【お便り返し_37】マンションのリセールは、管理費と物件規模の影響を受けるか

すまいよみです。

お便りをいただきました。ご指名ではありませんが、私からお答えしたいと思います。

“小規模マンションについて

こんにちは!

いつも楽しく拝見しております。

購入を検討している新築マンションがあり、実需利用しつついつかはリセールしたいと考えております。

個人的メリット
・小岩駅駅2分
・間取りや設備が理想的
・再開発予定

個人的デメリット
・24戸の小規模のため、管理費が高くリセール時点ではかなり高額になりそう
・再開発地区からは若干外れているため街自体は綺麗ではない

今高値で出ている中古マンションが、かなり大規模なものが多くやはりある程度リセールを重視すると駅からの距離だけでなく、マンション規模も重要なのか、と気になっております。

よろしくお願いします。”


(原文のまま)

ありがとうございます。早速ですが、ご返答致します。※ちなみにリセール時点では、管理費ではなく修繕積立金が上がる可能性が高いです。

マンションのリセールは、管理費と物件規模の影響を受けるか

【結論】

あまりに大きい負担のランニングコストや、さみしい小規模マンションだと、立地や周辺環境など条件次第で影響が出る場合がありますが、人気のエリア、駅近立地など需要が多い場所では、影響は少ないと考えます。

【前提】

リセール、RV(%)は騰落率ですから、後々の相場に影響するかを見る上で大事なことは、購入時の売出し価格です。

RV(%)=(中古の価格 / 購入時の価格 ✕ 100)

条件が悪いマンション(住戸)は、相対的に価格を下げて販売します(値引き後でも同じ事)。条件の良し悪しで売出し価格が同じだったら、悪い住戸がリセールにおいては影響を受けるのは当然です。

タワーマンションが高く売れるとすれば、リセールを見る以前に売出し価格も高いはずです(近年では圧倒的にリセールの伸び率も高くなっていますが、、、)。

そこを前提として押えておきましょう。

 

小岩エリア(東京都江戸川区)の例

小岩駅周辺の相場動向

小岩(東京都江戸川区)の築浅マンション相場動向を確認します。
※駅徒歩10分以内、築15年以内、60㎡以上(すまいよみ調べ)

22年4月~23年3月
成約16件
坪単価247万円(+8.8%)

多くが蔵前橋通り南側、駅周辺の物件に偏っていました。駅徒歩分数は平均4.3分。特に直近22年下半期では成約9件で坪単価264万円(同期比+12.3%)。プラウドタワーの竣工や再開発の輪郭が想像できるようになってきて、明らかに駅周辺のマンションへの人気が高まって相場が伸びています。

一方で、駅から距離がある物件だと、築古や小規模含めマンションの競合が更に多くなり、住宅地に入ってくるため戸建ての競合も出てきます。検討する層も変わってくるため、管理費が明らかに高かったり小規模のマンションが主要検討層のファミリーにとって敬遠され、売却に時間がかかればリセール悪化の要因になる心配は出てきます。

以上を踏まえて、小岩エリアの駅近でマンションを探す際の、管理費と規模感の影響を見ていきます。

 

管理費の影響について

例えば、足立区、北千住駅徒歩3分の「千住ザタワー」は、管理費が㎡あたり510円(70㎡で35,000円以上)と相当高く、私も分譲時に検討しながら悩むくらいでしたが、駅徒歩3分、タワー人気などを踏まえて購入したい人は一定数います。あっという間に完売し、その後は、4年前の分譲時7,500万円程度だった71.54㎡住戸高層階が、今年の2月に9,500万円前後で成約されています。

実際に、「プラウドタワー小岩ファースト」の管理費も㎡あたり400円近く(70㎡で28,000円前後)で中々の負担感でしたが、あっという間に完売する人気ぶりでした。

プラウドタワー小岩ファースト(2022年築)



板状タイプの小規模とでは比較検討が異なりますが、新築ではランニングコストがどこも高くなってきているので、エリアの魅力、駅近の利便性の高さと天秤にかけたときに、管理費でリセールに差がつくことは考えずらいでしょう。

 

物件規模の影響について

次に駅近の物件を戸数別で出してみました。サンプルを多くするため過去3年分。
(20年4月~23年3月、駅徒歩5分以内、築15年以内、60㎡以上住戸)

小岩駅徒歩5分以内の相場
50戸以上、20件248万円(タワー除く)
49戸以下、5件240万円

隣駅も参考までに。

新小岩駅徒歩5分以内の相場
50戸以上、20件252万円
49戸以下、6件250万円

ご指摘のとおり、小岩駅には駅近でも利便性が高く目を惹くランドスケープの大規模物件が多いため、若干相場が異なる結果になりました。それでも5%以内。新小岩駅ではほぼ同じでした。

その時のタイミング、誰が検討しているかによって成約物件、条件面は異なってきますし、そもそも全く同じ物件は無いので、それほど気にかける必要はない範囲と考えます。冒頭で触れたように、再開発の期待感もあって相場は伸びてきており、特に駅近立地物件だけで十分強みがあります。

 

妥当な購入価格について

リセールを考える上で肝心な価格ですが、「プラウドタワー小岩ファースト」の中古が坪単価400万円近く、今後の再開発で分譲されるタワーがおそらく400万円台に乗ってくるでしょうから、駅徒歩5分以内、板状タイプの新築であれば坪単価300万円台前半くらいなら将来性も含めて検討しやすいのではないでしょうか。

 

最後に・まとめ

大規模再開発を控え人気が上昇中の駅近立地のマンションを選ぶ際は、多少の管理費の負担感、規模感の違いがあっても、リセールを強く気にかけること無く、欲しいと思った物件を検討して良いと思います。注意するとすれば、価格が周辺相場に比べて割高ではないか、少しでも良い住環境や居住性が高い部屋をしっかり選んでおくことです。

簡単ですが、以上になります。

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東京東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)のマンションを日々探訪しています。
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