理事会へ立候補を思案中だが? 【お便り返し はるぶー】

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理事会に立候補しようかなという方からのお尋ね.

質問は…

差出人: 先割れスプーン

メッセージ本文:
こんにちは。いつもブログを拝見しております。

さて、現在Aマンションに住んでおりますが、次期理事会の役員の立候補者が少ないようで、募集延長しています。
お隣のBマンションと併せてXXXX戸の巨大マンションで、また資産価値維持の意識が高い住人が多いとは思うのですが、意外と立候補される方がいないのにびっくりです。実際はどのマンションでもそんなものなんでしょうか。

また、仮にこの巨大マンションの理事会役員を立候補した場合、相当プライベートにも負荷がかかることも想定されますが、実際のところ、どこまで役員が行動し、どこまでが管理会社がやるものなのでしょうか。やはり意見集約などが収集つかずににっちもさっちもいっていないとか・・・

せっかくですので、一回くらい役員を経験してもいいのかと思っておりますが、本音をご教示いただければ幸いです。

(マンション名は伏字にしました)

まずは状況を訊きにいっては?

私個人として当該両マンション関係者の方とはつきあいがあり、理事会の種々の苦労談も仄聞していますので、ここで意見すると関係者の皆様に不測の影響が及ぶおそれがあります。

申し訳ありませんが、この質問への直接的回答は控えさせていただきます。

理事会に立候補を考えているということで理事長さんなど指導的な立場にある方とお会いになって詳しくお話を聞かれてはいかがでしょうか?
… 紙に書いて立候補だしてくださいだけではなかなか決心できないですから。タイミング的に間に合うなら一度は理事会やってるとこ見てみたいですよね。傍聴を許してくれるかどうかはマンションごとのルールなので私は知りませんが。

ということでここからは一般論です。

メガマンションの理事の負担は大き目

Aマンションと、Bマンションは共用部の相互乗り入れがあり、その部分を扱う管理組合は別組合です。他に敷地部分などの管理と併せて2マンションで合わせて確か4つの管理組合が存在するという輻輳した組合構造だったかと思います。戸数に比して、A/Bマンションの共通理事会も組織する必要からお住まいのマンションの理事会の人数は戸数に比して抑え気味です。戸数も並みのマンションとか桁違いですし大変か?といえば「相当に大変」であることは確かです。
(メガマンションほど、戸数/理事数比は大きくなります。1人の理事が時に1つのマンション分に近い戸数のお世話をするわけです)

一方でまだ築浅なので、理事会に悪い癖がついているわけでもなく、改革は進めていきやすい期数です。両マンションとも2年アフターサービスでは先進的な取り組みを実施していて、やりがいもあるんではないかなと思います。
とても大変だけどやりがいはあるでしょうし、自分で何かを変えたという実感を味わうこともできるでしょう。どちらをとるかだと思います。

メガマンションでも理事が立候補ではなかなか埋まらないというのはごくごく普通ですからとりたてて心配される必要はないと思います。やはり積極度が立候補理事のほうが上ですから理事会から見ると立候補者は欲しいものですが。

<大規模マンション理事会の例(某所)>


負担が重いと思うか、楽しめるか・・・

全て管理会社任せという組合ではなく、組合の自主性・自律性が高いほどに理事が関わる総時間は増えていきます。理事の拘束時間を最小化するためでしたら、管理会社に全てお任せして、理事会でぎりぎり過半数でてきた理事が挙手だけしていれば、楽といえば楽です。一方でそれでは絶対楽しくはありませんよね。

私が理事長だった最初の2年間私はとにかくほかの理事を拘束する時間を減らすように進めていました。そのために私やっておくよで多分2年で2000時間程度は理事会に関わったかな。引退したお爺さんならともかく、現役がそれじゃ過労死ですね。

今の理事長は全く逆で、拘束時間が長くてもいいから「全ての理事が自分がいたからなにかこのマンションは変わったんだ」を実感してもらえるように進めています。理事会は3時間程度かかりますが、その殆どは管理会社からの報告ではなく、理事会側が自分で作り出したなにかを代えていくための議論に費やされていて、ともすると管理会社の人は報告を飛ばされそうになっていたりします。理事会を現実的な時間内に抑えるための常設の専門委員会の数もとうとう4つになって、各々に2時間ほどかけているので、全部の会議にでると(理事長全部出てるみたい…)月に11時間ほど議論してることに。

管理会社は今と同じ状態をキープする”守り”には強い部分があります。優秀な担当者や、管理員さんなどをあてがってもらえば、戸別のマナー問題などのクレーム案件が理事会に直接持ち込まれることは殆どありません。

一方、管理会社が組合の財政問題などを真剣に考えてくれるとかはありえないわけで、組合にとって真に重要な問題(積立金の値上げの決定などが典型的)や、規約細則など組合のルールの変更、組合理事会のありようなど理事会のガバナンス改革など、積極的に”何かを変えていく”攻めができるのは、理事会だけです。

理事にならなければ、それを人任せにして結果を待つことになります。一般のオーナーって総会議案に賛成するか反対するかくらいしか組合には関与しませんものねね。私は、いろいろと注文のあるほうなので、理事会に入らなければ、総会で厳しい意見を出しまくる”総会屋さんに”になってしまうかなと思って、理事になることを選びました。抜け時を失った感もありますが。

<初回理事会後の”ミステリーツアー”:屋上は普段立ちいりできません>


案外楽しい(かもしれない)理事会

うちの理事会は、法人化されて2年任期ですが、実は2年の任期が終わってもまた理事会に再立候補するなどで、4年6年とやっている人のほうが多数派です。2年もやったのに、まだ望んで”留年”して”卒業”しない人のほうが多いわけです。

大変かといえば結構負担感はあります。普通の理事の人で、年間に会議やその書類とりまとめなどで拘束される時間は100時間平均、委員会に参加する理事は、2年で48回の会議に週末の貴重な時間を潰して出席しています。

うちは期が変わって9期目になり初回の理事会をしたところ。初回理事会そのものは2時間で終わりました。それで解散してもいいわけですが、わざわざ館内の”ミステリーツアー”をして、午後は楽しく懇親会をしました、もちろん自腹です。こっちのおまけの方がずっと時間は長くかかってるんですよね。

 でも結構楽しそうでしょう?




懇親会は毎月やっていて、特に我がマンションはどうあるべきかとか喧嘩寸前の熱い議論がなされていることもあります。
⇒ 割と楽しげにやっている初回理事会の図
しかし初回理事会の様子を撮影して集合写真こみでWeb掲載してるとか余裕かましてますねぇこのマンション…

理事会活動は、たまたま同じ建物に住むことになった仕事も年齢も全く違う人同士が、マンションをよくしようという方向で一緒に活動してお友達を作れる折角の機会です。

「一回くらい理事を経験してみる」のもありなんじゃないかなとは思います。

私は、理事を過去にやった100戸以上の方と知り合いになれました。逆に”楽しくできない”のであればすぐに辞めちゃおうと思ってもいます。義務感でやっても長くはもちませんからね。

しかしはるぶーが精神論を語るのはらしくないですなぁ…

     
!! 重要 !!
本ブログの内容は、著者の個人的見解であり、著者の所属するマンション管理組合、勤務先、RJC48も含めその他所属する一切の団体の意見、方針を示すものではありません。

ABOUTこの記事をかいた人

マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。

4 件のコメント

  • 100世帯マンション管理組合理事長 より:

    管理組合の役員は、もちろんやる気のある人の立候補はかまいませんが、義務の機会均等公平性の面から輪番制が良いと思います。
    ただ立候補する場合は明確な目的意識が必要です。何のために敢えて立候補してまで役員をやるのか?です。
    また何期も留任する役員は一端は退場してもらい、インターバルを置いてから再度立候補なりしてもらったほうが良いでしょう。
    理事会に何期も留任している役員は、往々にして支配欲が強く理事会を牛耳る動きに出やすいことを、過去に数箇所のマンションの役員をやったときに経験しています。
    それから役員に就任するなら管理規約・使用細則・区分所有法は勉強する必要があります。管理組合は建物資産管理です。建築や設備の勉強も怠らず。

    • はるぶー より:

      該当するマンションは一部乗り入れのある部分で2棟で構成される
      理事会がカバーする範囲は1000戸を軽く超えています。
      例えば”立候補”という制度があるマンションは国交省のH25のマンション
      総合調査のアンケート集計結果によると32%しかありませんが
      規模が500戸を超えると、88%になります。
      (これは同規模での輪番制度の採用割合70%をは超えています)

      100世帯と1000世帯では随分スタイルが変わってくると思います。
      おっしゃる通りで、”立候補を優先” ”輪番も併用”の場合その優先順で
      原始規約には多選制限はないのが普通ですからずっと理事長が同じという
      ことは起こり得て、これはその人が不適当な人であった場合には害がある
      かもしれませんね。一方で管理会社が10年同じでも誰も不思議には思わないのに
      理事会をずっとやっていてはいけないと”ルール化”するのには私は違和感があります。
      、、、理事長はずっと同じは確かにあんまり感心しませんけどね。

      100世帯だとそんなに理事の数も多くはないでしょうが、メガマンションだと
      理事会の規模も大きくなってきます。 うちは今はいろいろな形で理事会に関わっている
      人は理事会だけで29人。この全員が区分法まで通暁していることが必須かというと、
      法務担当部門があり、別途管理士も毎回理事会に出席しているわけですからこれは
      言い過ぎじゃないかなとは思います。 理事長なら一定の理解があったほうがいいでしょうが
      それとて必須ではありません。 もっと大事な能力があると思うから、私のほうがそれには
      詳しいですが、今うちの理事長は別の人です。
      。。。うちの理事長には人集めの能力と、人のやる気を引き出す能力があります。
      個人技をいくらきたえても所詮は1人分にしか貢献はできませんから。

      このブログは極論すればただ1人の質問者のためにあげたものです。ここに書いたことで
      これ以上の議論は致しません。 ご了承ください。

  • 裏方理事長10回目 より:

    ブタの上にもソクラテス

    なんか小説のタイトルになるかも

    私の理事会~ブタの上にもソクラテス

    たいしたものだ

    わらわら(*^_^*)

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