第157回「マンションの価値は駅力が決め手」

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このブログは居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から「マンションの資産価値論を展開しております。

5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

筆者は、マンション選びの優先順を「街」→「マンション全体」→「住戸」と主張しています。できるだけ人気のある街で買いたいものです。そう言い続けて来ました。人気のある街は、マンション需要も多いことを意味するからです。需要が多いほど高く売ることができます。

 

人気のある街は「駅力」で表わすことができます。駅力とは、ある種のマーケティング用語です。今日は、この駅力についてお話ししようと思います。

 

●駅力とは

簡単に言えば「駅そのものと駅の周り(街)が栄えているかいないか」という指標のことです。指標と言っても、いくつかの項目ごとに大雑把に5点満点で採点し、その合計数値と考えてもらうといいでしょう。

 

調査機関によって異なり、ABCの3ランクで公表している例もあります。

 

項目とは、①生活利便性買い物や飲食、娯楽、医療施設、保育所などの充実度)、②当該駅の乗降客数、③賃貸マンションの賃料水準、④劇場やミュージーアム、大学などの数などから見る文化度、➄公園などの緑地の多さ、人口推移などです。

 

この指標は必ずしもオーソライズされたものではなく、調査機関が独自に選択して定めたものです。

 

筆者は、駅力は「賑わい度」に等しいと思っています。

 

●駅力はマンションの価値を測る重要な物差し

マンションの価値は立地条件で決まると言って過言ではなく、立地条件が良ければ建物は何でもいいとは言えないものの、資産価値に占める立地の比重は非常に大きいのです。

 

都心の高級マンションは、建物が高級というだけでなく、高級住宅街という高価で得難い場所にあることを指します。

 

極端な言い方をすれば、富裕層が予算を度外視で欲しがるような立地であること、そして建物の高級感も同時に求めるからこそ生まれる稀少価値の高い物件となっています。

 

都心の高級住宅街は、最寄り駅が必ずしも賑わいのある街というわけではありません。商店も飲食店なども十分に揃っているとは言えないのです。

それでも、限られた階層しか住めない街であることや、緑が多く環境の良い街、各国の大使館が集積しているために治安が良い街といった点でステイタスやプレスティージュを感じるのでしょう。

 

これに対し、「住んでみたい街ランキング」の上位に位置する外周部の街の共通点は、駅を中心に買い物や飲食、散策、エンターテインメントなどの各種施設が豊富に揃っていることが特徴です。

 

具体的には「吉祥寺」や「三鷹」、「自由が丘」、「中野」、「二子玉川」といった街が該当します。神奈川県では、「武蔵小杉」や「横浜」、「川崎」、「たまプラーザ」、「藤沢」といった駅・街も高い人気を誇ります。異質なところでは「鎌倉」が常に上位にランクされています。

埼玉県なら「浦和」、「大宮」、千葉県では「柏」、「津田沼」などが人気の駅の上位にランクされています。

 

●商・住・学一体の街がいい

人気のある街は「駅力が高い街」と同義語なのかしれません。言い換えると「賑わいのある街」です。

 

賑わいはどのようにして生まれるのでしょうか?賑わいは人が集まり、店が流行っている、時間帯によっては並んで待つ店もある。近隣の人だけでなく観光客のようなグループも歩いているし、デートしているらしいカップルの姿も見える。週末だけでなく、平日も人が動いている。シャッター通りはない。学生さんも中年の家族も、またシニア層も、それこそ老若男女でいっぱい。

 

このような街は、働く場所と住む場所が混在している街、大学もある街です。住むだけの街は、平日の昼はひっそりとして、賑わいからは遠いですが、昼間も人が多い街は飲食店も採算が合うので連鎖的に新規出店が増え、ますます活気ある街となります

美味しい店がたくさんあり、買い物も楽しい街はたびたび訪れるカップル、家族も多く、「こんな街に住みたいね」と語ります。そうして、賃貸か分譲かはともかく住みたい人を増やします。

 

●人気の街には土地がない

マンションに限りませんが、モノの値段は需要と供給の関係で決まります。人気のある街は、それだけ土地に対する需要が多く、対する供給(売り地)が少ないため、地価が高くなります。

 

マンション開発に限定すると、ある程度まとまった大きさの土地が必要になることもあって、人気の街では容易に取得することができません。

たまにあっても、マンション開発には条件が良いとは言えないものであることが多いのです。例えば、駅に近いが線路沿いの土地、ビルとビルの間に挟まれた狭小な土地、駅から15分も歩く土地などです。

 

いずれもネックの大きい物件となるような土地で、デベロッパーは創意工夫するものの、限界は超えられず、優良物件にはなりにくいものです。

狭小敷地では小規模マンションしか造ることができないので、建物としての風格や存在感が薄く、管理費が高くなるため「巡回管理方式」にするほかありません。

既存ビルに囲まれた敷地では、日当たりが悪いだけでなく、プライバシーの確保にネックがあったり、窓先に一定の距離がないために部屋として認められず「納戸・サービスルーム」の表示しかできなかったりといった欠点だらけのマンションになってしまうのです。

 

人気のある街の大きな土地は稀少価値が高いので争奪戦が激しく、結果的に高い値がつきます。地価(用地買収費)が高ければ、販売するマンションは高くなります。

 

●人気の街は中古マンションも新築並みに高い

駅力が高い街には、マンション開発に向く土地がないので新規に売り出されることは滅多にないものです。あっても、上述のような問題物件になりがちです。

 

潜在需要は豊富にあっても、肝腎の新規供給がないので、勢い需要は中古マンションに向かいます。

ところが、人気の駅には中古の売り物さえありません。出ているものは、問題マンションばかりです。人気の駅でネックの少ない物件は、手放す人は少ないのです。

たまに売り出す人があると、買い手はたちまち決まってしまうので、価格も強含みとなります。

 

普通、中古マンションは「取引事例比較法」によって価格の査定が行なわれ、査定額に若干のプラスをして売り出されます。買い手からの価格交渉があることを想定して3~5%くらいONしておくものです。

ところが、人気物件は売り物が出るのを待ち焦がれているような買い手もあって、価格交渉もそこそこに契約に至ってしまう傾向があります。

 

このような人気物件は、たまに出て来る新築物件より優れた条件を備えているため、価格も新築を上回ってしまうことが多いのです。

 

●忘れた頃に売り出される再開発マンションが人気に

新規開発が難しい駅・街で、たまに大きな注目を集める優良マンションを見ます。マンション開発に向くような空地がない街のこと、そのマンションは言わずもがな再開発です。

既存ビル・住宅等の建て替えということです。といっても、土地をデベロッパーが買収して開発するわけで、稀少価値が高い土地だけに引く手あまたの競争となり、高値を付けた企業が取得します。

高値で土地を買えば、マンションの売値も高額になります。しかし、それでも採算が取れると判断して手を挙げるのです。

言い換えれば、高くても売れると判断するのですが、その自信の根拠は「駅力の高さ」と「有力な競合・他社物件がない」ことにあるのは言うまでもありません。

 

再開発は、一人の地主(法人)から用地を取得して進めるものと、複数の地主をまとめて口説き落とす手法で用地を取得するケースがありますが、どちらも関係者以外の者から見れば、ある日突然空き地が誕生して、街並みが大きく変わるのです。

 

人気のある街、駅力の高い街には元々マンション建設用地はないのですから、青天の霹靂のような驚きです。武蔵小杉駅や間もなく販売が始まる渋谷公会堂の跡地計画が前者の代表格、武蔵小山駅や大井町駅、三鷹駅、国分寺駅、月島駅などで建設中のマンションが後者の代表的な例です。

 

大半が駅直結か駅前に立地する、または有名な建物の跡地開発なので高い関心を集めます。価格の公表前から累積すると、1万人という資料希望客、何千組というモデルルーム見学者を集めます。

 

ただ、その多く(90%以上)は価格の高さにびっくりし、「やっぱりな~」と落胆します。そして、予算が足りないと断念します。マンションは一般消費財と異なって売れ行きが良かったら追加生産するというわけには行かず、はじめから戸数(個数)限定商品なので、買えないこともあります。それが人気に拍車をかけるのかもしれません。

 

販売戸数が決まっているのですから、例えば500戸のマンションなら500人だけ集客できれば十分ということになります。広い東京のこと、高くてびっくりと言っても、500人なら訳はありません。何しろ、マンションの購入者は新築だけに限っても年間に4万人もありますし、1億円以上の買い物ができる人は毎年2000人もあるのですから。

 

土地がない街=人気の街=駅力が高い街、マンション供給が途絶えている街。その街の駅前に建つマンションは購買力の高い需要も惹きつけます。そのような物件は、その街が急速に人気を失って衰退しない限り、中古になっても高い価格を維持することができるのです。

もちろん、駅から少し離れていても駅力の高い街には豊富な潜在需要があるので、一定の価格維持をもたらします。

 

●駅力に乏しい街のマンションは安く買えても将来は暗い

駅力に乏しい街は、発展途上の街かその逆の衰退方向にある街、人口が減少傾向にある街ということになりますが、そのような街のマンションは価格が当然に安く、買いやすいので、つい手を出してしまう人があります。

そのようなマンションの将来は悲劇的です。

 

駅力の高い街で背伸びして買ったマンション、例えば6000万円としましょう。しかも、60㎡しかない。しかし、そのマンションが何年か後にリセールで7000万円になり、対して駅力の低い街で75㎡のマンションを5000万円で買ったら、同時期に4000万円でやっと買い手がついたというような差になってしまうからです。

 

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冒頭で、マンション選びの優先順を「街」→「マンション全体」→「住戸」と述べました。住戸すなわち広さや設備、階数、向きなども大切であることは確かですが、何より優先すべきは街、すなわち駅力なのです。

 

最後に誤解のないように補足しておきます。

都心の地下鉄の駅の場合、駅前にはこれと言って大きな施設がない、飲食店もまばらであるといった街があります。それでも価格の高いマンションが多数ある、新築は滅多にないが、有名なマンションもあって、高額な取引事例が少なくないという街が存在します。これはどう見ればいいのでしょうか?

 

都心は最寄の駅前でなくとも複数の駅が近くにあり、少し足を伸ばせばBIGターミナルも控えている。つまり、四方八方に駅があり、生活の楽しみにはこと欠かないからです。

 

・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。http://www.syuppanservice.com

 

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