第72回「人口減・高齢化社会とマンション選びの留意点」

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少子高齢化が進み人口減少時代に入ったことで、住宅・マンション市場にマイナスの影響を与えるという意見をよく聞きます。この問題をトレースしてみたいと思います。

 ●少子高齢化と住宅需要の後退

「少子高齢化」と一言でくくられることが多いですが、分解すれば寿命の延びが高齢者を増やす一方、結婚しない男女、子供を産まない女性が増えて若年世代が減ったことを意味します。

寿命の延びと新生児の減を差し引きして、人口が減るという現象をもたらしているわけです。既に日本は人口減少時代に入ったことが知られています。

 

人口が減っても、昔のように世帯分離(核家族化)が進めば、伴って住宅需要も増えて行くはずですが、今は世帯分離ができないほど一世帯当りの家族数は減ってしまいました。つまり、一人世帯は分離しようがないというわけです。

親と同居したまま、いつまでも結婚しない子供が増えていることも住宅需要の減少要因になっています。

 

●家余り現象の影響

現在、住宅戸数は世帯数を大きく上回っていると言います。すなわち空き家が全国に1千万戸もあるというのです。それにも関わらず、毎年新築住宅がたくさん造られているのは不思議な気がします。もちろん、ピーク時から見たら新築住宅の数は大幅に減っています。

 

家が余っているのは統計上のことで、廃屋も計算に入っていますし、半分しか居住者がいない古いアパートもあります。別荘など1世帯が2軒の家を持っている例もあるので、世帯数を上回っていてもおかしくはないのです。

 

居住可能な家でも老朽化が進んでいることにより、また耐震性能が著しく低いため建て替えの必要があるという家が多数あります。このため、新築住宅は、毎年一定量が必要と考えられます。

 人口が減れば、必要な住宅の数も減って行きます。古い家は、建て替えでなく、そのまま廃屋として放置される運命にあると言います。現に、郊外の住宅団地では空き家のまま放置されて様々な問題を引き起こしていると聞きます。

 

こうなると、住宅の価値も低下して行くのは必定です。売り手二人(2軒)に買い手が一人という状態になれば、売買価格が半値以下になってもおかしくないほどです。

 

●人口減少と高齢化は東京に無縁か?

日本の人口減は、首都東京には及んでいないのでしょうか?東京だけは例外のような気がしますが、本当はどうなのでしょうか?

 東京も高齢化が進んでいるのは間違いありません。しかし、地方都市ほど目立っていないのも事実です。それは、地方から東京へ集まる若者が多いからです。

東京には、多数の外国企業が進出して来ます。若いベンチャー企業の誕生も多い街です。多数の企業が集まる東京の方が、情報もビジネスチャンスも多いと考える人が多いのでしょう。

平たく言えば、東京には仕事があるからです。地方から東京の大学に進学した若者は卒業後そのまま東京に残るという話もよく聞きます。

 

円高のせいだけでなく、多くの日本企業が海外へ流出するという側面もありますが、それを埋めるだけの新規参入企業・ビジネスが生まれているのです。

 

かつて、東京一極集中の弊害が問題視されたときもありましたが、随分緩和されたようです。しかし、今も集中は続いています。

 

子供が誕生しない分を、他所からの若者の人口流入で補っているとも言えましょうか?

東京に先住している独身者は、親の家に住み続けることも可能ですが、他所から来た人は東京でマイホームを取得する道を選びます。東京の新築マンションの購入者の1015%は単身者(リクルート調べ)ですが、それが証拠と言えるでしょう。

 

●都心回帰と郊外住宅の悲劇

遠い将来は分かりませんが、東京の場合、ここ当分は根強い需要が続くと考えてよいはずです。

 

しかし、東京でも忍び寄る変化は隠せません。それは、高齢者が郊外住宅を売り払って都心に回帰して来始めたことです。子供の独立で持てあました一戸建てを売却して、都心のマンションに移り住む人が増えているのです。

 

この傾向は、今後ますます強まって行くと予想できます。それは、郊外住宅地の需給バランスを崩します。郊外のマンションも同じです。売り物が増えて買い手が少ない状況が、価格を低下させることでしょう。

 

中古価格が買い値を上回ることも少なくない都心マンションに対して、郊外マンションの価格の下落は激しいものになる可能性が高いのです。いえ、既にそうした傾向は始まっているのです。

 購入価格の半値どころか、3分の1の価格でも買い手がつかない、そんな現象はもう見え始めています。

 

●価値が変わらないマンションの条件は?

ここまでに述べた通り、時代の波は確実に東京圏にも押し寄せて来ています。そんな時代を想定してのマンション選びを考えることは無駄ではありません。

 

そこで、できるだけ将来価値が維持される条件を加味して物件選択をするようお勧めしたいと思います。 

その条件とは、次の2つが最も重要です。 

条件①は、都心にあること、または都心にアクセスが良いことです

条件②は、駅近であることです5分以内が理想です

 この二つの条件が備わっている物件を選べば、時代が変わっても需要があり、その価値は維持されるはずです。

 

・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございます。

 

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