お便り返し-1 大規模マンションのデメリット

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地方都市在住様

マンションマニアさんが既に回答していますが、管理ネタ中心のはるぶーも参入。

質問内容本文

小規模マンションと大規模マンションを両天秤で検討しています。
それぞれに良い点があるので悩んでいます。メリットは説明を受けるので良いのですがデメリットを知りたいです。

・一般的に大規模マンションに住むデメリットはどういう点が挙げられますでしょうか?
・オール電化マンションのデメリットは何でしょうか?
・地権者がいるマンションで起こりうる問題で、考えておくべきものは何でしょうか?

まずは最初の質問へのお答えから:

スケールメリットを生かせるか?

例えば戸建てと比較してみれば、大規模マンションにはスケールメリットが存在します。戸建てはもとより、20-30戸という規模では支出に足踏みしてしまうような、立派なクリスマスツリーをエントランスに飾ることもできますし、正月なら大きな門松を立てることも可能です。案外こういう大戸数だから初めて可能になることができてないマンションは散見されます。大規模ならではの苦労は間違いなくあるんだから、でっかいクリスマスツリーは飾りたいものですね。

大規模マンションのスケールメリットを生かしきるには、管理組合理事会側がきちんと対応していけることが大事で、これができないと単に戸数が大きいだけでめんどくさいだけのマンションになってしまいます。

そして、既に管理状態を見て購入可能な中古の場合と違って、青田買いでの新築購入の場合には自分自身が理事会に入って活躍でもしない限り、組合がスケールメリットを生かしきってくれるか、戸数の大きさに起因する各種のめんどくささに負けて低調になるかを購入者は自分で選ぶことはできません

理事会の脆弱性リスク

例えばうちのマンションは500戸超えに対して役員が23人います。まずこの23人で合意を取るだけで普通の戸数規模のマンションなみに大変です。23人が月に1回集まらないといけないですし。そして、理事会が何かを決めた場合にそれを全戸にお知らせするのはさらに至難です。紙一枚全戸投函するだけで小一時間かかります。説明会をやるなら何度も何度も開催しなければなりません。これをやる”理事”は、輪番制度が採用されていれば、オーナー全員に就任義務が回ってきます。

メガマンションなりのスケールメリットを生かすには、この飛躍的に大きくなる”政治的コスト”を理事会側が処理した上でその先へと進んでいけることが条件になります。

総会の書面は1月前には投函していないと、総会当日に95%超えの人が何か書面提出を済ませているという状態には持っていけません。問題が発生したその瞬間に理事会が動き始めても1月に一回が限界の理事会で総会議案の審議+総会自身の準備で何か月も時間を要します。理事会側では目いっぱい力の限りやっていても、理事会側の動きは鈍重であるとオーナー側からは感じる筈です。

住民数/理事数は、小規模マンションではせいぜい5-10倍です。逆にいえば理事一人が5-10戸お世話できればいいのですが、大規模マンションでは1人の役員が100人を相手にするなど、理事会役員の1人あたりの負荷が戸数とともにどうしても重くなるので、でてくる問題に各戸でモグラたたき的に個別対応している理事会だと、「10年後の大規模修繕はどうしよう」などの真に重要な問題に割くための時間(リソース)がなかなか確保できなくなります。これは私も自分自身が理事長をして体験しました。

中途半端に大規模なマンションにおける指導者不在のリスク

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 大規模マンションにおける住民と理事の関係というのは、なにか政府に税金を払っているからしっかりやれよ!と文句をいう納税者みたいになってきて、なんとなく他人事みたいな言い方になるというか、自分自身の問題として認識されなくなるんですよね。一生理事会に入らなくてすむならよいのですが、そのためには超大規模マンション(1000戸以上)とかでないと難しいでしょう。

20人とかの大人数の理事を率いて、全員を動かして進めていくという指導力(特殊能力に近いものがあって、例えば私自身にはその能力はありません)を発揮できる人物の出現率は、能力×やる気を考慮しておおおそ1000戸に1人程度かなと私は思ってます。
理事長の会でみていても、1000戸クラスになれば”ほぼ必ず”優秀な人材がでてくるのであんまり問題になりません。このブログの挿絵のマンションは2000戸を超えています。この戸数あれば1000戸に1人クラスの人材が誰もいない確率は1割(≡1/e^2)程度に過ぎないのである程度誰かはでてきそうだから任せておいても安心だなと思えるでしょう。 一方で200-300戸までとか、中途半端に大規模だと問題が顕在化しやすいです。幽霊理事が無数にいる理事会が成立しないとか、巨体を持てあます烏合の集化しやすい。

20人の理事会をまとめてなんらかの結論を出して進めていくというのは至難です。このような大規模に固有の難しさは小規模マンションでは発生しません。極端な話、理事が3人なら、2人以上集まって喫茶店でちょっと相談して2人の意見が一致したらそれを”臨時理事会”にできますので。

大規模特有のコストアップ

マンションの管理費などの維持コストはスケールメリットを享受して戸数とともにだんだん下がりますが、地区のフラッグシップといえるような大規模物件になると、プールがついてますなんてのを典型例として、豪華な共用施設を維持するための大きなコストがかかるため、メガマンションとか呼ばれるようになると管理費単価はかえって高くなります。

自分に不要だからという理由でなくすことはできないサービスです。いくらプールが年間に何千万円という赤字を垂れ流していたとしても、”プールがあること”で差別化が図られているので、なくすという方向に理事会が舵取りをするということは通常は起こりませんので。

特にお水系の施設は、維持などで長期修繕計画にも多額の支出を継続的に発生させます。それが”自分にとって”必要なのかどうかは検討時に吟味しておく必要がありますね。

既に長いので残りの2つの質問への答えはまた次回にて。

!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

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ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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