TURN 01「路上の不動産看板たち 1」からの続きです。
前回は違法であるはずの路上のA看板達がなぜ増えるのか、それは仲介店同士の顧客獲得競争から来ているとの結論でした。
のらえもん、我が家に投函される「こんな人があなたのマンションを欲しがっています」なチラシの買主エアプロフィールを見て笑う心構えはありますが、さすがに電柱貼り付けや道端に落ちてるA看板には、景観が害されることもありちょっと厳しいです。
電柱にマイソクや未公開物件などのお知らせが貼ってあると、後々ネタで使えるかもと写真を撮るのですが(さすがに晒せません!)、写真のログをたどるといくつか共通点が存在します。
- 財閥系不動産仲介ではない、カタカナ不動産の名前
- 店舗の所在地は物件から遠く離れた場所
- DMでも迷惑チラシでも見たことない
- ひどいのになると不動産屋の名前すら書いておらず、担当者の名前と連絡先のみ。数千万円の買い物を、よくわからない人から買えということですかね?
せめてネットに強ければ救いがありますが、ポータルサイトと仲介大手各社が払っている莫大なコストを考えると、彼らと集客で殴り合っても無駄なので、ヤフー不動産に4000円の追加料金を払って上位表示を頼むくらいしかできません。
■不動産看板は誰の責任?
区域外の不動産に頼むと往々にしてこういうことが生じがちです。もちろん、業者側の立場で考えれば、せっかくとった売却部件、両手収益チャンスを逃すはずはありませんし、今月のノルマが達成できてない担当者は、警察よりも上司の追い込みの方が怖い(参考:不動産営業マンの悲哀と思考がわかる小説【狭小邸宅】)のですから、早起きして看板を置きに行くわけです。上司もホワイトな成功モデルを部下に提示できない以上、過去の成功体験を元に熱心に部下を指導します。ビジネスモデルの悲しい限界がそこにあります。
「哀れなほど、真実を知らないプロレタリアね」攻殻機動隊S.A.C.より
となると結局、地域の景観を汚すのはこうした業者に任せてしまった売主の責任、ということになります。
世間体がある財閥でもない、近くに店舗を持つ地場でもない、ネット集客ができるでもない、体力と度胸がウリの不動産仲介に売りを任せてしまうと、オープンルームの初日に、近所の電柱に自宅の詳細情報がベタベタ貼られてしまいます。
今や私の住む湾岸地域でも、ナンバーワン豊洲物件であるパークシティ豊洲B棟の黒マジック手書きで書かれた「○○万円!連絡先はこちらまで」と電柱張り紙を、ららぽーと豊洲の正面交差点で見たときには、なんとも悲しい気持ちになりました。
売主さんもいろいろ事情はあると思いますが、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の精神でいきましょう。
P.S.
いかがだったでしょうか?
一番最初ということもあり、過去の湾岸飛行メルマガ原稿を流用したので、かなり長くなってしまいました。毎回こういった濃さを維持できるわけではありませんが、気長にゆるゆると続けていこうと思っています。ちなみに歩きスマホは冗談ですので、本気になさらないでください。
こちらで感想も待ってます!
今回の元ネタ⇒⇒⇒攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG
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