管理の善し悪しは資産価値に直結するのか?②「管理会社変更は資産価値を毀損する?」

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前回はこちら⇒管理の善し悪しは資産価値に直結するのか?①「管理費と修繕積立金」

リストラ・解雇のイラスト(男性) いらすとやより


前回の記事をアップしたところ「①ということは続編もあるんですよね?」と足立のはるちゃん(仮名)から圧を感じたので早めに続編を上げることにしました。
今回は管理会社変更(リプレイス)についての話です。といっても、管理組合の中からの話ではなく、管理会社を変更した区分マンションを商品として扱ったり、管理組合にアドバイスやコンサルティングをする立場からの話ですのですみわけはできています。(エクスキューズ)

管理会社を変更したマンションについて思うこと

まず区分マンションを商品として扱う立場から申し上げると、管理会社変更をしたマンションはやりづらいと感じることが多いです。
というのも、次のようなケースが多いからです。
1.竣工時の申し合わせ(境界や越境物、駐車場の権利関係など)を知らない
2.重要事項調査報告書(重調)も管理変更以降のことしか書いていない
3.会社の人数が少なく、連絡がつかない

1と2ですが管理会社を変更する場合、前管理会社とはあまり良い関係でなくなっていることが多いです。
そうすると新管理会社への申し送りや竣工時の経緯などもおざなりになりがちです。
あるべき資料を持っていない(引き継いでいない)ケースもよく見ます。
3は管理費が安いという理由で新管理会社に変更しているケースだと、一人一人の担当物件数も多く、なかなか担当者が捕まらないとか重調が全然来ないこともあります。
つまり管理費節減に伴うサービスの低下を仲介も引き受けなければならないということになります。
それだけならお前が黙って受け入れろやという話になるのかもしれませんが(嫌でございます)、引き継ぎの不備で権利関係が不明になったり境界関係でトラブルが起こると融資や購入者のマインドにも悪い影響を及ぼすことになります。

「いやでございます」(横山光輝「三国志」より 孫詔)

そもそも管理会社を変更する必要はあるの?

どこの管理会社もサービスの原価や利益の幅はそれほど大きく変わらないのですから、管理費を節減するだけなら管理会社を変える必要はなく、サービスの取捨選択をすればいいのではないでしょうか。
(よくはるぶー先生が例に挙げるようにタワーマンションの若いお姉ちゃんコンシェルジュをシルバー人材センターに変える節約が求められている改革かどうかは別の話です。)
サービスの原価計算ができればどこをどういじればいくら減らせるかはわかりますし、それができない状態で管理会社変更をしようものならマンション管理士と新管理会社にふっかけられて修繕積立金もねこそぎ取られて、追加の管理費や修繕積立金を課されて草刈り場にされてしまってもおかしくありません。


結局のところ、「管理会社を変えればすべての問題が解決する」なんてことはなく(そういう甘言を弄するマンション管理士や管理会社はいますが)、当事者たる管理組合ひいては区分所有者が当事者意識を持って当たらないことには解決しないものなのでしょう。
かつて「政権を交代すればすべての問題が解決する」と言った政党がありました。その顛末は皆さんご存じのはずです。
「今の自分の評価はおかしい。転職すればもっと評価されるはず」と言って職場を去って行った人が新天地で大活躍しているのを聞いたことがありますか?私はまだありません。
JFKは「国が何をしてくれるかではなく、国に何ができるかを考えろ」と言いましたが、区分所有者はそのマンションの国民のようなものです。
管理においても、誰かに問題を解決してもらう、人任せにする、というのではなくどうやったら解決できるのかを真摯に考え、時間や知恵を割いて献身していくことで初めて解決の道筋につながっていくものだと思います。
今回はそんなところで。

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