廃墟にならずに何年住めるの?~築20年での購入 【お便り返し】

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単独指名の質問が来ていたので先に回答を書いておきますね。
ブログなんで読者がついてなんぼですが、なぜかセリフにいれるとよくよまれる言葉『廃墟』を表題に。(なお タワマン+廃墟なら表題として鉄板(苦笑)なんですが本件多分タワーじゃないですね)

質問は

差出人: すい

誰に答えて欲しいですか?
全員, はるぶー

メッセージ本文:
初めまして
中古マンション購入について相談させてください

築22年の中古マンションをこの前契約したのですが義母に「住めるのは築40年くらいなんだからローン繰り上げ返済してさっさと引っ越しなさい」と言われたのですが管理をきちんとしていれば110年まで耐用年数はある。海外でも100年越えのマンションだらけだ。みたいな記事を読んで死ぬまで住むつもりで購入しました

これから入居したとして、繰り上げ返済して引っ越した方がいいのでしょうか…?ご意見お聞かせください

親族のアドバイスはたいてい消極的

不動産の購入というのは、親からみても、子供からみても、”子供の独り立ちの象徴”のようにとられられることが多く、実家から遠くに不動産を購入とかなると、”もう実家にのほうには戻ってこないのね”ということで(親から見れば自分がもっている不動産にはもう住んでくれないということですし)割と消極的な意見を言われることが多いものです。

もし築20年じゃなくて、今度は新築を購入したのなら、昨今は、マンション価格も全国的に高騰していますから、今度は無理して買わなくても・・・といわれるだけのような気もします。購入にあたって、購入資金の一部の補助でも受けているのでもない限りは、大抵親ってのは、あんまり乗り気ではない意見をいうものだで、アドバイスは聞き流しておいたほうが吉な気がするわけです。

積極的な繰り上げ返済が必要?

また、無論お金を無駄に利息もつかないところにブタ積みしておくものでもないですから、手元に余裕資金があるのなら、繰り上げ返済しても構いませんが、”中古マンションを買ったから特に急いで”繰り上げないといけない理由もよくわかりません。

『すい』さんは、一生住むつもりで購入しています。その場合には、そのマンションを売ってほかに住み替える人ほどに、ローンの元金の残高が、マンション価格を下回るような「残債割れ」の心配はそれほどいらないはずです。

書かれているような超長期であれば、新築で買っても、中古で買っても値段は下がっていくわけで、ある程度繰り上げ返済しておいたほうが有利というのはどちたでも同じです。
一般的なファミリーマンションでも、20年もするとオーナーは半数弱は入れ替わっていきます。今は一生住むといっている『すい』さんもそうなる可能性はかなりありますので、住み替えの自由度をキープするための残債割れを気にするなら、定期的に、今のローン残高>残債であることをチェックして、その程度には繰り上げは進めておくのはありでしょう。

住めるのは築40年までって本当?

国内で建て替えになるマンションには、都心など利便性がよく開発も早かったものを中心に築40年程度というものは確かに多いですが、実際に建て替えに成功した気象な例は、経済的合理性(建て替えたほうがお得)で決まっているものが多く、建物としての寿命がきて”もう住めなくなったから”建て替えられるのではない例が中心です。

また40年前のものがなかなか住み続けるのが困難になったからといって、”今”売っているマンションが40年で同じだけ劣化するということにもなりません。何十年という長い目で見れば、マンションに使われる技術もどんどん進化してきていて、昔のマンションのように、配管が下の家の専有部の中を通っているとか、コンクリートに埋め込まれていて更新が困難であるといったマンションは、お書きになられている20年ちょっと前にはもう殆どなくなっていたのではないかと思います。

うちの周りにも築40年くらいのマンションは沢山ありますが、皆住むのに困っているようにも見えません。適切に設備や外壁などの修繕を行っていれば、「住めるのは築40年くらい」だから後20年縛りとだということもなかろうと思います。

では100年住めるの?

逆に100年超えてる共同住宅が外国にはあるから100年は楽勝というのも、少し粗雑な議論に思えます。そもそも、鉄筋コンクリート造りの共同住宅そのものに100年ちょっとしか歴史がありません。 日本のマンションと同じ鉄筋コンクリート造りRC造りで100年以上経過している建物が世界的にもあまり沢山ないわけです。100年もつかどうかは100年経ってみないとわからない

初期の共同住宅で有名なものには、「軍艦島」があります。途中で廃棄されてメンテしなくなるとこう。といってもまだ鉄筋が露出している部分もわずかでまだまだ立ってはいそうに思えますが。



一方、同じかちょっと古いくらいのRC造りのマンションで、どうみても楽勝でまだ住めそうな例もあります。この例はヨーロッパ。



マンションの場合、「長持ちするように修繕する」のは、管理組合の仕事です。管理組合は皆で運営するものですから、このどちらになるかを決めるのは『すい』さんではないでしょうか。

未来を決めるのは自分では?

短い質問ですが、失礼な言い方ながら、自分のマンションが長持ちするかどうかを決めるのは自分自身の責任でもあるという意識がすこし抜けてないかなと。

100年もつかどうかを気にしているより、22年ということはそろそろと第2回目の大規模修繕になりますね。 通常のファミリーマンションの修繕計画であれば、そのあと、EVや配管などの設備系更新をはさんで、20年くらいの間に3回の大きな工事が予定されているはずです。 それに必要な資金がマンション内で調達できないと、100年もつはずだったのに、確かに40年で漏水起こりまくりで住んでいられないマンションになってしまう可能性はあります。

100年先を考えるより、12-15年周期の大きな工事を2回先くらいまでは実施していける体制が組合にあるかどうかと気にするのがはるかに先で、そこには例えば立候補して管理組合のの理事や修繕委員会の委員に入って活躍することで、『すい』さん自身が寄与できます。



他力本願で、長持ちしてほしいなぁでは~なくて、自分が関与することで長持ちさせてみせる!で、一回一回の修繕を、高耐久な仕様で進めていくほうが建設的に思えるわけです。【 理事になれ! 顔のはるぶー】



!! 重要 !!
 本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

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