単独指名の質問が来ていたので回答を。火災保険っているの?って方はもうちょっとお待ちください。(半分書いたとこで止まってます)
理事会の役員をしているけど、うまくいかなくて疲れてきた。やる気の維持方法は?とのご質問です。
目次
質問は?
差出人: 匿名 さんから (お名前が”匿名”さん)
はるぶーさん、こんにちは。
いつもTwitterやブログで勉強させてもらっています。
さっそくですが、仕事やプライベートも忙しい中で、どうやって理事会活動へのモチベーションを維持されているのか教えてください。
初めてのマンション購入なのでまずは理事をやろうと思い、一役員として活動していますが、うまく行かないことが多くて疲れてきました。「どうしたらもっと良くなるのか」を考えてあれこれ提案したり話し合いを進めたりしていますが、残念ながら私の力不足で思うように進みません。
提案の理由やメリットを説明してもみなさん価値観が異なるので理解を得るのは本当に難しいです。
ただ、任期満了までまだ時間があるのでそれまでは頑張ろうと考えています。理事会の活動に疲れた時はどのようにしていますか?モチベーション維持のために心掛けていることなど教えてください。
「思い通りには進まない」は一番多いお悩みです
理事会に入ったことがないと、役員になって少しやれば、さくさくと進みそうに思うものなのですが、実際には、思っている半分のスピードもでません。私も1-2期に理事長をしたのですが、2年もやれば財政はV字回復できて、役員の任期も2年半数改選にできて、積立金を2倍以上にさっさと値上げして理事会はぬけようくらいに理事長になる前には思っていたのです。実際には、理事会が攻めのアップグレードをできる程度の財政の余裕一般会計でできるまで7-8年、法人化して任期が2年になるまで5年、最優先でとりくんだ積立金の均等割り移行にも4年かかっています。
その間遊んでいたわけではなくて、「何が望ましい理事会の方針なのかがわかる」ことと、「それを理事会⇒総会で合意形成している」ことの難易度がはるかに違っているのは理事長になるまでは知らなかったせいで、思い返してみると ”皆の意見をまとめる”のが理事会の仕事の9割くらいな気がします。
なので、“いろんな意見が交錯して思うようには進まない”のは、ある意味では「普通」なわけです。Twitterで私がやり取りしている理事長さん(多くはちょっと闇落ちしかけている)の書き込みも大半はなかなかうまくいかないというお悩みです。これは私自身もそう。
ゆっくり時間をかけてみては?
そこでくじけていても厳しい。まじめな方ほど、うまくいかない!で悩んでしまった心折れてやめていきがちなのですが、マラソンと100m走は、速さは2倍しか違わなくても、マラソンのほうが400倍遠くまでいきます。入れ込みすぎないで、スピードは抑えて「ささやかでも前進したら、いやぁよかった!でのんびり理事会をやること」と自己肯定的なのがモチベーション維持のこつじゃないかなと。
任期満了でもうやめるつもりで、そこまでの期間だけはいれこんで頑張る!と個人的にはいれこんでいても、多くの他の理事から見ると、どうしてこんなに沢山今日の審議で決めないといけないの?と思うだけだと1人だけ浮いているのかもしれません。
考えを全く変えて、スピードは今の何分の1でいいから、組合をいい方向に動かしたいなでもう少しゆっくり(次の任期も務めるかな)くらいのつもりでやってみてはどうでしょう?幸いなことに、1-2年ぼーっとしていたら会社がつぶれてしまいましたのような状況の激変は、管理組合では起こりません。1-2年、理事会の制度改革が遅れても、積立金問題の解決が遅れても、大規模修繕するはずが放置されても、別にすぐにマンションがスラムになるわけではないのです。パワーを半分に絞って、2倍の期間寄与したほうが(理事が無理なら委員会委員でも)ベターな気がするわけです。私みたいに10年以上もやってしまうともう生活の一部になって、「どこに時間をかけるべきか」の見切りも上手になって、無理なことやできないことはやらなくなりますから、かけてる時間あたり得られるものも経験年数とともに増えます。(つまり理事は「何をやらないか」の見切りが大事)
おかしな理事長が仕切ってとか、理事会内で内ゲバが起こったりして、後ろ向きに高速を爆走しているようなことさえ理事会内で起こさなければ、昨年より確実に1歩だけ毎年前に進むだけで、殆どのマンションよりはよい管理状態にすることができます。
1年にひとつでも構わないからまずは理事会自身の改革から
大事なことは、後で組合の年表とか作成したとしたときに、その年に確実に前に進めた大事なことが1つだけでもあることです。多くの理事になる人は、理事会という足場がまだ固まっていないのに ”住民からみて”の問題解決にいきなり進もうとしがちです。理事会は”何かを決めること”が仕事なわけですから、まずは、理事会内の合意形成がうまくいくための『理事会の仕組み作り』にもっと目を向けてみるとよいかもしれません。
1年にひとつでも”確実に前に進めば”よいのです。例えば、ある年に”役員の任期は2年で半数改選とする”とか、”立候補者は必ず理事として選任する”とか”重任の立候補は妨げない”とかの理事会そのもののガバナンス整備に重要になることを総会で通せればこれははるか後まで残ります。いや財政改革とかもっと目に見える成果が欲しい? 1年で達成できたことは、なくなるのも1年です。特にお金の問題は、作るより溶かすほうがはるかに簡単なので、じっとおかしなことが起こらないか見張っているだけで意味があります。
多くの活発でない理事会は、継続性に問題があるわけですから、理事会がしっかりしていないままでいきなり高度な問題に取り組むよりも、理事会をしっかりさせてしまえば、その先は3倍速で進むことも期待できるわけです。
・・・私のマンションは元は全部私が手掛けるしかなかったですが、今は4人の副理事長が各々の専門委員会を率いていますから、全委員会が同時に新規案件を手掛ける4方面同時作戦までが可能です。数年かけて理事会内での手分け作業が可能なように改革する手もあるわけです。
実際には”理事長”にならないと難しいかも
私が代表を務めているRJC48は”理事長勉強会”という名前である通り、参加200名弱の殆どが理事長さんです。理事長は理事会では同じ1票しかもっていないように見えても、”何を議題としてとりあげるか”は通常は理事長の専権事項ですから、理事長でないと(特に単なる役職のない平理事では)なにかを議題としてとりあげてもらうまでも一苦労です。理事長の意向に沿わないと握りつぶされておしまいかも。理事会の方向性・活発度は理事長が決めるところが大きいです。理事長が代わり、理事も入れ替わるとうそのように話が進むことも多い。
理事会のカラーは理事長自身が決めちゃうもんだと思うわけです。私は一人でやっちゃって、人がついてこないので、過労死一直線の”独裁型”ですね。下の図参照。
でもって、持って生まれた性格とかの要素も大きいから、理事長を取り替えないと、他の方向にはなかなかいけないです。例えば人に任せるのが下手な私には独裁型しかできない。
理事で疲弊しているなら、理事として再任可能であるという条件下でですが、理事長を目指してみてはいかがでしょうか? 理事長をしてみて、まだうまくいかないのであれば、これはもう自分の議長としてのファシリテーションの能力の問題だで諦めもつきますし、再任された理事は、経験年数も長いですから自然に要職にも推されやすくなります。独裁すれば、モチベーションはともかくとしてサクサク進みます。過労死しそうになるけど、仕事でもない理事会で鬱になっているよりはましでしょう。
まずは3人まで仲間を集めましょう
私が最初の数年やってようやく覚ったのは、理事全員が「覚醒」して、管理の情報とかを集めてばりばり活動的になることはありえないということです。まずは1人、できれば2人、同じような意識で管理組合や理事会を変えていきたいと考えている仲間を募れないと、1人だけが入れ込んでいる状態だと、いくら叫んでもものごとは変わっていきません。3人くらい集まるとずいぶん変わりはじめたな・・・というのが私の印象です。3本の矢ですかね。うちでは5期目がそれにあたります。つまり4年間私は耐えた。
3-4期あたりは、立候補重任は私1人でのこり20人近く全員1年の輪番理事で耐えていたわけですが、5期目に数人熱い仲間ができて、理事会の歴史が変わりました。
「匿名さん」はひょっとすると私と同様であんまり”理事長としての適性”がないのかもしれません。その場合は議長型の理事長の出現を待つ手もあります。私は理事長を抜けるときに、管理士さんを導入しましたが、私の依頼は”皆が理事会にでてくるようにしてくれ”で、管理士さんの答えが、”はるぶーさんは理事会でしゃべってる時間を今の半分にしましょう”でした。うーむ、なるほど。
でまぁ管理士さんを理事長としてかなり強引にお助けで起用したわけです。
図はこちらの記事から
https://www.nomu.com/mansion/library/trend/special/miyama02.html
図の左側になっているとお葬式理事会ではモチベーションとか絶対に維持不能ですよね。
なお、管理士さんからみた私は、『信長型』理事長の典型みたいです、まだ本能寺の変には至っていないようですが。私は話は1/2に!と言われたように記憶していますが、言った側は1/3だと・・・理事長とか、提案する人が延々と自説を話さないといけないのだとうまくいきません。子分とか管理士さんに話してもらって、議長やっている理事長が”うむ、今のは素晴らしいと思うが、みんなはどうだ?”が理想形で、2-3人から”仕込み”は可能ですものね。
イニシア千住曙町とブラウシアの管理組合運営上の共通点(3)
モチベーション維持のもう一つの方法
志の高い理事はマンション理事会に一人だけかもしれません。私自身も、10年くらい前にTwitterで理事会がうまくいかなくて辛い!とか夜中に書き込みをしたら、同じようなお悩みの人とやりとりができたののが”理事長の会”を始めるきっかけになりました。#中には、ちょっと鬱な理事長に、もっと頑張れ!とかいう人もいないではないですが・・・それ鬱の人に言っちゃダメやろと・・・
今理事なわけです。理事会の悩みは理事をやっている人でなければわかってもらうことはできません。 RJC48に来てみたら?とは。無数のスレッドがあって事例が紹介されているほか、今はコロナでできませんが、理事同士の飲み会(という名前の情報交換会)があって、悩みを語ると”よしよし”してもらえたりします。管理のことだけで何時間も勉強会や飲み会やってるのもかなり変わってるとは思いますが。よかったら。
RJC48 | マンション管理組合理事長勉強会
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。
はるぶーさん、「理事会活動でのやる気の維持」の質問を送った者です
回答ありがとうございました。スムログのコメント欄が見つからなかったのでこちらから失礼します。お礼なので返信等は不要です。
>>他の理事から見ると、どうしてこんなに沢山今日の審議で決めないといけないの?と思うだけだと1人だけ浮いているのかもしれません
この部分に特にハッとしました。
もう少しゆっくり気長にやってみます。私はどうも焦ってしまうきらいがあるようです。それと「こうなら良いのに」ということが沢山思い付いて暴走してしまう。1人でやるわけではないし、集まりも月1だからゆっくりになるのはしかたないのに
それでも今期の半年だけでも大なり小なりさまざまな議題が決まって前に進むことができたのでそれはよかったのだと思います。理事長は自分には向いてないと分かったのでやめておきますw
人生相談みたいになってしまいましたが、はるぶーさんの回答に助かりました。家族に話しても経験者でないと理解してもらえないんですよね。本当にどうもありがとうございました!
スムログへのメール転載でした
質問した人から
”お便り返し返し”が
あるとうれしいですね。
役にたったことがあったらなら幸いです (^^)
火災保険の者です。
お時間ある際にで構いませんので、ごゆっくりご対応ください。
理事会、やりたくないなあとは思いつつ、しかし積立金均等割は誰かがしなければならないし、でもはるぶーさんでも4年かかるなら、自分は心が折れちゃうなあ、と思いながら拝見しました笑。
理事長は皆の意見をまとめるのが9割、重いですねえ。仕事でもないのに仕事以上に疲れそうです。お疲れ様です!
積立金の均等化は、猿並みの知能でなければ、長期修繕計画と資金計画表をみれはこのままではいかんと3分で理解できます。
一方で、それを理事会を通して、総会でも通すには何年もかかることがある。”難しいのは合意形成”が99%くらいですかね。
実際にかなり増税ものは至難で、長期均等割りに移行するマンションは1年に1%くらいというのが国交省の統計です。
つまり人任せて待っていると平均で100年かかります。
保険は超あっさり。
日本には”失火責任法”って法律があるから、類焼を火元が払ってくれません。
火災保険は ”絶対” 加入したほうがいいとそれだけは。