ご質問にお答えして   三井健太

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ご質問: 最近アメリカの金利が上昇し、日本の金利上昇も近いのではないかと考えています。

そこで教えて欲しいのですが、日本の金利が仮に上昇した場合、首都圏の新築、中古マンションに対して、それぞれどのような影響がありそうでしょうか。出来れば過去の実績を元にご回答頂きたいです、宜しくお願い致します。

※三井健太がお答えします

 

1)金利上昇の直接の影響について

金利が上がりそうという空気があるようですが、先行きを読むのは誠に難しいというほかありません。

ともあれ、上がるかもしれないと考えるのは良いことです。

しかしながら、金利の上昇が実際に起きても一定限度までは激変緩和措置を講じてくれるので致命的な問題を抱えることにはなりません。

 

市場の金利に連動するタイプの住宅ローンは、半年に1回(通常4月1日と10月1日)、金利が見直されます

但し、金利が上がっても下がっても、返済額の変更はすぐには行なわれず、5年に1度と定められています。しかも、返済額の上昇幅は最大で25%までとなっています。

 

つまり、変動型ローンを利用中、金利が急上昇したとしても、家計に重大な影響が起こらない措置を取っていることになります。

返済額が増えるまで、5年間という猶予をもらえるのです。なおかつ、25%以上増えることはないように計算してくれるというもの

 

少しくらいの金利上昇であれば、さほど影響はないでしょうが、大きく上昇したようなときは、ありがたい措置ということになるでしょう。これが「激変緩和措置」です。

 

(注)ただし、返済金額は5年間見直されないため、上昇した金利により増えた利息がたまってしまう場合、あるいは、金利返済優先で計算されるために元金が減らない場合があります。

そのため、5年後から毎月の返済金額に影響を及ぼす可能性はあります。

 

言い換えましょう。

金利は半年ごとに見直されますが、毎月返済額の見直しは5年ごとです。5年以内に金利が上がったら、その時点から返済額に占める利息の割合が増え、元金の割合が減ることになります。5年後の返済額見直しの時期になったら、その時点の元金残高と金利で毎月返済額が再計算されます。

 

金利が上がると6年目から毎月返済額はアップしますが、それまでの返済額の1.25倍までが上限というルールが適用されるというわけです。

 

2)金利上昇とマンションの売れ行きの関係

言うまでもなく、ローン金利の変動は返済額に影響を与えます。

例えば、5000万円を変動金利0.5%で借りた場合と、固定金利1.2%で借りた場合を比較してみます。 どちらも35年ローンとします。

 

返済額は、変動が12万9792円、固定が14万5851円です。 その差は1万6059円なので、年間では19万余になります。 仮に5年間、変わらなかった場合、固定金利を選択した場合、約96万円も多く返済することになってしまいます。

 

それでも、変動型ローンを選択する人が足元では70%もあると聞きます。

これから金利が上がってしまうと、販売にはどの程度の影響を与えるのでしょうか?

 

変動型の場合、毎月の返済額は1万6000円増えるだけです。 とはいえ、1万6000円も増えるとも言えます。 5000万円のローンを利用する人の所得は、返済限度を年収の25%以下と仮定すれば、年収670万円以上が必要になります。

 

このクラスの購入者にとって、毎月1万6000円×12=年間19万円余の増額は軽くないはずです。 無理はしたくないと考える人は、購入予算を下げようと動くことでしょう。

 

そうなると、マンションの価格は下がるトレンドに向かうでしょう。と言っても、新築マンションの場合は価格の下方修正は遅れがちです。 なぜなら、売主企業の売り上げ計画、利益計画は硬直的だからです。

 

値下げは簡単ではないということです。中でも、既に何割か販売が進んでいる物件は価格引き下げができないものです。

 

下がるとしたら、用地を取得したばかり、もしくは新たに用地取得する物件からということになるでしょう。 したがって、値下がりするのは数年先になるかもしれません。

 

中古マンションに対象を転じてみます。 中古は個人所有であり、売れなければ資金計画に重大な障害が生じます。したがって、価格を下げる「値引き」の決定は早いものです。 市場全体で見れば、中古の値下がりは時間を待たずに始まると見ることができます。

 

とはいえ、人気物件は資金力に余裕のある買い手が多く集まるので、金利が少し上がったくらいでは殆ど影響を受けないのです。 言い換えます。金利の上昇で売れ行きが悪化するのは、中低額マンションの場合です。

 

 

※金利が上昇した場合、首都圏の新築、中古マンションに対して、それぞれどのような影響があるか、「出来れば過去の実績を元にご回答頂きたい」というご質問には、お答えが困難です。 

売れ行きは、金利の変動だけでなく、景気動向や価格動向などが影響するだけでなく、購入物件の地域、人気度がが影響するためです。

 

以上、三井健太がお答えしました。

 

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