第322回 「外観デザインもマンションの値打ちを決めているものだ」

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このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

マンションを購入する際に気を付けたいことは多々ありますが、これだけは外せない重要な項目のひとつとして、最近は「デザイン」も加わります。デザイン重視で選ぶ際のポイントを「未完成マンションの場合」に限定してご紹介したいと思います。
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新築マンションは、大抵が「青田売り」、すなわち、工事中に販売を始め、完成までに売り切ることを狙います。このため、買い手はモデルルームを見て自分の購入する部屋を想像しながら判断することを求められます。

 

青田売りは業界の常識になっていますが、買い手はそこでミスを犯しやすいのです。住戸もさることながら、マンション全体、なかんずく外観のイメージが正確につかめない場合があるからです。

 

完成予想図の魔法

大型マンションの場合には、さほど心配いらないのですが、問題なのは50戸程度の小型マンションです。

売り手は、小さなマンションを大きく立派に見えるように、完成予想図をデフォルメ(仏語:意識的に変形させる描画手法)します。ここに落とし穴があるのです。

 

完成したとき、当然ですがマンションは外も中も何もかもが綺麗です。その美しい建物を見た買い手は、それだけで満足します。間もなく、ここで新しいマンションライフを始められるのだという喜びで一杯になるためです。

 

しかし、購入者以外の人が外観を見たとき、「何と貧相な建物か」と冷めた評価が下される物件があります。これは、将来売却に出したとき、見学にやってくる買い手さんも同じ感想を持つはずです。これが売却価格に影響を与えます。

 

分譲マンションというのは、区分された1室と共用部を合わせて売買されます。1室を購入したようでも、マンション全体を買っているわけです。

自分のマンションはこれだというとき、室内と一緒にマンション全体を思い浮かべるイメージがあるはずです。エントランスやロビーなども、自分の家の一部です。これらが立派であれば、きっと自慢の家ということになるでしょう。

 

駅から徒歩で帰る途中、やがて見えて来る我が家の外観は周辺の建物群を圧倒するような異彩を放つー-そうしたマンションの方が、ビル陰に隠れるように建っているようなマンションより誇らしいはずです。

 

玄関を開けると直ぐ目の前にエレベーターがあるような狭いロビーよりは、象徴的なオブジェがあり、広くて天井が高いロビー、その一角には高級で立派なソファが置いてある。このようなマンションがいいはずです。

 

日本という国は、物に恵まれた経済大国であり、近代国家として時代の先端を行く国です。便利なモノは、そこいら中に溢れ、必要なものは何でも揃います。機能だけを求めたら、ない物はひとつもないと言ってよいでしょう。

 

そうしたレベルに至ると、人間が次に求めるのは、機能ではなく見た眼の良さ、すなわちデザインです。これはマンションでも同じです。かつては「住めたらいい」だったのが、今は、「見映え・デザイン」にこだわるようになって来ました。それだけに外観の立派さ、美しさ、デザイン性は重要な要素なのです。

 

デザイン性

デザインの良さはマンションの価値を高めます。近年、「デザイナーズマンション」という言葉、広告のキャッチフレーズを見かけるのは、こうした欲求レベルの変化を証明しているのです。

 

言い換えれば、デザイン性はマンションの価値を大きく左右するようになってきたのです。その意味から、貧相なマンションは避けておきたいものです。

 

貧相なマンションとは?

貧相なマンションとは、例えば、300㎡未満の狭小敷地にペンシルのようにひょろひょろと建っている高層マンション、ペンシルビル(商業地に建設されたもの)は、どう工夫しても立派な風格を持っているとは言い難いものです。

 

背も低く、横幅もない小型マンション。こちらは、住宅地の狭小敷地に建つケースです。道幅が狭いせいで、建物の一部が欠けて斜めになっているものが多く、デザインというより建築規制によってできた望まぬ産物です。

しかも、重厚感も風格も感じられない。中には、これが分譲マンションかと疑いたくなるような物も少なくないのです。

 

もちろん、小型マンションがすべて貧相に見えるわけではなく、敷地に緑をふんだんに配置し、一定のコンセプトによって美しいマンションに仕上がっている物もあります。

しかし、これを工事中に自分の目で確認することはできません。予想図だけのため、ここを見落として、価値の低いマンションを割高と知らずに買ってしまう危険があるのです。

 

パンフレットにも販売事務所にも、外観パース、エントランスパースなどが大きく掲げてあります。一見すると立派に見えます。しかし、出来上がりとはギャップがあるものです。そこのところを、パースと図面からイメージできるでしょうか。できたとしても、それがどれほどの価値を持つものかを判断できるでしょうか。

 

簡単ではありません。デザインの良し悪しには、数値的な基準はありません。「豪華」、「立派」、「威風堂々」、「恰好いい」といった形容詞で表わされるだけです。結局、完成したマンションをできるだけ多く見て、感覚を磨いておくしかないのです。

そのうえで、図面から出来上がりの姿を想像し、たとえば「恰好いい」マンションかどうかを判断していくことが大事です。

 

実物比較の練習

完成予想図だけでは想像できないという人は、検討中の物件と同じような規模の中古マンションと、もっと大きな規模のマンションの両方を見に行きましょう。そして、写真に納めましょう。

 

インターネットの情報から築10年以内の、比較的新しい物件を選んで見ることがポイントです。写真に納めるのは、少し離れた位置から撮った全体と、近寄ってエントランス付近を中心にした3階くらいまでの外観です。

 

地図検索ならマンション名も出ていますので、場所を集中させれば、比較的短い時間で作業は終わるでしょう。

 

こうして集めた写真を並べて比較してみて下さい。貧相なマンションと立派なマンションの差を感覚的に掴めるはずです。そして、検討中のマンションが、どの程度のものかも分かることでしょう。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

 

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