第350回 「注意したい店舗付きマンション」

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Contents ●物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ
  • 不動産売買は営業マンの営業力やヤル気次第
  • 高く売るコツは? ●実は何より大事なのは売主の印象
  • 物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ)
  • 本当に専任媒介がいいの?   その他

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今日は店舗付きマンションの話です

店舗付きマンションの多くは、等価交換によって開発されたマンションに見られます。

等価交換マンションとは? ここから始めます。

 

等価交換マンションの注意点

等価交換マンションという言葉をお聞きになったことがあると思います。この種のマンションには、住みにくいと感じる問題点があります。買って後悔しないために気を付けるポイントをご紹介します。

 

等価交換マンションとは、マンション業者がマンション用地を取得するにあたり、購入代金を金銭ではなく、完成したマンションの何室かを提供する形で地主に支払うものを言います。

 

大抵は、地主の要望から発生します。税金の特典もあるため、急な金銭要求がない地主が選択する方法と解されます。

地主は、受け取った何室かを自宅にしたり、賃貸したりするわけです。

 

分譲価格表に、「事業協力者住戸」や「非分譲」という表示があれば、それが等価交換マンションであることの証拠です。その数も一目で分かります。最上階にある部屋は、地主が自宅として使用するための特別な仕様や広さ・間取りである場合も少なくありません。

 

分譲マンションの中に賃貸住戸が混在する「等価交換マンション」を嫌がる買い手は少なくありません。これは、分譲が上で、賃貸は下という、見下し感覚があるためと考えられます。

 

また、賃貸で入居してくる人は自分の所有ではないからか、居住の仕方に問題があるという見方もあるようです。共同生活のルールやマナーを守らないとか、維持管理に非協力的であるといった見方です。

 

そのようなマンションは確かに値打ちを下げる危険があるわけですから、同じ屋根の下に住む者として、敬遠したくなるのは理解できます。

困った住人が一人や二人は存在するのがマンションという共同住宅というものです。しかし、これを所有者か、非所有者かで線引きするのは単なる偏見です。

 

ところが、必ずしも偏見ではないと思えるケースも存在しますから厄介です。

等価交換マンションには、1階に飲食店やコンビニエンスストアが賃借人として入居するケースが数多く見られます。また、都心や準都心の駅前マンションでは、ワンルームが同居するケースも多いようです。

 

ワンルームの方が回転が良くていいという貸し主側の思い込みがあることや、割高な賃料を設定できるからというのが理由です。

 

すべての若者がそうだと決めつけるのは偏見そのものですが、コンビニの前でたむろするとか、友人を夜中に呼んで室内で騒ぐ、ゴミや空き缶を共用部に捨てるといった迷惑行為が見られるのも事実です。

このため、そうした若者が入居しやすいワンルーム混在マンションは敬遠した方が無難だと考える人があっても違和感はありません。

 

旧地主の持ち分が大きい物件に問題が潜んでいる?

マンションの敷地提供者(旧地主)は、長年そこに住んで来た、まさに「ぬし」です。人一倍、土地に執着している人が多いのです。土地を手放しても、一部をマンションの敷地権という形で残すことができ、且つ住み続けることができる「等価交換方式」を歓迎します。

 

その結果、マンション完成後も相変わらず「ここは俺の土地だ」という感覚を残したままの地主もいるのです。 しかも、管理組合の総会における議決権は、どの入居者より数多く持っています。そのことが、他のマンション入居者に対して支配的になりがちです。

 

言い換えます。すべての居住者が賃借人であるかのような錯覚をもち、尊大な態度で他の居住者に接してくる地主がいるのです。 これは、地主の人格の問題ですが、購入前にどのような態度をとる人かを確かめる術もありません。

 

賃貸に出される住戸がファミリータイプであれば、あまり心配はないと言えるかもしれません。 地主が同居しないマンションも懸念は小さいと言えるかもしれません。 それを確かめることは可能です。分譲企業に尋ねれば分かるからです。

 

旧地主が同居し、かつ少なくない住戸を一人で保有している物件は要注意です。重大な議決が地主の考え方に左右される危険があるからです。

旧地主の議決権が全体の何%あるかを営業マンに尋ねましょう。30%も持っているケースは大いに問題ありです。

 

雑居ビル的なマンションのチェックポイント

1階に店舗が入り、2階3階がオフィスやワンルームマンション、4階以上はファミリータイプという構成のマンションは、俗に雑居マンションと呼ばれます。こうしたマンションは、売却の際に苦労するというものが少なくないようです。

 

いろいろな問題を抱えている可能性があるからです。 例えば、生活時間の異なる階層が入居しているため、購入希望者は夜間の騒音に悩まされる可能性がありますし、外来者の出入りも激しいことから、住まいのセキュリティに関して不安が残るのです。

 

また、管理組合の活動においては、全体の合意形成に手間取り、重要な修繕が進まないため建物の劣化が早まるなどの懸念もあります。

 

しかし、以上の懸念点はあくまでそうした傾向が見られるというだけで、全ての雑居マンションがそうだと言いきることはできません。例えば、以下のような配慮をしてあれば、あまり心配はないのです。

 
  • 店舗やオフィス・ワンルーム区画とファミリー住居区画の「完全分離設計」としている(出入り口の分離、エレベーターの分離など・・商品搬入のための車両とファミリーマンション居住者の車両に交差が起こらない動線計画になっている)
  • 人と車の通行が完全分離設計になっている
  • 高度なセキュリティーシステムを導入している(3重のオートロックシステム、多数の監視カメラ、24時間有人管理など)
 

雑居ビル的マンションで問題ないタイプは?

駅前の大規模マンションには、等価交換マンションでなくとも、店舗やオフィス、ワンルーム住戸が混在している例が多く見られます。

 

大規模でタワー型、その街で一番・二番を争う目立つ存在のマンションには、残念ながら「雑居ビル的なマンション」が少なからず見られます。

 

駅前は、商業施設もオフィスビルも多数集まって街並みが形成されています。 隣接のビル・マンションが接近して存在していることから下層階の住戸は日当たりや眺望に問題があるものです。 当然、売りにくいので価格を低く抑えようとします。 そうすれば買い手を集めることが可能になるためです。

 

しかし、価格の安さに釣られてはなりません。安いのは条件が悪いからであって、価値ある住戸かどうかを慎重に判断して選ぶことが肝要です。「安い住戸・安いマンションは、将来価格に期待は持ちにくい」と覚えておきたいものです。

 

雑居ビル的なマンションでも、管理体制が充実していれば問題は少ない場合が多いものです。大規模マンションは、大抵24時間常駐管理(夜間は警備員の巡回)体制になっている例が多いので心配は少ないと言えるでしょう。

 

また、売りにくい下層階には、投資家向けの小型住戸を配置しているものです。それらは、賃貸に出されることになり、居住者のマナーが問題になることも少なくはないのです。このタイプは要注意です。

 

購入時は、買いたい部屋の住戸だけでなく、ほかの住戸、中でも低層階の住戸の面積・間取りタイプもチェックしておきたいところです。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は5日後の予定です。

 

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