思いますが、総会に物理的に出席した人のみが議決に参加できる仕組みは前時代的だなと感じてしまいます。

  • かんどら。 より:

    今回の内容は非常に重要で、本来ならマンションを購入する全ての人が理解しておくべき事です。内容も難しくないはずですが、最高裁判決の経緯や在外オーナーの国際化など、その背景は少し複雑ですから、そこを割愛すると一気にプロ・理事長向けになってしまうのはやむを得ないかもしれません。

    協力金に関する最高裁の判決文は短いので読みやすく、Webでも公開されてますから、たる氏や賃貸派氏もご覧になっては如何でしょうか。ノンフィクションのルポというか「沈まぬ太陽」のような、理事会の執念が伝わってきますが、そのお陰で助かってる理事会も多いはずです。

    最高裁の結論は当然ですが、一審・二審の経緯も非常に重要なので(※その経緯を踏まえることが協力金の前提になる)、スムログ関係者で分かりやすく解説してくれる人(※法務関係者)がいると、はるぶー氏の真の目的(※目標ではなく目的)、つまり理事会活動に関心を持つ区分所有者を増やす啓蒙に沿うのではないかと愚考した次第です。

    • はるぶー より:

      3/4の”分母の壁” は法制審議会でも話題になっていますが、
      本Aマンションの件、分母の撮り方をかえると可決になる典型例
      なんですよね でついそこまで・・・ 

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