マンションにまつわるエトセトラ/2nd GIG 【路上の不動産看板たち 2】

TURN 01「路上の不動産看板たち 1」からの続きです。

前回は違法であるはずの路上のA看板達がなぜ増えるのか、それは仲介店同士の顧客獲得競争から来ているとの結論でした。

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のらえもん、我が家に投函される「こんな人があなたのマンションを欲しがっています」なチラシの買主エアプロフィールを見て笑う心構えはありますが、さすがに電柱貼り付けや道端に落ちてるA看板には、景観が害されることもありちょっと厳しいです。
電柱にマイソクや未公開物件などのお知らせが貼ってあると、後々ネタで使えるかもと写真を撮るのですが(さすがに晒せません!)、写真のログをたどるといくつか共通点が存在します。

  1. 財閥系不動産仲介ではない、カタカナ不動産の名前
  2. 店舗の所在地は物件から遠く離れた場所
  3. DMでも迷惑チラシでも見たことない
  4. ひどいのになると不動産屋の名前すら書いておらず、担当者の名前と連絡先のみ。数千万円の買い物を、よくわからない人から買えということですかね?
たしかに、遠いところで売り物件をとってしまうと、まともな集客手段がありません。例えば池袋に店舗があるのに湾岸の物件を担当しても、店舗の顧客を案内できませんし、そもそも店舗に来る客は池袋界隈の物件を求めて来店してきます。無理して両手を狙わず片手で満足するなら、こういう無理もしなくていいんですけどね。

せめてネットに強ければ救いがありますが、ポータルサイトと仲介大手各社が払っている莫大なコストを考えると、彼らと集客で殴り合っても無駄なので、ヤフー不動産に4000円の追加料金を払って上位表示を頼むくらいしかできません。

■不動産看板は誰の責任?

区域外の不動産に頼むと往々にしてこういうことが生じがちです。もちろん、業者側の立場で考えれば、せっかくとった売却部件、両手収益チャンスを逃すはずはありませんし、今月のノルマが達成できてない担当者は、警察よりも上司の追い込みの方が怖い(参考:不動産営業マンの悲哀と思考がわかる小説【狭小邸宅】)のですから、早起きして看板を置きに行くわけです。
上司もホワイトな成功モデルを部下に提示できない以上、過去の成功体験を元に熱心に部下を指導します。ビジネスモデルの悲しい限界がそこにあります。

2ndGIG
「哀れなほど、真実を知らないプロレタリアね」攻殻機動隊S.A.C.より

となると結局、地域の景観を汚すのはこうした業者に任せてしまった売主の責任、ということになります。
世間体がある財閥でもない、近くに店舗を持つ地場でもない、ネット集客ができるでもない、体力と度胸がウリの不動産仲介に売りを任せてしまうと、オープンルームの初日に、近所の電柱に自宅の詳細情報がベタベタ貼られてしまいます。
今や私の住む湾岸地域でも、ナンバーワン豊洲物件であるパークシティ豊洲B棟の黒マジック手書きで書かれた「○○万円!連絡先はこちらまで」と電柱張り紙を、ららぽーと豊洲の正面交差点で見たときには、なんとも悲しい気持ちになりました。

売主さんもいろいろ事情はあると思いますが、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の精神でいきましょう。

P.S.
いかがだったでしょうか?
一番最初ということもあり、過去の湾岸飛行メルマガ原稿を流用したので、かなり長くなってしまいました。毎回こういった濃さを維持できるわけではありませんが、気長にゆるゆると続けていこうと思っています。ちなみに歩きスマホは冗談ですので、本気になさらないでください。
こちらで感想も待ってます!

今回の元ネタ⇒⇒⇒攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

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マンションアナリスト、ブロガー、インフルエンサー。マンション購入ということに真正面から真剣に考えたブログを足掛け10年も運営しました。忙しくなりすぎて更新が滞りがちですが、スムログも引き続きがんばります、よろしくお願いします!
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