第252回 「8,000万円60㎡新築」と「75㎡8,000万円中古」・・・あなたはどちらを選びますか?

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

価格高騰が買い手の希望条件を遠ざけています。都心を望んでいるが高過ぎるので準都心から近郊に、本当は西がいいのだが東のエリアも、高層階に住みたいが手が出ないので低層階に、80㎡が希望だが70㎡に・・・などといった希望のレベルを下げざるを得ない人が増えています。

 

最近は、「当分の間は考えられないなあ」などと中断してしまった人も多いようです。また、「そのうち価格は下がるはずだ」などと語る人もあります。

 

今日はこうした声に応えて、筆者の見解をお伝えしようと思います。

 

妥協はどこまで許されるか?

マンション購入の動機や背景は様々ですが、「住むのは長くても15年」、短い人は「5年程度」と耳にすることが多く、少なくとも筆者に届く「購入希望マンションの将来価格の予測レポート」のご依頼は長くて15年後の予想です。

 

値崩れしないマンションを選ぼうとする買い手の姿勢は自然なことです。

 

「値崩れしない。損しない。できれば高値で売り抜けるマンションを」と望む声にお応えして、「マンションの客観的な評価」と、「将来価格の予測」を生業にしている筆者ですが、いつも悩むのは、「おやめになったほうがいい」と言うべきか、「将来価格は〇〇程度の期待が持てるでしょう」や、「ズバリ〇〇〇万円と予想します」と切り込むかです。

 

無論、「将来価格の予測」レポートの作成に当たっては、「ズバリ〇〇〇万円」を算出していますが、この数字を見てどう感じるだろうかと依頼者の胸の内に思いを馳せつつ悩むのが常です。

 

「本当はこんなマンションに住みたいのだが、高くて手が出ない。いったいぜんたい私はどうしたりいの?」という声なき声を聞きつつ、レポートを書き上げる仕事を10年以上続けて来た筆者ですが、短時間に大きく値上がりしてしまったマンションの現実を前に、一段と責任の重さを感じつつ、「この方にふさわしいマンションは何処だろう・どれだろう?」などと思いを馳せる日々です。

 

そもそも100点満点のマンションなぞ存在しないのです。仮に理想的な物件があったとしても、価格は異様に高く、現実的ではないので、大半の買い手は苦悩するのです。ゆえに、筆者の予測レポート。評価レポートに期待を寄せて下さるのでしょう。

 

新築と中古~それぞれの価格の成り立ち~

標題に戻って、「予算は8000万円だが、それでは60㎡しか買えない」という場合と、「中古でいいと割り切れば75㎡が買える」という場合、どちらを選択するのがベターなのでしょうか?

 

答えはズバリ、「中古を選択するべき」なのです。「新築と変わらないほど高い中古物件」とはよく耳にする話ですが、「だったら、新築がいい」という短絡的な結論にいたってしまう人をこれまで数多く見て来ました。

 

しかし、マンションの余命を考えて見てください。大昔の集合住宅(そのころはマンションとは呼ばなかった)でも築後70年、80年と住み続けることができたのです。戦後の分譲マンションはまだ50年ほどしか経過していませんが、当分は住み続けて行ける気配です。

 

最近のマンションは耐久性の高い、長持ち物件ばかりです。100年マンションのお墨付きをもらっているマンションも増えています。つまり、マンションの寿命は100年と考えても間違いとは言えません。百歩譲って、ここでは80年としておきましょう。

 

とすると、新築マンションの余命は80年、築20年のマンションの余命は60年となります。今、マンションを買おうかという人で、60年以上の長期居住を考えている人はありません。まあ、長くても40年か50年でしょう。としたら、新築にこだわらなくてもよいことになります。

 

立地が良い、建物が立派、そんなマンションなら、新築か中古かは大きな問題ではないのです。

 

「中古なのに新築並みに高いマンションを買うなんて理解できない」そんな声をこれまでに数えきれないほど聞いて来ました。「中古なのに新築並み」、もしくは「新築以上の高値のマンション」、そんな物件を選ぶ人の気がしれない。というのです。

 

新築並みの高値の中古、それを選ぶ人が多いという事実は何を物語っているのでしょうか?お分かりですね。市場価格は、誰が決めるものでもなく、売り手(大抵が個人)と買い手の綱引きで決まるのです。

 

売り手が、高く売りたいからと高額の値札を付けてみても、誰も買いにやって来ないので仕方なく売り値を下げます。少し下げても買い手が現れなければ、もう一段下げるでしょう、そこで、ようやく買い手が決まり、その価格が市場の認めた価格となるのです。中古マンションの売り値は、所有者・売り手の取得(仕入れ)価格とは無関係です

 

他方、新築マンションの売り手は個人でなく法人です。法人(企業)は利益を確保しなければなりません。従って、原価と経費に利益を加えて価格を決めるのです。しかし、その利幅は高々10%なので、下げ余地は元々少ないのです。その利益を確保しなければ企業は存続が難しくなります。このため、市況がどうであれ、価格は高いままで押し切ろうと図ります。つまり、高くて売れない苦境を迎えても、いろいろな手を使って希望価格を押し通そうとするのが常です。

 

広さ優先か立地優先か

マンションの資産性を重視する人は、広さより立地条件を優先します

タイトルのように「予算が8000万円上限としたとき、都心では60㎡しか買えない」場合が多いですが、立地条件が悪くなっても広さを確保したい事情のある人もあるかもしれませんが、多少のことなら立地条件を妥協しようと考てしまう人が多いようです。

 

このとき、多少ではなく、一線を超えてしまう買い手さんがあります。たとえば、駅から徒歩10分を超える立地を選んでしまう人、幹線道路沿いにあって騒音問題を抱える立地を選んでしまう人です。

 

「少しだけ広さを妥協すれば、もっと良い立地の物件があるのに」と言わざるをえない選択をしてしまう人もあります。

 

物件Aと物件Bを同時に買って結果を見るなどという実験はできないことに加えて、結果が出るのは10年先、15年先なので、期待外れの結果だったとしても後の祭りです。

 

「立地条件だけは妥協しないことが重要」、すなわち「駅から10分を要する物件は避けた方がいい」のです。無論、駅から2分、3分と近くても鉄道の線路沿いで騒音が激しいなど大きなマイナス要素を抱える物件があるのは確かです。それを良い立地とは言えません。

 

駅から少々離れていても、隣地が公園・緑地であったりすれば距離のマイナスを補って余りあるという場合もあります。しかし、これも程度問題で、利便性のマイナスを補って余りある環境・街並の美しさを持つ物件は稀有です。

 

新築の安値住戸を探そうとしない方がいい

現在販売中のマンションを前に、割安な住戸はないかと宝探しをするかのように価格表と間取り図、そして方位によって変わる外の景色とを照らし合わせながら、購入すべき住戸を選択しようとする人がいます。この行動軌跡を推測してみると、頭をかしげることが少なくありません。

 

例えば、下層階の安値住戸を見つけ、まるで鬼の首を取ったような喜びを見せる人がありますが、分譲マンションの値付けをするプロは「条件の悪い住戸は弱気とも見える安値に設定している」ものです。長く売れ残ると、買い手の疑心暗鬼が募り、ますます売れない期間が延びるので、早めに売れてくれた方がいいのです。高値でも角部屋や高層階住戸など価値ある住戸は黙っていても売れるので、高値を付けて得た原資を使って条件の悪い住戸の価格を下げるのです。

 

このため、確かに「安過ぎるかも」と感じる「お得な住戸」が発見できることはあります。しかしながら、筆者はその住戸を「お得な住戸」とは思いません。理由は簡単です。「安い住戸はより安く、高値の住戸は高く売れる」からです。

 

「良い条件のマンションを選ぼうとする買い手」は高値でも買ってくれるものです。言い換えると、「都心・準都心マンションは価格ありきではない」のです。安くても条件の良くないマンションには目もくれないという態度の買い手が多いのです。したがって、将来それを手放すとき、多少強気な値を付けても買い手は現れ、高値を意に介さず買ってくれるのです。

 

安値でも条件の悪い住戸を買ってしまうと、それを手放すとき、安値だった理由、例えば眺望に問題があることが障害となって買い手は中々決まらず、価格を一度ならず二度も下げてようやく成約に至るなどという残念な結果となるのです。100の値のマンションは将来120になり、80のマンションは70や60になってしまうことがあるのです。

 

狭くても立地の良いマンションを選ぶべき

中古でも近隣の新築を超える価格で流通している(買い手が付く)マンションは、それだけ価値あるマンションなのです。高いなあと感じても、市場原理で付いた価格なら正当なものと言えます。

 

新築は売り手の論理で決められた価格、言い換えれば「売り手の押し付け価格」です。簡単に言えば、今の新築はどれも高過ぎるのです。

このため、一般会社員の多くは安値のマンションを求めて準郊外・郊外へ足を延ばす向きもありますが、筆者はその行動を「感心しないなあ」といつも口をすべらせます。

 

そんな例を見ている筆者は、候補地域の選択という段階にある検討者を前にしたとき、例外なく「狭くても都心」を提言します。狭くても大丈夫の理由を次のように説明します。

 

お子さんの部屋が必要になるのはいつですか?普通は10才。であれば2寝室が必要になるのは10年後ですよね。ならば、今買うマンションの広さを2LDKとしても、10年先まで間に合うと言えませんか?2人目のお子さんのための子供部屋が必要になるとしても、更に1年先・2年先でしょうから、買い替えを考えるのは10年先でいいのです。

立地の良いマンションは築年数を重な手も高値で売ることが可能です。売却によって手元に大きなキャッシュが残ると考えられます。また、10年経過で会社内の地位も向上し、所得も増えるでしょう。としたら、もう一部屋広いマンションへの買い替えが可能となるはずです。

 

最初から3LDKにこだわって中途半端なマンションを買ってしまうと、買い替えのときに期待した値で売却することができず、より条件の悪い物件への買い替えを余儀なくされる確率が高まるのです。

 

※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 

・・・都心部・準都心の高いマンションを選択する若手階層の購買力は夫婦共稼ぎなあので例外なく高い。高値の都心・準都心マンションでも手が届いてしまう。ゆえに、都心マンションの需要層は分厚い。その階層は例外なく小家族である。少子化は当分続くので2LDK需要層は分厚い。

・・・この階層のニーズは3LDKだが、10年程度なら2LDKでも間に合う。夫婦共働きはしばらく続くはずだから、妻のことを思えば通勤時間の短さは必須条件だ。資金的な面での安全運転も考慮すれば2LDKの選択が現実的だ。

・・・10年先の資金確保のためには高値で売れそうな物件を買っておきたい。その条件は、駅に近いことを第一にするべきである。無論、駅に近ければ何でもいいというほど単純ではないので、その他の条件もにらみつつ選択すべきであるが、駅近の条件は外さないようにしたい。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。

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