第340回 「マンションの適正価格とは?」

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このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

よく尋ねられます。 「この価格は適正ですか」と。 今日は「適正価格とは何か」について語ろうと思います。

 

適正価格かどうかの指標はどこに?

何を基準にして適正価格というのでしょうか?

 

この答えは簡単ではありませんが、ここでは、短く説明しておきます。

「地域相場があって、それとの比較で高いか安いか」が一般的な見方ということができます。  相場とは、一定期間の平均販売価格によると考えられます。

一定期間とは、どのくらいのレンジを指すかですが、例えば価格が安定期にあれば3年なり、5年となりますし、現況のような急騰期になると5年前の相場と過去1年の相場では段違いになるので、比較対象の期間は1年程度と短いのです。

 2年前と比べても、高い相場になっている地域も少なくないため、今は判断がしづらいときです。

 

地域相場は、概ね最寄り駅を同一とする物件の集計によって形成されることになりますが、地域相場との単純比較では3割高であっても割高とは言えない物件と、2割安であっても割高な物件とがあります。

 

言うまでもないのですが、物件個々の価値が異なるからです。

建物が高級であるとか高機能といった建物の質とグレードやブランド力によって、また駅からの距離や直近の住環境など、立地条件の差異によって物件価値に格差ができるわけです。

 

相場を形成している物件の平均が上級な物件ばかりであれば、検討物件が平凡なものであれば、それは割高と判定されることになるでしょう。

反対に、主に中級物件で形成された相場との比較をする場合、対象物件が高級物件ならば、一見して高値でも、必ずしも割高でなくなることもあるのです。

 

この比較検証は慎重に行う必要があります。 同じ最寄り駅の同じような価値を持つと考えられる立地条件ならば、建物価値だけで比較すれば足りるわけですが、実際はそう単純ではありません。

 

同じ駅といっても、距離が5分と10分では価値判断は当然違いますし、距離だけではなく、隣接する建物の放つイメージや眺望、日当たり、接面道路の騒音、接する公園など、立地条件を判定する要素は複数あるため、単純に判定できない例もあります。

 

建物価値も、高さ・階数、戸数規模、共用施設などで価値判断は変わります。これに、売主のブランド力も加わります。価値判断は一筋縄には行かないのです。

 

いずれにしても、こうした多数の要素を勘案しながら物件価値を検証し、相場と比較して適正価格かどうかを判定することになります。

 

中古マンションは、適正価格である場合が多い

ここまでは新築マンションの話でした。では、中古マンションの価格が適正かどうかはどうやって測ればいいのでしょうか?

 

宅地建物取引業法では、査定額の根拠を依頼者(持ち主)に説明しなければならないことになっています。売値を安くすれば、買い手がたちまち現われ、業者に手数料の収益をもたらすでしょうが、高値で売り出せば、何か月経っても売れずに一銭にもなりません。

業者としてはなるべく安い売値で売却依頼して欲しいという本音があります。

 

しかし、売値を不当に安くしたことで、売主に不利益をもたらすようなことになってはなりません。その点に法の精神もあります。

 

中古マンションの価格は、「取引事例比較法」によるとされます。つまり、同マンション内の取引事例、それがない場合は近隣の類似物件を探してベンチマーク(指標)とします。

 

「こちらの方が階数で5階上になりますし、南向きなので、プラスが見込めます。あちらは4900万円、坪単価で@250万円ですが、こちらは@270万円の総額5300万円、買い手心理を考慮して5280万円であれば比較的短い時間で売れると思います」・・・などと説明するのです。

かなりアバウトな根拠ですが、数字の差を聞いて満足する売主もあるのです。

 

不動産流通近代化センターが策定した「査定マニュアル」を用いて計算した査定書も見たことがありますが、途中の計算式が複雑で、もっともらしいものの、出て来る査定額はアバウトな査定と大差がありません。

 

いずれにせよ、所有者なら誰でも、高く売れるものなら高く売りたいと考えます。 とはいえ、5000万円が妥当という場合に1億円で売って欲しいと望んだところで現実的ではありません。 5500万円なら「ひょっとして」と思わないでもないのです。

 

仲介業者は、高値の物件を請け負っても売れなければ一銭の収入にもならないので、1~2か月様子を見て、反応が悪いときは所有者に対して売り出し価格の引き下げを要求します。

 

チャレンジ価格は無謀でした」や「強気過ぎたようです」などと弁解しながら、所有者に妥協を迫るというわけです。

 

運よく最初の言い値で買ってくれる買い手が現われることもあります。しかも、同じ日に見学者3人が重なり、どの買い手も気に入って、買いたいとなったとき、業者は買い手に対し、こう囁きます。

 

買い手さんが3人重なりましたので、価格交渉(指値)はできそうにありません。この値段のままで意思表示をして頂いた方がよろしいでしょう」・・・などと。 こうして、うまく行けば売主の言い値で決まってしまうこともあるのです。

 

このような現象がたくさんの物件で起きれば、過去の成約事例の金額より高い実績が記録されます。記録とはREINS(不動産流通機構)のデータベースのことですが、業者だけが見られるサイトに正確な取引金額として記録されることを意味します。

 

こうして、過去には5000万円だった相場が5500万円に引き上げられていくのです。

 

下がり相場のときも同様です。何度も価格を引き下げてやっと買い手が決まったというとき、その記録は過去の事例より低い金額となり、新しいベンチマーク(指標)になってしまうのです。

 

こうして中古の相場は変動しますが、あくまで市場で買い手がつきそうな売り出し価格、または、最近の成約事例ということになります。言い換えれば、中古マンションはおおむね適正価格と言えるケースが多いのです。

 

新築価格に連動する中古価格

ところで、中古マンションの価格を新築マンションとの関係で見たとき、どのようなレベルになるものでしょうか?

 

過去の成約事例によって次の売り出し価格が決められるということは分かったとして、そもそも、その取引が成立する根拠や背景はどんな所にあるのでしょうか?

 

1年か2か前に遡ったときに誕生した取引価格、それはどのように決まったのでしょうか?

 

やはり、何らかの指標があったはずです。そう、それは新築マンションの価格です。どのマンションも最初は新築だったはずで、何年か経ったとき、それを市場に出す人がいて、最初は手さぐりだったはずですが、「中古でもこのくらいの価格なら買ってくれる人がいるのだ」という実績ができます。そうして、業者自身も学習して行くのです。

 

比べるものは新築価格。それは今も生きていると言えるでしょう。

 

日本人は新築志向が強く、中古を嫌う傾向があります。しかし、車でも中古が流通するように、価格が安いことから積極的に中古マンションを狙う人も次第に増えて来たのです。

 

しかし、同じような立地で同じブランドで、同じような品質でも「気持ち良さ」から新築がやはりいい、設備の寿命も心配だし、壁紙も交換したい。とすると、リフォーム代もかかりそうだし、そんなことを考えると1割くらいの安値では魅力を感じないななどと、最初は誰も見向きもしなかったはずです。

 

しからば、「では新築のあちらより3割安ならどうだ!」と値段を下げたら、たちまち売れた・・・このような事例が多数出現して行った結果、新築を100としたとき、築10年の中古は70だ、こっちの地域は80だなどと、新築対比で見た中古価格、すなわち相場いう概念が誕生したのです。

 

新築マンションの価格が急騰すると、安い中古に目を向ける人が増えます。すると、中古も人気が高まるという回転が生まれるのです。結果的に中古も値上がりします。

 

このような相関関係が新築と中古の間で出来上がっています。言い換えると、需要と供給の関係で価格が成立するのが中古マンションなのす。

 

新築はメーカー希望小売価格のようなもので、価格は硬直的ですが、中古は市場にゆだねるというイメージです。オークションのようなもの、と言えば分かりやすいかもしれません。

 

 

新築の供給がないエリアの中古価格

新築が上がると連動する中古も上がるのですが、新築の供給がないエリアの中古の値段はどうなるのでしょう。

 

新築がない場合は中古を買うしかないので、中古人気は高くなり、過去の取引事例は上方修正の形で崩れます。最近のような価格高騰期には、少し前に販売していた新築マンションと肩を並べる価格で取引が成立したという中古の例が多数誕生することになります。

 

反対に、たまたま新築の供給が重なった、いわゆる一時的な供給過多地域の中古は値下がりするかもしれません。かもしれないと曖昧な表現を使ったのは、一概に言えない理由があるからです。

 

新築マンションが、いずれも大型のタワーで引き渡し時期が2年先であるといったような場合、すぐに住める中古を魅力と感じる人もありますし、駅から10分のところにある新築に対して、駅前などの、はるかに立地条件が良いという場合も、その中古は新築に勝るとも劣らないと評価されるからです。

 

また、供給過多と思われる地域が、実は広域動員できる魅力的な街、または物件であった場合、それは供給過多でも何でもないので、中古はそれまでと同じような価格で取引が続きます。

 

中古の売り出し価格は取引事例との比較によって付けられるものなので、所有者が強気であるとか高く売らないと困る事情にない限り、概ね相場で売り出されるものです。

その観点では、高くも安くもないはずです。ただし、普通は買い手からの指値(さしね。価格交渉)を想定して%くらいはONしているものです。

 

適正価格とは言えない中古物件が店頭に並んでいる場合もあります。売主が強気な場合です。

 

そのような場合、買い手としては何を見て判断すればよいのでしょうか?

方法は、仲介業者に尋ねるのが一番です。「これって適正価格ですか?」と。

仲介業者は、業者だけのネットワークにアクセスして適正価格を調べることが可能です。地元のベテラン営業マンなら即答できるくらいに売主の強気を言い当てることでしょう。

 

 

新築の場合は定価を「高くない」と言い張りますが、中古は自社物でない限り適正価格(相場との比較)を教えてくれるものです。

 

もちろん、営業マンに尋ねづらいときもありますし、尋ねても答えを渋る場合もあります。

そんなときは、筆者へお尋ねください。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

 

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